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65682026 第3四半期グロースJGAAP

神戸天然物化学(6568) 2026年度第3四半期決算 増収・営業益52%減

2026年度第3四半期の売上高は55.9億円(前年同期比+6.5%)、営業利益は1.5億円(同-52.3%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

情報通信・サービスその他/サービス業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥55.9億¥52.5億+6.5%
営業利益¥1.5億¥3.2億−52.3%
経常利益¥1.6億¥4.8億−65.9%
純利益¥1.1億¥3.4億−68.8%
ROE0.8%2.5%-

Executive Summary

2026年度第3四半期決算は売上高55.9億円(前年比+3.4億円、+6.5%)と増収を達成した一方、営業利益1.5億円(同-1.7億円、-52.3%)、経常利益1.6億円(同-3.2億円、-65.9%)、純利益1.1億円(同-2.3億円、-68.8%)と大幅減益となった。営業利益率は2.8%(前年6.1%から-3.3pt)へ悪化し、粗利率21.6%と低水準での推移が利益圧縮の主因である。EPSは13.66円(前年43.85円から-68.8%)へ低下し、収益性の急激な悪化が確認される。

業績変動要因

【売上高】トップラインは55.9億円で前年比+6.5%の増収を達成。売上構成比の詳細開示はないが、売掛金が前年24.1億円から13.5億円へ-44.1%減少しており、回収加速または売上構成の変化が示唆される。【損益】売上原価は43.9億円で粗利率21.6%と低水準にとどまり、売上総利益は12.1億円。販管費は10.5億円(販管費率18.8%)と売上増に対して固定費負担が重く、営業利益は1.5億円(営業利益率2.8%)へ大幅悪化。営業外では支払利息が0.1億円から0.2億円へ倍増し、営業外収益0.4億円と営業外費用0.2億円の純額で非営業純増は約0.2億円。経常利益は1.6億円、純利益は税引後で1.1億円と最終段階まで利益率低下が続いた。特別損益は軽微(特別利益0.0億円、特別損失0.0億円)で一時的要因による影響は限定的。経常利益1.6億円に対し純利益1.1億円で、税負担0.6億円(実効税率34.8%)が最終利益を圧迫。結論として、増収減益のパターンで粗利率低下と固定費負担が収益性悪化の主因である。

主要財務指標

【収益性】ROE 0.8%(報告値)で前年水準から大幅低下、営業利益率2.8%(前年6.1%から-3.3pt)と収益性は急速に悪化。純利益率は1.9%(前年6.5%から-4.6pt)で粗利率21.6%の低水準が利益圧縮の主因。【キャッシュ品質】現金及び預金17.2億円(前年23.9億円から-28.0%)と現金残高は減少傾向。短期流動性では流動資産74.9億円に対し流動負債29.7億円で流動比率252.4%、当座比率も252.4%と短期支払余力は十分確保されている。【投資効率】総資産回転率0.26倍(年換算推定)で業種中央値0.67倍を大きく下回り、資本効率は低位。有形固定資産125.4億円と資本集約的構造で設備の稼働効率改善が課題。運転資本面では売掛金13.5億円、買掛金6.5億円、棚卸資産(内訳不明だが仕掛品が高水準と推察)が滞留し、キャッシュコンバージョンサイクルは長期化している模様。【財務健全性】自己資本比率62.1%(前年67.1%から-5.0pt)と若干低下も依然良好水準、負債資本倍率0.61倍で財務レバレッジは保守的。有利子負債は長期借入金27.6億円が主体で、Debt/Equity比率は約0.21倍と低位。流動負債29.7億円には短期借入等の詳細開示がないが、流動比率の高さから満期ミスマッチリスクは限定的。

キャッシュフロー分析

現金及び預金は前年23.9億円から17.2億円へ-6.7億円(-28.0%)減少し、資金ポジションは後退している。運転資本の変動では売掛金が-10.6億円(-44.1%)減少した一方、買掛金が+3.0億円(+86.6%)増加しており、売上債権の回収加速と支払条件の延長が併存する。在庫関連(特に仕掛品)の滞留が現金を吸収している可能性が高く、運転資本効率の低下がキャッシュフローを圧迫している構図が浮かび上がる。短期負債に対する現金カバレッジは流動比率252.4%で十分だが、現金減少傾向と運転資本の非効率性から、営業活動による現金創出力は純利益水準を考慮すると脆弱と推察される。投資活動・財務活動の詳細は開示されていないが、有形固定資産が高水準で維持されていることから設備投資は継続的に行われている可能性がある。配当実施予定(中間16.0円、期末17.0円想定)を鑑みると、営業CFと投資CFのバランスでフリーキャッシュフロー創出余力は限定的と考えられる。

