| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥1792.1億 | ¥1918.2億 | -6.6% |
| 営業利益 | ¥624.8億 | ¥736.0億 | -15.1% |
| 経常利益 | ¥639.9億 | ¥745.9億 | -14.2% |
| 純利益 | ¥449.9億 | ¥591.4億 | -23.9% |
| ROE | 18.0% | 20.7% | - |
2026年3月期決算は、売上高1,792.1億円(前年比-126.1億円 -6.6%)、営業利益624.8億円(同-111.2億円 -15.1%)、経常利益639.9億円(同-106.0億円 -14.2%)、純利益449.9億円(同-141.5億円 -23.9%)と減収減益となった。パチスロ機関連事業の大幅減速(売上-31.6%、営業利益-47.0%)が全社業績を押し下げた一方、パチンコ機関連事業は売上1,198.1億円(+11.2%)、営業利益493.9億円(+12.7%)と2桁増収増益で堅調を維持した。営業利益率は34.9%と高水準ながら前年の38.4%から3.5pt縮小し、研究開発費の増加(215.6億円、対売上比12.0%)と販管費の増加(421.9億円、+8.9%)が収益性を圧迫した。営業CFは518.3億円(前年比-10.7%)で純利益比1.15倍と良好、売掛金・在庫の圧縮が寄与した。FCFは347.4億円を確保し、配当221億円に加えて自社株買い600億円を実施、総還元はFCFを大きく上回り手元現金は1,324.6億円へ減少した。
【売上高】トップラインは1,792.1億円(-6.6%)と減収。セグメント別では、パチンコ機関連事業が1,198.1億円(+11.2%、全社売上の66.9%)と主力セグメントが2桁成長を維持し、パチスロ機関連事業の434.4億円(-31.6%、同24.2%)の大幅減を部分的に補完した。補給機器関連事業は155.4億円(-22.9%、同8.7%)と縮小、その他事業は4.3億円(-9.3%)で影響軽微。パチスロ機の販売不振は、市場の設置意欲低下と製品ライフサイクルの谷間が要因と推察される。補給機器は設備投資抑制の影響を受けた。全社の減収は主にパチスロ機と補給機器の不振によるもので、主力パチンコ機の好調は相殺に至らなかった。
【損益】売上原価745.4億円(対売上比41.6%)で粗利率は58.4%を確保し前年比0.1pt改善。製品ミックスの変化に対して価格規律と原価管理は維持された。販管費は421.9億円(対売上比23.5%、前年比+8.9%)と増加し、広告宣伝費24.0億円、研究開発費215.6億円(同12.0%、前年比+3.1億円)が押し上げ要因となった。研究開発費の増加は新機種パイプライン強化の先行投資であり、中長期の競争力向上を目的とする。営業利益は624.8億円(営業利益率34.9%)で、前年の736.0億円(38.4%)から-15.1%減少、利益率は3.5pt縮小した。営業外は受取利息5.3億円、受取配当金5.9億円など営業外収益16.1億円、営業外費用1.1億円で差引+15.1億円の小幅寄与。経常利益は639.9億円(-14.2%)となった。特別損益は投資有価証券売却益5.4億円などの特別利益0.01億円に対し、減損損失1.1億円などの特別損失0.7億円で差引-0.7億円と影響軽微。税引前利益は639.2億円、法人税等171.7億円(実効税率26.9%)を差し引き、純利益は449.9億円(純利益率25.1%、-23.9%)となった。結論として、パチンコ機の増収が寄与したものの、パチスロ機の大幅減収と販管費増加による営業レバレッジ悪化で減収減益となった。
