クイックビュー
| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥1056.2億 | ¥1029.4億 | +2.6% |
| 営業利益 | ¥55.1億 | ¥56.2億 | −1.9% |
| 経常利益 | ¥54.7億 | ¥53.5億 | +2.2% |
| 純利益 | ¥35.7億 | ¥32.9億 | +8.4% |
| ROE | 15.1% | 14.5% | - |
Executive Summary
2026年度第3四半期累計決算は、売上高1,056.2億円(前年比+26.8億円 +2.6%)、営業利益55.1億円(同-1.1億円 -1.9%)、経常利益54.7億円(同+1.2億円 +2.2%)、純利益35.7億円(同+2.8億円 +8.4%)となった。増収ながら営業減益の「増収減益」局面にあるが、営業外損益の改善により経常・純利益段階では増益を確保した。純利益8.4%増は営業利益の微減を営業外収支と税負担の改善で補った構図である。
業績変動要因
【売上高】売上高は1,056.2億円(前年比+2.6%)で緩やかな増収を確認。セグメント別では医療事業が552.1億円(前年533.9億円から+3.4%増)、介護事業422.7億円(同418.8億円から+0.9%増)、こども事業81.1億円(同76.4億円から+6.2%増)といずれも増収となった。医療事業は医療請負が490.9億円(前年471.5億円)、医療派遣が47.7億円(同50.8億円)で、医療請負の伸びが全体を牽引し、派遣は減収となった。介護事業は介護サービスが421.8億円(前年417.6億円)と安定成長、こども事業は保育施設拡大により増収率が最も高い。【損益】営業利益は55.1億円(前年比-1.9%)と小幅減益。売上原価は882.9億円(前年比+3.4%増)で、売上増加率2.6%を上回るペースで増加し、売上総利益は173.3億円(同+0.2%増)にとどまった。粗利益率は16.4%で前年16.8%から-0.4pt悪化した。販管費は118.2億円(前年115.1億円、+2.8%増)で、売上増を上回る増加率となり、営業利益を圧迫した。営業外損益では経常利益が54.7億円と前年比+2.2%改善しており、営業外収益の改善または営業外費用の減少が寄与したと推定される。純利益は35.7億円(前年比+8.4%増)で、経常利益段階の改善に加え、特別損益や税負担の改善が最終利益を押し上げたと考えられる。特別損益に関する大きな一時要因は注記されておらず、経常的な収益構造で最終利益を伸ばした形である。結論として、「増収減益」局面だが、営業外収支と税務改善で最終利益は増益を維持した。
セグメント別分析
医療事業は売上高552.1億円で営業利益30.9億円(利益率5.6%)、介護事業は売上高422.7億円で営業利益22.9億円(利益率5.4%)、こども事業は売上高81.1億円で営業利益1.3億円(利益率1.6%)となった。医療事業が全体売上の52.3%、営業利益の56.1%を占める主力事業である。前年比では医療事業の営業利益が33.8億円から30.9億円へ-8.6%減少し、介護事業は20.5億円から22.9億円へ+11.6%増加した。医療事業は増収ながら利益率が低下しており、人件費等コスト上昇の影響が顕著である。介護事業は増収増益で安定的な収益貢献を示した。こども事業は利益率が低く、事業規模拡大の過程にあるが収益性は限定的である。セグメント間の利益率差では医療・介護が5%台で拮抗し、こども事業が低い構造となっている。
主要財務指標
【収益性】ROE 15.1%(財務レバレッジ2.91倍、総資産回転率1.54倍、純利益率3.4%の構成)、営業利益率5.2%(前年5.5%から-0.3pt低下)、純利益率3.4%(前年3.2%から+0.2pt改善)、売上総利益率16.4%(前年16.8%から-0.4pt悪化)。ROEは高水準だが、主に高い財務レバレッジと資産回転率に依存しており、純利益率は低い。【キャッシュ品質】現金同等物124.0億円、短期負債50.0億円に対する現金カバレッジ2.5倍、営業CF54.1億円で純利益比1.51倍と良好なキャッシュ創出力を示す。【投資効率】総資産回転率1.54倍(前年1.47倍から改善)、設備投資/減価償却比率0.20倍と極めて低く、投資不足が懸念される。【財務健全性】自己資本比率34.4%(前年32.4%から+2.0pt改善)、流動比率131.8%、負債資本倍率1.91倍、有利子負債119.5億円でDebt/EBITDA倍率1.81倍、インタレストカバレッジ28.25倍と利払い余力は十分。のれんは123.9億円で純資産比52.4%と高く、減損リスクに留意が必要である。