収益の質

経常利益1.6億円に対し営業利益1.5億円で、非営業純増は約0.1億円と軽微。営業外収益0.4億円と営業外費用0.2億円の純額が経常利益段階で上乗せされるが、その構成は支払利息0.2億円の増加が主因で金融コストが利益を圧迫。営業外収益が売上高の0.7%と限定的で、収益構造は本業依存度が高い。特別損益は実質ゼロで一時的要因による収益押し上げはなく、報告利益は経常的な事業活動を反映している。現金面では現金及び預金が前年比-28.0%減少しており、純利益1.1億円に対して現金の裏付けは弱い。運転資本の滞留(売掛金減少、買掛金増加、仕掛品等の在庫蓄積推察)により営業活動からの現金創出が制約されている可能性が高く、収益の質は低位と評価される。税負担は法人税等0.6億円(実効税率34.8%)で標準的だが、税引前利益1.6億円と純利益1.1億円の乖離は税負担に起因する。アクルーアル(発生主義会計の影響)の面では在庫滞留が現金化を妨げており、会計上の利益と実際の資金繰りに乖離が生じている兆候がある。

業績予想・ガイダンス

通期業績予想は売上高88.0億円(前年比+7.6%)、営業利益8.5億円(同+10.1%)、経常利益8.5億円(同-8.6%)、純利益6.0億円(同-18.6%)と公表されている。第3四半期累計での進捗率は売上高63.5%、営業利益18.1%、経常利益19.4%、純利益18.3%となり、標準進捗75%(Q3時点想定)を大幅に下回る。特に営業利益以下の進捗率が20%未満と著しく低く、通期予想達成には第4四半期での利益率大幅改善が不可欠である。前提条件として会社は「現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提条件に基づく」としており、実際の業績は様々な要因により大きく異なる可能性があると注記している。四半期累計実績から推計すると、第4四半期単独で営業利益7.0億円(営業利益率21.6%相当)が必要となり、第3四半期累計の営業利益率2.8%との乖離は極めて大きい。季節性や受注残の消化など特殊要因がない限り、通期予想の修正リスクが高いと考えられる。

株主還元

中間配当16.0円を実施済み、期末配当17.0円を予想しており、年間配当17.0円を計画。前年配当水準の明示はないが、第3四半期累計の純利益1.1億円(EPS 13.66円)に対して年間配当17.0円は計算上の配当性向で124.4%(中間配当のみで117.1%)と純利益を大きく上回る。通期純利益予想6.0億円(EPS予想77.55円)に対する配当性向は21.9%となり整合的だが、現状の利益進捗率18.3%を考慮すると、通期純利益達成が前提であり配当持続性には予想達成が必須条件となる。自社株買いの実績は開示されておらず、株主還元は配当のみで総還元性向は配当性向と同値。配当政策の持続可能性は通期業績予想の達成如何に依存しており、現金及び預金17.2億円と利益剰余金94.2億円を考慮すると財務余力はあるものの、営業CFの脆弱性と現金減少トレンドを踏まえると、高配当維持には収益改善が不可欠である。

リスク要因

【収益性悪化リスク】営業利益率2.8%と業種中央値8.2%を大きく下回り、粗利率21.6%の低水準が構造的課題。原材料費変動や製造ミックス悪化が持続すれば更なる利益圧迫が懸念される。販管費率18.8%と固定費負担が重く、売上規模拡大による固定費吸収が進まない場合、営業レバレッジが機能せず低収益構造が固定化するリスクがある。【運転資本効率低下リスク】売掛金は減少も買掛金が+86.6%急増、仕掛品等の在庫滞留が推察され、キャッシュコンバージョンサイクルの長期化が現金創出力を毀損。棚卸資産回転日数が業種中央値16.5日に対し大幅に長期化している可能性があり、在庫管理の改善が遅れれば資金繰り悪化リスクが顕在化する。【業績予想未達リスク】通期営業利益予想8.5億円に対し第3四半期累計実績1.5億円(進捗率18.1%)で、第4四半期単独で7.0億円の利益計上が必要。季節性や大型受注の納入時期によるが、現状の利益率水準では達成困難であり予想修正の可能性が高い。予想未達の場合、配当計画(年間17.0円)の見直しリスクも生じる。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