パチンコ機関連事業は売上1,198.1億円(+11.2%)、営業利益493.9億円(+12.7%)、利益率41.2%で全社利益の中核を担う。セグメント利益率は前年43.8%から若干低下したが、依然高収益を維持している。パチスロ機関連事業は売上434.4億円(-31.6%)、営業利益189.2億円(-47.0%)、利益率43.6%と大幅減益で、全社業績の主要押し下げ要因となった。前年の利益率56.2%から12.6pt低下し、固定費カバー力が弱まった。補給機器関連事業は売上155.4億円(-22.9%)、営業利益11.1億円(-24.4%)、利益率7.1%で低収益性が継続している。前年利益率7.3%から微減で、マージン改善余地が大きい。その他事業(不動産賃貸等)は売上4.3億円(-9.3%)、営業利益1.9億円(+6.1%)、利益率44.9%と小規模ながら高収益を確保した。セグメント間で利益率格差が大きく、パチンコ・パチスロの遊技機事業が収益基盤であり、補給機器の利益率底上げが全社収益力向上の鍵となる。
【収益性】営業利益率34.9%は前年38.4%から3.5pt縮小したが、国内遊技機業界ではトップクラスの高水準を維持している。純利益率25.1%(前年30.8%)も同様に高収益性を示す。ROE18.0%は優良水準で、純利益率25.1%×総資産回転率0.623×財務レバレッジ1.15倍の掛け合わせにより実現されている。ROA(経常利益ベース)20.5%は前年23.7%から低下したが、依然として高効率の資産活用を示している。【キャッシュ品質】営業CF518.3億円は純利益449.9億円の1.15倍で良好な現金創出力を示す。営業CF/EBITDA(EBITDA=営業利益624.8億円+減価償却費30.3億円=655.1億円)は0.79倍で、在庫・売掛圧縮の一巡後の持続性に留意が必要である。アクルーアル比率(純利益-営業CF)/総資産は-2.4%と負値で、利益がキャッシュに裏付けられた質の高い決算であることを示す。【投資効率】総資産回転率は0.623回転で前年0.57回転から改善し、資産効率が向上した。棚卸資産は15.2億円(前年34.4億円、-55.9%)、売掛金は21.0億円(前年103.3億円、-79.7%)と大幅に圧縮され、運転資本管理が顕著に改善した。有形固定資産は412.8億円(前年274.8億円、+50.2%)へ増加し、土地(286.1億円)や工具器具の積み増しが確認でき、将来の生産・開発体制強化に向けた投資が進行している。【財務健全性】自己資本比率87.0%、流動比率826.7%、当座比率821.2%と極めて堅固な財務体質を維持する。D/Eレシオは0.15倍相当と負債依存度は極めて低く、財務リスクは限定的である。現金預金1,324.6億円と短期有価証券599.8億円の合計1,924.4億円の流動性資産を保有し、配当・投資・還元の原資は十分である。
営業CFは518.3億円(前年比-10.7%)で、純利益449.9億円の1.15倍と良好なキャッシュ創出を示した。主な増加要因は、運転資本変動前小計760.1億円(減価償却費30.3億円を含む)に加え、売上債権の減少104.1億円(売掛金の大幅回収)と棚卸資産の減少39.5億円(在庫圧縮)がプラス寄与した。主な減少要因は、法人税等の支払251.2億円と仕入債務の減少48.5億円(買掛金支払の進捗)であった。投資CFは-170.8億円で、有形固定資産及び無形固定資産の取得168.9億円が中心であり、設備投資と開発投資を積極化した。投資有価証券の売却8.1億円、長期貸付金の回収0.3億円が小幅にプラス寄与した。FCFは347.4億円(営業CF+投資CF)で、配当221億円を1.6倍でカバーする水準を確保した。財務CFは-823.5億円で、自社株買い600.0億円と配当支払224.5億円が主要支出であり、自己株式売却0.9億円が微小なインフローとなった。総還元(配当+自社株買い)はFCFを大幅に上回る規模で、手元現金の取り崩しにより実施された。期末現金残高は1,924.4億円(現金預金1,324.6億円+短期有価証券599.8億円)で、前年2,400.5億円から減少したが、依然潤沢な流動性を維持している。運転資本の圧縮は健全な範囲で行われ、期末の過度な引き締めは見受けられない。
