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62222026 通期プライムJGAAP

島精機製作所(6222) 2026年度通期決算 増収3%

2026年度通期の売上高は335.1億円(前年同期比+3.0%)、営業損失は17.2億円。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

機械


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥335.1億¥325.2億+3.0%
営業利益−¥17.2億−¥119.1億+85.6%
経常利益¥2.9億−¥114.8億+102.5%
純利益¥8.6億−¥142.7億+106.0%
ROE1.0%−18.4%-

Executive Summary

前期の大幅赤字から損益が急回復した一方、本業ベースでは営業赤字が残存する再建途上の決算である。売上高は335.1億円(前年比+3.0%)、営業利益は▲17.2億円(前年▲119.1億円から101.9億円改善)、経常利益は2.9億円(前年▲114.8億円)、親会社株主に帰属する当期純利益は8.6億円(前年▲142.7億円)となり、いずれも黒字転換した。粗利率改善(26.5%→35.5%)と販管費の大幅圧縮(売上高比63.2%→40.6%)が損益回復を主導したが、営業利益は依然マイナスで、経常利益・純利益の黒字化には為替差益や投資有価証券売却益といった営業外・特別要因の寄与が大きい。

業績変動要因

【売上高】売上高は335.1億円で前年比+3.0%増収。主力の横編機事業が238.7億円(同+2.7%)で全体の71.2%を占め、デザインシステム関連事業は30.4億円(同+7.8%)と最も高い増収率を示した。一方、手袋靴下編機事業は5.2億円(同▲31.1%)と縮小した。地域別では欧州・国内が伸長する一方、中東は前年比大幅減となり、地域間の需給バラつきが大きい。

【損益】営業利益は▲17.2億円で前年▲119.1億円から大幅に縮小した。粗利率が35.5%へ約9pt改善し、販管費も136.2億円へ前年比33.7%減少したことが主因。全社費用60.8億円がセグメント合計利益43.6億円を上回るため連結営業損益はなお赤字。経常利益2.9億円は営業外収益22.9億円(為替差益9.4億円、受取利息7.6億円等)が営業損失を補ったことによる。純利益8.6億円には投資有価証券売却益12.3億円を含む特別利益13.2億円と特別損失5.0億円の差額8.2億円が加わり、税引前利益11.1億円の約74%を一時的要因が占める。増収かつ営業損益改善という点では増収増益的だが、営業損益自体は赤字継続であり、増収・損益改善(営業赤字縮小型)と整理できる。

セグメント別分析

横編機事業は売上238.7億円(前年比+2.7%)、営業利益25.6億円(前年比+151.0%、利益率10.7%)で、前期のセグメント損失から大きく回復し全社利益の中核となった。デザインシステム関連事業は売上30.4億円(同+7.8%)、営業利益6.7億円(同+493.8%、利益率22.1%)と最も高い利益率を確保している。その他事業(部品・修理保守等)は売上60.8億円(同+6.4%)、営業利益10.5億円(同+888.0%)と大幅増益。手袋靴下編機事業は売上5.2億円(同▲31.1%)に縮小したが、営業利益0.8億円(同+204.0%)と小幅ながら増益。全社費用60.8億円がセグメント利益合計43.6億円を上回り、連結営業損益は赤字にとどまっている。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は▲5.1%(前年▲36.6%)で大幅に改善したが依然赤字。純利益率は2.6%、ROEは1.0%で、資本効率の回復は限定的である。【キャッシュ品質】営業CFは4.1億円で純利益8.6億円の0.5倍にとどまり、EBITDAが▲6.4億円であることも含め、会計上の黒字が十分な現金創出に転化していない。【投資効率】ROICはマイナス水準にあり、豊富な自己資本を活用した収益転換力の改善が課題である。設備投資13.0億円は売上高比3.9%で更新投資を上回る水準を維持している。【財務健全性】自己資本比率75.2%、現金及び預金212.9億円と厚い流動性を有し、有利子負債は総資産に対して限定的である一方、EBIT・EBITDAが赤字のため利払いを本業収益で吸収できていない点はモニタリングが必要である。

キャッシュフロー分析

営業CFは4.1億円で、前年の▲44.6億円から改善したものの、純利益8.6億円に対しては小幅にとどまる。棚卸資産の減少7.8億円と売上債権の減少3.8億円が資金流入に寄与した一方、仕入債務の減少6.6億円が資金を圧迫し、運転資本の改善効果は相殺されている。投資CFは▲14.7億円で、設備投資13.0億円が主な使途である。財務CFは54.7億円のプラスで、長期借入による資金調達100.0億円を含み、これが現金及び預金の増加(212.9億円、前年比+50.7%)を支えている一方、自己株買い9.5億円も実施された。フリーCFは▲10.6億円で、投資・株主還元を本業のキャッシュフローのみでは十分に賄えておらず、現金増加は財務活動への依存度が高い点に留意が必要である。