【業種内ポジション】(参考情報・当社調べ) 収益性: 営業利益率2.8%は業種中央値8.2%(IQR 3.6%〜18.0%)を大きく下回り、下位四分位以下に位置。純利益率1.9%も業種中央値6.0%(IQR 2.2%〜12.7%)対比で低位。ROE 0.8%は業種中央値8.3%(IQR 3.6%〜13.1%)を大幅に下回り、収益性は業種内でも劣後している。 効率性: 総資産回転率0.26倍は業種中央値0.67倍(IQR 0.49〜0.93)を大きく下回り、資本効率は著しく低い。棚卸資産回転日数および営業運転資本回転日数の具体値は不明だが、業種中央値(棚卸16.5日、運転資本45.2日)と比較して大幅に長期化していると推察される。売掛金回転日数は業種中央値61.3日に対し推計で88日程度、買掛金回転日数は業種中央値34.7日を大きく上回ると推定され、運転資本効率は業種内で下位水準。 健全性: 自己資本比率62.1%は業種中央値59.2%(IQR 42.5%〜72.7%)と同等水準で財務健全性は確保されている。流動比率252.4%も業種中央値215%対比で良好。ネットデット/EBITDA倍率は算出不能だが、低有利子負債で業種中央値-2.84倍(ネットキャッシュポジション多い)に近い構造と推察される。 成長性: 売上高成長率+6.5%は業種中央値+10.4%(IQR -1.2%〜19.6%)をやや下回るが、EPS成長率は-68.8%と業種中央値+22%を大きく下回り、成長性は業種内で劣位。ルール・オブ・40(成長率+利益率)は推定で約9%と業種中央値20%を大幅に下回る。 (業種: IT・通信(104社)、比較対象: 2025年Q3決算期、出所: 当社集計)

決算上の注目ポイント

【増収減益構造への注目】売上高は+6.5%増と拡大基調も、営業利益率2.8%と業種中央値8.2%を大幅に下回り収益性の劣後が顕著。粗利率21.6%の低水準と販管費率18.8%の固定費負担が利益圧迫の主因で、価格転嫁力の弱さまたはコスト構造の非効率性が示唆される。増収が利益増に結び付かない構造は短期的な外部要因か構造的課題かの見極めが必要で、第4四半期での利益率改善動向が重要な検証ポイント。【運転資本効率の構造的課題】売掛金-44.1%減と回収は改善も、買掛金+86.6%増と支払条件延長が示唆され、在庫(特に仕掛品)の滞留が現金及び預金-28.0%減の主因と推察される。業種比較では棚卸資産回転日数・営業運転資本回転日数が業種中央値を大幅に超過すると推定され、キャッシュコンバージョンサイクルの長期化は現金創出力の脆弱性を意味する。在庫管理と債権債務サイクルの正常化が中期的な財務健全性維持の鍵となる。【通期予想達成の実現性】第3四半期累計での営業利益進捗率18.1%は標準進捗75%を大幅に下回り、通期予想達成には第4四半期で営業利益7.0億円(営業利益率21.6%相当)が必要。現状の利益率水準と運転資本の非効率性を踏まえると達成ハードルは極めて高く、予想修正リスクが存在する。配当計画(年間17.0円)は通期純利益予想達成が前提で、予想未達の場合は配当政策への影響も注視が必要。


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。


AI財務分析

総括

2026年度Q3累計は、売上高が前年同期比6.5%増の55.93億円となった一方、収益性の低下により営業利益は同52.3%減の1.54億円、純利益は同68.8%減の1.05億円となった。売上高は前年同期の52.54億円から3.39億円増加した。売上原価は前年同期比17.2%増の43.88億円と売上成長を大きく上回った。これにより売上総利益は12.06億円と前年同期比20.2%減少した。粗利益率は前年同期の28.8%から21.6%へ720bp低下した。販管費は10.52億円と前年同期比11.1%減少しており、費用抑制は実施されている。もっとも、原価率上昇による粗利減少を販管費削減では補えず、営業利益率は6.1%から2.8%へ330bp縮小した。純利益率も6.4%から1.9%へ450bp低下した。経常利益の減益率が65.9%と営業利益の減益率を上回った背景には、前年同期に1.57億円計上された補助金収入が当期は0.23億円にとどまったことがある。当期の営業外収益0.35億円は売上高の0.6%であり、営業外損益への依存度は限定的である。特別損失は固定資産除却損0.03億円にとどまり、純利益の低下は主に本業採算の悪化と前年の補助金収入の反動による。年換算ROEは1.1%、年換算ROICは0.9%であり、資本コストを意識した収益回復が最重要課題である。売掛金の圧縮は回収面で前進した一方、仕掛品を中心とする在庫増加により、年換算CCCは253日と長期化している。Q3累計の売上高進捗率は通期予想88.00億円に対して63.6%で、標準的な75%を11.4pt下回る。営業利益進捗率は18.1%、純利益進捗率は17.5%にとどまり、通期計画の達成にはQ4に大幅な利益率改善が必要である。会社予想の通期営業利益8.50億円に対し、Q4単独で6.96億円の営業利益が必要となる。現時点では、原価改善、仕掛品の売上・製品化、および計画案件の確実な計上が業績回復の焦点となる。

