| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥315.6億 | ¥378.1億 | -16.6% |
| 営業利益 | ¥25.0億 | ¥49.1億 | -49.1% |
| 経常利益 | ¥35.2億 | ¥46.8億 | -24.6% |
| 純利益 | ¥31.8億 | ¥26.4億 | +20.1% |
| ROE | 8.9% | 8.3% | - |
2026年3月期は、売上高315.6億円(前年比-62.6億円 -16.6%)、営業利益25.0億円(同-24.1億円 -49.1%)、経常利益35.2億円(同-11.5億円 -24.6%)、親会社株主に帰属する当期純利益31.8億円(同+5.3億円 +20.1%)となった。主力のグローバルゲーミング事業は横ばいで踏みとどまったものの、国内コマーシャル(-45.1%)と遊技場向機器(-52.0%)の大幅縮小が全体を下押し、減収減益基調の営業成績となった。一方、固定資産売却益32.8億円を主体とする特別利益33.0億円が寄与し、純利益段階では前年比+20.1%の増益を確保した。営業利益率は7.9%(前年13.0%、-5.1pt)と収益性が低下したが、純利益率は10.1%(前年7.0%、+3.1pt)へ改善しており、一時的要因が利益構造を支えた決算となった。
【売上高】 売上高は315.6億円(-16.6%)と大幅減収。セグメント別では、グローバルゲーミングが214.7億円(-0.0%)と横ばいを維持し、全体の68.0%を占めた。一方、海外コマーシャルは47.2億円(-17.4%)、国内コマーシャルは20.9億円(-45.1%)、遊技場向機器は32.8億円(-52.0%)とすべて二桁減収となり、ミックス悪化が顕著となった。地域別では、北米が160.6億円(米国159.8億円)と売上の50.9%を占める一方、国内は53.8億円へ縮小した。主要顧客Aristocrat Technologies向け売上は43.3億円で全体の約13.7%を占め、取引集中度が高まっている。売上原価は186.8億円で、粗利率は40.8%(前年40.6%、+0.2pt)と微改善したが、販管費103.8億円(販管費率32.9%、前年27.6%、+5.3pt)の吸収力低下により営業段階での収益性は大きく悪化した。
【損益】 営業利益は25.0億円(-49.1%)と半減。営業利益率は7.9%(前年13.0%、-5.1pt)へ低下した。セグメント別では、グローバルゲーミングが営業利益50.2億円(利益率23.4%)を計上し、前年比+14.8%と好調を維持したが、他3セグメントはいずれも赤字(国内コマーシャル-0.9億円、海外コマーシャル-2.7億円、遊技場向機器-6.7億円)となり、全社調整費用-14.9億円と合わせて全社利益を大きく圧迫した。営業外損益は為替差益6.8億円を主因に10.2億円の利益となり、経常利益は35.2億円(-24.6%)を確保した。特別損益は固定資産売却益32.8億円を含む特別利益33.0億円が寄与し、税引前利益は68.0億円(前年48.0億円、+41.8%)へ拡大。法人税等21.1億円(実効税率31.0%)を控除し、純利益は31.8億円(+20.1%)となった。結論として、減収による営業減益を、営業外収益と一時的な特別利益で補う構造であり、増収減益の営業段階に対し、純利益段階では増益となった決算である。
グローバルゲーミング事業は売上214.7億円(-0.0%)、営業利益50.2億円(+14.8%)、利益率23.4%と高採算を維持し、全社利益のほぼ全額を稼ぐ主力事業となった。海外コマーシャルは売上47.2億円(-17.4%)、営業損失2.7億円(赤字幅は前年比で51.6%縮小)と収益性の改善傾向が見られるものの依然赤字が続く。国内コマーシャルは売上20.9億円(-45.1%)、営業損失0.9億円(前年は黒字1.1億円からの転落)と需要減と固定費負担が響いた。遊技場向機器は売上32.8億円(-52.0%)、営業損失6.7億円(前年-1.4億円から赤字幅拡大)と、国内遊技場市場の投資循環停滞の影響を強く受けた。利益率の差異は顕著で、グローバルゲーミングの23.4%に対し、他3セグメントはいずれもマイナス利益率となっており、ミックスの悪化が全社営業利益率の低下要因となっている。集中度リスクとして、グローバルゲーミングが売上の68.0%、利益のほぼ全額を占める事業構造に留意が必要である。
