| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥69.7億 | ¥79.0億 | -11.8% |
| 営業利益 | ¥5.1億 | ¥7.5億 | -32.3% |
| 経常利益 | ¥2.9億 | ¥7.4億 | -61.3% |
| 純利益 | ¥-1.0億 | ¥7.7億 | -113.1% |
| ROE | -0.1% | 1.3% | - |
2026年度第1四半期決算は、売上高69.7億円(前年同期比-9.3億円 -11.8%)、営業利益5.1億円(同-2.4億円 -32.3%)、経常利益2.9億円(同-4.5億円 -61.3%)、親会社株主に帰属する純利益-0.8億円(同-8.9億円 -110.1%)と減収減益、最終赤字転落となった。営業段階では装置納入タイミングの遅れと固定費吸収率低下で利益率が7.3%(前年9.6%)へ2.3pt悪化。経常段階以降は為替差損1.1億円と持分法投資損失2.0億円の非営業損益悪化に加え、実効税率が約136%と異常値となり純利益を大きく押し下げた。一方、包括利益は投資有価証券の評価益229.3億円を主因に240.2億円の大幅黒字となり、純資産は前年同期比+229.5億円増加し805.6億円に達した。
【売上高】売上高は69.7億円(前年同期比-11.8%)と減収。同社は成膜装置事業の単一セグメントで、装置納入・検収のタイミングにより四半期業績が大きく変動する特性を持つ。仕掛品残高は166.1億円と前年同期比+40.6億円(+32.4%)増加しており、生産は進捗しているものの顧客検収が後ずれしたことが減収の主因と推察される。契約負債(前受金)は181.3億円と前年同期比+66.4億円(+57.8%)積み上がっており、将来の売上認識余地は厚く下期以降の回復基盤となり得る。
【損益】売上原価は46.3億円で売上総利益は23.4億円、粗利率は33.5%(前年33.0%)と0.5pt改善した。販管費は18.3億円(販管費率26.2%)で前年比-0.3億円とほぼ横ばいだが、売上減少により販管費率は約2.8pt上昇し、固定費吸収の悪化が営業利益を圧迫した。営業利益は5.1億円(営業利益率7.3%)と前年比-2.4億円(-32.3%)の減益。営業外損益では受取利息0.7億円等の営業外収益1.5億円に対し、為替差損1.1億円、持分法投資損失2.0億円を含む営業外費用3.7億円が発生し、営業外収支は-2.2億円と前年の-0.0億円から悪化した。経常利益は2.9億円(経常利益率4.1%)で前年比-61.3%の大幅減益。特別損失は固定資産除却損0.1億円のみで軽微だが、法人税等が3.8億円(実効税率約136%)と異常な高負担となり、税負担係数は-0.29へ低下した。この結果、親会社株主に帰属する純利益は-0.8億円(純利益率-1.2%)と赤字転落し、減収減益決算となった。
【収益性】営業利益率7.3%(前年9.6%)、純利益率-1.2%(前年10.2%)とともに悪化。ROEは-0.1%(前年1.4%)と急低下した。デュポン分解では純利益率-1.2%×総資産回転率0.058×財務レバレッジ1.48倍=-0.1%となり、非営業損益と税負担の異常により純利益率が最大の悪化要因となった。【キャッシュ品質】DIO(棚卸資産回転日数)は1,631日と極端に長期化し、CCC(キャッシュコンバージョンサイクル)は1,616日に達した。仕掛品166.1億円の滞留が運転資本を大きく拘束している。DSO(売上債権回転日数)は263日で、装置納入後の検収遅延が債権回収サイクルを延長させている。【投資効率】総資産回転率は0.058回転/年と極めて低く、投資有価証券332.1億円(総資産比27.9%)の積み上がりが分母を押し上げた。【財務健全性】自己資本比率67.6%(前年66.9%)、流動比率245.7%、当座比率245.7%と財務健全性は極めて高い。現金及び預金は356.8億円、有利子負債は短期借入金4.0億円のみでDebt/Capital比率0.5%、実質無借金経営を維持している。インタレストカバレッジは9.4倍と金利負担は軽微。
現金及び預金は356.8億円と前年同期比+52.3億円増加し、流動性は極めて厚い。運転資本面では仕掛品が166.1億円まで積み上がり、DIO 1,631日、CCC 1,616日という極端な長期化がキャッシュ転換の遅れを示している。契約負債181.3億円は前受金性質で既にキャッシュインしている部分が大きく、装置の引渡し・検収が進めば在庫のキャッシュ化は加速し得る。投資有価証券は332.1億円と前年同期比+290.3億円増加しており、評価益による簿価上昇と追加取得の両面が想定される。為替差損1.1億円や持分法損失2.0億円は会計上の損失だがキャッシュアウトとは必ずしも一致しない項目を含むため、在庫の正常化が図れれば営業CF創出力は回復可能な水準にある。設備投資はPPE残高136.6億円と前年同期比+1.5億円の微増に留まり、投資負担は抑制されている。