経常利益639.9億円に対し純利益449.9億円で、差額の大半は法人税等171.7億円(実効税率26.9%)であり、構造的な乖離要因は限定的である。営業外収益16.1億円は売上高1,792.1億円の0.9%と軽微で、本業外収益への依存度は低い。営業外収益の内訳は受取利息5.3億円、受取配当金5.9億円、その他2.9億円で、金融資産運用の結果であり経常的な性格を持つ。特別損益は特別利益0.01億円(投資有価証券売却益5.4億円、固定資産売却益0.0億円)、特別損失0.7億円(減損損失1.1億円、固定資産除却損0.7億円)で差引-0.7億円と極めて軽微であり、一時的要因の影響は無視できる水準である。営業CF518.3億円は純利益449.9億円の1.15倍で、利益がキャッシュに裏付けられている。アクルーアル比率(純利益-営業CF)/総資産は-2.4%と負値で、会計上の利益が現金創出を下回る「良質な利益」を示唆する。ただし、OCF/EBITDA0.79倍はやや弱含みで、売掛・在庫圧縮に依存した側面があり、次期以降の持続性には注視が必要である。包括利益475.2億円は純利益449.9億円に対し25.3億円上振れし、その要因は有価証券評価差額金3.8億円と退職給付に係る調整額3.9億円など累積OCI増加によるもので、評価性のため短期的な影響は軽微である。総じて、経常収益が利益の大半を占め、一時的項目や営業外依存は限定的であり、利益の質は高い。
通期(2027年3月期)業績予想は売上高1,740.0億円(当期比-2.9%)、営業利益560.0億円(-10.4%)、経常利益580.0億円(-9.4%)、純利益400.0億円(-11.1%)、EPS202.52円と発表された。当期実績比で減収減益の保守的計画であり、パチスロ機の回復不透明感、機種更新サイクルの谷間、研究開発費の継続投資を織り込んだ前提と推察される。配当予想は年間80円(配当性向約39.5%)で、当期90円から減額となるが、予想純利益400億円に対して十分な配当余力を確保している。進捗率は当期末時点で算定不能だが、パチスロ機と補給機器の回復ペース、新製品の市場投入タイミングと受注残の質が計画達成の鍵となる。会社ガイダンスはリスク要因を織り込んだ慎重な水準と評価でき、上振れ余地も残されている。
配当は中間45円、期末45円の年間90円で、配当性向40.7%、純利益449.9億円に対する配当総額は約184億円(実績221億円は前期分を含む)と推定される。FCF347.4億円に対して配当は1.6倍のカバレッジを有し、持続可能な水準である。加えて、期中に自社株買い600億円を実施し、総還元(配当+自社株買い)は約821億円でFCFを大幅に上回る規模となった。総還元性向はFCF対比236%相当で、潤沢な現金残高(期末1,924.4億円)を活用した資本効率向上策と評価できる。翌期配当予想は年間80円(配当性向約39.5%)で、減配となるが予想純利益400億円に対して十分な配当余力を有する。自社株買いの継続可否は明示されていないが、今後の還元方針は、キャッシュ創出力の持続性、成長投資の機会、手元流動性の最適水準のバランスで判断されると見られる。配当政策は安定配当を重視しつつ、機動的な自社株買いで総還元性向を調整する姿勢が窺える。
製品ミックス悪化リスク: パチスロ機関連事業の売上が前年比-31.6%、営業利益-47.0%と大幅減速し、全社減益の主因となった。パチスロ機は利益率43.6%と高収益セグメントであり、回復が遅延した場合、全社マージンの圧力が継続する。翌期ガイダンスも減収減益を見込んでおり、製品ライフサイクルの谷間と市場需要の不透明感が定量的に業績に反映されている。パチスロ機が全社売上の24.2%を占める集中度を踏まえ、新機種の投入タイミングと受注動向のモニタリングが重要となる。
