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65172026 第3四半期プライムJGAAP

デンヨー(6517) 2026年度第3四半期決算 減収・営業益10%減

2026年度第3四半期の売上高は512.9億円(前年同期比-2.4%)、営業利益は48億円(同-9.5%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

デンヨー株式会社

電機・精密/電気機器


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥512.9億¥525.2億−2.4%
営業利益¥48.0億¥53.0億−9.5%
経常利益¥53.9億¥58.2億−7.5%
純利益¥37.1億¥43.0億−13.6%
ROE4.5%5.3%-

Executive Summary

2026年3月期第3四半期累計は減収減益となり、国内堅調も海外事業の減速が連結収益を押し下げた。売上高は512.9億円(前年比-2.4%)、営業利益は48.0億円(同-9.5%)、経常利益は53.9億円(同-7.5%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は35.5億円(同-12.3%)となった。営業利益率は9.4%で前年同期の約10.1%から低下しており、売上減少率を上回る利益減少幅は固定費吸収力の低下を示唆する。減益の主因はアメリカ・アジアの需要鈍化であり、営業外収益(受取配当金・受取利息等)が経常利益を下支えした。

業績変動要因

【売上高】連結売上高は512.9億円で前年同期比2.4%減となった。セグメント別ではJapan(構成比79.9%)が409.9億円で前年同期比1.6%増と唯一の増収を確保した一方、America(構成比22.4%)は114.7億円で同10.7%減、Asia(構成比13.4%)は68.9億円で同12.1%減、Europeは2.2億円で同12.6%減と、海外3地域がいずれも減収となった。連結減収は主に海外需要の鈍化に起因する。

【損益】営業利益は48.0億円で前年同期比9.5%減となり、売上減収率2.4%を上回る減益幅となった。地域別では日本が31.8億円(同6.1%増、利益率7.8%)と増益を確保したが、アメリカは7.9億円(同40.5%減、利益率6.9%)、アジアは3.9億円(同29.7%減、利益率5.6%)と大幅減益となり、連結減益を主導した。営業外収益6.7億円(受取配当金2.4億円、受取利息2.0億円等)が経常利益を下支えし、経常利益の減益率は7.5%と営業利益の減益率9.5%より小幅にとどまった。特別損益は純額0.1億円の損失にとどまり僅少。純利益は37.1億円(前年比-13.6%)で、税引前利益からの下落幅が経常利益比で大きく、法人税等負担(実効税率約30.9%)が影響した。国内の増収増益に対し海外の減収減益が連結業績を圧迫しており、総じて減収減益と結論づけられる。

セグメント別分析

セグメント利益(合計43.5億円、調整額除く)のうち日本が31.8億円(構成比73.1%)と最大の利益源であり、前年同期比6.1%増と唯一の増益セグメントとなった。アメリカは7.9億円(構成比18.2%)で同40.5%減、アジアは3.9億円(構成比8.9%)で同29.7%減と大幅減益となった。欧州は0.1億円の営業損失で、前年同期の0.04億円の損失から赤字幅が拡大している。アジアの利益率12.3%は依然として地域内で最も高いが、減益が続けば地域構成の変化を通じて連結収益性を圧迫し得る。

主要財務指標

【収益性】営業利益率9.4%、純利益率(親会社株主帰属ベース)6.9%はいずれも製造業として良好圏にあるが、前年同期の営業利益率約10.1%、純利益率約7.7%からそれぞれ低下しており、収益性はやや悪化傾向にある。【キャッシュ品質】親会社株主帰属包括利益45.5億円は同純利益35.5億円を上回っており、その他有価証券評価差額金の増加が純資産変動に寄与した一方、為替換算調整額はマイナスに寄与した。【投資効率】ROEは4.5%(年換算ベースでは概ね4%台前半)にとどまり、自己資本比率79.1%という厚い資本基盤に対して利益創出効率の改善余地がある。総資産回転率も低水準であり、資産効率がROEの制約要因となっている。【財務健全性】自己資本比率79.1%、流動比率は流動資産660.1億円/流動負債162.5億円で約406%、有利子負債は28.7億円と少額で、財務基盤は極めて保守的である。

