| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥2350.8億 | ¥2389.3億 | -1.6% |
| 営業利益 | ¥418.4億 | ¥513.2億 | -18.5% |
| 税引前利益 | ¥407.4億 | ¥507.9億 | -19.8% |
| 純利益 | ¥301.0億 | ¥360.0億 | -16.4% |
| ROE | 13.7% | 18.4% | - |
2026年3月期のKOKUSAI ELECTRICは、売上高2,350.8億円(前年比-38.5億円 -1.6%)、営業利益418.4億円(同-94.8億円 -18.5%)、経常利益282.1億円(同-137.6億円 -32.8%)、純利益301.0億円(同-59.0億円 -16.4%)と減収減益。地域別では中国向けが905.97億円(-21.3億円 -2.3%)に縮小する一方、韓国向けが575.7億円(+197.6億円 +52.0%)へ大幅伸長したものの、粗利率は41.2%(前年42.6%から-1.4pt)、販管費率は23.4%(前年21.1%から+2.3pt)へ悪化し、営業利益率は17.8%(前年21.5%から-3.7pt)へ低下。契約負債は348.4億円(前年224.6億円から+55.2%増)と受注前受金が大幅積み上がり、来期売上の先行指標としては前向き。営業CFは488.0億円(前年比+26.8%)で純利益の1.62倍と高水準、FCFは318.5億円で配当86.2億円と自社株買い185.2億円の合計271.4億円を1.17倍でカバー。自己資本比率は61.0%、有利子負債468.2億円に対し現金565.4億円とネットキャッシュ近似の健全財務を維持する一方、在庫888.9億円(総資産の24.7%)と高水準のため運転資本効率が課題。
【売上高】売上高は2,350.8億円で前年比-1.6%の微減。地域別では中国向けが905.97億円(前年1,119.01億円から-19.0%)と大幅減少したが、韓国向けが575.7億円(前年379.66億円から+51.6%)、日本向けが227.96億円(前年198.59億円から+14.8%)へ伸長し一部相殺。台湾は431.49億円(前年420.02億円から+2.7%)と横ばい圏、米国は78.07億円(前年151.35億円から-48.4%)へ半減。地域ミックスの変動が売上構成に影響し、中国減速による装置カテゴリーや価格帯の変化がトップライン停滞の主因。契約負債は348.4億円(前年224.6億円から+55.2%)と大幅積み上がりを示し、受注は堅調だが納入・検収タイミングのずれが売上計上を遅らせた構図。
【損益】粗利率は41.2%で前年42.6%から-1.4pt低下、売上原価率は58.8%(前年57.4%)へ悪化。販管費は551.1億円(前年505.2億円から+9.1%)と売上減少下で増加し、販管費率は23.4%(前年21.1%から+2.3pt)へ上昇。この結果、営業利益は418.4億円(前年513.2億円から-18.5%)、営業利益率は17.8%(前年21.5%から-3.7pt)へ悪化。粗利率低下の要因は、地域・製品ミックス変化(中国減速と韓国伸長)による装置単価や構成比の変動、製造コストの上昇が寄与。販管費率上昇は、人件費・研究開発費・販売費の固定費増加が減収下で営業レバレッジを逆回転させたことを示す。営業外では金融収益3.5億円、金融費用14.5億円と前年並みで影響は限定的。経常利益は282.1億円(前年419.7億円から-32.8%)と営業利益の減少を反映。法人税等は106.4億円(実効税率26.1%)で標準域、純利益は301.0億円(前年360.0億円から-16.4%)。包括利益は316.5億円(前年340.8億円)で、為替換算調整19.5億円が純利益を上回る包括利益を支えた。結論として減収減益、収益性悪化はサイクル逆風とコストインフレに起因し、在庫積み上がり(888.9億円、前年832.0億円から+6.8%)が出荷タイミングと利益率の両面で逆風となった。
当社グループは半導体製造装置事業による単一セグメントのため、セグメント別営業損益の開示なし。
