- 売上高: 267.56億円
- 営業利益: -16.15億円
- 当期純利益: -15.82億円
- 1株当たり当期純利益: -137.06円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 267.56億円 | 264.83億円 | +1.0% |
| 売上原価 | 243.86億円 | 218.55億円 | +11.6% |
| 売上総利益 | 23.70億円 | 46.27億円 | -48.8% |
| 販管費 | 39.85億円 | 37.81億円 | +5.4% |
| 営業利益 | -16.15億円 | 8.45億円 | -291.1% |
| 営業外収益 | 7.82億円 | 10.62億円 | -26.4% |
| 営業外費用 | 6.88億円 | 5.68億円 | +21.1% |
| 経常利益 | -15.20億円 | 13.40億円 | -213.4% |
| 税引前利益 | -15.23億円 | -48.47億円 | +68.6% |
| 法人税等 | 58百万円 | 1.37億円 | -57.7% |
| 当期純利益 | -15.82億円 | -49.84億円 | +68.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | -15.73億円 | -49.88億円 | +68.5% |
| 包括利益 | -14.94億円 | -50.43億円 | +70.4% |
| 減価償却費 | 8.37億円 | 6.58億円 | +27.2% |
| 支払利息 | 3.36億円 | 2.10億円 | +60.0% |
| 1株当たり当期純利益 | -137.06円 | -425.60円 | +67.8% |
| 1株当たり配当金 | 35.00円 | 35.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 734.90億円 | 802.92億円 | -68.02億円 |
| 現金預金 | 123.49億円 | 147.63億円 | -24.14億円 |
| 売掛金 | 190.59億円 | 179.83億円 | +10.76億円 |
| 棚卸資産 | 416.17億円 | 452.72億円 | -36.55億円 |
| 固定資産 | 224.07億円 | 224.54億円 | -47百万円 |
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 26.35億円 | -67.41億円 | +93.76億円 |
| 財務活動によるキャッシュフロー | -46.71億円 | -60.21億円 | +13.50億円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | -5.9% |
| 粗利益率 | 8.9% |
| 流動比率 | 190.6% |
| 当座比率 | 82.6% |
| 負債資本倍率 | 1.27倍 |
| インタレストカバレッジ | -4.81倍 |
| EBITDAマージン | -2.9% |
| 実効税率 | -3.8% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +1.0% |
| 営業利益前年同期比 | +5.7% |
| 経常利益前年同期比 | -16.5% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 11.74百万株 |
| 自己株式数 | 390千株 |
| 期中平均株式数 | 11.48百万株 |
| 1株当たり純資産 | 3,717.69円 |
| EBITDA | -7.78億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 35.00円 |
| 期末配当 | 35.00円 |
| セグメント | 売上高 | 営業利益 |
|---|
| Japan | 6.65億円 | -15.09億円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 570.00億円 |
| 営業利益予想 | -5.00億円 |
| 経常利益予想 | -10.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 2.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 17.42円 |