経常的収益の柱は装置販売による営業利益5.1億円(営業利益率7.3%)で、装置納入・検収という単発性の強いビジネスモデルに起因する四半期変動が大きい。特別損益は固定資産除却損0.1億円と軽微で一時的影響は限定的だが、営業外損益では為替差損1.1億円(営業利益比-21.6%)、持分法投資損失2.0億円(営業利益比-39.3%)が純利益を大きく押し下げた。法人税等3.8億円は税引前利益2.8億円に対し実効税率約136%と異常値で、繰延税金資産の取り崩しや一時的な税効果の調整が影響した可能性が高い。一方、包括利益は240.2億円と純利益-0.8億円と大きく乖離しており、その他包括利益241.0億円のうち有価証券評価差額金229.3億円が主因となっている。この評価益はP/Lを経由しない非実現利益であり、経常的な稼ぐ力とは切り分けて評価すべきものである。営業外収益は受取利息0.7億円等で売上高比2.2%相当だが、構造的な収益源ではない。
通期計画は売上高382.0億円(前期比+12.8%)、営業利益62.0億円(同+85.9%)、経常利益74.0億円(同+131.1%)、親会社株主に帰属する純利益56.0億円と大幅増益を見込む。第1四半期の進捗率は売上高18.2%、営業利益8.2%、経常利益3.9%、純利益はマイナスと、標準的な進捗(約25%)を大きく下回る。下期偏重の計画構造となっており、契約負債181.3億円という厚い前受残が下期の売上認識余地を示唆するものの、仕掛品の検収進捗と為替・持分法損益の安定化が計画達成の前提となる。EPS計画140.48円に対しQ1実績は-2.08円、配当予想は28.0円(配当性向約19.9%)と保守的な水準に設定されている。
期末配当予想は28.0円で前年同額を維持する方針。通期EPS計画140.48円に対する配当性向は約19.9%と保守的な水準にあり、配当維持余力は高い。現金及び預金356.8億円、有利子負債4.0億円と実質無借金の財務体質を考慮すれば、一時的な最終赤字でも配当継続性は高い。自社株買いの開示はなく、株主還元は配当中心の方針と推察される。
装置納入・検収タイミングリスク: 仕掛品166.1億円の滞留により四半期業績の変動が大きく、DIO 1,631日、CCC 1,616日と運転資本効率が極端に悪化している。顧客の設備投資サイクルや検収条件の厳格化により、計画通りの売上認識が後ずれするリスクが顕在化している。
為替変動リスク: 為替差損1.1億円(営業利益比-21.6%)が発生しており、円高局面での採算圧迫が収益を押し下げている。海外取引のヘッジ戦略が不十分な場合、経常段階以降の利益変動が大きくなる構造的リスクがある。
市場性資産の価格変動リスク: 投資有価証券332.1億円(総資産比27.9%)に対し評価益229.3億円が包括利益を押し上げたが、相場反転時には繰延税金負債74.5億円を通じて株主資本を逆回転させるリスクを内包する。市場ボラティリティへのエクスポージャーが高く、資本構成の安定性に影響を及ぼし得る。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 7.3% | 6.8% (2.9%–9.0%) | +0.5pt |
| 純利益率 | -1.4% | 5.9% (3.3%–7.7%) | -7.4pt |
営業利益率は業種中央値を0.5pt上回るが、純利益率は非営業損益と税負担の悪化により業種中央値を7.4pt下回る。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | -11.8% | 13.2% (2.5%–28.5%) | -24.9pt |
売上高成長率は業種中央値を24.9pt下回り、装置納入の後ずれが成長性を大きく下押ししている。
※出所: 当社集計
決算上の注目ポイントは、営業段階では一定の利益率を確保しながらも、為替差損・持分法損失・異常な税負担により最終赤字へ転落した点にある。一方で投資有価証券の評価益229.3億円により包括利益は大幅黒字となり、純資産は805.6億円へ増強された。今後は在庫滞留の解消と検収進捗、為替ヘッジの強化、持分法投資先の損益安定化が収益正常化の鍵となる。
構造的な変化として、契約負債181.3億円(前年同期比+57.8%)の積み上がりは将来の売上認識余地を示し、下期以降の業績回復基盤となり得る。財務面では現金356.8億円、実質無借金の強固なバランスシートが配当維持と事業投資の余力を提供している。ただし、運転資本効率(DIO 1,631日、CCC 1,616日)の極端な悪化は、キャッシュ創出力の回復を遅延させるリスク要因であり、在庫・仕掛の圧縮動向が今後のモニタリングポイントとなる。
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。