収益性分析

年換算ROE 1.1%は、純利益率1.9%×総資産回転率0.346倍×財務レバレッジ1.61倍で構成される。ROEを最も強く抑制している要因は1.9%まで低下した純利益率であり、資産回転率も大型の生産設備を保有する製造業として低位にある。利益率低下の直接要因は、売上高が6.5%増加する一方で売上原価が17.2%増加し、粗利益率が720bp縮小したことである。販管費は11.1%減少しているため、減益は固定費増ではなく、主として売上ミックス、原材料・製造コスト、又は稼働率に関連する売上総利益段階の悪化を示す。営業利益率2.8%は5%未満であり、営業効率警告に該当する。年換算ROIC 0.9%も5%を大幅に下回り、125.42億円の有形固定資産を活用して十分なリターンを生み出せていない。金利負担係数は1.053と1を上回り、営業外損益を含めた税引前利益は営業利益を上回るが、これは当期の補助金収入0.23億円の寄与による。前年同期の補助金収入1.57億円からの減少は一時的収益の反動であり、前年の経常利益水準を持続的な収益力として評価することは適切でない。税負担係数は0.647、実効税率は34.8%であり、税引前利益の低下局面では税金負担も純利益率の回復を制約する。営業レバレッジは、販管費削減が進む一方で粗利の減少幅が大きいことから、現状では十分に機能していない。収益性回復の持続性は、原価率の正常化と生産設備の稼働率改善に依存する。

成長性評価

売上高は前年同期比6.5%増と増収を維持したが、売上原価の増加率17.2%が売上成長率を10.7pt上回っており、現状の増収は利益成長に結び付いていない。原材料は11.31億円、仕掛品は20.30億円、製品は4.88億円で、在庫合計は36.50億円となる。特に仕掛品は前年同期の13.96億円から45.4%増加し、在庫に占める比率は55.6%である。仕掛品比率55.6%は40%の警告水準を上回っており、個別受注型・多工程型の化学製造における生産リードタイムの長さ、案件の進捗遅延、又は将来売上への先行生産を示唆する。年換算DIOは228日、年換算DSOは66日、年換算CCCは253日であり、運転資本の滞留が成長の現金化を遅らせている。通期会社予想は売上高88.00億円、営業利益8.50億円、純利益6.00億円である。Q3累計の売上高進捗率63.6%は標準進捗率75%を11.4pt下回る。営業利益進捗率18.1%は標準を56.9pt、純利益進捗率17.5%は57.5pt下回る。Q4に必要な売上高は32.07億円、営業利益は6.96億円、純利益は4.95億円であり、Q4に必要な営業利益率は21.7%となる。これはQ3累計の営業利益率2.8%を18.9pt上回る水準であり、通期予想は計画案件の集中計上や大幅な原価改善を前提とする。化学品の受託製造・プロセス開発では顧客案件の検収時期や生産計画の変動が四半期業績を左右しやすく、仕掛品の売上転化が短期成長の重要な確認点となる。

財務健全性

流動比率は252.4%、当座比率も252.4%であり、流動負債29.69億円に対して流動資産74.94億円、運転資本45.25億円を確保している。したがって、短期債務に対する流動性と満期ミスマッチのリスクは現時点で限定的である。負債合計は81.73億円、純資産は133.94億円で、負債資本倍率は0.61倍、Debt/Capital比率は17.1%であり、D/Eが2.0倍を超えるような過度のレバレッジ警告には該当しない。長期借入金は27.65億円で、流動負債には1年内返済予定の長期借入金11.09億円が含まれる。インタレストカバレッジは6.45倍で5倍超の強固な目安を満たすが、営業利益が低水準であるため、収益性がさらに低下する局面では利払い余力の低下を監視する必要がある。現金預金は17.18億円と前年同期比6.68億円、28.0%減少した一方、売掛金は13.46億円と同10.62億円、44.1%減少した。売掛金の減少は資金回収面でプラスだが、現金預金の減少は設備投資、生産関連支出、又は借入返済を含む資金需要を反映し得る。買掛金は6.46億円と前年同期比3.00億円、86.6%増加しており、仕入増加や支払条件の変化を通じて運転資本を支えている可能性がある。総資産の65.3%を固定資産が占め、有形固定資産は125.42億円、総資産の58.1%に達する。資産構成は設備集約的であり、需要変動局面では設備稼働率と減価償却負担が利益変動を増幅し得る。無形固定資産は0.57億円、総資産比0.3%であり、無形資産又はのれんへの依存は低い。