キャッシュフロー分析
営業CFは54.1億円で純利益35.7億円の1.51倍となり、利益の現金化は良好である。投資CFは-7.2億円で設備投資2.2億円が主体であり、投資規模は減価償却11.0億円を大幅に下回る。フリーCFは46.8億円と潤沢で、配当と自社株買いを含む資本配分を賄える水準である。財務CFは自己株式取得-6.9億円が反映され、自社株買いを通じた株主還元が継続されている。現金預金は前年比+20.2億円増の124.0億円へ積み上がり、営業増益と投資抑制が資金蓄積に寄与した。運転資本は76.2億円で、売掛金は前年149.8億円から159.9億円へ+6.7%増加したが、営業CFが純利益を上回る点で運転資本効率に大きな問題は見られない。短期負債に対する現金カバレッジは2.5倍で流動性は十分である。
収益の質
経常利益54.7億円に対し営業利益55.1億円で、営業外損益は-0.4億円と小幅なマイナスとなった。前年は営業外損益が-2.7億円のマイナスであり、営業外費用の改善が経常利益の伸びに寄与している。営業外収益の内訳詳細は記載されていないが、金融収支や持分法損益等の改善が推察される。営業CFが純利益を1.51倍上回っており、アクルーアル(発生主義と現金主義の差異)は小さく、収益の現金裏付けは良好である。特別損益に関する大きな一時的要因の注記はなく、減損損失や固定資産売却益等の非経常項目は発生していない。経常利益から純利益への税負担率は約34.7%で、前年比で税負担が軽減されており、実効税率の低下が純利益増加に寄与した。全体として、営業外収支の改善と税負担の軽減が最終利益を押し上げた構図であり、収益の質は良好である。
業績予想・ガイダンス
通期業績予想は売上高1,407.4億円、営業利益67.2億円、経常利益66.7億円、純利益40.5億円である。第3四半期累計の進捗率は売上高75.0%、営業利益82.0%、経常利益82.0%、純利益88.1%となる。営業利益と経常利益の進捗率は標準進捗75%を上回り、純利益は88.1%と高い進捗を示す。純利益の進捗率が高いのは、第4四半期に一時的費用の発生や利益率低下を織り込んでいる可能性がある。売上高の進捗は標準的で、増収基調は通期で維持される見込みである。予想の前提条件として、売上成長率+2.4%、営業利益-4.2%、経常利益-0.8%と、営業利益の減益を見込む計画となっている。第4四半期は売上高351.2億円、営業利益12.1億円、純利益4.8億円を想定する計算となり、収益性の低下が予想されている。
株主還元
年間配当は1株当たり20円(中間配当10円、期末配当10円)を予定しており、前年と同水準を維持する方針である。純利益35.7億円に対し配当総額は約18.9億円(発行済株式数から自己株式を除いた株数ベース)と試算され、配当性向は約53.1%となる。自社株買いは期中に6.9億円実施されており、配当と合わせた総還元性向は約72.0%と高水準である。フリーCF46.8億円は配当と自社株買いの合計25.8億円を十分にカバーしており、現金創出力に基づく還元は持続可能な水準である。自己株式は前年-14.4億円から-20.9億円へ拡大し、資本政策として株主還元を重視する姿勢が明確である。配当性向53.1%は適度な水準であり、総還元性向を含めても営業CFとFCFで支えられている。
リスク要因
(1)粗利率低下リスク: 売上総利益率16.4%は前年16.8%から-0.4pt悪化し、人件費や外注費等のコスト上昇が収益性を圧迫している。医療・介護分野での価格競争や報酬改定の影響、人材確保コストの上昇が続けば、営業利益率5.2%がさらに低下し、収益基盤が脆弱化するリスクがある。 (2)のれん減損リスク: のれん123.9億円は純資産236.4億円の52.4%を占める高水準であり、M&Aで取得した事業の業績悪化や市場環境の変化により減損損失が発生すれば、純利益が大幅に毀損する可能性がある。医療・介護セグメントの収益性低下が継続すれば、のれんの回収可能性に疑義が生じる。 (3)投資不足による競争力低下リスク: 設備投資2.2億円は減価償却11.0億円の0.20倍に過ぎず、施設・システムへの再投資が不足している。中長期的にサービス品質の低下や業務効率の悪化を招き、顧客離反や事業競争力の低下につながる恐れがある。
