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64722026 第3四半期プライムJGAAP

NTN(6472) 2026年度第3四半期決算 減収・営業益36%増

2026年度第3四半期の売上高は6,033億円(前年同期比-2.0%)、営業利益は193億円(同+35.8%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

NTN株式会社

機械


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥6033.4億¥6155.2億−2.0%
営業利益¥193.0億¥142.1億+35.8%
経常利益¥139.8億¥57.9億+141.5%
純利益¥47.5億−¥72.9億+165.1%
ROE1.6%−2.9%-

Executive Summary

売上高減少下で営業増益・経常大幅増益となったが、純利益水準は依然低く一時的費用の影響が残る。売上高6,033.4億円(前年比-2.0%、△121.8億円)、営業利益193.0億円(同+35.8%、+50.9億円)、経常利益139.8億円(同+141.5%、+81.9億円)、純利益47.5億円(前年は72.9億円の赤字から黒字転換)となった。増益の主因はCVJアクスル事業でのコスト低減と米国関税の価格転嫁進捗であり、軸受他事業は自動車需要減で減益となった。

業績変動要因

【売上高】売上高は6,033.4億円で前年比2.0%減。日本を中心とした自動車向け需要減少に加え、米州・欧州・中国での需要減と半導体供給不足がCVJアクスル事業の減収要因となった。一方、アフターマーケット向けは1,066億円(前年比+22億円)と堅調に推移し、補修需要の下支えが確認できる。

【損益】営業利益は193.0億円(前年比+35.8%)、営業利益率3.2%(前年2.3%から0.9pt改善)。CVJアクスルはコスト低減と米国関税の売価転嫁進捗により減収ながら営業利益126億円(+78億円)と大幅増益、軸受他は在庫評価影響等により営業利益67億円(△28億円)と減益となった。特別損失32.6億円には減損損失21.4億円と事業構造改革費用10.1億円が含まれ、一時的要因として明記される。経常利益は139.8億円と営業利益を下回る差額が生じており、支払利息59.2億円を中心とする営業外費用88.5億円が要因である。純利益47.5億円は税引前利益110.3億円に対し法人税等62.8億円(実効税率56.9%)が控除された結果であり、経常利益と純利益の乖離は税負担の重さに起因する。総じて減収増益の決算である。

セグメント別分析

売上構成比では軸受他が2,518億円(構成比約42%)、CVJアクスルが3,515億円(約58%)で、CVJアクスルが主力事業と位置づけられる。営業利益ではCVJアクスルが126億円(利益率3.6%)と軸受他67億円(利益率2.7%)を上回り、全社営業利益193億円のうち約65%を占め、業績改善の牽引役となった。軸受他は日本の自動車需要減少と在庫評価影響により前年比28億円の減益となり、全社増益トレンドの抑制要因となっている。セグメント間では利益率差が0.9pt程度あり、CVJアクスルのコスト削減・関税転嫁効果がより顕著に表れている。

主要財務指標

収益性: ROE 1.6%、営業利益率3.2%(前年2.3%から改善) キャッシュ品質: 営業CF/純利益 約9.6倍(親会社株主帰属純利益37.2億円に対し営業CF356.3億円)、FCF 126.4億円 投資効率: 設備投資/減価償却 約0.77倍(減価償却301.2億円に対し設備投資231.3億円) 財務健全性: 自己資本比率33.1%、流動比率 約135.5%(流動資産5,603.9億円÷流動負債4,134.5億円)

キャッシュフロー分析

営業CFは356.3億円で前年比+63.1%となり、親会社株主帰属純利益37.2億円の約9.6倍と会計利益を大きく上回る現金創出を確保した。投資CFは△229.9億円で、設備投資231.3億円がほぼ全額を占める。財務CFは△55.4億円で、配当支払58.5億円等が主因である。FCFは営業CF356.3億円から設備投資231.3億円を控除し126.4億円のプラスとなった。営業CFの増加は売上債権115.0億円の減少が寄与しており、運転資本の一時的な圧縮効果を含む点に留意が必要である。現金創出評価は標準からやや強めと位置づけられる。

