- 売上高: 2,405.47億円
- 営業利益: 110.08億円
- 当期純利益: 87.68億円
- 1株当たり当期純利益: 103.55円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 2,405.47億円 | 2,126.89億円 | +13.1% |
| 売上原価 | 1,497.32億円 | - | - |
| 売上総利益 | 629.56億円 | - | - |
| 販管費 | 435.48億円 | - | - |
| 営業利益 | 110.08億円 | 194.08億円 | -43.3% |
| 営業外収益 | 6.46億円 | - | - |
| 営業外費用 | 29.19億円 | - | - |
| 経常利益 | 78.57億円 | 171.36億円 | -54.1% |
| 税引前利益 | 164.92億円 | - | - |
| 法人税等 | 77.24億円 | - | - |
| 当期純利益 | 87.68億円 | - | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 130.88億円 | 87.79億円 | +49.1% |
| 包括利益 | 129.20億円 | 97.49億円 | +32.5% |
| 支払利息 | 15.11億円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益 | 103.55円 | 69.13円 | +49.8% |
| 1株当たり配当金 | 10.00円 | 10.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 3,236.29億円 | 2,923.87億円 | +312.42億円 |
| 現金預金 | 874.34億円 | 931.25億円 | -56.91億円 |
| 売掛金 | 487.42億円 | 428.52億円 | +58.90億円 |
| 棚卸資産 | 739.92億円 | 654.30億円 | +85.62億円 |
| 固定資産 | 1,307.21億円 | 1,110.35億円 | +196.86億円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 5.4% |
| 粗利益率 | 26.2% |
| 流動比率 | 221.9% |
| 当座比率 | 171.2% |
| 負債資本倍率 | 1.31倍 |
| インタレストカバレッジ | 7.29倍 |
| 実効税率 | 46.8% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +13.1% |
| 営業利益前年同期比 | -43.3% |
| 経常利益前年同期比 | -54.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +49.1% |
| 包括利益前年同期比 | +32.5% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 129.50百万株 |
| 自己株式数 | 3.25百万株 |
| 期中平均株式数 | 126.40百万株 |
| 1株当たり純資産 | 1,558.06円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 10.00円 |
| 期末配当 | 13.00円 |
| セグメント | 売上高 | 営業利益 |
|---|
| America | 6.00億円 | 17.51億円 |
| Europe | 387.26億円 | -54.01億円 |
| Japan | 444.38億円 | 140.04億円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 3,550.00億円 |
| 営業利益予想 | 180.00億円 |
| 経常利益予想 | 140.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 150.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 118.88円 |