業種ベンチマーク(参考・当社調べ)
【業種内ポジション】(参考情報・当社調べ) 同社の事業はIT・通信業種ではなく医療・介護サービス業であるが、参考として提供されたIT・通信業種ベンチマークと比較する。収益性ではROE 15.1%は業種中央値8.2%(IQR: 3.5%〜13.1%)を大きく上回り、高い収益性を示す。ただし営業利益率5.2%は業種中央値8.0%(IQR: 3.6%〜17.4%)を下回り、収益性は業種内で低位である。純利益率3.4%も業種中央値5.8%(IQR: 2.2%〜12.0%)を下回る。財務健全性では自己資本比率34.4%は業種中央値59.0%(IQR: 42.0%〜71.7%)を大幅に下回り、レバレッジの高い資本構成である。流動比率131.8%(1.32倍)は業種中央値2.13倍を下回るが、絶対水準では健全である。効率性では総資産回転率1.54倍は業種中央値0.68倍を大きく上回り、資産効率は高い。売上高成長率+2.6%は業種中央値+10.4%(IQR: -1.3%〜19.7%)を下回り、成長性は業種平均を下回る。総じて、高い資産回転率と財務レバレッジによりROEは高いが、営業利益率・純利益率の低さと成長性の相対的低さが特徴である。(業種: IT・通信(参考)、比較対象: 2025年Q3、出所: 当社集計)
決算上の注目ポイント
決算上の注目ポイントは以下の通り。(1)増収ながら営業減益の構図が継続しており、売上原価率と販管費率の上昇が利益率を圧迫している。粗利率改善とコスト管理の進捗が今後の収益回復の鍵となる。(2)営業CF54.1億円で純利益比1.51倍と強固な現金創出力を示し、配当性向53.1%と自社株買いを含む総還元性向72.0%は持続可能な水準である。フリーCF46.8億円は株主還元と成長投資の原資として十分な余力を持つ。(3)のれん比率52.4%と設備投資/減価償却比率0.20倍は中長期の財務リスク要因であり、のれん減損の兆候や投資不足による競争力低下の有無を継続的にモニタリングする必要がある。通期予想では営業利益の減益を見込んでおり、第4四半期の収益性動向と通期着地の確度が注目される。
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。
AI財務分析
総括
2026年度第3四半期累計は、増収ながら人件費等を含むコスト上昇により営業利益は減益となった一方、特別利益の寄与で親会社株主に帰属する四半期純利益は増益となった。売上高は前年同期比2.6%増の1,056.24億円で、医療、介護、こども事業のうち、特に医療請負とこども事業が増収に寄与した。営業利益は同1.9%減の55.09億円であり、営業利益率は5.46%から5.22%へ24bp低下した。粗利益率も16.64%から16.41%へ22bp低下しており、売上成長に対して原価上昇を完全には吸収できていない。販管費は前年同期の115.06億円から118.24億円へ2.8%増加し、売上高成長率2.6%をわずかに上回った。経常利益は営業外収支の改善により同2.2%増の54.72億円となった。営業外収益は2.83億円で売上高の0.3%未満にとどまり、経常利益の質を大きく左右する水準ではない。特別利益3.09億円を計上したことで、税引前利益は57.82億円、純利益は同8.4%増の35.69億円となった。純利益率は前年同期の3.20%から3.38%へ18bp上昇したが、この改善には特別利益の寄与が含まれる。営業CFは54.06億円で純利益の1.51倍となり、会計利益を上回る現金創出を確保した。アクルーアル比率はマイナス2.7%であり、利益の現金裏付けは良好である。もっとも、営業CFには買掛金等の増加13.62億円および預り金の増加10.67億円が寄与しており、運転資本の動きは継続監視を要する。フリーキャッシュフローは46.82億円と黒字で、配当と自己株式取得を実施しつつ資金余力を維持している。有利子負債は119.48億円、Debt/EBITDAは1.81倍、EBITDAインタレストカバレッジは33.82倍であり、負債返済能力は堅固である。一方、のれんは123.93億円で純資産の52.4%を占め、M&Aで形成された資産価値への依存度は高い。JGAAP上ののれん償却12.32億円はEBITDAの18.7%に相当し、営業利益および純利益を継続的に圧迫する会計上の負担となる。通期営業利益予想67.20億円に対する進捗率は82.0%と標準的な75%を7.0ポイント上回る一方、通期計画自体は前年比4.2%減益を見込む。第4四半期には利益率の持続改善、介護事業の増益継続、医療事業およびこども事業の採算回復が焦点となる。
