- 売上高: 666.54億円
- 営業利益: 43.27億円
- 当期純利益: 33.17億円
- 1株当たり当期純利益: 117.34円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 666.54億円 | 666.12億円 | +0.1% |
| 売上原価 | 545.15億円 | 546.98億円 | -0.3% |
| 売上総利益 | 121.38億円 | 119.13億円 | +1.9% |
| 販管費 | 78.10億円 | 82.91億円 | -5.8% |
| 営業利益 | 43.27億円 | 36.22億円 | +19.5% |
| 営業外収益 | 3.04億円 | 10.03億円 | -69.7% |
| 営業外費用 | 7.69億円 | 5.16億円 | +49.0% |
| 経常利益 | 38.63億円 | 41.08億円 | -6.0% |
| 税引前利益 | 42.56億円 | 41.08億円 | +3.6% |
| 法人税等 | 9.39億円 | 8.28億円 | +13.4% |
| 当期純利益 | 33.17億円 | 32.80億円 | +1.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 26.20億円 | 23.63億円 | +10.9% |
| 包括利益 | 22.74億円 | 28.69億円 | -20.7% |
| 減価償却費 | 16.00億円 | 15.92億円 | +0.5% |
| 支払利息 | 1.81億円 | 3.38億円 | -46.4% |
| 1株当たり当期純利益 | 117.34円 | 106.11円 | +10.6% |
| 1株当たり配当金 | 20.00円 | 20.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 828.99億円 | 830.45億円 | -1.46億円 |
| 現金預金 | 204.43億円 | 203.88億円 | +55百万円 |
| 売掛金 | 303.59億円 | 299.72億円 | +3.87億円 |
| 固定資産 | 237.19億円 | 237.80億円 | -61百万円 |
| 有形固定資産 | 199.97億円 | 193.94億円 | +6.03億円 |
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 20.25億円 | 27.01億円 | -6.76億円 |
| 財務活動によるキャッシュフロー | -11.93億円 | -13.70億円 | +1.77億円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 1株当たり純資産 | 2,764.46円 |
| 純利益率 | 3.9% |
| 粗利益率 | 18.2% |
| 流動比率 | 251.6% |
| 当座比率 | 251.6% |
| 負債資本倍率 | 0.52倍 |
| インタレストカバレッジ | 23.91倍 |
| EBITDAマージン | 8.9% |
| 実効税率 | 22.1% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +0.1% |
| 営業利益前年同期比 | +19.5% |
| 経常利益前年同期比 | -6.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +10.9% |
| 包括利益前年同期比 | -20.7% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 25.00百万株 |
| 自己株式数 | 2.53百万株 |
| 期中平均株式数 | 22.33百万株 |
| 1株当たり純資産 | 3,114.81円 |
| EBITDA | 59.27億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 20.00円 |
| 期末配当 | 40.00円 |
| セグメント | 売上高 | 営業利益 |
|---|
| MobileAudioSegment | 65.94億円 | 3.75億円 |
| SpeakerSegment | 547.89億円 | 37.53億円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 1,350.00億円 |
| 営業利益予想 | 70.00億円 |
