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66162026 通期プライムJGAAP

トレックス・セミコンダクター(6616) 2026年度通期決算

2026年度通期の売上高は250.7億円(前年同期比+4.7%)、営業利益は10.8億円(黒字転換)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

電機・精密/電気機器


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥250.7億¥239.6億+4.7%
営業利益¥10.8億−¥6.3億+271.7%
経常利益¥12.7億−¥8.2億+144.5%
純利益¥11.6億−¥23.6億+149.2%
ROE6.2%−13.6%-

Executive Summary

当期は前期の営業赤字・純損失から黒字転換した年度であり、増収に加え粗利率改善と販管費削減が収益性回復を主導した。売上高は250.7億円(前年比+4.7%)、営業利益は10.8億円(前期は6.3億円の損失)となった。経常利益は12.7億円(同+144.5%)、純利益は11.6億円(前期は23.6億円の損失)と大幅に改善した。増収に加え、売上原価率の低下と販管費の10.5%削減が営業利益率を前期のマイナス2.6%から4.3%へ押し上げた。

業績変動要因

【売上高】売上高は250.7億円で前年比+4.7%増収。地域別では北米が+21.9%、欧州が+11.3%と高成長を示したが、売上構成比69.3%を占める日本が+4.8%増収し連結成長の主軸となった。アジアは+1.1%増にとどまり、地域間で成長速度に差がある。

【損益】営業利益は10.8億円で前期の6.3億円の損失から黒字転換した。粗利率は前期22.0%から25.4%へ改善し、販管費は52.9億円と前年比10.5%減少したことが営業レバレッジを生んだ。経常利益は営業利益を1.8億円上回るが、これは為替差益1.6億円を含む営業外収益3.6億円が寄与したためで、事業本体の改善分とは区別して見る必要がある。特別損益は利益1.3億円・損失1.2億円でほぼ相殺され、純利益への影響は軽微。前期の純損失には減損損失11.2億円が含まれており、当期はこの非経常損失の剥落も黒字転換に寄与した。総じて増収増益の決算である。

セグメント別分析

日本セグメントが売上高173.7億円(構成比69.3%、前年比+4.8%)、営業利益8.4億円(同+197.0%、利益率4.8%)と連結利益の大半を牽引した。アジアは売上56.8億円(同+1.1%)、営業利益1.0億円(利益率1.8%)と4地域中最も採算性が低い。欧州は売上13.7億円(同+11.3%)、営業利益1.1億円(利益率8.2%)と全地域中最高の利益率を示した。北米は売上6.6億円と規模は小さいが前年比+21.9%と最も高い増収率で、営業利益は0.4億円(利益率6.6%)。日本への売上依存度は高いものの、欧州・北米は高成長かつ相対的に高い採算性を持ち、収益源の分散余地があることを示唆する。

主要財務指標

【収益性】営業利益率4.3%(前期マイナス2.6%)、純利益率4.6%(前期マイナス9.8%)と大幅に改善したが、いずれも黒字転換の初期段階にあり収益水準としては引き続き低い。【キャッシュ品質】営業CFは31.3億円で純利益11.6億円の2.7倍にあたり、利益は現金創出で裏付けられている。フリーCFは7.7億円を確保した。【投資効率】ROE 6.2%、自己資本比率52.4%であり、資本効率は資産回転率0.70倍の低さが制約要因となっている。【財務健全性】流動資産217.4億円に対し流動負債80.2億円で流動性は厚く、現金及び預金96.3億円は短期借入金19.0億円を大きく上回る。長期借入金78.5億円を含む有利子負債を抱えるが、利払い能力は確保されている。

キャッシュフロー分析

営業CFは31.3億円で前年の33.6億円から6.9%減少したが、前期には減損損失11.2億円という非資金費用が含まれており、単純な悪化とは言えない。当期は売上債権の増加により8.3億円の資金流出があったが、仕入債務の増加3.4億円が一部相殺した。投資CFはマイナス23.6億円で、うち設備投資14.3億円は減価償却費19.7億円を下回り、更新投資をやや下回る水準にある。財務CFはマイナス9.5億円で、自社株買い1.9億円や配当支払を反映している。フリーキャッシュフローは7.7億円となり、当期の配当・自己株式取得の原資を賄える水準を確保した。

