| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥160.0億 | ¥307.4億 | -47.9% |
| 営業利益 | ¥-46.1億 | ¥62.1億 | +18.4% |
| 経常利益 | ¥-44.4億 | ¥64.1億 | +21.5% |
| 純利益 | ¥-29.1億 | ¥43.0億 | -167.6% |
| ROE | -6.8% | 9.2% | - |
2026年3月期第3四半期累計の業績は、売上高160.0億円(前年同期比-147.4億円、-47.9%)、営業損失46.1億円(前年同期営業利益62.1億円から108.2億円の悪化)、経常損失44.4億円(前年同期経常利益64.1億円から108.5億円の悪化)、純損失29.1億円(前年同期純利益43.0億円から72.1億円の悪化)と、全指標で大幅に悪化した。遊技機販売台数は前年同期比38,395台減の38,552台に留まり、研究開発費の増加(+19.8億円)が販管費を押し上げた。保有するサン電子株式の一部売却により投資有価証券売却益17.2億円を特別利益に計上したが、営業損失を補填するには至らず、本業の収益力低下が顕著となった。
【売上高】遊技機販売台数が前年同期76,947台から38,552台へ半減(-49.9%)したことが売上減少の主因である。パチンコ遊技機は33,348台(-25,804台)、パチスロ遊技機は5,204台(-12,591台)といずれも大幅減となった。第3四半期には「e地獄少女7500Ver.」(パチンコ、2025年11月)と「スマスロ とある科学の超電磁砲2」(パチスロ、2025年10月)を投入したが、市場全体の設置台数減少とホール軒数減少(6,706軒)による需要縮小の影響を受けた。
【損益】売上原価は82.9億円(前年同期137.9億円)と減少したが、売上総利益率は48.2%と前年同期55.1%から6.8pt低下した。本体販売比率の増加と共通部材の評価損増加が粗利率を圧迫した。販管費は123.3億円(前年同期107.2億円)へ16.1億円増加し、対売上比は77.1%(前年同期34.9%)へ急上昇した。特に研究開発費が71.9億円(前年同期52.1億円)へ+19.8億円増加したことが固定費負担を重くした。営業外費用では支払利息等で1.7億円を計上したが、営業損失46.1億円の規模から経常損失44.4億円への改善幅は限定的であった。特別利益として投資有価証券売却益17.2億円を計上したものの、税引前損失は26.9億円となり、純損失29.1億円に至った。一時的要因として投資有価証券売却益が収益を下支えしたが、営業損失の規模が大きく本業回復には至っていない。結論として、売上大幅減と販管費増により減収大幅赤字転落の局面にある。
遊技機事業の単一セグメント構成である。第3四半期累計での売上高160.0億円、営業損失46.1億円を計上した。パチンコ遊技機は売上構成比86.5%(33,348台)、パチスロ遊技機は13.5%(5,204台)であり、パチンコが主力製品である。前年同期と比較してパチンコは販売台数-43.6%、パチスロは-70.8%といずれも大幅減少し、全社業績悪化の主因となった。営業損失の発生は販売台数減少による売上減と、研究開発費を中心とした販管費の高止まりによるものである。単一事業構造のため、市場需要の変動が業績に直結するリスクが顕在化している。
収益性: ROE -6.8%(前年同期+9.2%から13.9pt悪化)、営業利益率-28.8%(前年同期+20.2%から49.0pt悪化)、純利益率-18.2%(前年同期+14.0%から32.2pt悪化)。 効率性: 総資産回転率0.325回転(前年同期0.578回転から低下)、売掛金回転日数89日(前年同期21日から68日延長)、棚卸資産回転日数344日(前年同期2日から342日延長)、買掛金回転日数128日、キャッシュコンバージョンサイクル305日と運転資本効率が大幅に悪化。 投資効率: ROIC -16.4%(資本効率が著しく低下)。 財務健全性: 自己資本比率86.8%(前年同期88.0%から1.2pt低下も高水準を維持)、流動比率638.9%(前年同期869.3%から低下も依然高水準)、負債資本比率0.15倍と負債は軽微。現金預金145.3億円(前年同期215.5億円から32.6%減少)。
