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62862026 第3四半期スタンダードJGAAP

靜甲(6286) 2026年度第3四半期決算 増収・営業益28%増

2026年度第3四半期の売上高は328.3億円(前年同期比+13.0%)、営業利益は13.4億円(同+28.2%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

靜甲株式会社

機械


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥328.3億¥290.6億+13.0%
営業利益¥13.4億¥10.4億+28.2%
経常利益¥14.7億¥11.7億+25.2%
純利益¥8.8億¥7.1億+25.1%
ROE(年換算)6.9%5.9%-

Executive Summary

増収を上回る営業増益となり、販管費抑制による営業レバレッジの発現が今期業績の要点である。売上高は328.3億円(前年比+13.0%)、営業利益は13.4億円(同+28.2%)、経常利益は14.7億円(同+25.2%)、純利益は8.8億円(同+25.1%)となった。売上高成長率を上回る利益成長の主因は、産業機械事業を中心とする増収と、販管費増加率(+5.0%)を売上成長率以下に抑えた固定費吸収の改善である。一方で売上総利益率は21.6%と前年同期の22.4%から低下しており、原価面での競争力回復には至っていない。

業績変動要因

【売上高】売上高は328.3億円で前年同期比+13.0%(+37.8億円)。増収の中心は産業機械事業(+15.3億円、+28.8%)と車両関係事業(+21.1億円、+13.2%)で、両事業が売上増加額の大半を占める。電機機器事業は+2.1%増と伸びが鈍く、冷間鍛造事業は-1.7%の減収であった。セグメント構成比は車両関係55.6%、産業機械21.2%、電機機器18.7%、冷間鍛造3.6%、不動産等賃貸1.0%である。

【損益】営業利益は13.4億円(同+28.2%、+2.9億円)、営業利益率は4.1%で前年同期の3.6%から改善した。粗利率は80bp低下したが、販管費増加を売上成長以下に抑えたことで営業利益率は押し上げられた。産業機械事業のセグメント利益は10.8億円(+2.5億円)で全社利益の中心を担い、車両関係事業も利益率1.7%ながら+58.9%増益と改善した。反面、電機機器事業はセグメント利益が-7.4%減少している。経常利益は営業外収益(受取配当金1.0億円等)の寄与で14.7億円となり、税引前利益14.9億円には投資有価証券売却益0.6億円と減損損失0.3億円が含まれるが、特別損益の純額寄与は+0.2億円に限られる。実効税率40.7%の高さが純利益の伸びを抑制した。全体として増収増益であり、増収を上回る増益率は営業レバレッジの発現によるものと整理できる。

セグメント別分析

産業機械事業は売上高70.6億円(構成比21.2%)、セグメント利益10.8億円(利益率15.3%)で、全社セグメント利益の51.5%を占める最大の収益源である。車両関係事業は売上高185.9億円(構成比55.6%、最大セグメント)だが利益率は1.7%と低く、セグメント利益は3.2億円にとどまる。電機機器事業は売上高62.5億円、利益率7.4%だが前年比では減益であり、採算改善が課題である。冷間鍛造事業は売上高11.9億円、利益率9.0%でほぼ前年同水準。不動産等賃貸事業は売上高3.4億円と小さいが利益率37.8%と高く、安定収益源となっている。事業ポートフォリオは、高採算の産業機械・不動産等賃貸と、低採算だが売上規模の大きい車両関係事業という対照的な構造を持つ。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は4.1%で前年同期3.6%から改善し、純利益率は2.7%で前年同期2.4%から上昇したが、粗利率は21.6%と前年同期22.4%から低下している。【キャッシュ品質】税引前利益14.9億円のうち投資有価証券売却益0.6億円を含む一方、減損損失0.3億円を計上し、特別損益の純額寄与は限定的で、実効税率は40.7%と高い。【投資効率】年換算ROEは6.9%で、純利益率2.7%×総資産回転率1.518回×財務レバレッジ1.69倍に分解され、資産効率よりも純利益率の低さがROE抑制の主因である。【財務健全性】自己資本比率は59.3%で前年同期57.6%から改善し、有利子負債は短期借入金中心(85.0%)だが、現金及び預金61.6億円が短期借入金24.5億円を上回り、流動性は確保されている。

キャッシュフロー分析

CF計算書の個別データは示されていないが、BS推移から資金動向をみると、現金及び預金は前年同期の71.0億円から61.6億円へ減少している一方、有形固定資産は88.9億円から100.9億円へ増加しており、設備投資による資金投下が進んでいることがうかがえる。長期借入金は6.8億円から4.3億円へ2.5億円減少し、有利子負債の圧縮が継続している。棚卸資産は29.1億円から26.3億円へ減少し、在庫効率化が資金創出に寄与した可能性がある。利益剰余金は117.7億円から125.2億円へ増加し、純資産全体も159.5億円から171.1億円へ拡大しており、内部資金の蓄積が進んでいる。