【収益性】営業利益率7.9%は前年13.0%から5.1pt悪化、純利益率10.1%は前年7.0%から3.1pt改善したが、改善は特別利益33.0億円の一時的要因による。ROE8.9%は前年推定値を下回り、総資産回転率0.60回(前年0.77回)の低下が主因。【キャッシュ品質】営業CF58.8億円は純利益31.8億円の1.85倍で質は良好、営業CF/EBITDA比1.88倍と高水準。アクルーアル比率は-2.3%で収益の現金化は健全。【投資効率】総資産回転率0.60回は前年0.77回から鈍化、棚卸資産89.3億円(前年106.4億円)は減少したものの売上減により在庫回転日数(DIO)は依然長期化の傾向。売上債権57.1億円(前年54.1億円)は微増で、DSO約66日と与信期間が長期化している。【財務健全性】自己資本比率68.6%(前年64.9%、+3.7pt)と改善、有利子負債は82.0億円(長期借入金19.2億円+社債60.0億円+短期借入金相当12.0億円)でDebt/EBITDA2.6倍、インタレストカバレッジ(EBIT/支払利息)25.1倍と保守的水準。流動比率574%、当座比率456%と短期流動性は極めて厚い。投資有価証券は36.3億円(前年9.5億円、+282%)へ大幅拡大し、運用収益拡大と同時に評価変動リスクも増大している。
営業CFは58.8億円(前年76.4億円、-23.1%)で、税引前利益68.0億円に対し減価償却費6.3億円を加算、運転資本では棚卸資産の減少42.8億円がプラス寄与した一方、売上債権の増減が概ね中立、仕入債務の減少-9.2億円がマイナス寄与し、法人税等の支払-9.1億円を控除して算出された。投資CFは7.4億円のプラスとなり、固定資産売却収入51.1億円(主に土地売却32.8億円)が設備投資-9.3億円と投資有価証券の取得-40.9億円を大きく上回った。財務CFは-31.4億円で、長期借入金の返済-15.0億円、配当支払-15.1億円が主要因。フリーCF(営業CF+投資CF)は66.2億円と潤沢で、配当支払と借入返済を十分に賄い、現金及び現金同等物は217.4億円(前年174.6億円、+42.8億円)へ積み上がった。営業CF/純利益1.85倍は良好だが、今期は固定資産売却の一過性収入が大きく影響しており、来期以降の恒常的なキャッシュ創出力は営業CFの動向次第となる。運転資本のCCC(Cash Conversion Cycle)は棚卸回転日数の長期化とDSOの延伸により悪化傾向にあり、在庫適正化と与信管理の強化が持続的キャッシュフロー改善の鍵となる。
当期純利益31.8億円のうち、特別利益33.0億円(主に固定資産売却益32.8億円)が約103.8%を占め、経常的な利益創出力を大きく上回る一時的要因に依存した構造となっている。営業利益25.0億円、経常利益35.2億円に対し純利益が大きく上振れしており、収益の質は低い。営業外収益11.8億円には為替差益6.8億円が含まれ、営業利益比で約27.2%に相当する規模であり、為替変動による収益の変動性が高い。営業外費用は1.5億円と軽微で、支払利息1.0億円が中心。アクルーアル比率-2.3%は利益の現金化が進んでおり、営業CF58.8億円/純利益31.8億円=1.85倍と高水準で、この点では収益の質は良好である。ただし、包括利益51.0億円と純利益31.8億円の差19.2億円は、有価証券評価差額金4.0億円と為替換算調整勘定0.1億円などその他包括利益の寄与であり、評価性の要素も含まれる。総じて、経常的収益(営業・経常段階)と純利益の乖離が大きく、来期以降は一時的要因の剥落により純利益の水準が低下するリスクがある。
2026年3月期通期の会社計画は、売上高390.0億円(前年比+23.6%)、営業利益30.0億円(同+20.1%)、経常利益31.0億円(同-12.1%)、親会社株主に帰属する当期純利益23.0億円、EPS84.79円、配当20.00円を見込む。営業利益率は7.7%と今期実績7.9%とほぼ横ばいを想定しており、増収効果による利益拡大を前提とする。経常利益が前年比-12.1%と減益想定となっているのは、今期の為替差益6.8億円や一時的営業外収益の反動を織り込んだものと推察される。純利益は特別利益剥落を前提に23.0億円(今期31.8億円から-27.7%)を計画しており、経常的収益力ベースへの回帰を示唆する。進捗率は売上高81.0%(315.6億円/390.0億円)、営業利益83.3%(25.0億円/30.0億円)で、概ね計画線上にあるが、下期の売上74.4億円・営業利益5.0億円達成にはグローバルゲーミングの継続成長と赤字セグメントの収益改善が不可欠である。