| 1株当たり配当金予想 | 35.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2026年度Q2の加藤製作所は、売上は微増ながらも営業赤字が継続し、採算面の課題を露呈した一方、営業キャッシュフローは黒字で資金繰りは当面安定というコントラストの強い決算でした。売上高は267.56億円で前年比+1.0%と横ばいに近い伸びにとどまりました。営業利益は-16.15億円で前年から5.7%改善(赤字幅縮小)し、営業利益率は-6.0%と推計され前年から約44bp改善しました。粗利益率は8.9%(23.70億円)と低位で、販管費39.85億円(売上比約14.9%)を賄えず営業損失に至っています。営業外は収益7.82億円、費用6.88億円で差し引き+0.94億円と下支えしましたが、経常損失は-15.20億円(前年比悪化-16.5%)にとどまりました。当期純利益は-15.73億円で純利益率-5.9%、EPSは-137.06円です。総資産は958.97億円、自己資本は422.11億円で財務レバレッジは2.27倍と中庸です。流動比率は190.6%と健全ですが、当座比率は82.6%にとどまり、在庫依存の流動性構造が明確です。短期借入金195.72億円と長期借入金146.67億円により有息負債依存は相応に高く、インタレストカバレッジは-4.81倍と金利負担耐性は弱い状態です。営業CFは26.35億円と黒字で、純損失との乘離(営業CF/純利益=-1.68倍)は大きく、運転資本の解放等による一時性の可能性が高い点は留意が必要です。ROEは-3.7%(=純利益率-5.9%×総資産回転率0.279×財務レバレッジ2.27)と資本効率は低く、ROICも-2.5%と資本コストを大幅に下回っています。棚卸資産は416.17億円と大きく、総資産回転率の低さ(0.279)と収益性の低迷を通じて資本効率を圧迫しています。投資CF詳細は未記載ながら、設備投資は-3.25億円と抑制的で、財務CFは-46.71億円(うち自社株買い-5.15億円)と負債返済主体の資金配分です。配当関連の開示は不足しており、配当性向は算出上-52.3%と参考性に乏しいため、持続可能性の判断は限定的です。総じて、受注・在庫の正常化と価格転嫁の進展がなければ、黒字化とROICの改善は見込みにくい一方、短期的な資金繰りは運転資本の解放と負債圧縮で凌いだ格好です。今後は在庫回転改善、短期借入依存の軽減、インタレストカバレッジの黒字化が重要なマイルストーンとなります。なお、商社特有の持分法利益等は当社ビジネスモデル上の主要ドライバーではなく、本決算でも当該情報の開示は見当たりません(非商社銘柄)。
デュポン分析の観点から、ROE=-3.7%は「純利益率(-5.9%)×総資産回転率(0.279)×財務レバレッジ(2.27倍)」に分解されます。3要素のうち、資本効率を最も圧迫しているのは純利益率のマイナスと総資産回転率の低さの掛け算であり、とりわけ総資産回転率の低位(在庫・仕掛の厚み)が構造的です。ビジネス面では、粗利率8.9%と価格競争力/ミックスの弱さに加えて、販管費比率約14.9%が高止まりし営業損失を生んでいること、さらに受注サイクルの長い建機領域特性から在庫厚みが総資産回転を押し下げています。営業外は収支ネット+0.94億円で下支えするも、金利負担(支払利息3.36億円)と負債水準の高さが利益平準化を阻害しています。純利益率の改善は、価格転嫁、原価低減、販管費の絶対額スリム化に依存し、短期的には一部進捗(営業損失の赤字幅縮小)も見えるが、粗利率8.9%の水準感からは持続的黒字化には不十分です。総資産回転率は在庫コントロールの改善と出荷タイミングの平準化で中期的に改善余地がある一方、受注変動の影響を受けやすく短期の変動幅は大きくなりがちです。財務レバレッジ2.27倍は同社の安全性を大きく毀損する水準ではないものの、利益率がマイナスの局面ではROE悪化の倍率効果として作用します。販管費成長率の判定には十分な明細がないものの、売上+1.0%に対し営業損失が継続している点から、現状の固定費吸収は不十分で営業レバレッジは逆回転しています。以上より、最優先の改善レバーは「粗利率の回復(価格・ミックス・原価低減)」と「在庫圧縮による総資産回転率の引き上げ」であり、これが伴わない限りROEの持続的改善は限定的です。
売上成長は+1.0%と横ばいで、外部需要(建設・インフラ投資)に対する感応度の高さを踏まえると、受注の質と在庫の水準が今後の出荷増に先行して重要となります。利益の質は、営業損失改善に対し粗利率8.9%と販管費14.9%のミスマッチが続き脆弱です。営業外の収支改善(純+0.94億円)に依存する構図は本質的な成長ドライバーではなく、営業段階の回復が必要です。供給面では設備投資-3.25億円と抑制的で、過大な増産投資は行っていません。出荷正常化・在庫回転改善が達成されれば、総資産回転率の改善を通じて売上効率が上がる余地がありますが、短期的には金利負担と固定費負担が成長を相殺しやすい局面です。見通しとしては、価格転嫁の進捗、為替の追い風、資材コストの安定が重なれば営業黒字化は可能ですが、足元の粗利率水準からは時間を要する公算が大きいとみます。
