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64602026 通期プライムJGAAP

セガサミーホールディングス(6460) 2026年度通期決算

2026年度通期の売上高は4,875億円(前年同期比+13.7%)、営業利益は471.3億円(同-2.1%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

機械


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥4875.4億¥4289.5億+13.7%
営業利益¥471.3億¥481.2億−2.1%
経常利益¥542.0億¥531.1億+2.1%
純利益−¥57.5億¥450.6億−21.3%
ROE−1.6%11.8%-

Executive Summary

増収ながら減損損失により最終赤字に転落した決算であり、本業の増収効果が一過性損失で相殺された点が最大の特徴である。売上高は4,875.4億円(前年比+13.7%)と拡大した一方、営業利益は471.3億円(同-2.1%)と減益、親会社株主に帰属する当期純利益は-57.6億円(前年450.6億円から赤字転落)となった。経常利益は542.0億円(同+2.1%)と増益を確保したが、Rovio・Stakelogic関連の減損損失546.3億円を含む特別損失588.4億円の計上が最終赤字の主因である。

業績変動要因

【売上高】遊技機事業が前年比+36.0%の1,320.6億円、ゲーミング事業が買収連結効果で+364.4%の253.1億円と大きく伸長し、連結増収を牽引した。一方、売上構成比67.5%を占める最大セグメントのエンタテインメントコンテンツ事業は+1.6%の3,266.4億円にとどまり、成長への寄与は限定的だった。

【損益】営業利益率は9.7%で前期11.2%から低下し、粗利率44.2%(前期44.9%)の低下と販管費率34.5%(前期33.7%)の上昇が重なった結果である。経常利益は持分法投資利益54.0億円等の営業外収益に支えられ増益となったが、Rovio関連319.9億円、Stakelogic関連180.5億円の減損損失を含む特別損失588.4億円により純損益は赤字化した。セグメント損益でもエンタテインメントコンテンツ事業の利益は-17.8%の344.5億円、ゲーミング事業は-8.4億円の損失に転じており、増収減益の構図である。

セグメント別分析

遊技機事業は売上高1,320.6億円(+36.0%)、セグメント利益333.0億円(+58.8%)、利益率25.2%と三事業中最も高収益で、増収増益を実現した。エンタテインメントコンテンツ事業は売上高3,266.4億円(+1.6%)と微増収にとどまる一方、セグメント利益は344.5億円(-17.8%)、利益率10.5%へ低下し、連結利益の重石となった。ゲーミング事業は買収連結効果で売上高253.1億円(+364.4%)と急拡大したが、セグメント損失8.4億円(利益率-3.3%)となり、拡大の収益化が未達である。なお、セグメント利益は経常利益ベースであり、連結営業利益とは算定基礎が異なる点に留意が必要である。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は9.7%で前期11.2%から低下、純利益率は-1.2%(前期10.5%)と赤字化した。粗利率は44.2%(前期44.9%)、販管費率は34.5%(前期33.7%)で、増収下でも費用増が利益率を圧迫した。【キャッシュ品質】営業CFは259.4億円確保したが、売掛金+116.7億円、棚卸資産+183.1億円の増加と買掛金-82.3億円の減少による運転資本流出が現金転換を抑制し、フリーCFは34.3億円にとどまる。【投資効率】ROEは-1.6%と純損失により悪化し、設備投資61.8億円は減価償却161.7億円を下回る水準である。研究開発費は289.7億円、対売上比5.9%でコンテンツ開発投資は継続している。【財務健全性】自己資本比率は56.6%、有利子負債1,320.0億円、Debt/EBITDA約2.1倍とレバレッジは抑制的で、現金及び預金1,533.7億円と併せ財務基盤は安定している。

キャッシュフロー分析

営業CFは259.4億円で前年比+24.4%となったが、純損失57.6億円との乖離は減損損失546.3億円等の非現金費用の加算による。売上債権が116.7億円、棚卸資産が183.1億円増加し、仕入債務は82.3億円減少したことで運転資本が悪化し、営業CF小計280.1億円から実際の営業CFは259.4億円まで目減りした。投資CFは-225.1億円で、うち子会社株式取得225.2億円が主因であり、設備投資61.8億円は減価償却161.7億円を下回る水準にとどまる。財務CFは-566.2億円で、自社株買い320.1億円と配当支払115.6億円、長期借入金返済75.0億円が流出の中心である。結果としてフリーキャッシュフローは34.3億円にとどまり、株主還元と買収投資を内部創出キャッシュのみで賄う余力は限定的だったが、現金及び現金同等物は期末で1,537.8億円と依然厚みを保っている。

