| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥1776.5億 | ¥1632.7億 | +8.8% |
| 営業利益 | ¥376.5億 | ¥311.2億 | +21.0% |
| 経常利益 | ¥381.3億 | ¥316.4億 | +20.5% |
| 純利益 | ¥225.0億 | ¥207.0億 | +8.7% |
| ROE | 15.7% | 17.1% | - |
2026年3月期のオルガノは、売上高1,776.5億円(前年比+143.9億円 +8.8%)、営業利益376.5億円(同+65.3億円 +21.0%)、経常利益381.3億円(同+64.9億円 +20.5%)、親会社株主に帰属する当期純利益225.0億円(同+18.0億円 +8.7%)と増収増益を達成した。半導体業界向けを中心とする水処理エンジニアリング事業が成長を牽引し、粗利率は36.6%(前年33.8%)へ+2.8pt改善、営業利益率は21.2%(前年19.1%)へ+2.1pt拡大した。地域別では台湾向け売上が442.2億円(前年278.5億円 +58.8%)と大幅増加し、TSMC向け売上は全体の約25%を占める448.2億円に達した。営業CFは131.0億円(同-37.9%)と減少したが、買掛金減少による運転資本悪化が主因で、FCFは103.6億円を確保した。配当は年間200円(配当性向30.5%)を実施し、2027年3月期は売上高2,000億円(+12.6%)、営業利益400億円(+6.2%)と増収増益を見込む。
【売上高】売上高は1,776.5億円(前年比+8.8%)と増収を達成した。セグメント別では、水処理エンジニアリング事業が1,519.6億円(+10.0%)と全体の85.5%を占め、半導体業界向け超純水・排水処理設備の大型案件が牽引した。特に台湾向けが442.2億円(+58.8%)と急拡大し、TSMC向けは448.2億円(売上全体の25.2%)に達した。米国向けも97.1億円(前年23.2億円)と4倍超に伸長した。機能商品事業は260.9億円(+2.3%)と微増にとどまった。地域別売上構成比は、日本62.5%、台湾24.9%、米国5.5%、中国3.5%、東南アジア3.2%となり、台湾比重が前年17.1%から大幅に上昇した。国内向けも1,111.3億円(+10.9%)と堅調に推移し、半導体・電子材料産業の設備投資拡大が寄与した。
【損益】売上原価は1,125.7億円(前年1,080.9億円 +4.1%)と売上成長を下回る伸びに抑制され、売上総利益は650.8億円(+17.9%)へ拡大した。粗利率は36.6%(前年33.8%、+2.8pt)と改善し、高付加価値案件のミックス向上と原材料価格の落ち着きが寄与した。販管費は274.4億円(+14.0%)と増加したが、人員増強やサービス体制強化による先行投資が含まれる。販管費率は15.4%(前年14.7%、+0.7pt)とやや上昇したものの、粗利改善が吸収し、営業利益は376.5億円(+21.0%)、営業利益率21.2%(前年19.1%、+2.1pt)へ改善した。営業外では受取利息2.6億円、為替差益2.7億円、持分法投資利益1.6億円を計上し、営業外収益8.1億円に対し営業外費用は支払利息3.0億円を含む3.3億円にとどまった。経常利益は381.3億円(+20.5%)へ拡大し、経常利益率は21.5%と高水準を維持した。特別損益は投資有価証券売却益1.5億円を含む特別利益1.9億円から特別損失0.1億円を差し引き、税引前利益は383.1億円となった。法人税等99.1億円(実効税率25.9%)、非支配株主利益0.4億円を控除し、親会社株主に帰属する当期純利益は225.0億円(+8.7%)、純利益率12.7%で着地した。結論として、高付加価値案件による粗利率改善を背景に増収増益を実現した。
