- 売上高: 7,783.14億円
- 営業利益: 443.87億円
- 当期純利益: 286.95億円
- 1株当たり当期純利益: 71.18円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 7,783.14億円 | 7,782.37億円 | +0.0% |
| 売上原価 | 6,426.13億円 | 6,429.70億円 | -0.1% |
| 売上総利益 | 1,357.01億円 | 1,352.67億円 | +0.3% |
| 販管費 | 927.78億円 | 893.86億円 | +3.8% |
| 営業利益 | 443.87億円 | 467.88億円 | -5.1% |
| 税引前利益 | 403.70億円 | 360.04億円 | +12.1% |
| 法人税等 | 116.75億円 | 108.37億円 | +7.7% |
| 当期純利益 | 286.95億円 | 251.67億円 | +14.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 285.85億円 | 250.73億円 | +14.0% |
| 包括利益 | 509.00億円 | 213.45億円 | +138.5% |
| 減価償却費 | 343.17億円 | 321.48億円 | +6.7% |
| 1株当たり当期純利益 | 71.18円 | 62.05円 | +14.7% |
| 潜在株式調整後1株当たり当期純利益 | 71.18円 | 62.04円 | +14.7% |
| 1株当たり配当金 | 20.00円 | 20.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 9,874.47億円 | 9,041.44億円 | +833.03億円 |
| 売掛金 | 3,108.40億円 | 2,933.15億円 | +175.25億円 |
| 棚卸資産 | 4,021.25億円 | 3,508.69億円 | +512.56億円 |
| 固定資産 | 7,067.59億円 | 6,806.70億円 | +260.89億円 |
| 有形固定資産 | 5,487.48億円 | 5,290.08億円 | +197.40億円 |
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 223.42億円 | 539.10億円 | -315.68億円 |
| 投資活動によるキャッシュフロー | -372.16億円 | -824.60億円 | +452.44億円 |
| 財務活動によるキャッシュフロー | 183.92億円 | 358.96億円 | -175.04億円 |
| 現金及び現金同等物 | 2,219.98億円 | 2,142.56億円 | +77.42億円 |
| フリーキャッシュフロー | -148.74億円 | - | - |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 3.7% |
| 粗利益率 | 17.4% |
| 負債資本倍率 | 1.13倍 |
| EBITDAマージン | 10.1% |
| 実効税率 | 28.9% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +0.0% |
| 営業利益前年同期比 | -5.1% |
| 税引前利益前年同期比 | +12.1% |
| 当期純利益前年同期比 | +14.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +14.0% |
| 包括利益前年同期比 | +138.5% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 427.08百万株 |
| 自己株式数 | 25.48百万株 |
| 期中平均株式数 | 401.59百万株 |
| 1株当たり純資産 | 1,980.27円 |
| EBITDA | 787.04億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 20.00円 |
| 期末配当 | 25.00円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 15,500.00億円 |