収益性分析
年換算ROEは20.1%であり、デュポン分解では純利益率3.4%×総資産回転率2.048倍×財務レバレッジ2.91倍で構成される。ROEの高さは、低めの純利益率を高い資産回転率とレバレッジが補完する構造である。最も収益性上の変化が大きい要素は営業利益率で、前年同期比24bpの低下となった。売上高は2.6%増加したが、売上原価の増加により粗利益率が22bp低下し、販管費も2.8%増と売上伸長を上回ったことが営業減益の主因である。したがって、営業レバレッジは現時点で負方向に働いている。純利益率は18bp改善したが、特別利益3.09億円が含まれるため、営業段階での収益性改善を意味するものではない。EBITDAは65.95億円、EBITDAマージンは6.2%であり、営業利益率5.2%との差は減価償却およびのれん償却の負担を反映する。のれん償却前EBITDAは78.27億円、同マージンは7.4%である。のれん償却12.32億円はEBITDAの18.7%を占め、JGAAPの定額償却が利益率を相応に押し下げている。税負担係数は0.617、実効税率は38.3%であり、税引前利益57.82億円から純利益35.69億円への転換を抑制している。金利負担係数は1.050で、営業外損益を含む税引前利益がEBITを上回っており、金利負担が収益力を毀損する状況ではない。年換算ROAは約6.9%であり、資産効率は一定水準にあるが、営業利益率の低下が続く場合はROE維持がレバレッジ依存となる。低粗利率16.4%は20%未満であり、人件費・委託費等のコスト変動を価格転嫁しにくい事業構造では利益変動の増幅要因となる。
成長性評価
売上高は前年同期比2.6%増であり、通期売上高予想1,407.40億円に対する進捗率は75.1%と、標準的な第3四半期進捗率75%とほぼ一致する。医療事業は3.4%増収の552.08億円で、医療請負が19.39億円増加した一方、医療派遣は3.14億円減少した。介護事業は0.9%増収の422.68億円で、低い増収率ながらセグメント利益は11.6%増となった。こども事業は6.2%増収の81.14億円となったが、セグメント利益は31.9%減少しており、成長の採算性に課題が残る。全社営業利益が減益であることから、売上成長の持続性だけでなく、単価・稼働率・人員配置を通じた利益率回復が重要となる。営業利益の通期予想に対する進捗率は82.0%で、標準進捗を7.0ポイント上回る。経常利益も通期予想66.70億円に対して82.0%進捗している。純利益は通期予想40.50億円に対して88.1%進捗し、標準進捗を13.1ポイント上回るが、第3四半期累計に特別利益3.09億円が含まれる点を考慮する必要がある。会社予想は通期で売上高2.4%増、営業利益4.2%減を見込んでおり、増収に対する利益率圧迫が通期前提にも織り込まれている。
財務健全性
流動比率および当座比率はいずれも131.8%で、流動資産315.66億円が流動負債239.42億円を76.24億円上回る。150%超という一般的な健全目安には届かないものの、短期的な流動性は確保されている。現金預金124.00億円は、短期借入金5.00億円および1年内返済予定の長期借入金47.82億円の合計52.82億円を上回り、借換えへの依存は限定的である。長期借入金は114.48億円で、有利子負債合計は119.48億円となる。有利子負債の純資産比は約0.51倍であり、負債資本倍率1.91倍は総負債451.08億円の存在を反映するが、借入負担そのものは過大ではない。Debt/EBITDAは1.81倍、Debt/Capital比率は33.6%で、投資適格とされる目安の範囲内にある。インタレストカバレッジは28.25倍、EBITDAベースでは33.82倍であり、支払利息1.95億円への対応余力は高い。自己株式は前年同期のマイナス14.44億円からマイナス20.91億円へ6.47億円増加し、44.8%の変動となった。