クイックビュー
| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥161.4億 | ¥141.0億 | +14.5% |
| 営業利益 | ¥29.1億 | ¥22.9億 | +26.7% |
| 経常利益 | ¥29.2億 | ¥23.4億 | +24.7% |
| 純利益 | ¥18.7億 | ¥15.6億 | +19.7% |
| ROE(年換算) | 12.0% | 10.6% | - |
Executive Summary
2026年度Q3累計は受注案件の売上計上進展を背景に増収増益となり、収益性も改善した決算である。売上高は161.4億円で前年同期比+14.5%、営業利益は29.1億円で同+26.7%、経常利益は29.2億円で同+24.7%、純利益は18.7億円で同+19.7%となった。営業利益の増益率が売上成長率を12.2pt上回っており、粗利益率が26.1%(前年22.5%)へ改善したことが利益成長を牽引した。一方、販管費は前年比+49.0%と売上成長を大きく上回っており、今後の営業レバレッジの持続性を左右する要素となる。
業績変動要因
【売上高】売上高は161.4億円で前年同期比+14.5%増収となった。セグメント情報の開示はないが、仕掛品が前年比+32.8%増加していることから、個別受注型案件の進行が売上計上を後押ししたとみられる。
【損益】売上原価率は73.9%と前年の77.5%から改善し、粗利益率は26.1%(前年22.5%)へ360bp上昇した。販管費は13.1億円で前年比+49.0%と売上成長率を上回ったが、粗利改善がこれを吸収し、営業利益率は18.0%(前年16.3%)へ175bp上昇した。経常利益は29.2億円で営業利益をわずかに上回るのみで、営業外損益への依存は限定的である。特別損益はごく小規模(特別利益0.05億円、特別損失0.04億円)であり、一時的要因の寄与は軽微である。純利益は18.7億円(同+19.7%)で、実効税率36.2%が税引前利益からの転換をやや抑制している。結論として増収増益であり、粗利率改善が利益成長の主因である。
主要財務指標
【収益性】営業利益率18.0%(前年16.3%)、純利益率11.6%(前年11.1%)はいずれも改善しており、粗利益率26.1%(前年22.5%)の上昇が主因である。【キャッシュ品質】年換算DSOは197日、CCCは192日と長く、売掛金116.2億円と電子記録債権114.5億円が資金拘束の主因となっている。仕掛品比率は65.2%と高水準で、案件進行に伴う資金滞留が生じている。【投資効率】ROEは12.0%で、純利益率11.6%、総資産回転率0.60倍、財務レバレッジ1.74倍に分解される。インタレストカバレッジは56.8倍と高く、支払利息負担は軽微である。【財務健全性】自己資本比率は57.5%(前年60.2%)、流動比率は229.9%と高水準を維持する一方、短期借入金55.0億円に対し現金預金は50.5億円にとどまり、現金/短期負債は0.92倍である。
キャッシュフロー分析
CF計算書の開示はないが、BS変動から資金動向を分析する。現金及び預金は前年同期比18.5億円減少し50.5億円となった一方、投資有価証券は7.0億円増加し26.1億円となった。買掛金は15.6億円減少し8.1億円となり、支払サイドの資金流出が生じている。年換算DSO197日、CCC192日という長い資金回収サイクルは、純利益18.7億円の水準に対して現金創出が追いついていない可能性を示唆する。仕掛品も前年比32.8%増の3.7億円であり、案件進行に伴う運転資本の積み上がりが現金残高減少の一因とみられる。短期借入金55.0億円を主とする有利子負債70.0億円は、当面の資金繰りを支える役割を担っていると考えられる。
収益の質
当期の利益は本業由来の色合いが強い。営業外収益0.7億円のうち受取配当金が0.6億円を占めるが、売上高比0.4%と小さく、経常利益は営業利益をわずかに上回るのみで、営業外損益への依存は限定的である。特別利益は投資有価証券売却益0.05億円にとどまり、純利益18.7億円に対する寄与は0.3%程度と軽微であるため、一時的要因による利益の嵩上げは小さい。他方、仕掛品の前年比+32.8%増加と、年換算DSO197日・CCC192日という長い運転資本サイクルは、会計上の利益計上が現金回収に先行している可能性を示すアクルーアル面の留意点である。実効税率は36.2%で、税引前利益から純利益への転換効率はやや抑制されている。
業績予想・ガイダンス
通期会社計画は売上高200.0億円(前年比-7.3%)、営業利益30.0億円(同-14.6%)、経常利益30.0億円(同-15.6%)、純利益20.0億円(同-16.4%)であり、前年比では減収減益を見込む。これに対しQ3累計進捗率は売上高80.7%、営業利益96.9%、純利益93.4%と、利益項目が標準的な進捗目安(75%)を大きく上回る。計画達成にはQ4に売上高38.6億円、営業利益0.9億円、純利益1.3億円を計上すれば足りる計算となる。通期計画の営業利益率は15.0%とQ3累計の18.0%より低い前提であり、Q4における案件構成や原価率、販管費の動向が計画達成の焦点となる。
株主還元