水処理エンジニアリング事業は売上高1,519.6億円(前年比+10.0%)、営業利益343.4億円(+25.4%)、営業利益率22.6%(前年19.8%、+2.8pt)と収益性が大幅に改善した。半導体・電子部品向けの超純水製造設備や排水処理システムの大型案件が寄与し、特に台湾および国内半導体工場向けの進捗が利益を押し上げた。プラント事業とソリューション事業の両輪が機能し、高採算案件のミックス向上が利益率改善の主因である。機能商品事業は売上高260.9億円(+2.3%)とわずかな増収だったが、営業利益は33.1億円(-11.5%)と減益となり、営業利益率12.7%(前年14.7%、-2.0pt)へ低下した。水処理薬品や標準型機器の価格競争激化と原材料コスト上昇の影響を受けた。全社営業利益の91.2%を水処理エンジニアリング事業が占め、収益構造は同事業への依存度が高い。
【収益性】営業利益率21.2%(前年19.1%、+2.1pt)、経常利益率21.5%(前年19.4%、+2.1pt)、純利益率12.7%(前年12.7%、横ばい)と本業の収益性は改善した。粗利率36.6%(前年33.8%、+2.8pt)の改善が営業利益率拡大を牽引した。ROEは15.7%と高水準を維持し、純利益率×総資産回転率×財務レバレッジの分解では、純利益率の高さが主因である。ROA(経常利益ベース)は18.2%(前年16.8%)へ改善した。【キャッシュ品質】営業CF/純利益比率は0.58倍(営業CF131.0億円÷純利益225.0億円)と低水準で、利益の現金化に課題が残る。主因は買掛金の減少(-55.0億円)と売上債権・契約資産の増加(-6.9億円)による運転資本の悪化である。アクルーアル比率は-6.0%(=営業CF131.0億円-純利益225.0億円)÷総資産224,867百万円×100)と負値だが、これは利益に比しCF創出が遅れていることを示す。【投資効率】総資産回転率0.79回(売上高1,776.5億円÷総資産224,867百万円×1/2)と大型案件の契約資産(332.0億円)や在庫(85.5億円)が資産を膨らませている。設備投資は20.7億円(減価償却費19.8億円)と維持更新レベルで、資産効率は限定的な投資で高収益を実現している。【財務健全性】自己資本比率63.6%(前年62.2%、+1.4pt)と堅固な資本基盤を維持し、流動比率270.7%、当座比率258.6%と流動性は十分である。有利子負債は344.0億円(短期借入金284.0億円、長期借入金60.0億円)だが、Debt/EBITDA比率は0.87倍(有利子負債344億円÷EBITDA約396億円)と低水準で、インタレストカバレッジ126倍(営業利益376.5億円÷支払利息3.0億円)と利払い能力は極めて高い。現金及び預金310.6億円は短期借入金の1.09倍をカバーし、手元流動性は潤沢である。
営業CFは131.0億円(前年211.0億円、-37.9%)と減少した。税金等調整前当期純利益383.1億円に減価償却費19.8億円を加えた営業CF小計は222.5億円と堅調だったが、運転資本の悪化が資金を大きく圧迫した。棚卸資産の減少により40.2億円の資金流入があった一方、売上債権・契約資産の増加で-6.9億円、仕入債務の減少で-55.0億円の資金流出が発生し、運転資本全体で約-21.7億円の悪化となった。法人税等の支払額91.5億円も重く、営業CFを圧縮した。投資CFは-27.4億円で、設備投資-20.7億円、無形固定資産取得-8.0億円が主な支出である。有形固定資産及び無形固定資産の増加額は合計35.2億円(注記より)だが、長期前払費用を含むため投資CFとは差異がある。フリーCFは103.6億円(営業CF131.0億円+投資CF-27.4億円)を確保し、配当支払84.7億円を上回る水準である。財務CFは31.2億円の流入で、短期借入金の純増81.2億円、長期借入による調達69.0億円が主因だが、長期借入金の返済-32.0億円と配当-84.7億円が支出となった。自社株買いは-0.1億円と微小である。現金及び現金同等物は期末310.6億円(期首167.5億円、純増143.0億円)へ増加し、資金繰りは良好である。営業CFの減少は一時的な運転資本の変動によるもので、FCFベースでは配当・設備投資をカバーする水準を維持している。
