クイックビュー
| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥880.4億 | ¥809.1億 | +8.8% |
| 営業利益 | ¥152.6億 | ¥141.3億 | +8.0% |
| 経常利益 | ¥149.0億 | ¥139.8億 | +6.6% |
| 純利益 | ¥111.7億 | ¥103.3億 | +23.8% |
| ROE | 20.1% | 21.8% | - |
Executive Summary
半導体製造装置関連の増収増益となったが、利益の伸びは売上成長をやや下回り、営業利益率は微減した。売上高は880.4億円(前年比+8.8%)、営業利益は152.6億円(同+8.0%)、経常利益は149.0億円(同+6.6%)、純利益は111.7億円(同+23.8%、親会社株主帰属ベースでは+8.2%)となった。増収の主因はメカトロニクスシステムの大幅増収であり、主力のファインメカトロニクスは増収ながら利益率が低下した。
業績変動要因
【売上高】売上高は880.4億円で前年比+8.8%。セグメント別ではメカトロニクスシステムが314.0億円(同+37.9%)と大きく伸長し全体を牽引、ファインメカトロニクスは522.1億円(同+3.7%)と構成比59.3%を占める主力ながら伸びは限定的だった。流通機器システムは25.9億円(同-56.5%)と大幅減収、不動産賃貸は18.3億円(同+1.3%)とほぼ横ばい。地域別では台湾向けが大幅拡大した一方、日本・中国向けは減少しており、台湾(TSMC向け中心)への集中が強まっている。
【損益】営業利益は152.6億円(同+8.0%)、営業利益率は17.3%で前年17.5%からわずかに低下した。販管費は195.1億円(同+12.6%)と売上成長を上回るペースで増加し、利益率低下の一因となった。経常利益は149.0億円(同+6.6%)で、営業外費用に為替差損0.6億円・支払利息1.2億円が計上され営業利益との乖離を生んでいる。純利益は111.7億円(同+23.8%)と大きく伸びたが、これは税負担率の低下によるところが大きい。セグメント利益(経常利益ベース)ではメカトロニクスシステムが+68.0%増益・利益率24.9%と収益性の柱となった一方、ファインメカトロニクスは-9.0%減益、流通機器システムは-95.7%減益と大幅悪化しており、増収増益ながら増益ドライバーが特定セグメントに偏っている点が特徴である。
セグメント別分析
4セグメント中、メカトロニクスシステムが売上高313.97億円(同+37.9%)、セグメント利益78.11億円(同+68.0%)、利益率24.9%と最も高い成長性・収益性を示した。主力のファインメカトロニクスは売上高522.13億円(同+3.7%)で構成比59.3%を維持するが、セグメント利益は80.90億円(同-9.0%)と減益し、利益率も15.5%へ低下した。流通機器システムは売上高25.95億円(同-56.5%)、セグメント利益0.64億円(同-95.7%)と急減速し、利益率は2.5%にとどまる。不動産賃貸は売上高18.32億円(同+1.3%)、利益率19.6%と安定的だが規模は小さい。TSMC向け売上は344.82億円で連結売上高の39.2%を占め、地域別でも台湾向けが359.29億円(構成比40.8%、前年比+93.9%)と急拡大しており、顧客・地域集中が業績変動要因として意識される。
主要財務指標
【収益性】営業利益率17.3%、純利益率12.7%、粗利率39.5%はいずれも高水準だが、営業利益率は前年17.5%からわずかに低下しており、販管費増加(同+12.6%)が売上成長(+8.8%)を上回った影響がみられる。ROEは20.1%と高く、純利益率×総資産回転率0.87回×財務レバレッジ1.81倍で構成される。【キャッシュ品質】営業CFは46.3億円で純利益111.7億円の0.41倍にとどまり、棚卸資産の増加71.3億円等の運転資本負担が利益の現金化を抑制している。【投資効率】設備投資72.4億円は減価償却費33.3億円の約2.2倍で、成長投資局面にある。研究開発費は39.5億円、売上高比4.5%。【財務健全性】自己資本比率は55.1%(前年49.7%から上昇)、現金及び預金213.4億円は総資産の21.2%を占め、財務基盤は安定している。
キャッシュフロー分析
営業CFは46.3億円で前年比-33.7%と大きく減少し、純利益111.7億円に対する比率は0.41倍にとどまる。主因は棚卸資産の増加による71.3億円の資金流出であり、仕掛品拡大を中心とした運転資本の積み増しがキャッシュ創出を抑えた。買掛金の増加16.0億円は一部相殺要因となったが、前受金の減少9.5億円もマイナス寄与している。投資CFは-81.4億円で、うち設備投資72.4億円は生産能力増強のための積極投資を示す。財務CFは-37.3億円で、主に配当支払いによる流出である。この結果、営業CFと投資CFの合計であるフリーCFはマイナス35.0億円となり、当期の内部資金だけでは投資と配当を賄えていない状況にある。現金及び預金は前年から71.3億円減少し213.4億円となったが、短期有利子負債77.0億円を大きく上回る水準を維持しており、財務的な余力は残る。
収益の質
