記事一覧に戻る
62662026 第1四半期プライムJGAAP

タツモ(6266) 2026年度第1四半期決算 減収・営業益93%減

2026年度第1四半期の売上高は59.7億円(前年同期比-20.6%)、営業利益は8,600万円(同-92.9%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

タツモ株式会社

機械


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥59.7億¥75.2億−20.6%
営業利益¥0.9億¥12.1億−92.9%
経常利益¥1.9億¥11.8億−84.1%
純利益¥1.1億¥8.6億−87.2%
ROE(年換算)1.7%12.8%-

Executive Summary

2026年度Q1は表面処理用機器事業の急減が主因となり、大幅な減収減益となった。売上高は59.7億円(前年同期75.2億円、前年比-20.6%)、営業利益は0.9億円(同12.1億円、-92.9%)、経常利益は1.9億円(同11.8億円、-84.1%)、純利益は1.1億円(同8.6億円、-87.2%)となった。粗利率が34.7%から27.2%へ低下する一方、販管費は10.2%増加しており、減収局面での固定費吸収力低下が営業利益の急減を招いた。

業績変動要因

【売上高】連結売上高は59.7億円、前年比-20.6%。セグメント別ではプロセス機器事業が48.2億円(構成比80.7%、同-1.0%)とほぼ横ばいを維持した一方、表面処理用機器事業は9.5億円(構成比15.9%、同-60.7%)と急減し、連結減収額の大半を占めた。精密金型・樹脂成形事業は2.8億円(構成比4.7%、同-13.7%)で縮小が続いている。

【損益】営業利益は0.9億円、前年比-92.9%で営業利益率は1.4%(前年16.1%)まで縮小した。粗利率が27.2%(前年34.7%)へ750bp低下する中、販管費は15.4億円と10.2%増加し、減収と固定費増の二重の圧力で営業レバレッジが著しく悪化した。セグメント別ではプロセス機器事業の利益率が15.7%から1.3%へ急低下し、全社利益の81.5%を依然として支えているが、表面処理用機器事業も利益率1.5%(前年6.9%程度)と大幅に低下した。経常利益は為替差益0.6億円と受取利息0.5億円を含む営業外収益1.2億円に支えられ1.9億円となったが、実効税率40.9%の高負担もあり純利益は1.1億円にとどまった。減収減益。

セグメント別分析

プロセス機器事業は売上高48.2億円(前年比-1.0%)とほぼ横ばいを維持したが、セグメント利益は0.6億円(同-92.0%)へ急減し、利益率は15.7%から1.3%へ低下した。内訳では半導体装置が25.9億円(+3.0%)、洗浄装置が7.2億円(+43.4%)と増加した一方、搬送装置は14.2億円(-20.2%)と減少しており、製品構成の変化が採算悪化に影響した可能性がある。表面処理用機器事業は売上高9.5億円(同-60.7%)、セグメント利益0.1億円(同-96.3%)と、全社減益の最大要因となった。精密金型・樹脂成形事業は売上高2.8億円(同-13.7%)で、セグメント損益は0.0億円の損失に転じ、前年同期の黒字から赤字化した。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は1.4%(前年16.1%)、純利益率は1.9%(前年11.5%)でいずれも大幅に低下した。粗利率は27.2%(前年34.7%)で750bp縮小し、実効税率は40.9%と高水準にある。【キャッシュ品質】経常利益1.9億円のうち営業外収益1.2億円(為替差益0.6億円、受取利息0.5億円)が営業利益0.9億円を上回っており、本業以外の収益寄与が大きい構成となっている。棚卸資産は151.5億円と総資産の32.9%を占め、資金の在庫滞留が示唆される。【投資効率】年換算ROEは1.7%、自己資本比率は58.1%(前年56.6%)である。BPSは1,814.18円で前年の1,834.03円から微減している。【財務健全性】現金及び預金は154.7億円、流動比率は水準として高く、有利子負債は91.8億円である。長期借入金は54.7億円(前年比+17.8%)、短期借入金は37.1億円(同+13.5%)と有利子負債全体が増加している。

キャッシュフロー分析

本開示ではキャッシュフロー計算書の詳細は示されていないが、BS推移から資金動向を確認できる。現金及び預金は154.7億円と前年の162.7億円から微減した一方、契約負債(前受金)は47.8億円(前年比+30.7%)と増加しており、案件受注に伴う前受金流入が運転資金を支えている。長期借入金は54.7億円(同+17.8%)、短期借入金は37.1億円(同+13.5%)とともに増加しており、有利子負債による資金調達が進んだ形跡がある。有形固定資産は81.8億円(同+4.7%)に増加し、機械装置及び運搬具が特に増加していることから、生産・開発設備への投資が継続していることがうかがえる。棚卸資産は151.5億円と高水準を維持しており、装置事業特有の受注・生産・検収サイクルの長さを反映した資金滞留が資金効率面での留意点となる。