営業CF、投資CF、財務CFの開示データがないため、直接的なキャッシュフロー分析は実施不可である。ただし、バランスシート変動から間接的にキャッシュ動向を推定する。現金預金は前年同期215.5億円から145.3億円へ70.2億円減少(-32.6%)している。この減少は、売掛金の急増(+21.1億円)と棚卸資産の増加(+0.9億円)による運転資本の悪化、営業損失46.1億円の発生、配当支払い(中間配当25円実施)、投資有価証券売却による入金(特別利益17.2億円)等の複合的要因によるものと推察される。売掛金回転日数89日、棚卸資産回転日数344日、キャッシュコンバージョンサイクル305日という指標は、営業利益を現金化する能力が著しく低下していることを示す。投資有価証券売却による一時的な現金流入があったにもかかわらず現金残高が減少している点は、本業でのキャッシュアウトが継続していることを意味する。現金創出評価は要モニタリングの状況にある。
経常損失44.4億円に対し純損失29.1億円と、経常段階から純損失段階での改善が見られる。これは特別利益17.2億円(投資有価証券売却益)の計上によるものである。一時的要因として投資有価証券売却益が税引前損失を26.9億円に圧縮したが、営業損失46.1億円が示すとおり本業での収益力は大幅に悪化している。営業外損益は営業損失から経常損失への移行において1.7億円のマイナス寄与に留まっており、営業外での収支悪化は限定的である。本業収益の質は著しく低下しており、投資有価証券売却という非経常的な利益に依存した決算内容である。
通期業績予想は売上高231.0億円、営業損失38.0億円、経常損失37.0億円、純損失21.0億円である。第3四半期累計実績に対する進捗率は、売上高69.3%(標準進捗75%を下回る)、営業損失は累計46.1億円で通期予想38.0億円を既に超過しており、第4四半期での大幅改善が前提となっている。会社は第4四半期に新機種「eいせれべ」(パチンコ)と「スマスロ ゴブリンスレイヤーII」(パチスロ)を2026年2月に投入予定であり、販売台数の回復を見込む。通期販売計画はパチンコ41,000台、パチスロ13,000台の合計54,000台(第3四半期累計38,552台に対し残り15,448台を第4四半期に販売想定)である。営業損失の通期予想38.0億円は第3四半期累計46.1億円より改善する見込みだが、第4四半期単独で8.1億円の営業黒字化が必要であり、新機種投入効果と販管費抑制の実現性が焦点となる。標準的な四半期進捗からの乖離が大きく、第4四半期の販売回復と費用コントロールが計画達成の鍵を握る。
配当政策として中間配当25円(実施済)、期末配当25円を予定しており、年間配当金は50円となる見込みである。純損失29.1億円(年率換算では赤字継続)に対して配当を実施する方針であるため、配当性向は算出不可(純利益が赤字)である。配当総額は発行済株式数から推定すると約20億円規模となる見込みで、純損失下での配当は内部留保の取り崩しまたは資産売却等による資金捻出を意味する。現金預金残高145.3億円、自己資本426.8億円と財務基盤は健全であり、短期的には配当維持余力はあるが、営業損失継続下での配当持続性は営業利益の回復に依存する。投資有価証券売却益17.2億円を計上したことから、資産売却による財務基盤の維持が図られている。総還元性向は算出不可であるが、赤字下での配当継続は株主還元重視の姿勢を示す一方、収益力回復が中長期的な配当持続には不可欠である。
【短期】第4四半期における新機種「eいせれべ」(パチンコ、1/179スペック・BIGスタート機能搭載)および「スマスロ ゴブリンスレイヤーII」(パチスロ、上位AT搭載)の2026年2月投入による販売回復。通期販売目標54,000台達成に向け第4四半期で残り15,448台の販売が必要。研究開発費の進捗率81.7%(通期予算88億円)、人件費進捗率78.8%と、第4四半期での費用抑制余地。広告宣伝キャンペーン「anime blast」「BIGスタート」による市場認知度向上効果。
【長期】遊技機市場全体の構造変化(パチンコ市場約85万台、パチスロ市場約60万台と推定)への対応と市場シェア確保。設置台数減少(パチンコ196.9万台、パチスロ135.5万台)およびホール軒数減少(6,706軒)が継続する環境下での製品競争力強化。販管費構造の見直しと固定費削減による損益分岐点売上高の引き下げ。運転資本管理の改善(売掛金回収日数短縮、棚卸資産回転向上)によるキャッシュ創出力強化。投資有価証券ポートフォリオの見直しと非事業資産の効率的活用。
