クイックビュー
| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥234.3億 | ¥303.3億 | −22.7% |
| 営業利益 | ¥22.9億 | ¥48.0億 | −52.4% |
| 経常利益 | ¥31.1億 | ¥49.4億 | −37.0% |
| 純利益 | ¥49.8億 | ¥41.0億 | +21.5% |
| ROE | 14.2% | 12.8% | - |
Executive Summary
売上高・営業利益がともに大幅減となる一方、固定資産売却益を中心とする特別利益により最終増益となった、収益の質に留意が必要な決算である。売上高は234.3億円(前年比-22.7%)、営業利益は22.9億円(同-52.4%)、経常利益は31.1億円(同-37.0%)となった。親会社株主に帰属する純利益は49.8億円(同+21.5%)と増益だが、これは固定資産売却益32.8億円を含む特別利益33.0億円が主因であり、営業段階の減益とは対照的な結果となっている。
業績変動要因
【売上高】連結売上高は234.3億円、前年比-22.7%の減収。主力のグローバルゲーミングは157.9億円(構成比67.4%、同-3.7%)と底堅い一方、国内コマーシャルは16.5億円(同-50.3%)、遊技場向機器は27.2億円(同-54.8%)、海外コマーシャルは32.7億円(同-29.0%)と非主力セグメントが軒並み大幅減収となった。
【損益】営業利益は22.9億円(同-52.4%)で、営業利益率は9.8%と前年の約15.8%から大きく低下した。売上減少に対して販管費(75.4億円、販管費率32.2%)の圧縮が追いつかず、固定費の吸収不足が利益率悪化を招いた。グローバルゲーミングのセグメント利益率は24.4%(前年21.9%)に改善した一方、海外コマーシャルは-13.4%、遊技場向機器は-1.0%、国内コマーシャルは0.3%とほぼ利益ゼロで、主力事業の好調を非主力事業の不振が相殺している。経常利益は為替差益5.7億円等の営業外収益9.4億円に支えられ31.1億円(同-37.0%)となった。純利益は特別利益33.0億円(主に固定資産売却益32.8億円)により49.8億円(同+21.5%)と増益となったが、営業実態は減収減益であり、最終利益の増加は一時的要因による。結論として、営業ベースでは減収減益、最終利益ベースでは特別利益による増益という乖離が本決算の特徴である。
セグメント別分析
グローバルゲーミングは売上157.9億円(構成比67.4%、前年比-3.7%)、セグメント利益38.6億円(同+7.3%)で、利益率24.4%(前年21.9%)と改善し、全社利益(セグメント利益合計34.0億円)を上回る唯一の黒字牽引役となった。海外コマーシャルは売上32.7億円(同-29.0%)に対し損失4.4億円(前年は4.1億円の損失)と赤字幅が拡大。国内コマーシャルは売上16.5億円(同-50.3%)と半減し、セグメント利益は前年11.3億円から0.04億円まで急減した。遊技場向機器は売上27.2億円(同-54.8%)で、前年15.4億円の利益から0.3億円の損失に転落した。主力事業の採算改善に対し、非主力3セグメントの採算悪化が全社業績を押し下げる構図が鮮明である。
主要財務指標
【収益性】営業利益率9.8%、純利益率21.2%だが、純利益率には固定資産売却益32.8億円が含まれ持続的な収益力を示す数値ではない。ROEは14.2%と良好な水準にあるが、同様に一時的利益の影響を受けている。【キャッシュ品質】営業CFは42.5億円で純利益49.8億円の0.85倍にとどまり、特別利益が現金化に直結しない分、報告純利益に対する現金の裏付けは相対的に弱い。【投資効率】設備投資は7.1億円で減価償却費4.6億円を上回り、更新投資を上回る水準を維持している。総資産回転率は低く、現金預金187.1億円と棚卸資産82.8億円を含む厚い流動資産が資産効率を抑制している。【財務健全性】自己資本比率69.9%、流動比率は流動資産427.2億円対流動負債64.9億円と極めて高い水準にあり、社債60.0億円・長期借入金22.5億円を抱えるものの、現金預金と利益水準に照らし返済負担は限定的である。
キャッシュフロー分析
営業CFは42.5億円で前年比-14.9%となり、純利益49.8億円に対する比率は0.85倍にとどまる。これは特別利益(固定資産売却益32.8億円)が営業CFには反映されないためで、営業CFは棚卸資産の増加30.8億円と仕入債務の減少10.4億円により運転資本面で圧迫された一方、売上債権の減少3.9億円が一部を相殺した。投資CFは24.8億円の流入で、固定資産売却収入や子会社株式売却収入が主因であり、設備投資は7.1億円にとどまる。財務CFは-27.8億円で、配当金支払15.1億円や長期借入金の返済が主な流出要因である。フリーキャッシュフローは67.3億円と潤沢だが、資産売却による一過性の流入を含むため、持続的な資金創出力は営業CFと通常の設備投資水準で評価する必要がある。
収益の質
当期純利益49.8億円のうち、固定資産売却益32.8億円を含む特別利益33.0億円が大きく寄与しており、営業利益22.9億円や経常利益31.1億円と比べて最終利益の押し上げ効果が顕著である。営業外収益では為替差益5.7億円が含まれ、これは営業利益の25.1%に相当する規模であり、経常利益も為替動向への依存度が相対的に高い。包括利益は43.9億円で、純利益49.8億円との間に為替換算調整額-9.6億円の影響でやや乖離が生じている。営業CFは純利益の0.85倍にとどまり、特別利益が現金創出に直結していないことを踏まえると、当期の収益の質は営業利益・経常利益ベースで評価するのがより実態に即している。