B/S変動のポイント

買掛金: +3.00億円(+86.6%)- 仕入債務の増加。原材料・仕掛品の増加と並行しており、短期の運転資金を支える一方、支払条件への依存度を監視する必要がある。売掛金: -10.62億円(-44.1%)- 売上債権残高の圧縮は回収面でプラス。ただし年換算DSOは66日であり、回収期間の短縮余地は残る。現金預金: -6.68億円(-28.0%)- 手元流動性は低下。流動比率252.4%により短期支払能力は確保されるが、長期化した在庫・仕掛品の現金化が重要となる。仕掛品: +6.34億円(+45.4%)- 仕掛品比率55.6%まで上昇。受注案件の進行を反映し得る一方、売上化の遅延、資金拘束、在庫評価リスクを伴う。機械装置及び運搬具: +28.47億円(+194.6%)- 生産能力・設備基盤の拡充を示す。今後は稼働率向上と減価償却を上回る利益創出による投資回収が課題。建設仮勘定: -35.81億円(-98.2%)- 建設中設備の稼働資産への振替が主因とみられる。設備投資フェーズから運用・収益化フェーズへの移行を示唆する。長期借入金: +4.98億円(+22.0%)- 設備投資資金等に対応した借入増加。Debt/Capital比率17.1%で財務余力は維持されるが、低いROIC下では投資回収の進捗を注視する。

キャッシュフロー品質

年換算DSO 66日は60日の警告水準を超え、売掛債権の回収日数には改善余地がある。ただし、売掛金残高自体は前年同期比44.1%減少しており、残高面では回収又は売上計上タイミングの改善がみられる。年換算DIO 228日は90日の警告水準を大幅に上回る。原材料11.31億円、仕掛品20.30億円、製品4.88億円のうち仕掛品が最大であり、仕掛品比率55.6%が在庫効率悪化の中核である。年換算CCC 253日は120日の警告水準を133日上回り、運転資本効率警告に該当する。買掛金の86.6%増加は短期的には仕入債務による資金負担の緩和に寄与し得るが、在庫回転の改善を伴わなければ持続的な資金創出には直結しない。現金預金は前年同期比28.0%減少しているため、仕掛品の完成・出荷・回収を通じた運転資本の現金化が重要となる。利益の現金裏付けは、今後の仕掛品減少、DIO短縮、CCC短縮の進展で評価する必要がある。

配当持続性

第2四半期配当16.00円に基づくQ3累計の配当性向は、配当金のみを純利益で除した118.6%であり、100%を上回る。この水準は当期累計純利益1.05億円に対して配当支払いが先行していることを意味し、当期累計利益だけを基準とした配当カバーは限定的である。一方、会社の通期予想では年間配当33.00円、通期純利益6.00億円であり、予想ベースの配当性向は約42.6%となる。これは60%未満の持続可能性の目安に収まる。したがって、年間配当の持続可能性は、通期純利益6.00億円の実現、特にQ4に必要な4.95億円の純利益計上に大きく依存する。現時点で自己株買いに関する金額は示されていないため、配当性向と総還元性向は区別して評価する。運転資本の長期滞留と現金預金の減少を踏まえると、配当の実質的な資金余力は在庫・仕掛品の現金化の進捗と併せて注視すべきである。