製造業(manufacturing)における業種内ポジションを以下に示す(参考情報・当社調べ)。比較対象は2025年第3四半期、業種内98社の中央値である。
収益性: ROE -6.8%(業種中央値5.0%を11.8pt下回る)、営業利益率-28.8%(業種中央値8.3%を37.1pt下回る)、純利益率-18.2%(業種中央値6.3%を24.5pt下回る)。当社は業種内で収益性が著しく低く、営業赤字により業種内最下位圏にあると推定される。
効率性: 総資産回転率0.325回転(業種中央値0.58回転を大幅に下回る)、売掛金回転日数89日(業種中央値82.87日を6日上回る)、棚卸資産回転日数344日(業種中央値108.81日を235日上回る)。棚卸資産回転の悪化が顕著であり、在庫効率は業種内で極端に低い水準にある。
財務健全性: 自己資本比率86.8%(業種中央値63.8%を23.0pt上回る)、流動比率638.9%(業種中央値284%を大幅に上回る)。自己資本比率と流動比率は業種内上位に位置し、財務安全性は極めて高い。
成長性: 売上高成長率-47.9%(業種中央値+2.7%を50.6pt下回る)。売上減少幅は業種内で最も深刻な水準にあると推定される。
総合評価: 当社は財務健全性では業種上位に位置するが、収益性・効率性・成長性は業種内最下位圏にあり、営業赤字と売上大幅減が業種比較で顕著な劣位を示している。業種は製造業全般(98社)、比較対象期間は2025年第3四半期、出所は当社集計による公開決算データである。
市場構造リスク: パチンコ・パチスロ市場の継続的縮小(設置台数パチンコ196.9万台・パチスロ135.5万台、ホール軒数6,706軒と減少傾向)により、販売台数は前年同期比49.9%減の38,552台に留まった。2025年度の市場規模予測はパチンコ約85万台・パチスロ約60万台と推定され、需要減少が継続する見通し。単一セグメント構成のため市場縮小の影響が業績に直結する。
固定費負担リスク: 販管費123.3億円(対売上比77.1%)のうち研究開発費が71.9億円と高水準にあり、売上減少局面で固定費率が急上昇している。営業損失46.1億円の主因は固定費負担にあり、販売台数が損益分岐点を大幅に下回る状況が継続すれば赤字拡大リスクがある。通期予算では研究開発費88億円を計画しており、売上回復なき場合の損失拡大が懸念される。
運転資本リスク: 売掛金は前年同期比+118.0%増の38.9億円、棚卸資産は+620.0%増の1.1億円と急増し、キャッシュコンバージョンサイクルは305日に悪化した。現金預金は前年同期比32.6%減の145.3億円となり、営業損失とあわせて資金繰り悪化リスクが顕在化している。売掛金回収遅延と在庫増加が継続すれば流動性低下が加速する。
第4四半期の業績回復蓋然性: 通期営業損失予想38.0億円に対し第3四半期累計で既に46.1億円の営業損失を計上しており、第4四半期単独で8.1億円の営業黒字化が必要である。2026年2月投入予定の新機種「eいせれべ」「スマスロ ゴブリンスレイヤーII」により残り15,448台の販売(通期54,000台計画)が前提となるが、第3四半期までの累計38,552台に対し第4四半期単独で40%の販売を見込む計画は、実現性の検証が注目される。
運転資本管理の正常化: 売掛金回転日数89日(前年21日から68日延長)、棚卸資産回転日数344日(前年2日から342日延長)、キャッシュコンバージョンサイクル305日という指標は、業種中央値(売掛金82.87日、棚卸108.81日)を大幅に上回る。営業損失下での運転資本悪化は現金創出力を阻害しており、売掛金回収と在庫圧縮の進展度合いがキャッシュフロー改善の鍵となる。
財務基盤と配当持続性の両立: 自己資本比率86.8%、現金預金145.3億円と財務健全性は高いが、純損失29.1億円下で年間配当50円(配当総額約20億円見込み)を継続する方針は、営業利益の回復なき場合に内部留保取り崩しを意味する。投資有価証券売却益17.2億円の計上は一時的な財務支援策であり、持続的な配当には本業での黒字化が不可欠である。営業利益回復の進捗と配当政策の持続性は決算上の重要な観察点である。
本レポートはXBRL決算短信データとPDF決算説明資料をAIが統合分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。