第2四半期配当は1株当たり44.00円であり、通期会社予想の年間配当は88.00円である。通期予想純利益20.0億円と期中平均株式数11,468千株に基づく予想配当性向は約50.5%であり、配当のみを分子とした配当性向としては60%未満の水準にとどまる。利益剰余金163.7億円、純資産207.4億円という資本蓄積は配当の下支え要因となる一方、現金預金が前年比26.8%減少していることや、長い運転資本サイクルとの兼ね合いを踏まえた継続的なモニタリングが有用である。自社株買いに関する開示はなく、総還元性向は算定していない。
リスク要因
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運転資本の長期化: 年換算DSO197日、CCC192日はいずれも一般的な警戒水準を大きく上回る。仕掛品比率65.2%も高水準であり、売掛金116.2億円・電子記録債権114.5億円の回収状況とあわせて、利益の現金化タイミングに留意が必要である。
-
短期資金繰りの構造: 短期借入金55.0億円に対し現金預金は50.5億円で、現金のみでは短期負債を完全にはカバーしない。有利子負債70.0億円のうち短期比率が高く、借換条件や金融環境の変化への感応度がある。
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販管費増加ペース: 販管費は前年比+49.0%増と売上成長率(+14.5%)を大きく上回る。粗利益率の改善余地が縮小した場合、営業利益率18.0%の維持が課題となり得る。
業種ベンチマーク(参考・当社調べ)
業種ベンチマーク(manufacturing)
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 18.0% | 8.6% (4.3%–12.7%) | +9.4pt |
| 純利益率 | 11.6% | 6.4% (2.8%–10.3%) | +5.1pt |
営業利益率・純利益率とも業種中央値を大きく上回り、収益性は業種内で上位に位置する。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 14.5% | 3.3% (-2.1%–8.9%) | +11.2pt |
売上成長率も業種中央値を大きく上回り、増収ペースは業種内で高水準にある。
※出所: 当社集計
決算上の注目ポイント
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粗利益率が26.1%(前年22.5%)へ改善し、営業利益率18.0%・純利益率11.6%はいずれも業種中央値を大きく上回る水準にある。増益は特別利益や営業外収益への依存が小さく、本業由来の色合いが強い。
-
通期会社計画は前年比減収減益を見込む一方、Q3累計時点の利益進捗率は営業利益96.9%、純利益93.4%と高い。通期計画の想定営業利益率15.0%はQ3累計の18.0%を下回っており、Q4の案件構成や費用計上の動向が着地を左右する構造となっている。
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年換算DSO197日、CCC192日、仕掛品比率65.2%という運転資本指標は、高い収益性と対をなす形で資金拘束の大きさを示している。短期借入金55.0億円への依存度とあわせ、キャッシュ転換の進捗が今後の注目点となる。
理論株価(参考値)
| シナリオ | 理論株価 |
|---|---|
| bear(弱気) | 1,749円 |
| base(基準) | 1,805円 |
| bull(強気) | 1,852円 |
| 算出前提 | 値 |
|---|---|
| 1株純資産(BPS) | 1,813円 |
| 調整後予想EPS | 192.3円 |
| 株主資本コスト r | 10.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 2.00%) |
| 残余利益の持続係数 ω / 明示予測 | 0.62 / 5年 |
| 想定配当性向 | 50.3% |
| 予想EPSの信頼度調整 | ×1.100(通期予想に対する進捗の先行に基づく) |
| implied PBR / PER | 1.00倍 / 9.4倍 |
感応度: 株主資本コスト±1%で 1,757円〜1,855円、ω±0.1で 1,804円〜1,805円。
注記:
- 通期予想に対する純利益の進捗(93%)が標準(75%)を上回るため、予想EPSを上限+10%の範囲で上方調整しています(進捗が先行する企業は予想を上回る傾向があるため。季節性の強い事業では調整が過大になる場合があります)。
- 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
- 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
- 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。
(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。