キャッシュフロー分析

CF計算書の詳細開示はないが、BS推移から資金動向を分析すると、現金及び預金は215.6億円で前年同期の235.0億円から減少している一方、投資有価証券は135.9億円から159.2億円規模へ増加しており、余剰資金の一部が有価証券投資に振り向けられた可能性がある。売上債権(受取手形・売掛金・電子記録債権)は前年同期比で回収サイクルが長期化傾向にあり、棚卸資産(製品・原材料・仕掛品合計)も高水準を維持しているため、運転資本への資金滞留が営業キャッシュ創出を抑制している可能性がある。有利子負債は短期・長期合計で28.7億円と小さく、財務活動を通じた資金調達への依存度は低い。

収益の質

経常利益53.9億円は営業利益48.0億円に営業外収益6.7億円(受取配当金2.4億円、受取利息2.0億円、為替差益0.4億円等)を加え営業外費用0.8億円(支払利息0.6億円等)を差し引いた結果であり、財務・投資資産からの経常的な収益が営業利益の減少を一定程度補っている。特別損益は特別利益0.3億円(投資有価証券売却益0.1億円、固定資産売却益0.2億円)、特別損失0.4億円と純額でごく小規模であり、純利益への影響は限定的で一時的要因による歪みは小さい。純利益37.1億円と包括利益45.7億円の乖離は8.6億円あり、有価証券評価差額金19.3億円のプラスと為替換算調整額10.5億円のマイナスが相殺し合う形となっており、事業の経常収益力とは別に市場変動の影響を受けやすい構造がうかがえる。

業績予想・ガイダンス

通期会社計画は売上高720.0億円(前期比+1.8%)、営業利益73.0億円(同-1.3%)、経常利益77.0億円(同-3.8%)であり、会社計画自体が利益率の低下を織り込んでいる。第3四半期累計の進捗率は売上高71.2%、営業利益65.7%、経常利益70.0%、純利益69.5%で、いずれも単純な75%水準をやや下回る。計画達成には第4四半期に営業利益率12.1%程度が必要となり、これは累計実績9.4%を上回る水準であるため、海外事業の採算改善が第4四半期の焦点となる。

株主還元

第2四半期配当は1株当たり45.00円、通期予想配当は100.00円であり、単純計算では期末配当は55.00円と想定される。通期予想EPS249.29円に対する配当性向は約40.1%となる。現金及び預金215.6億円、有利子負債28.7億円、利益剰余金672.5億円という財務基盤は、この配当水準の支払いを安定的に支える規模にある。

リスク要因

  1. 海外事業の採算悪化: アメリカの売上高は前年同期比10.7%減、セグメント利益は同40.5%減。アジアも売上高同12.1%減、利益同29.7%減となっており、両地域の需要・採算回復が連結収益の回復を左右する。

  2. 運転資本の滞留: 棚卸資産(製品73.8億円、原材料83.5億円、仕掛品26.4億円)と売上債権が高水準にあり、売掛金回収・在庫回転の長期化がキャッシュ創出力を制約する可能性がある。

  3. 通期計画達成に向けた採算改善の必要性: 第4四半期に必要な営業利益率は累計実績9.4%を上回る水準であり、計画未達となった場合は通期の減益幅が拡大する可能性がある。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率9.4%8.6% (4.3%–12.7%)+0.8pt
純利益率7.2%6.4% (2.8%–10.3%)+0.8pt

自社の収益性指標は業種中央値をいずれも上回っており、製造業内では相対的に良好な水準にある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)−2.4%3.3% (-2.1%–8.9%)−5.7pt

売上高成長率は業種中央値を大きく下回っており、増収基調にある業種内他社と対照的に減収局面にある。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 国内事業は増収増益を維持し連結利益の中心的な支え手となっている一方、アメリカ・アジアの減収減益が連結減益の主因であり、地域別の業績格差が拡大している。

  2. 営業利益率9.4%は業種中央値を上回る良好圏にあるものの、前年同期比では低下傾向にあり、通期計画達成に必要な第4四半期の利益率水準は累計実績を上回るため、採算改善の実行度合いが注目点となる。

  3. 自己資本比率79.1%、有利子負債28.7億円という保守的な財務基盤は、海外需要の不確実性に対する耐性を提供する一方、棚卸資産・売上債権を中心とした運転資本の効率改善が資本効率向上の課題として残る。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)3,663円
base(基準)3,716円
bull(強気)3,783円
算出前提
1株純資産(BPS)4,070円
調整後予想EPS269.1円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向40.1%
予想EPSの信頼度調整×1.080(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER0.91倍 / 13.8倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 3,615円〜3,823円、ω±0.1で 3,705円〜3,724円。

注記:

  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。