- 売上高: 263.25億円
- 営業利益: 25.11億円
- 当期純利益: 25.10億円
- 1株当たり当期純利益: 54.89円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 263.25億円 | 270.60億円 | -2.7% |
| 売上原価 | 140.96億円 | 146.37億円 | -3.7% |
| 売上総利益 | 122.28億円 | 124.23億円 | -1.6% |
| 販管費 | 97.16億円 | 94.60億円 | +2.7% |
| 営業利益 | 25.11億円 | 29.62億円 | -15.2% |
| 営業外収益 | 8.40億円 | 7.17億円 | +17.2% |
| 営業外費用 | 56百万円 | 2.17億円 | -74.2% |
| 経常利益 | 32.96億円 | 34.62億円 | -4.8% |
| 税引前利益 | 32.65億円 | 34.62億円 | -5.7% |
| 法人税等 | 7.55億円 | 7.95億円 | -5.0% |
| 当期純利益 | 25.10億円 | 26.66億円 | -5.9% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 21.60億円 | 21.94億円 | -1.5% |
| 包括利益 | 15.30億円 | 51.75億円 | -70.4% |
| 減価償却費 | 11.14億円 | 10.95億円 | +1.7% |
| 支払利息 | 34百万円 | 45百万円 | -24.4% |
| 1株当たり当期純利益 | 54.89円 | 55.35円 | -0.8% |
| 1株当たり配当金 | 22.00円 | 22.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 442.53億円 | 452.29億円 | -9.76億円 |
| 現金預金 | 201.41億円 | 213.36億円 | -11.95億円 |
| 売掛金 | 105.55億円 | 104.35億円 | +1.20億円 |
| 棚卸資産 | 66.47億円 | 69.31億円 | -2.84億円 |
| 固定資産 | 246.78億円 | 239.73億円 | +7.05億円 |
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 40.26億円 | 30.40億円 | +9.86億円 |
| 財務活動によるキャッシュフロー | -18.20億円 | -21.94億円 | +3.74億円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 8.2% |
| 粗利益率 | 46.5% |
| 流動比率 | 364.9% |
| 当座比率 | 310.1% |
| 負債資本倍率 | 0.29倍 |
| インタレストカバレッジ | 73.85倍 |
| EBITDAマージン | 13.8% |
| 実効税率 | 23.1% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | -2.7% |
| 営業利益前年同期比 | -15.2% |
| 経常利益前年同期比 | -4.8% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | -1.5% |
| 包括利益前年同期比 | -70.4% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 41.75百万株 |
| 自己株式数 | 2.36百万株 |
| 期中平均株式数 | 39.36百万株 |
| 1株当たり純資産 | 1,358.11円 |
| EBITDA | 36.25億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 22.00円 |
| 期末配当 | 23.00円 |
| セグメント | 売上高 | 営業利益 |
|---|
| Americas | 2.11億円 | 4.22億円 |
| Europe | 1.78億円 | 4.64億円 |
| Japan | 35.86億円 | 12.73億円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 580.00億円 |
| 営業利益予想 | 55.50億円 |
| 経常利益予想 | 67.10億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 41.50億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 104.83円 |