これは当期の自己株式取得6.93億円を主因とし、資本効率および株主還元を高める一方、自己資本の積み増しを抑制する資本配分である。純資産は236.42億円で前年同期比9.58億円増加しており、自己株式取得後も利益蓄積により資本基盤は拡大した。のれん123.93億円は純資産の52.4%を占め、警告水準である50%を上回る。のれんは前年同期の136.25億円から12.32億円減少しており、主に当期ののれん償却額12.32億円に対応する。のれん/EBITDAは1.88倍で回収年数の観点では過大ではないが、将来の収益性が低下した場合には減損リスクが純資産に与える影響が大きい。無形資産は総資産の19.8%であり、20%未満に収まる一方、のれんを含む無形資産への資産構成上の依存は高い。
B/S変動のポイント
自己株式: マイナス14.44億円からマイナス20.91億円へ6.47億円増加(44.8%)- 当期の自己株式取得6.93億円が主因。株主還元・資本効率を高める一方、自己資本の積み増しを抑制する資本配分。のれん: 136.25億円から123.93億円へ12.32億円減少(9.0%)- JGAAP上ののれん償却12.32億円に対応。残高は純資産の52.4%であり、取得事業の収益性と減損耐性の継続監視が必要。長期借入金: 151.60億円から114.48億円へ37.12億円減少(24.5%)- 長期借入金返済37.11億円を反映。Debt/EBITDA1.81倍、インタレストカバレッジ28.25倍と、負債圧縮は支払能力を補強。売掛金: 149.83億円から159.92億円へ10.09億円増加(6.7%)- 売上拡大に伴う増加とみられるが、営業CFでは10.08億円の資金流出要因となっており、回収効率を監視。賞与引当金: 23.48億円から12.77億円へ10.71億円減少(45.6%)- 営業CF上では引当金減少10.70億円として資金流出に作用しており、期末賞与計上の季節性を含めた推移が重要。
キャッシュフロー品質
営業CFは54.06億円で、純利益35.69億円の1.51倍となり、営業CF/純利益が1.0倍を上回る高品質な利益転換を示した。前年同期の営業CF38.52億円からは40.3%増加しており、純利益の8.4%増を大きく上回った。アクルーアル比率はマイナス2.7%で、利益に対する非現金計上の過度な積み上がりはみられない。EBITDAに対する営業CFの現金転換率は0.82倍で、0.9倍の優良目安には未達ながら、0.7倍を下回る懸念水準は回避している。営業CFには売掛金10.08億円の増加による資金流出がある一方、買掛金等13.62億円の増加および預り金10.67億円の増加が資金流入として寄与した。賞与引当金は10.70億円減少しており、これら運転資本項目の変動が営業CFを左右しているため、買掛金・預り金の増加が継続的なキャッシュ創出につながるかを確認する必要がある。投資CFはマイナス7.24億円であり、無形固定資産取得3.92億円、設備投資2.19億円が主要な支出である。フリーキャッシュフローは46.82億円の黒字で、営業CFから投資CFを十分に賄えている。設備投資/減価償却は0.20倍で、0.7倍を下回る投資不足警告に該当する。設備投資が減価償却費10.86億円を大きく下回る状態は短期的にはFCFを押し上げるが、施設・システム・サービス基盤の更新投資が先送りされる場合、中長期の競争力や運営効率に影響し得る。財務CFはマイナス62.85億円で、長期借入金返済37.11億円、配当支払19.32億円、自己株式取得6.93億円が主な資金流出である。現金及び現金同等物は16.03億円減少したが、期末残高124.00億円を維持している。
配当持続性
第2四半期配当11.00円に基づく配当性向は29.2%であり、配当金のみを分子とする水準としては持続可能性が高い。第2四半期配当相当額は約10.42億円で、フリーキャッシュフロー46.82億円に対するFCFカバレッジは4.49倍である。自己株式取得6.93億円を加えた当期累計の総還元額は約17.35億円であり、純利益35.69億円に対する総還元性向は約48.6%となる。これは自社株買いを含む総還元性向であり、配当性向とは区別される。自己株式取得を含めても営業CF54.06億円およびFCF46.82億円の範囲内で還元を実行しており、外部資金への依存はみられない。通期配当予想は1株当たり22.00円であり、通期純利益予想40.50億円に対する予想配当性向は約50%となる。通期の利益・FCF水準が会社予想どおりに推移する限り、現行の配当水準は利益およびキャッシュフローでカバー可能とみられる。一方、営業利益率の低下が続く場合、配当原資の持続性は営業キャッシュフローの運転資本依存度と設備投資需要によって左右される。