| 営業利益予想 | 1,000.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 710.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 176.80円 |
| 1株当たり配当金予想 | 25.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2026年度Q2のミネベアミツミは、売上が横ばいの中で営業利益が減益、純利益は増益というミックスな決算となりました。売上高は7,783.14億円で前年同期比+0.0%と実質横ばいでした。営業利益は443.87億円で前年同期比-5.1%と減益です。一方、税引前利益は403.70億円、当期純利益は285.85億円で同+14.0%と増益を確保しました。粗利率は17.4%(1,357.01億円/売上)と示され、収益性は依然二桁のEBITDAマージン10.1%(EBITDA 787.04億円)を維持しています。営業利益率は5.70%で、前年はほぼ同売上水準と仮定すると約6.01%から31bp低下した計算です。逆に純利益率は3.67%と、前年の約3.22%から45bp改善したと推定されます。デュポン分解ベースのROEは3.6%(=純利益率3.7%×総資産回転率0.459×財務レバレッジ2.13倍)で、資本効率は控えめです。ROICは4.0%とベンチマーク(7–8%)を大きく下回り、資本効率面の課題が明確です。キャッシュフローは営業CF223.42億円と純利益285.85億円を下回り、営業CF/純利益は0.78倍と品質面で警戒シグナルが灯っています。FCFは-148.74億円(営業CF223.42億円+投資CF-372.16億円)とマイナスで、配当・設備投資を内部資金で賄い切れていません。財務CFは+183.92億円と資金調達に依存しており、当期は外部資金により投資・配当を補完した形です。自己資本比率46.3%、負債資本倍率1.13倍とバランスシートは総じて健全ですが、流動負債の開示が不足しており短期流動性の定量確認はできません。販管費は927.78億円と重く、売上が横ばいの中でコスト吸収に苦戦し営業レバレッジが逆回転した可能性があります。税率は実効28.9%と標準的で、営業外損益や税効果の改善が純利益率改善の一因とみられます。今後は需要回復とコスト最適化により営業利益率の回復、並びに運転資本の正常化を通じた営業CFの改善がカギです。資本効率(ROIC/ROE)の引き上げとFCF黒字化が持続的な株主還元の前提条件となります。
ROEを純利益率×総資産回転率×財務レバレッジに分解すると、3.6% = 3.7% × 0.459 × 2.13です。今回、最も目に見える変化は純利益率の改善(+45bp推定)で、これは営業利益率が31bp低下する一方、営業外・税負担の軽減や少数損益の影響により最終利益率が持ち直したことに起因する可能性が高いです。総資産回転率は0.459と中庸で、売上横ばい・資産規模大きめの産業特性(在庫・有形固定資産の厚み)を反映しています。財務レバレッジ2.13倍は過度ではなく、ROEの押し上げ効果は限定的です。営業面では、売上停滞下で販管費(927.78億円)の吸収が難しく、営業レバレッジが効かず営業利益率が縮小しました。ビジネス上の背景として、主力の精密部品(ベアリング、モータ、エレクトロニクス)でミックス悪化や価格競争、固定費の粘着性、さらに一部製品群の需要鈍化が考えられます。この営業利益率の低下は、需要回復・価格改定・コスト最適化が進まない限り一時的とは言い切れず、足元では持続性に懸念が残ります。懸念トレンドとして、売上成長率(0.0%)に対し販管費の実額が高止まりしており、売上伸長を欠いた期間のコスト弾力性の低さがROIC低迷(4.0%)と整合的です。なお、資産回転率の改善には在庫4,021.25億円と売掛金3,108.40億円の回転効率向上が重要となります。
売上は前年同期比+0.0%と停滞し、数量・価格・為替のいずれの寄与も限定的だった可能性が高いです。営業利益は-5.1%と、トップライン横ばい下でのコスト吸収難から減益となりました。一方、純利益は+14.0%増で、営業外損益や税率影響の改善が下支えしたとみられます。粗利率17.4%は維持されているものの、販管費率の上昇が営業利益率を圧迫しました。EBITDAマージンは10.1%と2桁を確保、減価償却費343.17億円の負担を吸収していますが、資本集約度の上昇はROICを圧迫しています。短期見通しは、在庫水準の適正化と価格政策、付加価値の高い製品ミックスへのシフトが鍵で、売上の持続可能性は主要最終市場(スマホ・車載・産業機器)の需要動向に依存します。利益の質は、営業CF/純利益0.78倍という点で注意が必要で、運転資本の解放が実現すれば改善余地があります。中期的には、ROIC>7–8%への引き上げがマネジメント課題で、選択的投資と低収益事業のテコ入れが必要です。
