- 売上高: 593.65億円
- 営業利益: 53.52億円
- 当期純利益: 34.91億円
- 1株当たり当期純利益: 128.66円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 593.65億円 | 521.19億円 | +13.9% |
| 売上原価 | 386.28億円 | - | - |
| 売上総利益 | 134.92億円 | - | - |
| 販管費 | 87.89億円 | - | - |
| 営業利益 | 53.52億円 | 47.03億円 | +13.8% |
| 営業外収益 | 98百万円 | - | - |
| 営業外費用 | 26百万円 | - | - |
| 経常利益 | 54.01億円 | 47.75億円 | +13.1% |
| 税引前利益 | 46.68億円 | - | - |
| 法人税等 | 10.51億円 | - | - |
| 当期純利益 | 34.91億円 | 31.48億円 | +10.9% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 38.51億円 | 36.16億円 | +6.5% |
| 包括利益 | 49.32億円 | 38.45億円 | +28.3% |
| 減価償却費 | 3.57億円 | - | - |
| 支払利息 | 33万円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益 | 128.66円 | 120.80円 | +6.5% |
| 1株当たり配当金 | 63.00円 | 63.00円 | +0.0% |
| 年間配当総額 | 14.46億円 | 14.46億円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 422.40億円 | - | - |
| 現金預金 | 149.33億円 | - | - |
| 棚卸資産 | 57.50億円 | - | - |
| 固定資産 | 109.50億円 | - | - |
| 有形固定資産 | 56.60億円 | - | - |
| 無形資産 |
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 23.76億円 | 33.63億円 | -9.87億円 |
| 投資活動によるキャッシュフロー | -24.74億円 | -6.29億円 | -18.45億円 |
| 財務活動によるキャッシュフロー | -15.46億円 | -13.27億円 | -2.19億円 |
| フリーキャッシュフロー | -98百万円 | - | - |
| 項目 | 値 |
|---|
| 営業利益率 | 9.0% |
| 総資産経常利益率 | 9.9% |
| 配当性向 | 40.0% |
| 純資産配当率(DOE) | 5.6% |
| 1株当たり純資産 | 1,427.68円 |
| 純利益率 | 6.5% |
| 粗利益率 | 22.7% |
| 流動比率 | 318.8% |
| 当座比率 | 275.4% |
| 負債資本倍率 | 0.32倍 |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +13.9% |
| 営業利益前年同期比 | +13.8% |
| 経常利益前年同期比 | +13.1% |
| 当期純利益前年同期比 | +10.9% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +6.5% |
| 包括利益前年同期比 | +28.3% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 29.95百万株 |
| 自己株式数 | 15千株 |
| 期中平均株式数 | 29.93百万株 |
| 1株当たり純資産 | 1,427.68円 |
| EBITDA | 57.09億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 63.00円 |
| 期末配当 | 82.00円 |
| セグメント | 売上高 | 営業利益 |
|---|
| ChemicalIndustryProductsSales | 441.27億円 | 35.08億円 |
| MachineryManufacturingAndSales | 152.38億円 | 18.44億円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 632.00億円 |