販管費増加と営業レバレッジ悪化: 販管費421.9億円は前年比+8.9%増加し、売上高成長率-6.6%との逆スプレッドが生じた。研究開発費215.6億円(対売上比12.0%、前年比+3.1億円)の増加は中長期の競争力強化に資するが、短期的には固定費負担として営業利益率を3.5pt圧迫した。翌期ガイダンスで営業利益-10.4%を見込む背景には、販管費水準の高止まりと減収による固定費吸収力の低下が織り込まれている。今後、売上回復が遅れた場合、営業レバレッジの悪化がさらに進むリスクがある。
キャッシュ転換率の持続性リスク: 営業CF518.3億円は前年比-10.7%で減少し、OCF/EBITDA0.79倍と優良水準(0.9倍以上)を下回った。売掛金-104.1億円、棚卸資産-39.5億円の大幅圧縮が今期OCFを支えたが、運転資本の圧縮余地は既に限定的であり、翌期以降の売上回復局面では運転資本がリバウンドする可能性がある。総還元(配当+自社株買い約821億円)がFCF347.4億円を大幅に超過する水準で、手元現金は前年比-476億円減少した。潤沢な流動性(1,924億円)は維持されているが、大型還元の継続可能性はOCF水準の回復に依存する。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 34.9% | 7.8% (4.6%–12.3%) | +27.1pt |
| 純利益率 | 25.1% | 5.2% (2.3%–8.2%) | +19.9pt |
自社の収益性は製造業中央値を大幅に上回り、業界トップクラスの高収益構造を示している。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | -6.6% | 3.7% (-0.4%–9.3%) | -10.3pt |
売上高成長率は製造業中央値を10.3pt下回り、パチスロ機の不振と製品ライフサイクルの谷間が影響している。
※出所: 当社集計
主力パチンコ機の堅調さと高収益構造: パチンコ機関連事業は売上1,198.1億円(+11.2%)、営業利益493.9億円(+12.7%)、利益率41.2%と2桁増収増益を達成し、全社利益の中核を担っている。営業利益率34.9%、純利益率25.1%、ROE18.0%はいずれも製造業中央値を大幅に上回り、国内遊技機業界における高収益体質を維持している。財務健全性も自己資本比率87.0%、流動比率826.7%と極めて堅固で、下方耐性は強い。翌期ガイダンスは減収減益と保守的だが、新機種パイプラインの強化(R&D費12.0%)と潤沢な流動性(1,924億円)により、中期的な成長投資余力と事業継続性は十分に確保されている。
パチスロ機の回復とセグメント別利益率の改善余地: パチスロ機関連事業の大幅減速(売上-31.6%、営業利益-47.0%)が今期減益の主因であり、翌期ガイダンスも慎重な前提を置いている。一方、製品ライフサイクルの谷間を経た後の新機種投入と市場回復は上振れ要因となり得る。補給機器関連事業は利益率7.1%と低収益性が継続しており、改善余地が大きい。セグメント別の利益率格差(パチンコ41.2%、パチスロ43.6%、補給機器7.1%)を踏まえると、パチスロ機の回復と補給機器の利益率底上げが全社収益力の持続的向上の鍵となる。
資本配分と株主還元のバランス: 配当性向40.7%とFCFカバレッジ1.6倍は持続可能な水準で、翌期配当80円も予想純利益400億円に対して十分な余力を有する。期中の自社株買い600億円は資本効率向上に寄与したが、総還元がFCFを大幅に超過し手元現金は前年比-476億円減少した。今後の還元継続可否は、OCFの回復(特に運転資本リバウンド後の水準)、成長投資とのバランス、最適流動性水準の3点で判断される。運転資本圧縮の一巡とOCF/EBITDA0.79倍の弱含みを踏まえると、来期以降のキャッシュ創出力の持続性と資本配分の優先順位が株主価値の鍵となる。
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。