- 売上高: 291.93億円
- 営業利益: 8.92億円
- 当期純利益: 3.70億円
- 1株当たり当期純利益: 44.02円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 291.93億円 | 287.26億円 | +1.6% |
| 売上原価 | 235.12億円 | 231.44億円 | +1.6% |
| 売上総利益 | 56.81億円 | 55.81億円 | +1.8% |
| 販管費 | 47.88億円 | 48.22億円 | -0.7% |
| 営業利益 | 8.92億円 | 7.59億円 | +17.5% |
| 営業外収益 | 4.77億円 | 4.39億円 | +8.7% |
| 営業外費用 | 4.93億円 | 3.59億円 | +37.3% |
| 経常利益 | 8.77億円 | 8.39億円 | +4.5% |
| 税引前利益 | 5.93億円 | 8.22億円 | -27.9% |
| 法人税等 | 2.22億円 | 1.34億円 | +65.7% |
| 当期純利益 | 3.70億円 | 6.88億円 | -46.2% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 4.46億円 | 5.42億円 | -17.7% |
| 包括利益 | 7.59億円 | -96百万円 | +890.6% |
| 減価償却費 | 15.27億円 | 14.48億円 | +5.5% |
| 支払利息 | 2.10億円 | 1.97億円 | +6.6% |
| 1株当たり当期純利益 | 44.02円 | 52.73円 | -16.5% |
| 1株当たり配当金 | 0.00円 | 0.00円 | - |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 368.74億円 | 377.25億円 | -8.51億円 |
| 現金預金 | 66.16億円 | 87.11億円 | -20.95億円 |
| 売掛金 | 127.32億円 | 122.83億円 | +4.49億円 |
| 棚卸資産 | 56.44億円 | 59.79億円 | -3.35億円 |
| 固定資産 | 418.19億円 | 400.39億円 | +17.80億円 |
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 3.01億円 | 22.94億円 | -19.93億円 |
| 財務活動によるキャッシュフロー | -4.29億円 | -7.74億円 | +3.45億円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 1株当たり純資産 | 3,109.54円 |
| 純利益率 | 1.5% |
| 粗利益率 | 19.5% |
| 流動比率 | 194.0% |
| 当座比率 | 164.3% |
| 負債資本倍率 | 1.12倍 |
| インタレストカバレッジ | 4.25倍 |
| EBITDAマージン | 8.3% |
| 実効税率 | 37.4% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +1.6% |
| 営業利益前年同期比 | +17.6% |
| 経常利益前年同期比 | +4.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | -17.7% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 10.92百万株 |
| 自己株式数 | 779千株 |
| 期中平均株式数 | 10.14百万株 |
| 1株当たり純資産 | 3,667.07円 |
| EBITDA | 24.19億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 0.00円 |
| 期末配当 | 25.00円 |
| セグメント | 売上高 | 営業利益 |
|---|
| AutomobileParts | 25.36億円 | -1.64億円 |
| IndustrialMachinery | 65.48億円 | -3.19億円 |
| MotorcycleParts | 158.53億円 | 12.34億円 |