| 営業利益予想 | 57.50億円 |
| 経常利益予想 | 57.70億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 42.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 142.77円 |
| 1株当たり配当金予想 | 36.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
巴工業(6309)の2025年度Q4通期は、売上高593.65億円で前年比+13.9%と2桁成長を確保し、営業利益も53.52億円で+13.8%と増益を達成しました。粗利益率は22.7%(売上総利益134.92億円)と前年比での水準改善を示唆し、営業利益率は9.0%(=53.52/593.65)と堅調でした。デュポン分解では、純利益率6.5%、総資産回転率1.053、財務レバレッジ1.32倍からROEは9.0%と算出され、資本効率は同業平均並み〜やや良好と評価できます。営業外収益は0.98億円(受取配当金0.51億円、受取利息0.15億円等)で安定的な金融収益が寄与し、経常利益は54.01億円(+13.1%)に拡大しました。当期純利益は38.51億円(+6.5%)で、実効税率は22.5%と標準的な水準です。連結総資産563.85億円のうち流動資産が422.40億円と厚く、現金預金149.33億円を確保するなど、極めて高い流動性を備えています。流動負債132.48億円に対し流動比率は318.8%、当座比率も275.4%と安全性は極めて高い一方、短期借入金は0.77億円と極小で実質的にネットキャッシュ体質です(有利子負債の全貌は未記載だが、少なくとも現金超過は大きい)。一方でキャッシュフロー面では、営業CFが23.76億円に留まり、投資CFが-24.74億円と大きく、フリーキャッシュフローは-0.98億円と小幅赤字でした(投資CFには設備投資-5.08億円以外の投資有価証券やその他投資のマイナスを含む)。営業CF/純利益比率は0.62倍と1倍を下回り、期末時点での運転資本増加や案件進捗のタイミングの影響が示唆されます。棚卸資産は57.50億円で、売上原価に対する在庫日数は約55日(=57.50/386.28×365)と過度ではありません。買掛金は49.78億円で買掛金回転期間は約47日(=49.78/386.28×365)となり、支払い条件は標準的です。配当についてXBRLは未記載が多く、配当性向(計算値)112.8%、FCFカバレッジ-0.02倍などの指標は持続性に懸念を示しますが、原資料の開示不足により精確な評価には限界があります。事業としては機械(デカンタ・遠心分離機等)と化学品商社を併営するミックスで、売上成長は化学品の市況/数量増と機械の案件計上進捗の双方が寄与した可能性が高いです。営業レバレッジは利益の伸びが売上と概ね歩調を合わせており、販管費率の適正なコントロールが確認できます(販管費87.89億円、売上比14.8%)。資本構成は負債資本倍率0.32倍と保守的で、投下資本に対し十分な手元流動性を維持しています。今後の焦点は、受注残の消化と機械セグメントのマージン維持、化学品のスプレッド確保、ならびに営業CFの純利益並みへの回復です。データには未記載(N/A)が散見され、特に配当・有利子負債の全体像・研究開発費などは判断精度を制約している点に留意が必要です。
ROEはデュポン分解で、純利益率6.5% × 総資産回転率1.053 × 財務レバレッジ1.32倍 ≒ 9.0%(報告ROEと一致)。営業利益率は9.0%(=53.52/593.65)、粗利率は22.7%で、販管費率は14.8%(=87.89/593.65)。EBITDAは57.09億円でEBITDAマージンは9.6%、減価償却費は3.57億円と軽く、固定資産負担は小さい。営業外損益は+0.72億円(収益0.98−費用0.26)で、コア利益をわずかに押し上げる構造。実効税率22.5%は平常レンジ。営業レバレッジ面では、売上+13.9%に対し営業利益+13.8%と並走しており、規模の経済の追加的な拡張は限定的ながら、マージンの安定性は高い。機械×化学のミックスにより粗利率は中位、在庫水準が適正で粗利毀損の兆候は乏しい。インタレストカバレッジは16417倍と実質無借金に近い安全域で、金融費用による利益毀損は極小。