収益の質

経常利益542.0億円は持分法投資利益54.0億円や受取利息32.7億円といった営業外収益に支えられた面があり、営業外収益は売上高比2.5%で過度な依存とは言えない水準である。一方、最終損益を大きく左右したのは特別損失588.4億円であり、その9割超を占める減損損失546.3億円はRovioおよびStakelogicののれん・無形資産の収益性見直しに起因する一時的要因である。この結果、経常利益と純利益は542.0億円対-57.6億円と大きく乖離しており、当期の損益は経常的な事業収益力よりも非経常的な会計損失の影響が支配的である。包括利益は164.5億円とプラスで、純利益との乖離は為替換算調整額+207.6億円が寄与しており、海外子会社の円換算差益が最終赤字を相殺する形となっている。

業績予想・ガイダンス

次期(2027年3月期)会社予想は売上高5,100.0億円(前期比+4.6%)、営業利益445.0億円(同-5.6%)、経常利益475.0億円(同-12.4%)、EPS予想160.36円である。売上成長の継続を見込む一方、営業利益・経常利益は当期実績を下回る計画であり、本業マージンの改善は前提としていない。親会社株主に帰属する当期純利益は当期の赤字から黒字転換を見込むが、これは主に大規模減損の非反復を前提としたものである。

株主還元

年間配当は1株55円(中間27円、期末28円)で前期の25円から増配となった。当期は親会社株主に帰属する当期純利益が-57.6億円の赤字であるため、配当性向は算出不能であり、開示上も記載されていない。自社株買いは320.1億円実施しており、配当総額114.6億円と合わせた株主還元総額は434.7億円となる。当期はフリーキャッシュフロー34.3億円を大きく上回る還元を実施しており、現金及び預金1,533.7億円や低水準のレバレッジを背景とした資本余力を活用した形である。次期配当予想も1株55円で維持されており、次期純利益予想325.0億円が達成されれば配当・利益カバレッジは改善する見通しである。

リスク要因

  1. のれん・無形資産の減損再発リスク: 当期にRovio関連319.9億円、Stakelogic関連180.5億円、計546.3億円の減損損失を計上した。残存のれんは145.7億円まで圧縮されたが、無形固定資産は801.1億円と総資産の12.8%を占め、今後の収益性検証次第で追加減損が生じ得る。

  2. ゲーミング事業の収益化遅延: 売上高は253.1億円(+364.4%)と急拡大したが、セグメント損失8.4億円(利益率-3.3%)にとどまる。Stakelogic・GAN等の買収先統合や規制対応が、投資回収の成否を左右する構造的な課題である。

  3. 運転資本の悪化とキャッシュ転換効率の低下: 売掛金+116.7億円、棚卸資産+183.1億円の増加に対し買掛金は-82.3億円減少し、営業CFの押し下げ要因となった。仕掛品は784.9億円と棚卸資産の大宗を占め、開発・生産資産の売上化速度が今後のキャッシュフロー創出力を左右する。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(manufacturing)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率9.7%7.6% (4.8%–12.0%)+2.1pt
純利益率−1.2%5.9% (2.9%–9.2%)−7.0pt

営業利益率は業種中央値を上回るが、純利益率は減損損失の影響で業種中央値を大きく下回る。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)13.7%3.4% (-0.8%–8.8%)+10.3pt

売上高成長率は業種内でも上位水準にあり、遊技機・ゲーミング事業の伸長が寄与している。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 増収と本業利益率低下の併存: 売上高は+13.7%と業種内でも高い伸びを示したが、営業利益率は9.7%へ低下した。粗利率低下と販管費増加が同時進行しており、増収が利益成長に直結しない構造となっている点は収益の質を評価するうえで注目される。

  2. 最終赤字の性格: 純損失57.6億円は主に非経常的な減損損失546.3億円によるものであり、経常利益は542.0億円と増益を確保している。決算データからは、当期の赤字が経常的な事業収益力の毀損というより、過去のM&A投資に対する評価見直しの結果であることが読み取れる。

  3. セグメント間の収益性格差: 遊技機事業は利益率25.2%と高収益基盤を維持する一方、最大セグメントのエンタテインメントコンテンツ事業は利益率10.5%へ低下し、ゲーミング事業は赤字である。連結収益の安定性は、各セグメントの収益性格差の推移によって左右される構造が確認できる。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)1,811円
base(基準)1,853円
bull(強気)1,914円
算出前提
1株純資産(BPS)1,750円
調整後予想EPS197.7円
株主資本コスト r9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向34.3%
予想EPSの信頼度調整×1.071(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER1.06倍 / 9.4倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 1,801円〜1,907円、ω±0.1で 1,850円〜1,856円。

注記:

  • のれん償却 25.8円/株 を利益に足し戻しています(非資金費用・IFRS企業との比較可能性のため)。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。