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2026年度Q2の大同工業は、売上が微増(+1.6%)ながら営業利益は二桁増を確保し、営業面の改善が確認できる一方、純利益は減益となり収益の最終段が弱含んだ決算でした。売上高は291.93億円、営業利益は8.92億円(+17.6%)、経常利益は8.77億円(+4.6%)と、営業段階までの収益は健闘しました。営業利益率は3.05%と推計され、前年の約2.64%から約+41bp改善しました。対照的に純利益は4.46億円(-17.7%)で、純利益率は約1.53%と、前年の約1.89%から約-36bpの縮小です。粗利益は56.81億円で粗利率は19.5%と、コストコントロールと販売ミックスの改善が示唆されます。販管費は47.88億円で販管費率は約16.4%と、粗利の伸びに対して販管費が相対的に抑制され、営業レバレッジが効きました。営業外収益4.77億円に対して営業外費用4.93億円と、純非営業はマイナスで、受取配当金2.63億円や利息収入0.21億円の寄与を相殺する形で支払利息等が負担となりました。税負担(実効税率37.4%)も重く、営業段階での改善が純利益まで十分に波及しなかった構図です。キャッシュフロー面では営業CFが3.01億円にとどまり、純利益4.46億円に対して営業CF/純利益は0.67倍と品質面の警戒シグナルが点灯しました。加えて、設備投資は17.32億円と大きく、営業CFを大幅に上回る投資キャッシュアウトが続いているとみられます(推計FCFはマイナス)。財務基盤は総資産787.28億円、純資産372.05億円、負債資本倍率1.12倍、流動比率194%と、流動性・資本構成は概ね健全です。インタレストカバレッジは4.25倍で、業界一般ベンチマーク(>5倍)にはやや届かず、金利上昇局面では利払い負担が利益を圧迫する余地があります。ROEは1.2%(計算値)に低迷し、ROICも1.2%と投下資本に見合う収益を十分に生み出せていません。総じて、営業段階の改善は評価できるものの、非営業負担と税負担、キャッシュフローの弱さが最終利益と資本効率を抑制しています。今後は価格改定の浸透、原材料・物流コストの安定、金利負担の軽減、運転資本効率化を通じて、営業CFの改善とROIC引き上げが重要テーマとなります。短期的には販管費抑制と価格・ミックスの最適化で営業利益率の底上げを継続し、中期的には高収益案件への選択と集中、過剰な投資の抑制により資本効率の改善を図る必要があります。
ステップ1: ROEを純利益率×総資産回転率×財務レバレッジで分解すると、1.53% × 0.371 × 2.12 ≒ 1.2%となり整合しています。ステップ2: 期中の改善で最も寄与が大きいのは営業利益率(約+41bp)で、売上微増に対して営業利益が+17.6%と伸長した点からも確認できます。ステップ3: 改善要因は、粗利率19.5%の維持・改善と販管費率16.4%の抑制による営業レバレッジの発現、価格転嫁や製品ミックスの改善、コストコントロールが主因と考えられます。一方で純利益率は実効税率の高さ(37.4%)と非営業費用>非営業収益(純非営業マイナス)が重石となりました。ステップ4: 営業段階の改善(粗利率・販管費効率)は継続可能性がある一方、金利負担や為替・市況要因に左右される非営業項目は変動性が高く一時性が強いと評価します。ステップ5: 懸念点として、純利益率の縮小、インタレストカバレッジ4.25倍と金利耐性の限定、そして営業CF/純利益0.67倍とキャッシュコンバージョンの弱さが、ROE・ROIC改善のボトルネックになっています。また、売上成長(+1.6%)に対し販管費の絶対額は高止まりで、今後は売上成長率が販管費成長率を安定して上回ることが重要です。
売上は+1.6%と小幅増で、数量面の伸びよりも価格・ミックス寄与が示唆されます。営業利益は+17.6%と増益で、主として粗利率維持と販管費の相対的抑制による営業レバレッジが効きました。非営業項目は純マイナスで成長の足かせとなり、税負担も重いことから、営業段階の改善を純利益に接続させるには、金利負担・その他非営業費用の抑制が必要です。利益の質は、営業CF/純利益0.67倍と低位で、売掛・棚卸など運転資本の資金吸収が示唆され、短期的な成長の現金化に遅れが見られます。見通しとしては、価格改定の継続、原材料市況の落ち着き、為替の安定、稼働率改善が続けば、営業利益率の漸進的な改善が期待されますが、金利高止まりと税負担が純利益の伸びを相殺しやすい局面です。中期的には投資選別と稼ぐ力(ROIC)の引き上げが最優先テーマです。