| 1株当たり配当金予想 | 18.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2025年度Q3のタダノは、売上が2,405.47億円と2桁成長を確保する一方、営業利益は110.08億円と大幅減益で、収益性の悪化が目立つ四半期でした。売上は前年比+13.1%と拡大したにもかかわらず、営業利益は-43.3%、経常利益は-54.1%と二桁の減益となり、コスト上昇や価格転嫁の遅れ、製品ミックス悪化などの逆風が示唆されます。営業利益率は4.6%(=110.08/2,405.47)まで低下し、前年の約9.1%から約-455bp縮小したと推定されます。経常利益率も3.3%まで低下し、前年の約8.1%から約-478bpの悪化です。一方で、税引前利益は164.92億円、当期純利益は130.88億円(+49.1%)と増益で、特別利益の計上等により最終損益が押し上げられました。純利益率は5.4%に改善し、前年の約4.1%から約+131bp拡大しています。粗利益は629.56億円、粗利率は26.2%で、販管費435.48億円の伸びが収益性を圧迫した形です。インタレストカバレッジは7.29倍(=営業利益/支払利息)と、利払い耐性は足元十分です。バランスシートは総資産4,543.50億円、純資産1,967.09億円で自己資本比率は約43%(概算)、負債資本倍率1.31倍とレバレッジは許容範囲です。流動比率221.9%、当座比率171.2%と流動性は厚く、短期借入金582.99億円に対して現預金874.34億円が上回り、満期ミスマッチのリスクは限定的です。ROEは6.7%と資本コスト水準に届かない可能性があり、ROIC 2.6%はベンチマーク(>7-8%)に対して明確な不足が続いています。営業CFは未記載で検証できませんが、営業段階の大幅減益と最終利益の増益には乖離があり、利益の質(キャッシュ創出力)に留意が必要です。棚卸資産739.92億円、売掛金487.42億円と運転資本の積み上がりが大きく、在庫回転や回収動向がキャッシュフローの鍵となります。純利益の増加は一時的な特別要因依存の可能性がある一方、基礎収益力(営業段階)は弱含みで、価格政策、原価改善、ミックス是正が急務です。配当性向は計算値で22.8%と保守的で、ネットデットは概算で約290億円と許容水準に見え、配当原資の安定性は一定程度確認できます。今後は受注・受注残、価格改定の進捗、原材料・物流コストの落ち着き、北米・日本のクレーン需給正常化が改善ドライバーです。総じて、売上は堅調だが、コストとミックスの逆風で利益率が大きく毀損し、特別要因で下支えされた最終利益が持続するかに不確実性が残る決算と評価します。
ステップ1(ROE分解): ROE 6.7% = 純利益率5.4% × 総資産回転率0.529 × 財務レバレッジ2.31倍。ステップ2(変化の源泉): 年初来比較の詳細は未記載だが、営業利益の大幅減少(-43.3%)により営業段階の利益率が顕著に低下、対照的に純利益は特別要因で押し上げられ純利益率は上昇しており、ROE寄与は「純利益率の一時的上振れ」と「総資産回転率の低迷(0.529)」が拮抗。ステップ3(ビジネス上の理由): 原材料・物流コストや為替の影響、価格転嫁のタイムラグ、製品ミックス(大型・海外向けの構成変化)による粗利率低下、販管費の固定費負担が営業レバレッジを悪化させた可能性。ステップ4(持続性評価): 純利益の改善は特別利益寄与が濃厚で持続性は限定的、営業段階のマージン回復(価格・原価・ミックス・稼働率改善)が伴わない限りROEの継続的改善は難しい。ステップ5(懸念トレンド): 売上成長(+13.1%)に対し販管費水準が高止まりし営業利益が大幅減少、営業レバレッジの負の効果が顕著。総資産回転率0.529は運転資本膨張(在庫739.92億円、売掛金487.42億円)を示唆し、ROEとROICの足かせ。
売上は+13.1%で外部需要は底堅いとみられるが、収益成長は営業段階で大きく毀損。営業利益率は約4.6%へ低下し、前年から約-455bp縮小(推計)。経常段階でも-478bpのマージン悪化(推計)で、非営業コスト・金融費用負担の重さが示唆される。純利益の+49.1%は特別利益の寄与が大きく、コア収益の改善を反映していない可能性。中期的な成長の持続には、(1) 価格改定の完全実施、(2) 原価低減(サプライヤーコスト、物流効率)、(3) 製品ミックス是正(高付加価値機種の比率向上)、(4) 海外拠点の稼働最適化、が必要。受注・受注残の情報は未記載で、需要見通しの確度評価に制約。短期的には在庫調整と回収強化による資本効率改善が成長質の向上に寄与。外部環境では為替(円安)と原材料価格の動向がトップラインとマージン双方に影響。見通しは、中立ながら、マージン回復の初期シグナル(粗利率改善、販管費効率化)が確認されるまで慎重姿勢が妥当。
