| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥4875.4億 | ¥4289.5億 | +13.7% |
| 営業利益 | ¥471.3億 | ¥481.2億 | -2.1% |
| 経常利益 | ¥542.0億 | ¥531.1億 | +2.1% |
| 純利益 | ¥190.2億 | ¥241.8億 | -21.3% |
| ROE | 5.4% | 6.3% | - |
2026年3月期は、売上高4,875.4億円(前年比+585.9億円 +13.7%)、営業利益471.3億円(同-10.0億円 -2.1%)、経常利益542.0億円(同+10.9億円 +2.1%)、親会社株主に帰属する当期純利益-57.6億円(同-495.7億円、赤字転落)。増収増益(経常段階)だが、特別損失として減損損失546.3億円(Rovio及びStakelogicののれん・無形資産)を計上したため最終赤字。遊技機事業が新機種効果で売上+35.9%増と牽引し、ゲーミング事業はStakelogic・GAN連結化で売上+362.7%増と急拡大。一方、販管費は1,682.8億円(前年比+16.4%)と売上成長率を上回る伸びで営業利益率は前年11.2%から9.7%へ1.5pt低下。
【売上高】売上高4,875.4億円(+13.7%)は、セグメント別に遊技機+35.9%(1,321.6億円)、ゲーミング+362.7%(253.1億円)、エンタテインメントコンテンツ+1.6%(3,272.5億円)。遊技機は新機種投入が奏功し、ゲーミングは第1四半期にStakelogic(子会社12社)とGAN(子会社23社)を連結化したことで急伸。エンタテインメントコンテンツは売上構成比67.1%と主力だが、前年比では微増にとどまる。粗利率は44.2%(前年44.9%)とほぼ横ばいで、増収により売上総利益は2,154.1億円(+22.5億円 +1.1%)と増加。
【損益】販管費1,682.8億円は前年比+237.0億円(+16.4%)増加し、広告宣伝費382.2億円(前年316.5億円)、給料及び手当320.2億円(前年238.4億円)が主な増加要因。営業利益は471.3億円(-2.1%)と減益だが、営業外では持分法利益54.0億円(前年35.3億円)、受取利息32.7億円(前年34.5億円)等が貢献し、経常利益は542.0億円(+2.1%)と増益を確保。特別損失588.4億円(減損損失546.3億円、事業構造改革費用19.9億円等)計上により税引前利益は-37.8億円、法人税等19.7億円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は-57.6億円(前年450.5億円の黒字から赤字転落)。一時的要因として、エンタテインメントコンテンツ事業のRovioののれん及び無形資産で減損320.0億円、ゲーミング事業のStakelogicののれん及び有形固定資産で減損180.5億円を計上。減損を除けば、経常段階の基調は増益トレンドを維持しており、最終赤字は一過性要因に起因する。結論として、増収・経常増益・最終赤字。
エンタテインメントコンテンツ事業は売上3,272.5億円(+1.6%)、営業利益344.5億円(-17.8%)で利益率10.5%(前年13.0%から2.5pt低下)。遊技機事業は売上1,321.6億円(+35.9%)、営業利益333.0億円(+58.8%)で利益率25.2%(前年21.6%から3.6pt改善)と高収益を維持。ゲーミング事業は売上253.1億円(+362.7%)、営業損失8.4億円(前年21.9億円の黒字から赤字転落)で利益率-3.3%。ゲーミングは連結範囲拡大により売上は急増したが、PMIコストと減損計上で損益は悪化。全社調整後の営業利益471.3億円に対し、遊技機とエンタテインメントコンテンツがほぼ均等に貢献する構造。
【収益性】営業利益率9.7%(前年11.2%から1.5pt低下)、粗利率44.2%(前年44.9%から0.7pt低下)、販管費率34.5%(前年33.7%から0.8pt上昇)。ROEは-1.6%(前年12.2%)と赤字転落により大幅悪化。【キャッシュ品質】営業CF259.4億円は営業利益471.3億円に対し55.0%の転換率で、運転資本悪化(売掛金増116.7億円、棚卸資産増183.1億円、買掛金減82.3億円)が主因。営業CF/EBITDA比率0.41倍と低く、キャッシュ創出力は弱い。【投資効率】総資産回転率0.777回転(前年0.665回転)と改善、受注残高/売上高比率(製造業指標)は契約負債183.3億円を用いると3.8%相当で、将来売上のバックログは限定的。【財務健全性】自己資本比率56.6%(前年59.1%)と安定、流動比率343.3%、Debt/EBITDA 2.09倍、インタレストカバレッジ(営業CF/支払利息)10.5倍と投資適格圏内。のれん145.7億円は純資産比4.1%と相対的に低位。
営業CFは259.4億円(前年208.6億円から+24.4%)で、営業CF小計280.1億円から法人税等支払110.5億円を控除後の水準。運転資本は売掛金増116.7億円、棚卸資産増183.1億円、買掛金減82.3億円と悪化し、CCCは176日(前年比+27日)に伸長。投資CFは-225.1億円で、設備投資61.8億円、無形資産投資71.0億円、子会社株式取得225.2億円(Stakelogic、GAN等)が主要支出。フリーCFは34.3億円にとどまる。財務CFは-566.2億円で、配当支払115.6億円、自社株買い320.1億円、長期借入返済75.0億円、短期借入減少43.3億円を実行。配当+自社株買いの総還元435.6億円はFCF34.3億円を大幅に上回り、現金及び預金は1,533.7億円(前年2,003.6億円から-23.4%)減少。現預金残高は依然として潤沢だが、運転資本の正常化なしには持続的な株主還元余力の確保は困難。