収益の質

経常利益139.8億円に対し純利益(連結の当期純利益)47.5億円、親会社株主に帰属する当期純利益37.2億円と乖離が大きい。要因は法人税等62.8億円(実効税率56.9%)と非支配株主帰属純利益10.3億円の控除である。特別損失32.6億円(減損損失21.4億円、事業構造改革費用10.1億円)は一時的要因であり、経常的な収益力の評価にあたっては除外して考える必要がある。営業CF356.3億円は純利益を大きく上回り、利益の現金裏付けという観点では良好だが、売上債権・棚卸資産の減少による寄与を含むため持続性の判断には注意を要する。

業績予想・ガイダンス

通期予想(売上高8,050.0億円、営業利益260.0億円、経常利益130.0億円)に対する進捗率は、売上高75.0%、営業利益74.2%、経常利益は107.5%と既に予想を超過している。標準進捗率75%と比較すると売上・営業利益はほぼ標準線上にある一方、経常利益は既に通期計画を上回っており、第4四半期に営業外費用の拡大や為替影響を織り込んだ保守的な計画である可能性がある。通期予想のEPSは△7.27円と、累計時点の黒字(EPS6.93円)から一転し赤字転換を見込んでおり、第4四半期に構造改革費用や減損等の追加計上が想定される。

株主還元

第2四半期配当は1株当たり5.50円、通期配当予想は11.00円である。累計の親会社株主帰属純利益37.2億円に対し、通期純利益予想が赤字であることから、通期ベースでの配当性向は算出できない。配当のみを対象とした還元であり、自社株買いの実施は確認されない。

カタリスト

【短期】第4四半期における構造改革費用の追加計上(通期100億円計画に対し3Q累計33億円進捗)と、通期赤字予想の実現度合い。 【長期】DRIVE NTN100 Final計画に基づく棚卸資産圧縮(通期2,300億円目標)と有利子負債削減(通期3,200億円目標)の進捗。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(manufacturing)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率3.2%8.6% (4.3%–12.7%)−5.4pt
純利益率0.8%6.4% (2.8%–10.3%)−5.6pt

自社の収益性は業種中央値を大きく下回る水準にある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)−2.0%3.3% (-2.1%–8.9%)−5.3pt

売上成長も業種中央値を下回り、自動車需要減少の影響が業種内でも相対的に大きい。

※出所: 当社集計

リスク要因

  1. 在庫・運転資本効率: 棚卸資産は1,412.9億円(前年比増)で、回転率悪化が指摘されている。自動車需要減少下での在庫評価損リスクが存在する。

  2. 財務レバレッジ: 有利子負債は高水準にあり、支払利息59.2億円は営業利益193.0億円の30.7%に相当する。金利上昇や営業利益悪化時には経常利益への影響が増幅しうる。

  3. 通期赤字転換リスク: 累計は黒字(純利益47.5億円)だが通期予想は親会社株主帰属損失を見込んでおり、第4四半期に構造改革費用や減損等の追加費用計上が想定される。

決算上の注目ポイント

  1. 売上減少下での営業利益率改善(2.3%→3.2%)は、CVJアクスル事業でのコスト低減と米国関税の価格転嫁進捗によるものであり、事業別に増減益要因が明確に分かれている点が注目される。

  2. 経常利益は通期予想を既に上回る一方、通期は親会社株主帰属損失を見込んでおり、累計実績と通期計画の方向性に乖離がある。第4四半期の一時的費用計上の内容が業績の質を左右する。

  3. 特別損失に減損損失と構造改革費用が含まれ、純利益の変動性が高い。経常的な収益力を評価する際には、これら一時的要因を除いた営業利益・経常利益の水準を重視する必要がある。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)353円
base(基準)355円
bull(強気)358円
算出前提
1株純資産(BPS)495円
調整後予想EPS−7.3円
株主資本コスト r9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向30.0%
予想EPSの信頼度調整×1.000(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)

感応度: 株主資本コスト±1%で 346円〜365円、ω±0.1で 351円〜358円。

注記:

  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データとPDF決算説明資料をAIが統合分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。