収益の質

今期の税引前利益14.9億円には、投資有価証券売却益0.6億円という非経常的な項目が含まれる一方、減損損失0.3億円や固定資産除却損等の非経常的な損失も計上されており、特別損益の純額寄与は+0.2億円と限定的で、経常的な事業損益が業績改善の主体であることを示す。営業外収益は1.5億円で、その中心は受取配当金1.0億円であり、売上高比0.3%程度の規模にとどまる。実効税率は40.7%と高く、税引前利益の伸び(+29.8%)に対して純利益の伸び(+25.1%)が下回っており、税負担が増益の一部を相殺している。包括利益は13.1億円で、純利益8.8億円との乖離はその他有価証券評価差額金4.2億円によるもので、保有株式の市況変動が包括利益を押し上げた形であり、事業本来の収益力とは区別して捉える必要がある。

業績予想・ガイダンス

通期売上高予想440.0億円に対する進捗率は74.6%で、標準的な第3四半期進捗率(約75%)とほぼ整合する。通期営業利益予想15.0億円に対する進捗率は89.2%と高水準で、前年同期比+28.2%の増益ペースに対し、会社予想の通期営業利益成長率は+5.0%にとどまるため、保守的な想定である可能性がある。通期経常利益予想14.0億円に対しては第3四半期累計で14.7億円と既に上回っており、進捗率は104.8%に達する。この背景には投資有価証券売却益等の非経常的な要因も含まれるため、第4四半期の営業採算および非経常項目の再現性が今後の進捗を左右する。

株主還元

第2四半期配当は1株あたり12.00円で、通期予想配当は26.00円である。累計純利益8.8億円に対する第2四半期配当のみの配当性向は8.8%と負担は軽い。通期予想EPS185.80円と予想配当26.00円から算定される予想配当性向は約14.0%であるが、発行済株式数ベースの年間配当総額(約16.9億円)と通期純利益予想12.0億円から算定すると配当性向は約140%となり、EPSベースとの間に差異が生じる。この差異は株式数の取り扱い等に起因する可能性があり、最終的な配当原資は期末の利益確定を踏まえて確認する必要がある。利益剰余金125.2億円および現金及び預金61.6億円の水準は、短期的な配当支払い能力を支えている。自己株式取得に関する金額は開示されておらず、配当のみに基づく配当性向として捉えるべきである。

リスク要因

  1. 事業別採算のばらつき: 売上高で最大の車両関係事業(構成比55.6%)はセグメント利益率が1.7%と低く、需要変動やコスト上昇に対する利益への感応度が高い。産業機械事業がセグメント利益の51.5%を占める構造であり、同事業の受注・採算動向が全社利益の主要な決定要因となっている。

  2. 資金調達構成の集中: 有利子負債28.9億円のうち短期借入金が24.5億円(85.0%)を占める。現金及び預金61.6億円により流動性は確保されているが、借換条件や金利環境の変化が金融費用に影響を与え得る。

  3. 高税負担と粗利率の低下: 実効税率は40.7%と高水準にあり、税引前利益の伸び(+29.8%)に対して純利益の伸び(+25.1%)が下回る。また売上総利益率は21.6%で前年同期の22.4%から低下しており、原価上昇や価格転嫁の遅れに対する感応度を示している。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率4.1%8.6% (4.3%–12.7%)−4.5pt
純利益率2.7%6.4% (2.8%–10.3%)−3.7pt

自社の収益性は業種中央値を下回り、営業利益率・純利益率ともに業種下位に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)13.0%3.3% (-2.1%–8.9%)+9.7pt

売上高成長率は業種中央値を大きく上回り、業種内でも高い増収率を示している。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 売上高+13.0%に対し営業利益+28.2%となり、販管費の伸びを売上成長以下に抑えた営業レバレッジの発現が確認できる。粗利率は80bp低下しており、利益率改善は原価競争力ではなく固定費吸収に依存している点は構造的な特徴として留意される。

  2. 産業機械事業がセグメント利益の51.5%を占め、全社収益の中心となっている。一方、最大売上セグメントの車両関係事業は利益率1.7%と低く、事業間の採算格差が全社マージンの制約要因となっている。

  3. 自己資本比率59.3%、有利子負債の圧縮傾向など財務健全性は前年同期から改善している一方、実効税率40.7%の高さと営業利益率4.1%(業種中央値8.6%)は、資本効率が業種内で相対的に低い水準にあることを示している。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)2,365円
base(基準)2,409円
bull(強気)2,474円
算出前提
1株純資産(BPS)2,650円
調整後予想EPS199.1円
株主資本コスト r10.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 2.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向14.0%
予想EPSの信頼度調整×1.071(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER0.91倍 / 12.1倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 2,342円〜2,479円、ω±0.1で 2,401円〜2,414円。

注記:

  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。