| 経常利益予想 | 65.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 42.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 188.06円 |
| 1株当たり配当金予想 | 40.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2026年度第2四半期のフォスター電機は、売上横ばいの中で利益率改善により営業利益が2桁増益となり、総じて良好な四半期でした。売上高は666.54億円で前年同期比+0.1%と伸び悩んだ一方、営業利益は43.27億円で同+19.5%と大幅に増加しました。営業利益率は6.5%と推計され、前年の約5.4%から約+106bp改善しました。経常利益は38.63億円で同-6.0%と減益で、営業外費用(7.69億円)が営業外収益(3.04億円)を上回ったことが響き、経常利益率は約5.8%と前年の約6.2%から約-37bp低下しました。最終的に当期純利益は26.20億円で同+10.9%と増益を確保し、純利益率は3.9%と前年約3.6%から約+38bp改善しました。粗利益は121.38億円で粗利益率18.2%を確保し、ミックス改善やコスト適正化が示唆されます。販管費は78.10億円で、粗利に対する販管費比率は約64.3%と試算され、固定費吸収の進展が営業レバレッジの源泉とみられます。営業外では支払利息1.81億円に対し、受取利息1.49億円・受取配当金0.26億円を計上するも純額でマイナスであり、経常段階の頭打ち要因となりました。ROEは3.7%(デュポン:純利益率3.9%×総資産回転率0.625×レバレッジ1.52)で、収益性の回復が寄与するも資産効率とレバレッジは抑制的です。営業キャッシュフローは20.25億円にとどまり、純利益26.20億円に対する比率は0.77倍と、利益のキャッシュ化に課題が見られます。短期の流動性は流動比率251.6%、当座比率251.6%と厚く、負債資本倍率0.52倍、インタレストカバレッジ23.9倍で財務耐性は高水準です。設備投資は21.84億円と積極姿勢で、営業CFベースではコアFCFは小幅マイナス(約-1.6億円)と推計され、成長投資優先の局面です。EPSは117.34円、期中平均株式数2,233.3万株からの純利益整合性は良好です。ROICは6.0%と開示され、7-8%の一般的な目標水準には未達ながら改善余地が見込まれます。今後は、売上の停滞を打破する新製品投入・顧客ポートフォリオ改善と、金利コストを含む営業外のマイナス影響の圧縮が鍵です。営業CF/純利益が0.8倍を下回る収益品質の警告が出ているため、運転資本の改善(売掛金・棚卸の回転)と安定的なキャッシュ創出への転換が重要です。総じて、利益率のモメンタムは良好だが、売上鈍化とキャッシュ創出の遅れが持続性のボトルネックであり、下期の営業外負担と運転資本動向が注視点です。
デュポン分析(Chain-of-Thought): ステップ1: 期中ROEは3.7%で、純利益率3.9%×総資産回転率0.625×財務レバレッジ1.52の積で説明されます。ステップ2: 直近期の変化が最も大きい要素は利益率で、営業利益率が前年約5.4%から約6.5%へ+106bp改善、純利益率も約+38bp改善した一方、総資産回転率とレバレッジは大きな変化は示唆されません(売上横ばい、保守的な資本構成)。ステップ3: 利益率改善のビジネス上の背景は、粗利益率18.2%の確保に見られるミックス改善・コスト最適化、ならびに販管費の伸び抑制による営業レバレッジ効果と推察されます。ステップ4: 持続性評価として、固定費コントロールは継続可能性が高い一方、売上の伸びが+0.1%と弱いため、価格・ミックス要因に過度依存した改善は外部需要や顧客動向次第で反転リスクが残ります。また、営業外負担が続くと経常・最終段階でのレバレッジが効きにくく、ROE押し上げ効果は限定されます。ステップ5: 警戒すべきトレンドは、売上成長が停滞する中で販管費が将来的に先行(例えば採用・開発・販促再開)して成長率>売上成長率となる場合の営業レバレッジ逆回転、ならびに金利負担や為替損失等による営業外の変動がROEを希釈する点です。
売上高は666.54億円で前年比+0.1%と横ばいで、数量ベースの伸びよりも価格・ミックスの改善が利益拡大に寄与した局面です。営業利益は+19.5%と大幅増で、営業利益率は約6.5%と前年から+106bp改善し、固定費吸収の進展が確認できます。一方、経常利益は-6.0%と減益で、営業外費用が営業外収益を上回る構造が足かせです。純利益は+10.9%と増益で、実効税率22.1%は適正水準です。設備投資21.84億円と、売上横ばいながら将来に向けた投資を継続しており、中期的な製品競争力・生産性向上に資する可能性があります。ただし営業CFは20.25億円にとどまり、キャッシュ面の成長は追随していません。短期的見通しとしては、- 売上:需要回復や新製品寄与がなければ横ばい圏、- 利益率:コスト最適化継続で一定の改善余地、- 経常:営業外費用の圧縮が鍵、という構図です。中期では、ROIC 6.0%からの引き上げに向け、投下資本の厳選と稼働率改善、運転資本効率化(売掛回収・在庫回転の改善)による資産回転率向上が成長持続の条件です。
