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67022026 第3四半期プライムIFRS

富士通(6702) 2026年度第3四半期決算 増収・営業益99%増

2026年度第3四半期の売上高は2兆4,512億円(前年同期比+1.8%)、営業利益は2,110億円(同+99.4%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

富士通株式会社

電機・精密/電気機器


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥24511.8億¥24080.1億+1.8%
営業利益¥2110.0億¥1058.4億+99.4%
税引前利益¥2651.3億¥1142.0億+132.2%
純利益¥3481.0億¥963.1億+261.4%
ROE(年換算)23.0%6.8%-

Executive Summary

売上高が小幅な伸びに留まる一方、営業利益・純利益が大幅増となる増収増益決算であり、採算改善と特別要因の両方が業績を押し上げた。売上高は2兆4,511.8億円(前年比+1.8%)、営業利益は2,110.0億円(同+99.4%)、経常段階に相当する税引前利益は2,651.3億円(同+132.2%)、純利益は3,481.0億円(同+261.4%)となった。営業利益率は前年の4.4%から8.6%へ改善し、粗利率向上と販管費削減が寄与した一方、純利益の急増には新光電気工業・ゼネラル株式売却益を含む非継続事業利益1,463.4億円が含まれており、継続事業の実力とは区別して評価する必要がある。

業績変動要因

【売上高】売上高は24,511.8億円で前年比+1.8%増となった。主力のサービスソリューション事業が再編影響を除くと+7.5%増収となり、国内DX・モダナイゼーション需要の伸長が牽引した一方、海外リージョンズは前年の大型公共案件の反動で-1.0%減収となった。

【損益】営業利益は2,110.0億円(前年比+99.4%)、税引前利益は2,651.3億円(同+132.2%)、純利益は3,481.0億円(同+261.4%)となった。粗利率は34.8%(前年32.2%)、販管費率は26.3%(前年27.2%)へ改善し、コスト構造の是正が営業レバレッジを生んだ。純利益の増加率が営業利益を大きく上回るのは、新光電気工業・ゼネラル株式売却益を含む非継続事業利益1,463.4億円という一時的要因によるもので、営業利益と純利益の乖離は経常的な収益力とは別に評価すべきである。結論として増収増益。

セグメント別分析

サービスソリューションは売上16,577億円、調整後営業利益2,161億円(利益率13.0%、前年比+2.7pt)であり、売上構成比・利益構成比ともに最大の主力事業である。国内サービスの+10.4%増収とグロスマージン改善(+1.9pt)が全社の増益を牽引した。ハードウェアソリューション(利益率5.5%)やグローバルソリューション(利益131億円)は相対的に利益率が低く、リージョンズ(Japan)は利益率18.9%と全セグメント中最高水準を維持し、国内事業の採算性が全社利益を支える構図が明確である。

主要財務指標

収益性: ROE 22.7%(前年比大幅改善)、営業利益率 8.6%(前年4.4%) キャッシュ品質: 営業CF/純利益 0.56倍(1.0x未満で現金裏付けに留意)、通常定義FCF 1,054.9億円 投資効率: 設備投資855.5億円、有形固定資産売却収入295.4億円を含む投資CFはプラス1,993.1億円 財務健全性: 自己資本比率 62.2%(前年49.8%)、流動比率 約191%

キャッシュフロー分析

営業CFは1,910.5億円で純利益比0.56倍にとどまり、利益の現金化には留意が必要である。契約資産の増加2,197.1億円と棚卸資産の増加454.0億円が主因で、大型DX案件の進行基準適用拡大に伴う受注残高11,457億円(前年比106%)の積み上がりが背景にある。投資CFは1,993.1億円のプラスで、設備投資855.5億円に対し新光電気工業・ゼネラル株式売却収入等が上回った。財務CFは2,810.9億円の流出で、配当514.7億円、自社株買い847.0億円、短期借入金純減1,111.4億円が主因。営業CFから設備投資を控除した通常定義FCFは1,054.9億円、開示ベースFCFは3,903.6億円。現金創出評価は要モニタリングであり、契約資産の回収進捗が今後の焦点となる。

収益の質

税引前利益2,651.3億円に対し純利益3,481.0億円と純利益が上回る逆転構造であり、これは新光電気工業・ゼネラル株式売却益を含む非継続事業利益1,463.4億円という一時的要因による。継続事業のみの利益(2,017.6億円)は税引前利益より小さく、継続事業ベースの収益力評価では非継続事業益を除外することが妥当である。営業CFが純利益の0.56倍にとどまり、契約資産・棚卸資産の増加が運転資本に利益を滞留させているため、当期の収益の質はキャッシュ転換の観点でモニタリングが必要な状態にある。