年間配当は40.00円(中間20.00円、期末20.00円)で、前年配当14.00円から大幅増配(+185.7%)となった。配当性向は25.3%(配当総額13.5億円/純利益46.9億円、XBRLベースの純利益31.8億円では42.4%)と適正水準で、フリーCF66.2億円に対する配当総額の比率は20.4%と十分に余裕がある。次期予想配当は20.00円で、予想EPS84.79円に対する配当性向は23.6%となり、今期よりやや低下する見込み。自社株買いは当期実質なし(購入額0.0億円)で、総還元政策は配当中心となっている。配当の持続性は、営業CF58.8億円、現預金217.4億円と潤沢なキャッシュポジションから高いと判断できるが、来期の経常利益および純利益が一時益剥落により減少する計画であり、配当維持には営業CFの安定が前提となる。
セグメント・顧客集中リスク: グローバルゲーミングが売上の68.0%、営業利益のほぼ全額を占める事業構造となっており、同市場の需要サイクルや主要顧客Aristocrat Technologies(売上約43.3億円、全体の13.7%)の調達方針変更が業績に大きく影響する。他3セグメントの赤字継続により、収益基盤の分散が進まず、リスク耐性が低い。
在庫・運転資本リスク: 棚卸資産89.3億円は売上比28.3%と高水準で、DIOの長期化が顕著。在庫の陳腐化・評価損リスクが高まっており、CCCは291日(推定)と長期化傾向にある。売上債権も57.1億円(DSO約66日)と与信期間が長く、貸倒リスクと資金回転の鈍化が財務効率を圧迫する。
為替・一過性収益依存リスク: 為替差益6.8億円は営業利益25.0億円の約27%に相当し、為替変動が収益に与える影響が大きい。また、今期純利益31.8億円のうち特別利益33.0億円が約104%を占め、経常的収益力との乖離が大きい。来期以降は一時益剥落により純利益水準が大きく低下するリスクがある。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 7.9% | 7.8% (4.6%–12.3%) | +0.2pt |
| 純利益率 | 10.1% | 5.2% (2.3%–8.2%) | +4.9pt |
営業利益率は業種中央値とほぼ同水準で平均的、純利益率は中央値を大きく上回るが一時的特別利益の寄与が大きく持続性は限定的。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | -16.6% | 3.7% (-0.4%–9.3%) | -20.3pt |
売上高成長率は業種中央値を大きく下回り、国内コマーシャル・遊技場向機器の縮小が業種内でも劣位な成長性を示している。
※出所: 当社集計
営業収益力とセグメントミックスの改善余地: 営業利益率7.9%は業種中央値並みだが、前年比-5.1pt悪化しており、赤字3セグメント(国内・海外コマーシャル、遊技場向機器)の構造改革と収益化が全社利益率回復の鍵となる。グローバルゲーミングの23.4%高マージンを維持しつつ、他事業の赤字幅縮小が進めば、営業利益率の二桁回復余地がある。
在庫・運転資本効率の改善による資本効率向上: 棚卸資産89.3億円(売上比28.3%)とDSO約66日の長期化がCCCを押し上げており、在庫の適正化と与信管理の強化が進めば、運転資本の圧縮とROICの改善が期待できる。営業CF58.8億円/EBITDA1.88倍の高い現金化能力を活かし、運転資本効率の改善が次期以降の財務品質向上につながる。
一時益剥落後の経常収益力への回帰と配当持続性: 今期純利益31.8億円のうち特別利益33.0億円が大半を占めるため、次期会社計画(純利益23.0億円)は経常的収益力への回帰を前提とする。配当性向23.6%(次期予想)と現預金217.4億円・営業CF58.8億円の潤沢なキャッシュポジションから、配当の持続性は高いが、営業段階の収益改善が配当成長の前提となる。
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。