流動性: 流動比率221.9%、当座比率171.2%と健全。現預金874.34億円は短期借入金582.99億円を上回り、短期資金のロールオーバーリスクは限定的。支払能力・資本構成: 負債資本倍率1.31倍はベンチマーク<1.5倍の範囲内。概算自己資本比率は約43%で財務クッションは十分。有利子負債は短期582.99億円・長期580.64億円で合計約1,163.63億円、ネットデットは約289億円(=有利子負債−現預金)と過度ではない。インタレストカバレッジ7.29倍と利払い余力は強固。満期ミスマッチ: 流動資産3,236.29億円に対し流動負債1,458.27億円で短期の満期ミスマッチは小さい。オフバランス債務: 開示なしで評価不能(リース・保証等の潜在債務がある可能性)。警告基準(流動比率<1.0、D/E>2.0)には該当せず、足元の財務健全性は良好。
営業CFは未記載のため定量検証不可。営業CF/純利益比率も算出不可だが、営業段階は減益、純利益は特別要因で増益という構図から、利益の現金化(営業CF)とPLの最終利益の乖離が生じている可能性に注意。フリーCFも未記載のため、配当・設備投資のカバレッジ検証は不可。運転資本: 売掛金487.42億円、棚卸資産739.92億円、買掛金379.52億円と運転資本が厚く、在庫積み上がりが営業CFを圧迫している可能性。運転資本操作の兆候はデータ不足で断定不可だが、在庫水準の高さは回転悪化・評価損リスクの監視ポイント。今後は在庫回転日数・回収期間・与信費用の動向確認が必要。
配当性向は計算値で22.8%と保守的で、利益面からの支払い余力は十分に見える。現預金水準が高くネットデットも限定的で、短期的な配当支払いの資金面リスクは小さい。一方、営業CF・フリーCFが未開示のため、キャッシュベースの配当カバレッジ(FCFカバレッジ)は評価不能。最終利益が特別要因で押し上げられた可能性を踏まえると、コア収益・営業CFの回復が配当持続性のより強い裏付けとなる。会社方針の開示がないため将来の還元方針(増配・自社株買い)の確度評価はできないが、現状の低配当性向は柔軟性を残す構造。
ビジネスリスク:
- 価格転嫁の遅れ・原価上昇に伴う粗利率の低下
- 製品ミックス悪化(低採算案件・地域構成)による営業利益率の圧迫
- 需要循環(建設・エネルギー・インフラ投資)の鈍化による受注減
- 在庫水準の高止まりによる回転悪化・評価損リスク
- 為替変動(円高局面)による売上・マージン圧力
財務リスク:
- 運転資本の積み上がりによる営業キャッシュフローの不安定化
- 特別利益依存による最終利益のボラティリティ上昇
- 金利上昇による利払い負担増(有利子負債約1,164億円)
- のれん・無形資産(合計約456億円)に係る減損リスク
主な懸念事項:
- 営業利益の急減(-43.3%)と売上増の乖離
- 総資産回転率0.529とROIC 2.6%の低迷で資本効率が課題
- 営業CF未開示により利益の質の検証が困難
- 税引前利益>経常利益となる大きな特別要因の持続性不透明
重要ポイント:
- 売上は2桁成長だが営業利益は-43.3%で、実力ベースの収益は弱含み
- 営業利益率4.6%(前年比約-455bp)と大幅低下、価格・原価・ミックスがボトルネック
- 純利益の+49.1%は特別要因寄与が濃厚で持続性に疑義
- ROE 6.7%、ROIC 2.6%で資本効率が目標水準に未達
- 流動性と財務耐性は良好(流動比率222%、インタレストカバレッジ7.3倍)
- 在庫・売掛金の厚みがキャッシュ創出の鍵で、回転改善が優先課題
注視すべき指標:
- 受注・受注残推移(量と価格)
- 粗利率と販管費率の四半期推移
- 在庫回転日数・売上債権回転日数
- 営業CF/純利益比率(>1.0への回復)
- 特別損益の剥落影響と一過性要因の規模
- 為替(USD/JPY、EUR/JPY)と原材料・物流コスト
セクター内ポジション:
国内機械・建機セクター内で、財務基盤は相対的に堅調だが、資本効率(ROIC)と営業マージンは上位ピアに劣後。マージン回復と運転資本効率化が進めばギャップ縮小余地。
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