純利益の伸び(+23.8%)は営業利益(+8.0%)や経常利益(+6.6%)の伸びを大きく上回っており、実効税率の低下が主因とみられる。営業外損益は費用超過(営業外収益1.7億円に対し営業外費用5.3億円)であり、為替差損0.6億円・支払利息1.2億円が計上されているが、いずれも経常的な規模にとどまり一時的な特別損益の影響は限定的である。包括利益は118.5億円で純利益111.7億円との乖離は6.8億円と小さく、退職給付に係る調整額6.1億円等が主な差異要因である。一方、営業CFが純利益の0.41倍にとどまる点は、会計上の利益とキャッシュフローの乖離が大きいことを示しており、棚卸資産・仕掛品の増加という運転資本要因によるアクルーアルが利益の質を評価するうえで注視点となる。
業績予想・ガイダンス
次期(2027年3月期)会社計画は売上高990.0億円(前年比+12.4%)、営業利益160.0億円(同+4.8%)、経常利益157.0億円(同+5.4%)である。売上成長率に対し営業利益成長率が下回るため、計画上の営業利益率は約16.2%となり、当期実績17.3%から約1.1pt低下する見通しである。EPS予想は181.29円、配当予想は64.00円で、増収を見込む一方で利益率改善は前提とされておらず、販管費増や投資負担の継続が意識される計画となっている。
株主還元
当期の期末配当は株式分割考慮後で1株当たり60.00円、中間配当は0円である。配当のみに基づく配当性向は35.2%であり、自社株買いは0.03億円と僅少で、株主還元は配当中心である。配当総額36.55億円は営業CF46.3億円の範囲内に収まるが、設備投資を含めたフリーCFはマイナス35.0億円であり、当期の配当はフリーキャッシュフローではカバーされていない。ただし現金預金213.4億円、利益剰余金418.0億円の厚みが支払余力を支えている。次期予想配当は64.00円で、予想EPS181.29円に対する配当性向は約35.3%となり、当期からほぼ横ばいの水準が計画されている。
リスク要因
-
顧客・地域集中リスク: TSMC向け売上が344.82億円で連結売上高の39.2%、台湾向け売上が構成比40.8%を占める。主要顧客の設備投資動向や地政学的要因の変動が業績に大きく波及しうる。
-
主力セグメントの収益性低下: 売上構成比59.3%を占めるファインメカトロニクスのセグメント利益が前年比-9.0%となった。半導体・FPD設備投資サイクルや製品ミックスの変化が全社採算に影響する。
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運転資本・在庫滞留リスク: 仕掛品は97.4億円で棚卸資産の大宗を占め、棚卸資産全体は前年比+26.0%増加した。営業CFが純利益の0.41倍にとどまっており、案件の検収・回収の進捗が資金効率を左右する。
業種ベンチマーク(参考・当社調べ)
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 17.3% | 7.6% (4.8%–12.0%) | +9.7pt |
| 純利益率 | 12.7% | 5.9% (2.9%–9.2%) | +6.8pt |
自社の営業利益率・純利益率はいずれも業種中央値を大きく上回り、収益性は業種内で高位に位置する。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 8.8% | 3.4% (-0.8%–8.8%) | +5.5pt |
売上高成長率も業種中央値を上回り、成長性の面でも上位グループに属する。
※出所: 当社調べ
決算上の注目ポイント
-
メカトロニクスシステムが売上+37.9%・利益+68.0%・利益率24.9%と当期の成長・収益ドライバーとなった一方、主力のファインメカトロニクスは利益率が低下しており、セグメント間の収益構造の変化がみられる。
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営業利益率17.3%、純利益率12.7%、ROE20.1%は高水準の収益性を示す一方、営業CFは純利益の0.41倍にとどまり、棚卸資産・仕掛品の増加が利益の現金化を抑制している点が決算上の注目点である。
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次期会社計画では増収が続く一方、営業利益率は約16.2%へ低下する見通しであり、成長投資と運転資本増加の効率的な回収が今後の焦点となる。
理論株価(参考値)
| シナリオ | 理論株価 |
|---|---|
| bear(弱気) | 1,151円 |
| base(基準) | 1,200円 |
| bull(強気) | 1,263円 |
| 算出前提 | 値 |
|---|---|
| 1株純資産(BPS) | 847円 |
| 調整後予想EPS | 195.7円 |
| 株主資本コスト r | 9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%) |
| 残余利益の持続係数 ω / 明示予測 | 0.62 / 5年 |
| 想定配当性向 | 35.3% |
| 予想EPSの信頼度調整 | ×1.080(同業種のガイダンス達成率実績に基づく) |
| implied PBR / PER | 1.42倍 / 6.1倍 |
感応度: 株主資本コスト±1%で 1,166円〜1,235円、ω±0.1で 1,191円〜1,214円。
(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。