経常利益381.3億円のうち営業外収益は8.1億円(経常利益の2.1%)にとどまり、利益の大半は本業から創出されている。営業外収益の内訳は受取利息2.6億円、為替差益2.7億円、持分法投資利益1.6億円、受取配当金0.2億円など恒常的な項目が中心で、一時的要因は限定的である。特別損益は純額1.8億円(特別利益1.9億円-特別損失0.1億円)と軽微で、投資有価証券売却益1.5億円が主な内容である。税引前利益383.1億円に対する特別損益の影響は0.5%未満で、利益の質は高い。一方、営業CF131.0億円は純利益225.0億円を大きく下回り、営業CF/純利益比率0.58倍とアクルーアルが大きい。主因は買掛金減少-55.0億円と売上債権・契約資産の増加-6.9億円による運転資本の悪化で、案件の進捗タイミングや決済条件の変化が影響している。包括利益は303.8億円(当期純利益225.0億円+その他包括利益19.8億円)で、その他包括利益の内訳は為替換算調整額12.3億円、退職給付に係る調整額6.8億円、有価証券評価差額金0.6億円である。為替換算調整額は海外子会社の円換算影響で実現損益ではなく、退職給付調整額は数理計算上の差異である。包括利益と純利益の差は約7.8%と限定的で、質の高い経常的利益が収益の中核をなしている。
2027年3月期通期の会社予想は売上高2,000億円(前年比+12.6%)、営業利益400億円(+6.2%)、経常利益400億円(+4.9%)、親会社株主に帰属する当期純利益300億円(+33.3%)、EPS130.48円、配当110円である。営業利益率は20.0%(前年21.2%、-1.2pt)へやや低下する見込みで、大型案件の一巡と案件ミックスの正常化を織り込んだ保守的な計画である。当期9か月時点の進捗率は売上88.8%、営業利益94.1%、経常利益95.3%と高い達成率で推移しており、通期見通しは達成可能な水準にある。売上は引き続き半導体・電子産業向けが牽引し、機能商品事業の収益性回復も見込まれる。配当予想110円(期末、株式分割考慮後)は、株式分割前ベースでは220円に相当し、前年200円から+10%の増配となる。配当性向は約30%台前半を維持する方針である。
年間配当は200円(中間95円、期末105円)で、配当性向30.5%(配当総額84.7億円÷親会社株主に帰属する当期純利益225.0億円)と保守的な水準を維持した。配当総額84.7億円に対しFCFは103.6億円で、FCFカバレッジは1.22倍と配当は内部資金で十分に賄える。自社株買いは0.1億円と微小で、総還元額は84.8億円、総還元性向は37.7%(総還元額÷親会社株主に帰属する当期純利益)となる。配当方針として、2026年10月1日を効力発生日として普通株式1株を5株に分割する予定で、2027年3月期の期末配当予想は株式分割後ベースで110円(分割前換算220円、前年比+10%)と増配を計画している。年間配当は分割前換算で220円となり、前年比+20円の増配である。配当性向の目安は30%台前半を維持する方針で、安定配当と業績連動を両立させている。現預金310.6億円、FCF103.6億円と資金余力は十分で、配当の持続性に懸念はない。
顧客・地域集中リスク: TSMC向け売上が448.2億円(全体の25.2%)、台湾向けが442.2億円(24.9%)と特定顧客・地域への集中度が高い。半導体業界の投資サイクルや地政学リスク(台湾情勢)により、受注タイミングや案件規模が変動する可能性がある。前年の台湾向け278.5億円から+58.8%と急拡大しており、集中度の上昇が続けば売上のボラティリティが高まる。受注残高(契約資産332.0億円、契約負債35.2億円)は高水準だが、顧客の投資計画変更により案件延期や縮小のリスクが存在する。
