| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥816.4億 | ¥875.2億 | -6.7% |
| 営業利益 | ¥98.8億 | ¥76.0億 | +30.0% |
| 経常利益 | ¥103.5億 | ¥84.0億 | +23.3% |
| 純利益 | ¥74.4億 | ¥53.8億 | +38.3% |
| ROE | 20.9% | 17.4% | - |
2026年度Q3決算は、売上高816.4億円(前年比-58.8億円 -6.7%)と減収となったものの、営業利益98.8億円(同+22.8億円 +30.0%)、経常利益103.5億円(同+19.5億円 +23.3%)、純利益74.4億円(同+20.6億円 +38.3%)と二桁増益を達成した。粗利率は37.0%と前年の34.1%から+2.9pt改善、営業利益率も12.1%と前年8.7%から+3.4pt上昇し、コスト最適化と為替メリットが寄与した。販管費率は24.9%へ低下(前年25.4%から-0.5pt)し、減収下でも費用規律が維持された。非営業段階では為替差益4.2億円が経常段階を押し上げた。ROEは20.9%まで上昇し、利益率改善が資本効率向上の主因となった。
【収益性】ROE 20.9%(純利益率9.1%×総資産回転率1.106×財務レバレッジ2.07倍)、営業利益率 12.1%(前年8.7%から+3.4pt)、粗利率 37.0%(前年34.1%から+2.9pt)、純利益率 9.1%、EBITDAマージン 13.7%。販管費率は24.9%と前年25.4%から-0.5pt改善、売上減下でも費用抑制が奏功。【キャッシュ品質】営業CF/純利益 0.31倍、OCF/EBITDA 0.21倍と現金転換効率は低位。現金同等物180.4億円(前年比-25.9%)、短期借入金20億円に対し現金カバレッジ9.02倍。フリーCF 3.1億円と小幅プラスにとどまり、配当とシェアバイバックが資金を圧迫。【投資効率】総資産回転率 1.106倍。売掛金回転率は4.2倍と前年6.1倍から鈍化、在庫回転率は9.0倍と前年9.6倍から低下。CapEx/減価償却 1.18倍で成長投資ペースは適度。【財務健全性】自己資本比率 48.2%(前年43.6%から+4.6pt)、流動比率 198.2%、当座比率 167.5%、Debt/EBITDA 0.80倍、Debt/Capital 20.2%、インタレストカバレッジ 111倍で財務基盤は強固。Net Debtは実質マイナスに近く、ソルベンシーリスクは限定的。
営業CFは23.2億円で純利益74.4億円に対する比率0.31倍と弱く、売掛金の増加(-75.8億円)と在庫増(-11.7億円)、その他流動負債の減少(-23.3億円)が運転資本を圧迫した。買掛金は+27.5億円増加しサプライヤークレジット活用が確認できるが、売掛と在庫の膨張を相殺しきれなかった。投資CFは-20.1億円で設備投資が主因、FCFは3.1億円と小幅プラスにとどまった。財務CFでは配当支払い約29.7億円と自社株買い45.3億円を実施し、短期借入金を30億円返済、長期借入金を20億円返済した結果、現金は期末180.4億円へ減少(前年末比-63.2億円 -25.9%)。短期負債に対する現金カバレッジは9.02倍で流動性は十分だが、総還元と借入返済がFCFを上回り、現金取り崩しが生じた。OCF/EBITDA 0.21倍は利益の現金裏付けの弱さを示し、売掛回収の加速と在庫の適正化が短期的な資金創出の鍵となる。
経常利益103.5億円に対し営業利益98.8億円で、非営業純増は約4.7億円。内訳は為替差益4.2億円が主で、金融収益は受取利息・配当金2.1億円、持分法投資利益0.2億円と小規模。為替差益は売上高の0.5%を占め、経常段階の改善に寄与したが循環的要素を含む。営業外費用は支払利息0.9億円と軽微で、金利負担係数は1.013と実質中立。営業CFが純利益を大幅に下回っており、収益の質はアクルーアルの積み上がりにより短期的に悪化している。売掛金の急増(前年比+66.5%)と在庫増(+28.1%)は出荷タイミングや需要鈍化の影響を示唆し、利益計上と現金回収のタイムラグが拡大した。一方で、粗利率と営業利益率の改善は価格施策と費用最適化に基づくもので、非継続的な特別利益への依存は確認されない。
【業種内ポジション】(参考情報・当社調べ) 収益性: 営業利益率 12.1%は業種中央値7.3%を+4.8pt上回り、業種内で上位に位置する。純利益率 9.1%も業種中央値5.4%を+3.7pt上回る。ROE 20.9%は業種中央値4.9%を大幅に上回り、資本効率は優位。総資産利益率は10.1%で業種中央値3.3%を大きく超える。 成長性: 売上高成長率 -6.7%は業種中央値2.8%を-9.5pt下回り、減収基調が業種平均に対し劣後。 健全性: 自己資本比率 48.2%は業種中央値63.9%を-15.7pt下回り、業種内では中位。流動比率 1.98倍は業種中央値2.67倍を-0.69倍下回るが、絶対水準は健全。ネットデット/EBITDA 0.80倍は業種中央値-1.11倍に対しプラスだが、低水準で財務負担は軽微。 業種: 製造業(N=65社)、比較対象: 2025年Q3決算期、出所: 当社集計。ワコムは利益率・ROEで業種トップクラスの収益性を示す一方、売上成長が業種平均に劣り、自己資本比率も中位にとどまる。利益率主導の効率経営が特徴的。
決算上の注目ポイントとして、第一に減収下での利益率大幅改善が挙げられる。営業利益率+3.4pt、粗利率+2.9ptの改善と販管費率の低下により、ROEは20.9%まで上昇し業種トップクラスの水準に達した。第二に、営業CF/純利益0.31倍と利益の現金裏付けが弱く、売掛金+66.5%、在庫+28.1%の運転資本積み上がりがキャッシュ創出を大幅に圧迫している点が挙げられる。FCF 3.1億円に対し配当と自社株買いの総還元が約75億円と大幅に上回り、現金残高は-25.9%減少した。短期的には売掛回収と在庫適正化が資金創出の鍵となる。第三に、通期計画は売上-4.9%と減収見通しながら営業利益+27.3%の増益を見込み、マージン維持への自信が示されている。Q4での粗利率維持と運転資本の正常化が計画達成の焦点となる。
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。