業績予想・ガイダンス
通期会社予想に対する進捗率は、売上高が75.6%(予想310.0億円)、営業利益が87.9%(予想26.0億円)、経常利益が88.9%(予想35.0億円)と、標準的な進捗率75%を上回っている。一方、純利益進捗率は99.5%(予想50.0億円)とほぼ達成水準にあるが、これは特別利益による押し上げが大きく寄与している。営業利益・経常利益は計画超過ペースにあるものの、純利益の高進捗は一時的要因を含む点に留意が必要である。
株主還元
第2四半期配当は1株20.00円で、通期配当予想は1株40.00円(前年実績14円から増額予想)となっている。当該配当のみに基づく配当性向は、通期予想純利益50.0億円と期中平均株式数2,709万株を基準とすると約21.7%であり、60%を下回る低水準にある。自社株買いは当期実質ゼロであり、総還元性向ではなく配当性向として評価される。現金預金187.1億円、高い流動比率、低い有利子負債水準から、配当支払いに対する財務的な余力は大きいが、通期純利益には一時的な特別利益が含まれるため、配当原資の持続性は営業利益・営業CFの回復状況とあわせて確認する必要がある。
リスク要因
-
非主力セグメントの採算悪化: 国内コマーシャルはセグメント利益が前年11.3億円から0.04億円へ急減、遊技場向機器は前年15.4億円の利益から0.3億円の損失に転落した。海外コマーシャルも損失4.4億円と赤字が拡大しており、主力事業以外の収益改善が課題となっている。
-
在庫・運転資本の滞留: 棚卸資産は82.8億円(総資産の16.5%)に達し、営業CFは棚卸資産増加30.8億円と仕入債務減少10.4億円により圧迫された。売上減少局面での在庫水準の高止まりは、資金滞留や評価損の観点でモニタリングが必要である。
-
利益の質と一時的要因への依存: 純利益49.8億円の押し上げ要因である固定資産売却益32.8億円は一時的なものであり、また経常利益は為替差益5.7億円(営業利益の25.1%相当)にも支えられている。為替相場の変動により経常利益が影響を受ける可能性がある。
業種ベンチマーク(参考・当社調べ)
業種ベンチマーク(manufacturing)
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 9.8% | 8.6% (4.3%–12.7%) | +1.2pt |
| 純利益率 | 21.2% | 6.4% (2.8%–10.3%) | +14.8pt |
営業利益率は業種中央値をやや上回る水準にあり、純利益率は特別利益の影響で業種中央値を大きく上回っている。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | −22.7% | 3.3% (-2.1%–8.9%) | −26.0pt |
売上高成長率は業種中央値を大幅に下回り、業種内では減収幅の大きい部類に位置する。
※出所: 当社調べ
決算上の注目ポイント
-
主力のグローバルゲーミングは売上-3.7%にとどまりセグメント利益+7.3%、利益率24.4%と改善しており、全社収益の下支え役となっている一方、他3セグメントの採算悪化が連結営業利益を押し下げている。
-
純利益の増益は固定資産売却益32.8億円を中心とする特別利益によるものであり、営業利益・経常利益ベースでは減益が続いている点が、決算データから読み取れる収益構造の特徴である。
-
棚卸資産82.8億円の高水準と運転資本の圧迫は、通期業績予想の営業利益・経常利益進捗率が計画を上回る一方で、キャッシュフロー面での注視点として観察される。
理論株価(参考値)
| シナリオ | 理論株価 |
|---|---|
| bear(弱気) | 1,217円 |
| base(基準) | 1,250円 |
| bull(強気) | 1,278円 |
| 算出前提 | 値 |
|---|---|
| 1株純資産(BPS) | 1,295円 |
| 調整後予想EPS | 110.7円 |
| 株主資本コスト r | 9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%) |
| 残余利益の持続係数 ω / 明示予測 | 0.62 / 5年 |
| 想定配当性向 | 21.7% |
| 予想EPSの信頼度調整 | ×1.100(通期予想に対する進捗の先行に基づく) |
| implied PBR / PER | 0.97倍 / 11.3倍 |
感応度: 株主資本コスト±1%で 1,215円〜1,287円、ω±0.1で 1,248円〜1,251円。
注記:
- 一時的な損益の影響を除くため、経常利益等から算出した正規化EPSを使用しています(会社予想EPSは184.5円)。
- 通期予想に対する純利益の進捗(100%)が標準(75%)を上回るため、予想EPSを上限+10%の範囲で上方調整しています(進捗が先行する企業は予想を上回る傾向があるため。季節性の強い事業では調整が過大になる場合があります)。
- 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
- 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。