流動性は流動比率251.6%、当座比率251.6%と極めて厚く、短期支払能力に懸念は見当たりません。負債資本倍率0.52倍、自己資本699.83億円と資本余力は十分で、D/E>2.0の警告水準からは大きく遠いです。短期負債329.53億円に対し流動資産828.99億円と、満期ミスマッチリスクは低い評価です。インタレストカバレッジ23.9倍と金利耐性も高水準です。借入は短期53.48億円、長期13.50億円と総量は抑制的で、財務の柔軟性があります。オフバランス債務の開示はなく、リースや保証などの潜在債務は本データからは把握できません。資本コストを勘案すると、ROIC 6.0%は改善余地が残るため、資本効率の視点での資産ポートフォリオ見直しが望まれます。
営業CFは20.25億円で純利益26.20億円の0.77倍にとどまり、品質面の警告シグナル(<0.8)に該当します。要因としては、売掛金の積み上がりや棚卸資産の増加等の運転資本吸収が想定されますが、棚卸の内訳は未開示のため確証はありません。投資CFは未開示ながら、設備投資支出21.84億円が示されており、営業CF−設備投資ベースのコアFCFは約-1.59億円と試算されます(その他の投資キャッシュ項目は不明)。財務CFは-11.93億円で、配当や借入返済等による流出が示唆されます(配当金支払額・自社株買いは未開示)。運転資本操作の兆候として、売上の伸びが乏しい中で営業CFが純利益を下回っており、回収条件・在庫回転の管理強化が必要と考えます。今後は営業CF/純利益>1.0倍の回復、売掛回転日数・在庫回転日数の改善が品質向上のベンチマークです。
配当金総額・年間配当は未開示ながら、配当性向(計算値)は57.3%と、おおむね持続可能水準(<60%)の上限近辺です。FCFカバレッジは算出不可ですが、営業CF−設備投資ベースのコアFCFが小幅マイナスであった点は留意が必要です。今期のキャッシュ創出が弱含む局面では、配当維持には手元流動性(現金預金204.43億円)と低レバレッジを活用可能である一方、中期的持続性は営業CFの改善と投資配分(成長投資の厳選)に依存します。方針面では、利益成長の確度と運転資本の回収強化を前提に、配当性向のレンジ管理(50-60%)が現実的と考えられます。
ビジネスリスク:
- 売上成長停滞(+0.1%)によるスケールメリット低下と固定費吸収の鈍化
- 製品ミックス・価格要因への依存度上昇による利益率リバーサルリスク
- 主要顧客動向(需要調整・仕様変更)による受注変動
- 新製品開発・投資(設備投資21.84億円)の回収不確実性
財務リスク:
- 営業CF/純利益0.77倍とキャッシュ創出遅延(運転資本吸収)
- 営業外費用>営業外収益(7.69億円 vs 3.04億円)による経常段階の下押し
- 金利上昇局面での支払利息増加(現状1.81億円)
- 為替変動による採算・評価影響(外部環境リスク、感応度未開示)
主な懸念事項:
- 利益の質:営業CFが純利益を下回る品質アラート(<0.8)
- 売掛金・棚卸資産の動向未開示で運転資本評価の不確実性
- ROIC 6.0%と資本コスト対比での余裕が限定的(改善必要)
- 経常減益(-6.0%)にみる営業外の継続的負担
重要ポイント:
- 売上は横ばいも営業利益は+19.5%増、営業利益率は約+106bp改善
- 経常段階は営業外費用超過で減益、最終は+10.9%増益を確保
- 営業CF/純利益0.77倍で収益品質に課題、コアFCFは小幅マイナス推計
- 流動性・レバレッジは健全(流動比率252%、D/E0.52倍、ICR23.9倍)
- ROIC 6.0%で改善余地、運転資本効率と投資規律が鍵
注視すべき指標:
- 営業CF/純利益の回復(目標>1.0倍)
- 売掛金・在庫の回転日数(運転資本効率)
- 営業外収支(利息・為替損益)の改善度合い
- 営業利益率の持続性(粗利率・販管費率の推移)
- ROICと投下資本の回収進捗(資産回転率の改善)
セクター内ポジション:
同業国内エレクトロニクス部品・音響デバイス企業と比較して、財務安全性は上位、利益率は改善基調ながら売上成長力とキャッシュ転換効率で課題を残す中位ポジション。
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