流動比率190.6%は健全だが、当座比率82.6%は100%を下回り、在庫依存の高い流動性構造です。現金・預金123.49億円と売掛金190.59億円の合計314.08億円は流動負債385.65億円を下回り、在庫416.17億円の換金に依存する満期ミスマッチが存在します。総負債536.86億円、純資産422.11億円で負債資本倍率1.27倍は許容範囲ですが、利益創出力がマイナスの局面では安全余裕度は実質的に低下します。短期借入金195.72億円のロールオーバー・金利上昇リスクには留意が必要です。インタレストカバレッジ-4.81倍は明確な警告シグナルで、金利負担3.36億円に対してEBITDAが不足しています。オフバランス債務の開示は確認できず、評価は限定的です。自己資本は422.11億円と潤沢で、資本毀損リスクは当面限定的ですが、継続的な赤字は自己資本の毀損に繋がります。
営業CFは26.35億円と黒字である一方、当期純利益は-15.73億円で、営業CF/純利益は-1.68倍と品質警告レンジです。黒字営業CFは運転資本(在庫・売掛・買掛)の変動による一時的押上げの可能性が高く、収益力を直接反映していない点に注意が必要です。投資CFは未記載で完全なFCF算定は不可ですが、設備投資-3.25億円と軽微で、営業CFだけを用いた簡便FCFはプラスである可能性が高い一方、持続性の判定はできません。財務CF-46.71億円は主に借入返済と自己株買い-5.15億円によるもので、キャッシュアウトは積極的です。運転資本操作の兆候は、利益赤字にもかかわらず営業CFが黒字化している点から示唆されますが、科目明細がないため寄与内訳(在庫減少、売掛回収、前受金増など)は特定不能です。今後は営業黒字化が伴わない営業CFの黒字はリバーサル・リスクを内包すると考えるべきです。
配当実績・総額は未記載で定量評価は限定的です。算出上の配当性向-52.3%は参考性が低く、当期純損失のため通常の配当性向評価は適用困難です。営業CFは黒字であるものの、品質面で一時性が疑われ、かつインタレストカバレッジがマイナスの現状では、安定配当の原資は営業黒字化と運転資本の平常化に依存します。自己株買い-5.15億円を実施しており、株主還元意識は確認できますが、財務CFが大幅マイナスの中での継続性は事業キャッシュ創出次第です。FCFカバレッジは投資CF未記載のため算出不可で、配当方針の見通しは情報制約が大きいです。
ビジネスリスク:
- 粗利率8.9%と販管費比率14.9%のミスマッチによる恒常的な営業赤字リスク
- 受注・出荷のタイミングに起因する在庫積み上がりと総資産回転率低下リスク
- 価格転嫁力不足およびコストインフレ(資材・物流・人件費)によるマージン圧迫
- 建設機械・クレーン市場の景気循環による需要変動リスク(業界固有)
- 為替変動による原価・輸出採算への影響
財務リスク:
- インタレストカバレッジ-4.81倍の金利負担耐性の脆弱性
- 短期借入金195.72億円への依存とリファイナンス・金利上昇リスク
- 当座比率82.6%で在庫依存の高い流動性構造(満期ミスマッチ)
- 継続赤字による自己資本毀損とレバレッジ上昇リスク
- 運転資本の解放による一時的営業CF黒字のリバーサル・リスク
主な懸念事項:
- ROIC-2.5%と資本コスト大幅下回りの資本効率低下
- 総資産回転率0.279の低さ(棚卸資産416.17億円の負担)
- 営業外損益への依存度上昇と本業採算の弱さ
- 投資CF未記載によりFCFの持続可能性評価ができない情報制約
- 配当方針・総額未記載による株主還元方針の不透明感
重要ポイント:
- 売上は横ばいだが営業赤字継続、営業利益率は約44bp改善にとどまる
- 粗利率8.9%では販管費14.9%を吸収できず、構造的な赤字圧力が続く
- 営業CFは26.35億円の黒字だが、純損との乘離(-1.68倍)で品質に懸念
- 流動比率は高いが当座比率<100%で在庫依存の流動性、短期借入依存も大きい
- ROE-3.7%、ROIC-2.5%と資本効率は目標水準を大きく下回る
注視すべき指標:
- 受注高・受注残と在庫回転日数(在庫圧縮と出荷進捗)
- 粗利率の四半期推移(価格転嫁・ミックス改善の度合い)
- 販管費の絶対額と売上比(固定費削減の進捗)
- インタレストカバレッジと金利負担の推移(借入構成・期間の見直し)
- 営業CFの構成(運転資本要因と実力の分解)
- 短期借入金のロールオーバー状況と金利条件
- 投資CFの開示(維持更新投資と成長投資の内訳)
セクター内ポジション:
国内資本財セクター内では、利益率・ROIC・インタレストカバレッジがいずれもセクター中央値を下回る弱めのポジショニング。財務レバレッジは過度ではないが、在庫厚みと短期借入依存が相対的な弱点。
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