売上成長は+13.9%で、機械セグメントの案件計上進捗と化学品の数量/価格要因の寄与が想定される(セグメント内訳は未記載)。営業利益も+13.8%と同水準で、増収効果が販管費増を吸収。純利益+6.5%は税負担・非営業要因の変動で伸び率がやや鈍化。総資産回転率1.053と高く、期中の成長を資産効率で支えた。売上総利益率22.7%の維持は原材料・為替の逆風耐性を示唆。利益の質は、営業CF/純利益0.62倍と短期的に弱く、運転資本の増勢がキャッシュ創出を抑制。設備投資は5.08億円と抑制的で、成長投資は主に投資CF(投資有価証券等)で実行された可能性。今後の見通しは、受注残の消化と案件採算、化学市況・為替動向が主要ドライバー。マージンの安定性から中期的な利益持続性はあるが、キャッシュ転化の改善(OCFの常時1.0倍超)確認が課題。
流動資産422.40億円、流動負債132.48億円で流動比率318.8%、当座比率275.4%と非常に良好。現金預金149.33億円に対し短期借入金0.77億円で、少なくとも148.56億円超のネットキャッシュ相当を保持(長期借入は未記載)。総負債138.38億円、純資産427.37億円で負債資本倍率0.32倍と保守的。固定負債5.91億円と長期の支払義務は小さい。固定資産109.50億円に対し減価償却費3.57億円で、償却負担は軽く減損リスクも低位。自己資本比率は未算出だが、概算で約75.8%(=427.37/563.85)と推計され、財務余力は大きい。
営業CF23.76億円に対し純利益38.51億円で営業CF/純利益0.62倍と低め。フリーキャッシュフローは-0.98億円(=営業CF23.76 + 投資CF-24.74)と小幅マイナスで、投資CFには設備投資-5.08億円以外の金融投資などのキャッシュアウトが含まれる。運転資本は289.92億円で、年度内の売上成長に伴う運転資金需要が営業CFを圧迫した可能性。棚卸資産は57.50億円、在庫日数約55日で適正レンジ。買掛金は49.78億円、支払サイト約47日。減価償却費3.57億円と小さく、会計利益とキャッシュの乖離が出やすい構造である点に留意。次期は受注消化と検収進捗に応じた前受・債権回収の改善がCF改善の鍵。
配当関連のXBRL開示は未記載が多く、年間配当額・総額の確認は不可。計算上の配当性向112.8%は、当期利益を上回る支払いを示唆し、単年の持続可能性には懸念。FCFカバレッジは-0.02倍で、当期は投資CFの重さからFCFでのカバーは不十分。もっとも、保有現金149.33億円と実質無借金の財務余力があるため、短期的な配当維持余地は高い。中期的持続性は、営業CF/純利益の正常化(>1.0倍)と投資CFの平準化が前提。配当方針(DOE・連結配当性向目標等)は未記載であり、今後の会社方針開示を要確認。
ビジネスリスク:
- 機械セグメントの案件時期ずれ・検収遅延による売上/CFボラティリティ
- 化学品事業の市況・為替変動によるスプレッド圧迫
- 原材料・物流費の高止まりによる粗利率低下リスク
- 主要顧客業種(製造業、環境・エネルギー等)の投資サイクル減速
- 海外案件比率に伴う為替・地政学リスク
財務リスク:
- 営業CF/純利益0.62倍にみられるキャッシュ転化の弱さ
- 投資CFのボラティリティ(投資有価証券等)によるFCFの不安定化
- N/A項目により有利子負債全体像が不明確(長期債務の潜在性)
- 配当性向が計算上100%超となる場合の内部留保減少リスク
主な懸念事項:
- FCFが-0.98億円と小幅赤字で、投資の内容と回収可能性の検証が必要
- 営業CF/純利益比率の改善遅延が続く場合、配当や追加投資余地に制約
- マージン維持の鍵となる価格転嫁・製品ミックスの継続確保
重要ポイント:
- 売上+13.9%、営業利益+13.8%で量的拡大とマージン維持を両立
- ROE9.0%は資本効率が同業並み〜やや良好
- 極めて強固な流動性(流動比率318.8%、現金149.33億円)と低レバレッジ
- 営業CF/純利益0.62倍、FCF-0.98億円とキャッシュ転化が課題
- 投資CFには設備投資以外の投資が含まれ、資本配分の精査が重要
注視すべき指標:
- 受注残と案件採算(機械セグメントの粗利率)
- 営業CF/純利益の正常化(目安>1.0倍)
- 在庫回転日数と買掛金回転の推移
- 投資CFの内訳(投資有価証券の増減、M&Aの有無)
- 配当方針(目標配当性向・DOE)と実績の整合
セクター内ポジション:
国内中堅の産業機械・化学品複合モデルとして、財務健全性は同業上位、水準堅調な営業利益率と平均的なROE、キャッシュフローの平準化が課題というバランス型のポジショニング。
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