【収益性】ROEは14.5%で前年18.8%から-4.3pt低下、デュポン分解では純利益率12.8%(前年15.1%から-2.3pt)と営業利益率悪化が主因、総資産回転率は0.65回(前年0.70回)、財務レバレッジは1.64倍(前年1.74倍)。営業利益率17.8%は前年21.5%から-3.7pt悪化し、粗利率-1.4pt、販管費率+2.3ptが寄与。【キャッシュ品質】営業CFは488.0億円で純利益301.0億円の1.62倍、アクルーアル比率-6.2%(= (純利益301.0 - 営業CF488.0) / 総資産3,596.6)と現金主導の良好な収益の質。【投資効率】総資産回転率0.65回(前年0.70回)と低下、在庫回転日数は235日(在庫888.9億円 / 売上日額10.0億円 × 365日)と高水準で運転資本の滞留が顕著。CCC(キャッシュコンバージョンサイクル)は227日程度(DIO235日 + DSO59日 - DPO67日)と長期化。【財務健全性】自己資本比率61.0%(前年57.4%から+3.6pt)、Debt/Equity比率21.4%(有利子負債468.2億円 / 純資産2,192.7億円)と保守的。ネット有利子負債は-97.2億円(有利子負債468.2億円 - 現金565.4億円)でネットキャッシュ近似、Debt/EBITDA比率は約0.84倍(有利子負債468.2億円 / EBITDA約561.2億円)と低レバレッジ。流動比率205%(流動資産1,858.4億円 / 流動負債907.3億円)、当座比率107%と短期支払能力は十分。
営業CFは488.0億円(前年384.8億円から+26.8%)で、純利益301.0億円の1.62倍と高品質。小計は681.1億円で、減価償却費142.8億円が非現金費用として加算、法人税等費用106.4億円を計上後の水準。運転資本では棚卸資産増加-45.1億円がキャッシュアウト要因、営業債権減少+57.8億円と営業債務増加+16.5億円が部分相殺し、その他運転資本+90.8億円が寄与。法人税等支払-189.1億円がキャッシュアウト、利息支払-6.8億円は小幅。投資CFは-169.5億円で、設備投資-137.4億円、無形資産投資-32.8億円が主体。財務CFは-215.1億円で、長期借入金返済-120.0億円、配当支払-86.2億円、リース返済-8.2億円に加え、その他-0.8億円。自社株買いは当期CF上でゼロだが、前年-185.2億円の実績があり、還元余力は十分。為替影響+14.6億円で現金は+117.9億円増加、期末現金565.4億円。FCFは318.5億円(営業CF488.0億円 + 投資CF-169.5億円)で、配当86.2億円を3.7倍でカバー、配当+前年自社株買い相当額を含む総還元仮想額271.4億円に対しても1.17倍で賄い、資本配分の持続性は高い。在庫積み上がりと高CCCが営業CFの伸びしろを抑制している一方、運転資本効率改善時のキャッシュ創出余地は大きい。
収益は本業主導で、営業外収益の金融収益3.5億円、営業外費用の金融費用14.5億円、その他収益5.1億円、その他費用3.7億円と規模は小さく、一時的要因の寄与は限定的。特別損益の開示なく、経常利益と純利益の差は法人税等106.4億円(実効税率26.1%)の範囲で説明可能。アクルーアル比率-6.2%は現金主導の良好な収益品質を示し、包括利益316.5億円は純利益301.0億円を為替換算調整19.5億円が押し上げ、構造的な評価損益の変動は限定的。営業CFが純利益を1.62倍上回り、営業CF小計681.1億円から運転資本変動を経ても488.0億円の高水準を維持しており、利益計上の現金裏付けは強固。在庫積み上がりと契約負債増加は今後の出荷・検収進捗に依存するため、収益認識タイミングのブレ要因となるが、過去の経緯から一時的とみられる。
2027年3月期通期ガイダンスは売上高2,800.0億円(当期比+19.1%)、営業利益545.0億円(同+30.3%)、純利益388.0億円(同+28.9%)、EPS166.08円、配当23.00円。営業利益率は19.5%(当期17.8%から+1.7pt)への回復を前提とし、粗利率改善と販管費効率化が鍵。契約負債348.4億円(売上比14.8%相当)の積み上がりが来期売上を下支えし、受注残の出荷・検収が進捗すれば増収は実現可能。進捗率前提では、前半の出荷が前倒しされる場合に標準(Q1=25%, Q2=50%)を上回る可能性がある一方、納入・検収遅延リスクがブレ要因。営業利益の増益幅+126.6億円は、売上増+449.2億円に対し粗利率改善と販管費コントロールが前提だが、在庫正常化と地域・製品ミックスの好転、為替の追い風が加われば達成確度は高まる。もっとも、出荷タイミングのずれや顧客投資計画の変更は短期的な下振れ要因として残る。