流動比率194%、当座比率164%と流動性は良好で、短期支払能力に大きな問題は見当たりません。負債資本倍率1.12倍は保守的な範囲で、D/E>2.0の警告水準を大きく下回ります。短期借入金64.21億円に対して現金66.16億円と売掛金127.32億円を合わせた流動性バッファは十分で、満期ミスマッチリスクは限定的です。長期借入金110.56億円を含む有利子負債は総額で約175億円規模とみられますが、純有利子負債は現金控除後で約109億円相当と推計され、資本余力(純資産372.05億円)で吸収可能です。インタレストカバレッジ4.25倍はやや弱く、金利上昇耐性は限定的なため、今後の資金調達条件には注意が必要です。オフバランス債務の開示は確認できず、現時点で特記すべきオフバランスのリスクは把握できません。
営業CFは3.01億円にとどまり、純利益4.46億円に対して営業CF/純利益は0.67倍と品質面の注意シグナルです(>1.0倍が望ましい)。運転資本(売掛金127.32億円、棚卸56.44億円、買掛金74.10億円)の構成から、売上増分に伴う運転資本の積み上がりが資金を吸収した可能性があります。設備投資は17.32億円と大きく、営業CFを大幅に上回る水準で、推計ベースのFCFは約-14.3億円とマイナスです(会社開示は未記載)。財務CFは-4.29億円で、自社株買い-2.09億円などの株主還元と債務償還が含まれるとみられます。短期的には、在庫回転・回収条件の改善により営業CFの改善余地があり、投資配分の精査によってFCFの赤字幅縮小が課題です。運転資本操作(決算期末の買掛計上増・売掛回収遅延等)を断定できるデータはありませんが、営業CFの弱さはモニタリングが必要です。
配当性向(計算値)61.2%はベンチマークの上限付近で、利益水準の変動やキャッシュ創出力の弱さを考えると余裕度は大きくありません。営業CFが純利益を下回り、かつ設備投資が大きい局面では、配当原資を安定的に確保するには運転資本効率化と投資の選別が不可欠です。FCFカバレッジは公式開示がなく試算困難ですが、推計ではFCFがマイナスであり、短期的には内部資金のみで配当と投資を同時に賄うのは厳しく、借入または保有現金の取り崩しに依存する可能性があります。配当方針の継続性は、中期的なROIC改善と営業CF体質の強化にかかっています。
ビジネスリスク:
- 原材料価格(鋼材等)および物流費の変動による粗利率圧迫
- 販売価格改定の遅れや競争激化によるマージン低下
- 需要サイクル(自動車・産業機械向け等)減速による数量減
- 海外売上比率に起因する為替変動リスク
財務リスク:
- インタレストカバレッジ4.25倍と金利耐性の限定
- 営業CF/純利益0.67倍とキャッシュコンバージョンの弱さ
- FCFマイナス(推計)による投資・還元と資金繰りのトレードオフ
- 純非営業損の継続による最終利益のボラティリティ
主な懸念事項:
- ROIC1.2%と資本効率の低位停滞
- 純利益率の縮小(約-36bp)と高い実効税率(37.4%)
- 運転資本負担の増大による営業CFの目減り
- 金利上昇局面での利払い負担増の影響
重要ポイント:
- 売上小幅増でも営業利益は+17.6%と改善、営業利益率は約+41bp拡大
- 非営業・税負担が重く純利益は-17.7%、純利益率は約-36bp縮小
- 営業CF/純利益0.67倍で収益品質に注意、推計FCFは赤字
- 流動性は良好(流動比率194%)だが金利耐性は限定(ICR 4.25倍)
- ROE1.2%、ROIC1.2%と資本効率が課題で、中期的な改善策が必要
注視すべき指標:
- 営業利益率と粗利率のトレンド(価格・ミックス・コスト転嫁の進捗)
- 営業CF/純利益および在庫・売掛回転日数
- 設備投資額とFCF、投資リターン(ROIC)の改善度合い
- インタレストカバレッジと金利負担、ネット有利子負債の推移
- 実効税率の変化と税前利益の質(非営業の影響度)
セクター内ポジション:
収益性の回復基調は見えるが、最終利益・キャッシュ創出力・資本効率で同業製造業平均に比べ見劣り。短期の営業改善は評価しつつ、財務コストと運転資本の改善が相対的な競争力回復の鍵。
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