収益の質

当期の利益回復は営業損益の黒字転換、粗利率改善、販管費削減という事業本体の改善に支えられている。経常利益は営業利益を1.8億円上回るが、これは為替差益1.6億円を含む営業外収益によるもので、通貨環境に左右されやすく恒常的な収益力とは区別すべきである。特別損益は利益1.3億円(補助金収入1.1億円等)と損失1.2億円(本社移転費用0.9億円等)がほぼ相殺し、純利益への影響は限定的である。営業CFは純利益の2.7倍あり、利益の現金化という点で質は良好と評価できる。

業績予想・ガイダンス

会社は2027年3月期に売上高280.0億円(前年比+11.7%)、営業利益13.0億円(同+19.8%)、経常利益13.0億円(同+2.5%)を予想している。営業利益の増加率が売上成長率を上回る一方、経常利益の伸びは大きく鈍化する計画であり、当期に計上した為替差益などの営業外収益の再現を前提としていない可能性がある。予想営業利益率は4.6%で、当期実績4.3%からの改善幅は限定的であり、会社計画は大幅なマージン拡大よりも増収主導の利益成長を想定している。

株主還元

年間配当は1株当たり56円(中間28円、期末28円)で、前期の28円から倍増した。現金配当支払額は6.0億円であり、当期純利益11.6億円に対する配当性向は51.2%である。自己株式取得1.9億円を加えた株主還元総額は約7.9億円で、純利益に対する総還元性向は約68%となる。フリーキャッシュフロー7.7億円の範囲内で配当が賄われており、次期予想でも同額56円の配当維持を計画している。

リスク要因

  1. 事業集中リスク: 日本セグメントが売上高の69.3%を占め、国内の設備投資・半導体在庫調整の変動が連結業績に大きく波及する構造にある。

  2. 運転資本リスク: 売上債権は50.3億円と前年比23.2%増加し、売上高の伸びを上回った。棚卸資産は減少したものの依然として高水準で、回収・在庫効率の改善が今後の課題となる。

  3. 財務レバレッジリスク: 有利子負債97.5億円を抱え、長期借入金78.5億円が総資産の21.9%を占める。営業利益率が低位にとどまる局面では、金利上昇や借換え条件への感応度が相対的に高まる。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(manufacturing)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率4.3%7.6% (4.8%–12.0%)−3.3pt
純利益率4.6%5.9% (2.9%–9.2%)−1.2pt

黒字転換したものの、営業利益率・純利益率とも業種中央値を下回り、収益性の改善余地が残る。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)4.7%3.4% (-0.8%–8.8%)+1.3pt

売上成長率は業種中央値を上回っており、トップラインは相対的に堅調である。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 営業利益は前期の損失から10.8億円へ転換し、粗利率改善と販管費削減による本業回復が確認できる。ただし営業利益率4.3%は業種中央値7.6%を下回り、収益水準の改善余地は大きい。

  2. 営業CFは純利益の2.7倍にあたる31.3億円を確保し、利益の現金裏付けは良好である。一方、売掛金は前年比23.2%増と売上増を上回るペースで拡大しており、運転資本効率の動向が今後のキャッシュ創出力を左右する。

  3. 次期予想は増収・営業増益を見込むが、経常利益の伸びは限定的であり、当期計上された為替差益に依存しない経常利益成長を実現できるかが注目点となる。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)1,658円
base(基準)1,687円
bull(強気)1,723円
算出前提値
1株純資産(BPS)1,771円
調整後予想EPS142.7円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向42.4%
予想EPSの信頼度調整×1.080(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER0.95倍 / 11.8倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 1,641円〜1,735円、ω±0.1で 1,684円〜1,689円。

注記:

  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。