運転資本管理リスク: 営業CF131.0億円に対し純利益225.0億円で、営業CF/純利益比率0.58倍と低水準である。主因は買掛金の減少-55.0億円と売上債権・契約資産の増加-6.9億円で、大型案件の進捗に伴う資金サイクルの長期化がキャッシュフローを圧迫している。売上債権回転日数(DSO)は約98日(売上債権477.9億円÷売上高1,776.5億円×365日)と長期化傾向にあり、回収条件の厳格化や前受金(契約負債)の拡大が進まなければ、今後も運転資本が資金を拘束するリスクがある。案件規模の拡大とともに資金需要が増加し、運転資本の管理が経営課題となる。
短期債務集中リスク: 短期借入金284.0億円(前年188.8億円、+50.5%)と大幅に増加し、有利子負債344.0億円の82.6%を短期負債が占める。流動比率270.7%、現金/短期借入金比率1.09倍と流動性は十分だが、短期借入金の満期集中により年度末や四半期末にリファイナンスリスクが顕在化する可能性がある。長期借入金は60.0億円(+63.0%)へ増加したものの、資金調達の期限分散は限定的である。大型案件対応で短期的な資金需要が高まっており、金利上昇局面では調達コストの増加リスクも存在する。Debt/EBITDA0.87倍、インタレストカバレッジ126倍と安全性は高いが、短期債務偏重の構造は資金繰り管理の負担を高める要因である。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 21.2% | 7.8% (4.6%–12.3%) | +13.4pt |
| 純利益率 | 12.7% | 5.2% (2.3%–8.2%) | +7.5pt |
収益性は製造業全体の中で極めて高く、営業利益率は中央値を+13.4pt、純利益率は+7.5pt上回り、高付加価値エンジニアリング事業の優位性が顕著である。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 8.8% | 3.7% (-0.4%–9.3%) | +5.1pt |
売上成長率は業界中央値を+5.1pt上回り、半導体業界向け大型案件の受注拡大により高い成長性を実現している。
※出所: 当社集計
粗利率+2.8pt、営業利益率21.2%への改善は高付加価値案件ミックスの向上と原材料価格の落ち着きによるもので、構造的な収益性向上を示している。水処理エンジニアリング事業の営業利益率22.6%(前年19.8%、+2.8pt)は競争優位の源泉であり、半導体業界の設備投資拡大が続く限り高マージンは持続可能である。一方、販管費の伸び率+14.0%が売上成長+8.8%を上回っており、人員増強や保守体制強化の先行投資が固定費化する点に注意が必要である。半導体投資サイクルの減速局面では営業レバレッジが逆回転し、利益率の低下リスクがある。
TSMC向け売上の構成比25.2%、台湾向け24.9%と顧客・地域集中度が高まっている。前年の台湾向け売上278.5億円から442.2億円へ+58.8%と急拡大しており、地政学リスクや顧客の投資計画変動に対する感応度が高い。契約資産332.0億円、契約負債35.2億円と受注残は厚いが、案件タイミングのずれや延期が業績に与える影響は大きい。米国向けも97.1億円(前年23.2億円、+318%)と急増しており、地域分散は進んでいるものの、台湾依存度の高さはリスク要因として継続監視が必要である。
営業CF131.0億円(営業CF/純利益0.58倍)とキャッシュ創出力が低下しており、買掛金-55.0億円、売上債権・契約資産の増加-6.9億円が主因である。大型案件の進捗に伴う資金サイクルの長期化で運転資本が資金を拘束しており、FCF103.6億円は配当84.7億円をカバーするが、営業CFベースでは利益の現金化に課題が残る。短期借入金284.0億円(+50.5%)と短期債務が増加し、資金繰りの機動性確保が重要である。契約負債(前受金)は35.2億円と限定的で、受注条件の厳格化により前受金比率を高めることが運転資本改善の鍵となる。2027年3月期の営業利益率は20.0%へ-1.2ptの低下を見込むが、売上成長+12.6%により増益を確保する計画である。案件ミックスの正常化と運転資本管理の改善が来期の注目点である。
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。