リスク評価

ビジネスリスクとして、高優先度(発生可能性:高、影響度:高):売上原価が前年同期比17.2%増と売上成長率を上回り、粗利益率が720bp低下している。原材料価格、エネルギー費、人件費、生産歩留まり、製品ミックス又は設備稼働率の悪化が継続すれば、低い営業利益率の回復を阻害する。、高優先度(発生可能性:高、影響度:高):仕掛品20.30億円、仕掛品比率55.6%、年換算DIO 228日という在庫過剰警告がある。受託製造・ファインケミカル分野では、顧客承認、品質試験、検収及び製造工程の遅延が仕掛品の長期滞留、評価損又は売上計上の後ずれにつながり得る。、高優先度(発生可能性:中、影響度:高):通期予想達成にはQ4営業利益率21.7%が必要である。案件の検収集中や生産計画の変動がある業態では四半期偏重は起こり得るものの、累計営業利益率2.8%との差が大きく、未達時の利益変動リスクが高い。、中優先度(発生可能性:中、影響度:中):年換算DSO 66日は60日超であり、顧客別の請求・回収条件や検収遅延が運転資本を増加させる可能性がある。が挙げられます。

財務リスクとしては、中優先度(発生可能性:中、影響度:中):現金預金は17.18億円と前年同期比28.0%減少している。流動比率252.4%と運転資本45.25億円により短期流動性は保たれるが、在庫の現金化が遅延すれば手元流動性への圧力が強まる。、中優先度(発生可能性:中、影響度:中):買掛金は86.6%増加している。仕入債務の増加が在庫増加と並行しており、支払条件への依存が増している場合、仕入先条件の変更時にキャッシュフローが悪化する可能性がある。、低優先度(発生可能性:低、影響度:中):Debt/Capital比率17.1%、負債資本倍率0.61倍、インタレストカバレッジ6.45倍で資本構成は現時点で保守的である。ただし、固定資産比率65.3%の設備集約型事業であるため、低収益が長期化した場合には固定費・借入負担の相対的な重さが増す。が挙げられます。

主な懸念事項としては、営業効率警告の根本原因は、EBITマージン2.8%が5%未満であり、原価増を販管費削減で吸収できていない点にある。製造業では稼働率や原材料価格の影響を受けやすいが、前年同期比330bpの営業利益率低下は投下資本回収力を大きく低下させる。、資本効率警告の根本原因は、年換算ROIC 0.9%が5%を大幅に下回る点にある。総資産の58.1%を有形固定資産が占めるため、設備稼働率と粗利率の改善がなければ資本効率の回復は限定的となる。、売掛金回収遅延警告は年換算DSO 66日が60日を超えることによる。売掛金残高は減少しているため残高面の改善は評価できるが、回収日数はなお長く、売上拡大局面での運転資本負担を注視する必要がある。、在庫過剰警告と運転資本効率警告は、年換算DIO 228日および年換算CCC 253日に表れている。長い製造・検収サイクルが業界特性として一定程度あり得る一方、DIOは90日、CCCは120日の警告水準を大きく超え、資金拘束と在庫評価リスクを高める。、仕掛品過剰警告は、仕掛品比率55.6%が40%を超えることによる。仕掛品が売上に転化すれば成長の源泉となり得るが、転化が遅れる場合はキャッシュコンバージョンと収益予想の双方に下振れリスクがある。が挙げられます。

投資示唆

重要ポイントとして、増収にもかかわらず粗利益率が720bp、営業利益率が330bp低下しており、短期的な評価軸は売上規模より原価率・稼働率の改善となる。、年換算ROE 1.1%、年換算ROIC 0.9%は低く、固定資産を中心とした投下資本に対する収益創出力の回復が必要である。、通期営業利益予想の進捗率は18.1%であり、Q4の大幅な利益集中を織り込む計画の実現性が重要である。、年換算CCC 253日と仕掛品比率55.6%は、利益成長の現金化を左右する最重要の運転資本指標である。、流動比率252.4%、Debt/Capital比率17.1%、インタレストカバレッジ6.45倍は、低収益局面でも財務耐性を一定程度支える。が挙げられます。

注視すべき指標は、粗利益率および営業利益率の四半期推移、仕掛品残高、仕掛品比率、原材料・製品在庫の構成変化、年換算DIO、DSO、CCCおよび買掛金の増減、Q4の売上高32.07億円、営業利益6.96億円、純利益4.95億円という通期計画達成に必要な水準、現金預金、1年内返済予定の長期借入金、長期借入金およびインタレストカバレッジ、年間配当33.00円に対する通期純利益および配当性向です。

セクター内ポジションについては、流動性と資本構成は保守的である一方、営業利益率2.8%、年換算ROIC 0.9%、年換算CCC 253日は、設備集約型の化学製造企業として収益性・資本効率・運転資本効率が弱い状態を示す。無形資産比率0.3%と低く、のれん等のM&A会計リスクは限定的だが、競争上の位置付けは設備投資の回収力、原価管理、案件の工程管理によって左右される。