収益の質

当期純利益8.6億円は、経常的な事業活動よりも非経常的要因への依存度が高い。営業外収益22.9億円には為替差益9.4億円、受取利息7.6億円、受取配当金2.8億円が含まれ、営業損失17.2億円を大きく相殺している。特別利益13.2億円のうち投資有価証券売却益12.3億円が中心であり、特別損失5.0億円(投資有価証券評価損)を差し引いた特別損益純額8.2億円は税引前利益11.1億円の約74%を占める。営業CFが純利益の0.5倍程度にとどまることも合わせると、当期利益の質は限定的であり、本業の営業利益黒字化が今後の収益正常化の中心的な論点となる。

業績予想・ガイダンス

会社は通期見通しとして売上高410.0億円(前年比+22.4%)、営業利益3.0億円、経常利益10.0億円(同+246.3%)、EPS26.53円、配当20.00円を示している。当期実績(累計)は売上高335.1億円で通期予想の81.7%相当、経常利益2.9億円は通期予想の28.8%にとどまる一方、純利益8.6億円は通期予想(9.0億円)に対して95.1%とすでに高い進捗を示している。純利益の進捗が先行する一方、営業・経常利益の進捗が遅れているのは、純利益に一時的な特別利益が寄与しているためであり、通期の営業利益黒字化には本業採算のさらなる改善が必要となる。

株主還元

年間配当は1株当たり20円(前年5円から増配)で、配当金総額は6.7億円である。配当性向は純利益8.6億円に対して79.3%と高水準にある。加えて自己株式取得9.5億円を実施しており、配当と自社株買いを合わせた総還元性向は配当性向を大きく上回る水準となる。当期のフリーCFは▲10.6億円であり、配当・自己株買いを内部創出資金のみで完全にはカバーできていない。自己資本比率75.2%、現金及び預金212.9億円という保守的な財務基盤が当面の株主還元の裏付けとなっているが、還元原資の中には投資有価証券売却益などの一時的な利益も含まれており、還元水準の持続性は本業キャッシュフローの回復度合いに依存する。

リスク要因

  1. 横編機事業への集中と地域需要の偏り: 横編機事業が売上の71.2%を占め、アパレル・ニット製造業の設備投資循環に業績が連動しやすい。地域別では中東売上が前年比で大幅減少するなど、地域間の需要変動が大きい。

  2. 一時益への依存: 税引前利益11.1億円のうち、投資有価証券売却益等を含む特別損益純額8.2億円が大きな比重を占める。加えて営業外収益の為替差益9.4億円が営業損失17.2億円を補っており、経常的な収益力とは区別して評価する必要がある。

  3. 利払い負担と現金創出力: 営業利益・EBITDAが赤字のため本業収益で利息負担を十分に吸収できない状態にある。営業CFは純利益の0.5倍程度にとどまり、フリーCFもマイナスであることから、キャッシュフローの改善状況を注視する必要がある。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(manufacturing)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率−5.1%7.6% (4.8%–12.0%)−12.7pt
純利益率2.6%5.9% (2.9%–9.2%)−3.3pt

前年からは大幅に改善したものの、営業利益率・純利益率とも業種中央値を下回り、収益性は業種内で低位にある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)3.0%3.4% (-0.8%–8.8%)−0.4pt

売上高成長率は業種中央値とほぼ同水準で、成長性は業種内で標準的な位置づけにある。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 前期の大幅赤字から損益は急回復したものの、営業損失は▲17.2億円で本業の再建は道半ばである。粗利率改善と販管費圧縮による損益分岐点の低下が進んでいる点は構造的な変化として注目される。

  2. 純利益8.6億円の内実は、為替差益や投資有価証券売却益といった非経常的要因への依存度が高く、営業CF(4.1億円)が純利益を下回ることも含め、利益の現金化の進捗をモニタリングする必要がある。

  3. 自己資本比率75.2%という保守的な財務基盤は業績回復までの耐久力を支えているが、フリーCFがマイナスの中での配当性向79.3%・自己株買い実施という株主還元は、今後の営業CF改善の持続性次第で還元原資の質が変化しうる点が注目ポイントである。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)1,866円
base(基準)1,871円
bull(強気)1,879円
算出前提
1株純資産(BPS)2,427円
調整後予想EPS24.4円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向75.4%
予想EPSの信頼度調整×1.071(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER0.77倍 / 76.6倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 1,821円〜1,923円、ω±0.1で 1,854円〜1,882円。

注記:

  • 一時的な損益の影響を除くため、経常利益等から算出した正規化EPSを使用しています(会社予想EPSは26.5円)。
  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。