| 1株当たり配当金予想 | 42.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2026年度Q2のアネスト岩田は、売上が小幅減少する中で営業利益が二桁減益となり、営業段階の収益性が悪化した一方、営業外収益の寄与で最終利益の減少は軽微にとどまった四半期である。売上高は263.25億円(前年比-2.7%)、営業利益は25.11億円(同-15.2%)、経常利益は32.96億円(同-4.8%)、当期純利益は21.60億円(同-1.5%)となった。営業利益率は9.5%で、前年の推計10.9%から約141bp縮小し、営業段階の収益性低下が確認できる。経常利益率は12.5%で、前年から約27bpの縮小にとどまり、営業外収益8.40億円(費用0.56億円)による下支えが働いた。純利益率は8.2%で、前年推計8.1%から約+10bpとわずかな改善を見せ、非営業要素が最終段階を支えた構図である。粗利益率は46.5%と高水準だが、販管費率は36.9%(販管費97.16億円/売上)と重く、負の営業レバレッジが働いた公算が大きい。デュポン分析上のROEは4.0%(=純利益率8.2%×総資産回転率0.382×レバレッジ1.29倍)で、資本コスト想定(概ね8-9%)を下回る水準にとどまる。営業CFは40.26億円で、純利益21.60億円に対して1.86倍と利益のキャッシュ化は高品質である。もっとも、営業CFの強さには運転資本の改善寄与が含まれる可能性があり、今後の反動には注意が必要である。財務基盤は極めて健全で、流動比率365%、当座比率310%、負債資本倍率0.29倍、インタレストカバレッジ73.9倍と安全性は高い。現金同等物は201.41億円で潤沢、短期借入金8.34億円に対して十分な流動性バッファを有する。設備投資は16.31億円、自己株買いは2.90億円を実施し、財務CFは-18.20億円の資本還元・返済主体のキャッシュアウトとなった。ROICは5.6%と同社の資本効率は改善余地があり、投下資本の収益性向上(価格/ミックス改善、稼働率・固定費吸収、成長投資の選別)による是正が今後の焦点となる。営業外収入比率が高め(参考指標で約39%)で、最終利益が非営業要素に依存する構図は持続性の面で留意点となる。配当性向は計算値で87%と高水準で、利益水準からみた持続可能性にはやや慎重姿勢が必要だが、キャッシュ面では当面の支払い余力は高い。総じて、短期的には営業段階の収益性が課題だが、キャッシュ創出力とバランスシートの強さが下支えする局面である。今後は価格設定や販管費効率化、運転資本の最適化を通じたROIC・ROEの底上げが鍵となる。
step1_roe_decomposition: ROE 4.0% = 純利益率 8.2% × 総資産回転率 0.382 × 財務レバレッジ 1.29倍
step2_largest_change_driver: 営業利益の減少(-15.2%)に対して売上減少は-2.7%にとどまり、営業利益率が前年推計10.9%→9.5%へ約-141bp悪化したことがROE低下の主因。総資産回転率は0.382と低下含み(半期時点での在庫・現金厚めの影響)、レバレッジは1.29倍と低位安定で寄与は限定的。
step3_business_reasons: 粗利率は46.5%と高水準を維持する一方、販管費率が36.9%まで上昇/高止まりし、売上減に対して固定費負担が相対的に増加したため営業段階の利益率が圧迫。加えて、為替・原材料コスト、地域/製品ミックスの変化が営業利益率を押し下げた可能性。非営業では受取利息等の営業外収益8.40億円が最終利益の下支えとなった。
step4_sustainability: 非営業寄与に依存した純利益率の維持は持続性がやや不安定。営業外収益は金利環境や一時的要因に左右されやすく、恒常性は営業利益に劣る。販管費の吸収改善(需要回復、価格転嫁、コスト最適化)と資産回転の改善がなければROEの持続的押し上げは限定的。
step5_concerning_trends: 売上成長率(-2.7%)に対して営業利益成長率(-15.2%)が悪化しており、負の営業レバレッジが顕在化。販管費率の上昇/高止まり、ならびに営業外収益への依存度上昇が懸念材料。総資産回転率0.382と低水準で、現金・運転資本の滞留が資本効率を押し下げている。
sales_sustainability: 売上は-2.7%減で、需要軟化または製品/地域ミックス調整の影響が示唆される。受注や在庫の水準(棚卸66.47億円)が相対的に大きく、短期的な需要の回復がなければ出荷速度が鈍るリスクがある。
profit_quality_and_outlook: 営業利益率は9.5%へ縮小。粗利率は維持されているため、主因は販管費の伸び(または固定費の吸収悪化)。非営業の寄与で純利益率は8.2%を確保しているが、恒常性は乏しい。短期的な利益見通しは、価格転嫁の継続、為替の追い風、コスト最適化に左右される。