経常利益542.0億円に対し純利益-57.6億円と大きく乖離するが、主因は特別損失588.4億円(うち減損546.3億円)。営業外収益121.0億円は受取利息32.7億円、持分法利益54.0億円、為替差益10.2億円等で構成され、経常的性質。営業外費用50.2億円は支払利息26.6億円、為替差損12.4億円等。減損は主にRovio(エンタテインメント)とStakelogic(ゲーミング)の買収時評価資産に係る一過性項目で、翌期以降の再発可能性は低い。営業CF259.4億円は純利益-57.6億円を大幅に上回り、減価償却161.7億円・減損損失546.3億円等の非現金費用調整後、運転資本悪化を反映した実態。包括利益164.5億円は純利益-57.6億円に対し222.1億円プラスだが、為替換算調整額207.6億円が主因で、評価益は実現利益ではない。アクルーアルは営業CF/営業利益が55.0%と低く、運転資本膨張による収益の質低下を示唆。
2027年3月期ガイダンスは売上高5,100.0億円(前年比+4.6%)、営業利益445.0億円(-5.6%)、経常利益475.0億円(-12.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益325.0億円(黒字転換)。進捗率は当期末実績を基準とした通期達成率で、売上は95.6%、営業利益は105.9%、経常利益は114.1%と、既に計画を上回る水準だが、下期の費用増加を織り込む保守的計画。配当予想は1株27円(当期実績55円から減配)で、予想純利益325.0億円に対する配当性向は約16.8%の見込み。当期の減損一巡を前提に、売上成長継続も先行投資(広告・R&D)とゲーミング立ち上げコストを反映した慎重なガイダンス。
配当は中間27円+期末28円=年間55円で、配当総額115.6億円(前年112.1億円)。当期は純損失のため配当性向は算定不能だが、前年は24.8%。自社株買いは320.1億円(前年100.1億円)を実施し、総還元性向はFCF34.3億円に対し1,269%と大幅超過。現預金1,533.7億円を背景に積極還元を実行したが、キャッシュ創出が伴わない中での還元強化は持続性に課題。来期ガイダンスでは配当27円計画(減配)で、予想純利益325.0億円に対し約16.8%の配当性向。自社株買いの継続方針は未公表だが、運転資本効率改善による営業CF拡大が還元余力回復の鍵。
運転資本効率の悪化: 売掛金+28.3%、棚卸資産+28.2%、買掛金-25.9%と同時進行し、CCC176日(前年149日から+27日)に伸長。在庫回転日数149日と仕掛品784.9億円の高止まりは、キャッシュ創出を圧迫。営業CF/EBITDA 0.41倍と低水準で、運転資本の正常化が急務。
販管費の高止まりと営業利益率の低下: 販管費1,682.8億円(前年比+16.4%)は売上成長率+13.7%を上回り、営業利益率は11.2%→9.7%へ1.5pt低下。広告宣伝費382.2億円(+20.8%)、給料及び手当320.2億円(+34.3%)が主因。コスト規律の緩みが収益性を圧迫しており、販管費率のコントロールが継続課題。
ゲーミング事業のPMI・減損リスク: Stakelogic及びGAN連結化により売上は+362.7%急増も、営業損失8.4億円(前年21.9億円の黒字から転落)。当期にStakelogicで減損180.5億円を計上済みだが、統合効果の遅延や追加減損の可能性が残存。のれん145.7億円(ゲーミング事業比率約6割推定)の回収可能性は今後の収益化進度に依存。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 9.7% | 7.8% (4.6%–12.3%) | +1.9pt |
| 純利益率 | 3.9% | 5.2% (2.3%–8.2%) | -1.3pt |
営業利益率は業種中央値を1.9pt上回り、販管費増加下でも相対的に高水準。純利益率は減損影響で中央値を下回るが、経常段階の基礎収益力は業種並み以上。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 13.7% | 3.7% (-0.4%–9.3%) | +10.0pt |
売上成長率+13.7%は業種中央値を大幅に上回り、遊技機の新機種効果とゲーミング連結化が成長を牽引。製造業平均を10.0pt超える成長速度。
※出所: 当社集計
最終赤字は一過性減損が主因で基礎収益力は維持: 当期の純損失-57.6億円は減損546.3億円(Rovio・Stakelogic)による一時的要因で、経常利益は542.0億円(+2.1%)と増益基調を継続。営業CF259.4億円とEBITDA水準は底堅く、来期は減損一巡により黒字転換を見込む。減損計上済み資産の追加減損リスクは低下したが、ゲーミング事業の統合進捗が今後の焦点。
運転資本効率の悪化がキャッシュ創出のボトルネック: CCC176日(前年比+27日)、在庫DIO149日と運転資本が膨張し、営業CF/EBITDA 0.41倍と低水準。売掛金+116.7億円、棚卸資産+183.1億円、買掛金-82.3億円が同時進行し、FCFは34.3億円に圧縮。配当+自社株買い435.6億円はFCFを大幅に上回り、現預金は-469.9億円減少。来期の営業CF拡大には、在庫・仕掛品圧縮と回収強化が不可欠で、運転資本管理の改善進度が株主還元の持続性を左右。
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