収益の質

当期の経常利益1.9億円は、営業利益0.9億円を営業外収益1.2億円が上回る構成となっており、収益の質としては本業以外の要因への依存度が高い。営業外収益の内訳は為替差益0.6億円、受取利息0.5億円が中心で、いずれも市況・金利環境に左右される性質を持ち、経常的に安定した収益とは言い切れない。実効税率は40.9%と高く、税引前利益1.9億円に対して法人税等0.8億円が計上され、純利益1.1億円への転換を抑制している。包括利益は2.2億円と純利益1.1億円を上回っており、為替換算調整額1.1億円がプラスに寄与したことが主因である。純利益と包括利益の乖離は主に為替要因によるもので、本業の収益力を直接示すものではない点に留意が必要である。

業績予想・ガイダンス

通期会社予想は売上高355.0億円(前年比+0.2%)、営業利益36.0億円(同-24.5%)、経常利益35.0億円(同-30.1%)で据え置かれている。Q1実績の対通期進捗率は売上高16.8%、営業利益2.4%、経常利益5.3%と、いずれも単純進捗基準の25%を大きく下回っている。特に営業利益の進捗の低さが際立ち、通期計画の営業利益率10.1%に対しQ1実績は1.4%にとどまることから、Q2以降の表面処理用機器事業の回復とプロセス機器事業の採算改善が計画達成の前提となる。会社側は前年比での減益を織り込んだ計画としており、当四半期時点で業績予想の修正は行われていない。

株主還元

通期の1株当たり配当予想は34.00円で、通期予想EPS170.65円に基づく予想配当性向は19.9%となる。配当予想の修正は行われておらず、水準は据え置かれている。配当性向は一般的な還元水準に比して保守的であり、Q1時点の利益進捗の遅れに対しても、通期計画達成を前提とすれば配当負担は相対的に軽い。自社株買いに関する具体的な実施額は開示されていないため、本レポートでは配当性向のみを評価対象とする。

リスク要因

  1. 表面処理用機器事業の急減: 売上高9.5億円(前年比-60.7%)、セグメント利益0.1億円(同-96.3%)と、連結減収減益の最大要因となっている。同事業の受注・検収タイミング変動が今後も連結業績を大きく左右する可能性がある。

  2. 収益性の急低下と在庫滞留: 営業利益率は1.4%(前年16.1%)へ急縮小し、棚卸資産は151.5億円と総資産の32.9%を占める。装置事業特有の長い生産・検収サイクルを勘案しても、在庫評価や資金効率は継続的な確認が必要な項目である。

  3. 営業外収益への依存: 経常利益1.9億円のうち営業外収益1.2億円(為替差益0.6億円、受取利息0.5億円)が営業利益0.9億円を上回っており、為替や金利動向によって経常利益が変動しやすい構造にある。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(manufacturing)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率1.4%7.2% (3.2%–12.5%)−5.7pt
純利益率1.9%5.9% (2.9%–12.5%)−4.0pt

自社の営業利益率・純利益率はいずれも業種中央値を大きく下回り、収益性面で業種内の下位に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)−20.6%5.6% (1.1%–13.9%)−26.2pt

業種内の多くの企業が増収を確保する中、自社は大幅な減収となっており、成長性においても業種中央値を大きく下回る。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. Q1の減益は表面処理用機器事業の急減と、プロセス機器事業における利益率の大幅悪化の両方に起因する。粗利率の750bp低下と販管費10.2%増が重なり、営業利益率は16.1%から1.4%へ急低下した。

  2. 通期会社予想は据え置かれているが、Q1時点の営業利益進捗率は2.4%にとどまり、標準的な25%を大きく下回る。通期計画達成にはQ2以降の利益計上の加速が前提となる。

  3. 棚卸資産151.5億円、契約負債47.8億円(前年比+30.7%)という運転資本構造は、受注・検収時期の変動により四半期業績や資金効率が振れやすいことを示している。現金預金154.7億円を含む財務健全性は相対的に安定している。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)1,787円
base(基準)1,830円
bull(強気)1,895円
算出前提値
1株純資産(BPS)1,814円
調整後予想EPS182.8円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向19.9%
予想EPSの信頼度調整×1.071(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER1.01倍 / 10.0倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 1,778円〜1,884円、ω±0.1で 1,830円〜1,831円。

注記:

  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。