自己資本比率46.3%、負債資本倍率1.13倍と資本構成は保守的で、過度なレバレッジは認められません。流動資産は9,874.47億円と厚く、売掛金3,108.40億円・棚卸資産4,021.25億円が主要構成です。流動負債のXBRL未開示により流動比率・当座比率は算出不可で、満期ミスマッチの定量評価に制約がありますが、買掛金2,334.29億円に対し受取勘定・在庫が大きいことから、短期運転資本は総量としてはプラスと推定されます。有利子負債・金利費用の詳細開示がなくインタレストカバレッジは算出不可です。短期的には投資CFを財務CFで賄っており、運転資本が膨張する局面では流動性バッファ(現金同等物2,219.98億円)が重要です。オフバランス債務(与信保証、リース等)の情報は未開示のため、潜在的債務の網羅性には限界があります。
営業CFは223.42億円で純利益285.85億円に届かず、営業CF/純利益は0.78倍と品質面で注意シグナルです。FCFは-148.74億円(営業CF223.42億円+投資CF-372.16億円)とマイナスで、当期は内部資金で設備投資-360.36億円と配当金支払-100.40億円を賄い切れていません。財務CF+183.92億円は、外部資金調達によるFCF赤字補填を示唆します。運転資本の詳細ブリッジは未開示ですが、売上横ばいでも在庫・売掛の回転がCFを圧迫した可能性があります。今後は在庫適正化と回収強化により営業CF>純利益(>1.0倍)への回復が望まれます。Capex/売上は約4.6%と適度ながら、減価償却343.17億円に近い水準で更新投資中心と推察され、投資対効果(ROIC)の改善が焦点です。
配当性向は67.2%とベンチマーク60%をやや上回り、やや高めの水準です。FCFカバレッジは-0.77倍と不足し、当期の配当は内部創出キャッシュフローでは賄えていません。現金同等物残高と財務CFで当面の支払い能力は確保されているものの、持続的な配当政策には営業CFの改善とFCF黒字化が前提となります。自社株買いは-0.01億円と極小です。今後は配当の安定継続を意図するなら、投資配分の精査と運転資本効率化によりFCFの配当カバレッジ>1倍を目指す必要があります。
ビジネスリスク:
- 主要需要(スマホ、車載、産業機器)の変動による販売数量・ミックス悪化リスク
- 価格競争激化とコスト上昇(人件費・エネルギー)のマージン圧迫
- 在庫・売掛回転の悪化によるキャッシュフロー圧迫
- サプライチェーン混乱や原材料調達リスク
財務リスク:
- 営業CF/純利益0.78倍と低水準によるキャッシュ創出力の脆弱性
- FCF赤字(-148.74億円)を外部資金で補う構図の継続リスク
- ROIC 4.0%の低迷による資本効率悪化と資本コスト乖離
- 為替変動リスク(円安・円高による損益・B/S影響)
主な懸念事項:
- 営業利益率の縮小(-31bp)と販管費の高止まり
- 流動負債未開示により短期流動性指標の把握に制約
- 営業外・税効果に依存した純利益率改善の持続性不透明
- 投資回収(ROIC)とFCFの同時改善の必要性
重要ポイント:
- 売上横ばい下で営業利益減、純利益増というミックス決算
- 営業利益率5.70%(-31bp推定)と利益率に調整圧力
- 営業CF/純利益0.78倍・FCFマイナスでキャッシュ品質は要警戒
- 自己資本比率46.3%、負債資本倍率1.13倍で財務体質は健全
- ROIC 4.0%と資本効率は低位、改善が最大の課題
注視すべき指標:
- 営業CF/純利益の回復(>1.0倍)
- 在庫回転日数・売掛回転日数の改善
- 営業利益率(販管費率・粗利率)のトレンド
- Capex対減価償却のバランスと投資対効果(ROIC)
- 為替感応度とヘッジ方針
セクター内ポジション:
精密部品・電子部品セクター内では財務健全性は良好だが、資本効率(ROIC/ROE)とキャッシュ創出力が相対的に見劣り、需要回復とコスト最適化の実行度合いが差別化要因となる。
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