当期配当は中間18円、期末19円の年間37円、配当性向は28.7%(配当37円 / EPS129.00円)と持続可能域。前年配当は年間18円のため、年間ベースで+19円の大幅増配。配当総額は86.3億円で、営業CFの17.7%、FCFの27.1%と余裕を持ってカバー。自社株買いは前年185.2億円を実施したが当期は実施なし、ただし自己株式が160.1億円(前年180.0億円)へ減少しており、持株会処分3.1億円と株式報酬16.8億円の処分が寄与。配当と前年自社株買いを含む総還元性向は約90%(総還元271.4億円 / 純利益301.0億円)と高水準だが、FCF318.5億円で1.17倍カバーし、現金残高565.4億円、ネットキャッシュ近似の財務状態から還元余力は十分。2027年度配当予想は23円で、当期配当37円から減配だが、前年の特別配当要素を調整した標準ベースでは増配基調と解釈可能。配当性向と総還元性向のバランスは、在庫圧縮によるOCF上振れ時に柔軟対応の余地あり。
半導体設備投資サイクルの下振れリスク: 営業利益率が17.8%(前年21.5%から-3.7pt)へ低下しており、需要減速局面での価格下落と固定費負担増が収益性を圧迫。契約負債348.4億円の積み上がりは受注堅調を示すが、顧客投資計画の急変時には納入遅延・キャンセルリスクが顕在化し、在庫888.9億円の滞留長期化と評価損計上の可能性。地域別では中国向けが-19.0%と縮小し、地政学・輸出管理強化の影響が継続するリスク。
運転資本効率とキャッシュ創出の遅延リスク: 在庫888.9億円(総資産の24.7%)、在庫回転日数235日、CCC227日と運転資本滞留が顕著。営業CF488.0億円は純利益の1.62倍と高水準だが、在庫増加-45.1億円がキャッシュアウト要因で、出荷タイミングのずれや検収遅延が継続すればOCF創出力が鈍化。契約負債348.4億円の売上計上遅延時には流動性リスクが高まり、運転資本ファイナンスの負担増加も懸念。
地域・製品ミックス変動と収益性圧迫リスク: 粗利率41.2%(前年42.6%から-1.4pt)、販管費率23.4%(前年21.1%から+2.3pt)と利益率が悪化。韓国向け+51.6%伸長と中国向け-19.0%減少のミックス変化が装置単価・構成比に影響し、ハイエンド比率低下や価格競争激化が粗利率を圧迫。販管費は売上減少下で+9.1%増加しており、固定費の伸び抑制が進まなければ営業レバレッジが逆回転継続し、ガイダンスのマージン回復前提が未達となるリスク。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 自己資本利益率 | 14.5% | 6.3% (3.2%–9.9%) | +8.2pt |
| 営業利益率 | 17.8% | 7.8% (4.6%–12.3%) | +10.0pt |
| 純利益率 | 12.8% | 5.2% (2.3%–8.2%) | +7.6pt |
収益性指標は業種中央値を大きく上回り、ROE・営業利益率・純利益率すべてで上位水準を維持。半導体製造装置の高付加価値ビジネスモデルが反映されている。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | -1.6% | 3.7% (-0.4%–9.3%) | -5.3pt |
売上成長率は業種中央値を下回り、半導体サイクル調整局面での地域ミックス変動が短期的な成長率を抑制。
※出所: 当社集計
契約負債348.4億円の大幅積み上がり(前年比+55.2%)は受注堅調を示し、来期売上の先行指標として前向きなシグナル。在庫888.9億円と高水準のため、出荷・検収進捗が売上計上とマージン回復の鍵となり、四半期ごとのDIO・CCC・契約負債残高の推移が重要なモニタリング指標。地域別では韓国向け+51.6%伸長と中国向け-19.0%減少のミックス変化が継続する場合、装置カテゴリーや価格帯の構成がマージンに与える影響を注視。
営業利益率17.8%(前年21.5%から-3.7pt悪化)は粗利率-1.4pt、販管費率+2.3ptが寄与し、固定費増加と営業レバレッジ逆回転が主因。2027年度ガイダンスは営業利益率19.5%への回復を前提とするため、販管費コントロール(人件費・R&D効率化)と粗利率改善(ミックス好転・稼働率上昇)の実行度が達成確度を左右。在庫正常化が進めば営業CF創出力がさらに向上し、資本配分の柔軟性が高まる。
財務健全性は自己資本比率61.0%、ネットキャッシュ近似(有利子負債468.2億円 - 現金565.4億円)、Debt/EBITDA約0.84倍と保守的で、サイクル逆風下でのディフェンシブ性は高い。営業CF488.0億円はFCF318.5億円を創出し、配当+前年自社株買い相当の総還元271.4億円を1.17倍でカバー。配当性向28.7%と余力があり、在庫圧縮・OCF上振れ時には増配・自社株買い再開の余地もある一方、運転資本効率(CCC227日)の改善が中期的な資本効率向上とキャッシュ創出力強化の焦点。
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。