forward_look: ROIC 5.6%は目標レンジ7-8%未達で、資本効率改善が最優先課題。運転資本圧縮(在庫回転向上、与信管理)と選択的投資(16.31億円の設備投資の回収力向上)、高付加価値製品へのミックスシフトが成長の質改善に寄与する見込み。
liquidity: 流動比率364.9%、当座比率310.1%と非常に厚い流動性を確保。現金201.41億円は短期借入金8.34億円を大幅に上回り、短期返済能力は極めて高い。
solvency_and_capital_structure: 負債合計154.40億円、負債資本倍率0.29倍と低レバレッジ。インタレストカバレッジ73.85倍で金利上昇局面でも耐性は高い。固定負債33.11億円と長期債務負担も軽微。
maturity_mismatch: 流動資産442.53億円に対し流動負債121.29億円で、満期ミスマッチ・再調達リスクは低い。運転資本321.24億円は潤沢で、追加の安全余裕を提供。
off_balance_sheet: オフバランス債務の開示は確認できない(未記載)。リース等の潜在債務は可能性として存在するが、現時点の財務余力からみて重大な圧迫要因とは考えにくい。
warnings: 流動比率<1.0やD/E>2.0に該当する警告事項はなし。
earnings_to_cash_conversion: 営業CF40.26億円/純利益21.60億円=1.86倍でキャッシュ化は高品質。減価償却費11.14億円もキャッシュ創出に寄与。
fcf_assessment: 投資CFは未記載のため正確なFCFは不明だが、設備投資16.31億円を用いたFCF代理指標(営業CF−設備投資)は約23.95億円のプラスと推計。財務CFは-18.20億円(自己株買い2.90億円含む)で、キャッシュイン創出が株主還元・返済を十分に賄った可能性が高い。
working_capital_signals: 営業CFが純利益を大きく上回っていることから、売掛金・棚卸資産の圧縮や買掛金の増加等の運転資本改善が寄与した公算。今後の四半期で反動(運転資本再拡大)に注意。
payout_ratio: 配当性向(計算値)87.0%は高水準で、利益水準からみた持続性にやや慎重。EPSは54.89円、期中平均株式数3,936万株の規模感を考えると、利益変動に対する耐性は限定的。
fcf_coverage: 正確なFCFは未記載だが、FCF代理指標(営業CF−設備投資)約23.95億円は、平常時の配当・自己株買いをカバー可能と推定(配当総額未記載)。現金残高も厚く、短期的な支払い余力は十分。
policy_outlook: キャッシュ面の余力は大きいが、営業段階の減益と高配当性向の組み合わせは将来の増配余地を限定。収益性回復(営業利益率・ROIC改善)が進むまでは、安定配当重視のスタンスが妥当。
ビジネスリスク:
- 需要サイクルの悪化(主要顧客業界の生産調整による受注減)
- 原材料・部材コスト上昇と価格転嫁のタイムラグ
- 製品・地域ミックス変動による利益率低下
- 為替変動(円高進行による海外売上の目減り・採算圧迫)
- 競争激化による値引き圧力と販促費増加
財務リスク:
- 非営業収益への依存度上昇(利息・評価益等)の持続性リスク
- 運転資本の再拡大による営業CFの反動減
- ROIC 5.6%と資本効率の伸び悩みが資本コストを下回る期間の長期化リスク
- 高めの配当性向(87%)による利益ボラティリティ発生時の還元維持リスク
主な懸念事項:
- 営業利益率の約-141bp縮小にみられる負の営業レバレッジ
- 総資産回転率0.382の低さ(現金・運転資本滞留)
- 販管費率36.9%の高止まり
- 最終利益が営業外収益により底支えされている構図の持続性
重要ポイント:
- 売上-2.7%にもかかわらず営業利益-15.2%と負の営業レバレッジが顕著
- 営業外収益8.40億円が最終利益を下支えし純利益率は8.2%を維持
- ROE 4.0%、ROIC 5.6%と資本効率は改善余地大
- 営業CFは純利益の1.86倍と高品質、短期の株主還元余力は十分
- 販管費率36.9%と総資産回転率0.382の改善が中期価値ドライバー
注視すべき指標:
- 営業利益率(価格転嫁進捗・固定費吸収)
- 販管費/売上比率の推移
- 受注・在庫回転(棚卸資産の水準と回転日数)
- 営業外収益の内訳と恒常性
- ROIC(>7-8%目標へのトレンド)とROE
- 営業CFと運転資本(売掛・棚卸・買掛)の変動
セクター内ポジション:
財務健全性とキャッシュ創出力は同業平均以上だが、営業段階の収益性と資本効率は同業の効率先行企業に比べ見劣りする。短期の下方耐性は強い一方、中期的な評価は営業利益率・ROICの改善に依存。
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