業績予想・ガイダンス

通期予想に対する進捗率は、売上高69.4%、営業利益58.6%(標準進捗75%を16.4pt下回る)、純利益80.9%(非継続事業益を含むため標準を上回る)。会社は通期の調整後営業利益予想を3,600億円から3,800億円へ上方修正し、配当も年間50円(期末35円、前回比+20円)へ増額した。受注残高は11,457億円で、これは通期売上予想35,300億円の約32.5%に相当し、Q4に向けた売上の一定の可視性を示す。第4四半期はサービスソリューション利益率21.5%への上昇を計画する一方、ユビキタスでWindows10特需の反動減、ハードウェアで欧州構造改革費用を見込んでおり、進捗率の乖離は下期偏重の収益計画によるものである。

株主還元

第2四半期配当は1株15.00円、通期予想配当は50.00円(期末35.00円へ増額、前回比+20円)である。予想EPS241.83円に基づく配当性向は約20.7%であり、持続可能な範囲にある。自社株買い847.0億円を含めた総還元性向は約39.6%となり、配当のみの性向とは区別して評価する必要がある。通常定義FCF1,054.9億円は配当支払514.7億円を上回り、内部資金で還元をカバーしている。

カタリスト

【短期】第4四半期のサービスソリューション利益率21.5%への上昇計画の実現状況、ユビキタスのWindows10特需反動減およびハードウェアの欧州構造改革費用の実際の計上額。

【長期】受注残高11,457億円(前年比106%)を背景とするモダナイゼーション・Uvance案件の売上化進捗と、契約資産増加分の回収による営業CFの改善状況。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(manufacturing)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率8.6%8.6% (4.3%–12.7%)+0.0pt
純利益率14.2%6.4% (2.8%–10.3%)+7.8pt

営業利益率は業種中央値と同水準だが、純利益率は業種中央値を大きく上回り、一時的な株式売却益の影響が大きい。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)1.8%3.3% (-2.1%–8.9%)−1.5pt

売上高成長率は業種中央値をやや下回り、増収ペースは業界内で中位から下位に位置する。

※出所: 当社集計

リスク要因

  1. 契約資産の回収遅延リスク: 契約資産は前年比110%増の4,126.1億円となり、受注残高11,457億円(前年比106%)の積み上がりを反映する。案件の検収・請求・回収が遅延すれば、営業CF/純利益0.56倍という低い現金化率がさらに悪化する可能性がある。

  2. 通期営業利益進捗の遅れ: 通期予想(調整後3,800億円)に対するQ3累計進捗率は58.6%(調整前営業利益ベース)で標準75%を下回る。Q4に大幅な利益積み上げが必要であり、サービスソリューション利益率21.5%達成など下期偏重計画への依存度が高い。

  3. 海外セグメントの反動リスク: 海外リージョンズは前年の大型公共案件の反動で売上-1.0%となった。Americas・Asia Pacificの受注高も前年割れ(74%、91%)で、第4四半期の回復如何が全社業績に影響する。

決算上の注目ポイント

  1. 営業利益率は8.6%へ421bp改善し、粗利率向上(+2.6pt)と販管費率低下(-0.9pt)による構造的な採算是正が確認できる。主力のサービスソリューション利益率13.0%(+2.7pt)の改善が全社を牽引している。

  2. 純利益の急増(+261.4%)は新光電気工業・ゼネラル株式売却益を含む非継続事業利益1,463.4億円によるものであり、継続事業ベースの収益力評価は営業利益・税引前利益を基準に行う必要がある。

  3. 営業CF/純利益は0.56倍と低く、契約資産・棚卸資産の増加が運転資本にキャッシュを滞留させている。増配(年間50円)と自社株買いを継続する還元姿勢の持続性は、今後の契約資産回収による営業CF改善状況に依存する。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)1,602円
base(基準)1,676円
bull(強気)1,771円
算出前提
1株純資産(BPS)1,138円
調整後予想EPS261.1円
株主資本コスト r8.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向20.7%
予想EPSの信頼度調整×1.080(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER1.47倍 / 6.4倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 1,626円〜1,728円、ω±0.1で 1,661円〜1,699円。

注記:

  • 想定為替レートから±5円変動した場合のEPS影響(約0.7円/株)をbear/bullシナリオに反映しています。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データとPDF決算説明資料をAIが統合分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。