リスク評価
ビジネスリスクとして、高優先度:低粗利率16.4%の下で、人件費、採用費、委託費等の上昇を販売価格へ十分に転嫁できない場合、営業利益率5.2%がさらに低下するリスク。売上高が2.6%増でも営業利益が1.9%減となっており、既に顕在化している。、高優先度:医療事業は売上高3.4%増に対しセグメント利益8.4%減、こども事業は売上高6.2%増に対し同31.9%減であり、増収と採算の乖離が継続するリスク。、中優先度:介護・医療・こども分野における人材確保、賃金上昇、稼働率および制度報酬改定の影響。労働集約型サービスであるため、採用難や人件費上昇は利益率に直接的に波及しやすい。、中優先度:設備投資/減価償却が0.20倍にとどまることによる投資不足リスク。短期的なFCFの増加と引き換えに、業務システム、施設、デジタル化への投資が不足すれば中長期の生産性・競争力が低下し得る。が挙げられます。
財務リスクとしては、高優先度:のれん123.93億円は純資産の52.4%で警告水準を上回る。取得事業の収益性が悪化した場合、減損損失が純資産および利益に大きく影響する可能性がある。、高優先度:JGAAPののれん償却12.32億円はEBITDAの18.7%を占める。現金支出を伴わないものの、営業利益・純利益への恒常的な下押しとなり、IFRS採用企業との利益比較では留意が必要である。、中優先度:営業CFは良好だが、買掛金等13.62億円増、預り金10.67億円増による資金流入を含む。これらが反転する局面では営業CFが弱含む可能性がある。、低優先度:自己株式取得6.93億円により自己株式残高は20.91億円へ増加した。現時点の負債指標と流動性は健全だが、継続的な株主還元拡大は将来的な自己資本の蓄積余力を抑制する。が挙げられます。
主な懸念事項としては、最重要監視項目は、医療事業・こども事業における増収減益の解消と、全社営業利益率の回復である。、のれん純資産比52.4%は、M&Aで取得した事業の利益計画、のれん償却後の投下資本収益性、および将来の減損兆候を継続的に点検すべき水準である。、第3四半期の純利益進捗率88.1%は高いが、特別利益3.09億円を含むため、通期予想超過の評価には本業利益とキャッシュ創出の第4四半期動向を要する。、設備投資/減価償却0.20倍という品質警告は、資本支出の抑制が恒常的か、一時的な投資タイミングの問題かを確認する必要がある。が挙げられます。
投資示唆
重要ポイントとして、年換算ROE20.1%は高水準だが、純利益率3.4%は低く、高い資産回転率と財務レバレッジに支えられる収益構造である。、営業CF/純利益1.51倍、FCF46.82億円、Debt/EBITDA1.81倍は、キャッシュ創出力と債務返済能力の強さを示す。、営業利益率は前年同期比24bp低下しており、増収のみでは利益成長に直結していない。、介護事業は増益である一方、医療事業とこども事業の採算悪化が全社収益性の回復を左右する。、のれんの純資産比52.4%と、のれん償却/EBITDA18.7%は、M&A資産の収益性および減損耐性を評価する上での中心論点である。、配当および自己株式取得はFCFで賄われており、通期予想配当性向約50%は現時点の利益水準では無理のない範囲にある。が挙げられます。
注視すべき指標は、営業利益率および粗利益率:第3四半期累計の5.2%および16.4%からの回復可否、医療事業セグメント利益率:5.6%と前年同期の6.3%からの改善、こども事業セグメント利益率:1.6%と前年同期の2.4%からの改善、営業CFにおける売掛金、買掛金等、預り金および賞与引当金の増減、設備投資/減価償却比率:現状0.20倍からの正常化の有無、のれん/純資産比率52.4%、のれん償却額12.32億円、および減損の有無、通期営業利益予想67.20億円に対する第4四半期の利益率と進捗です。
セクター内ポジションについては、収益性は年換算ROE20.1%と良好である一方、営業利益率5.2%、純利益率3.4%、粗利益率16.4%は高収益企業の基準には届かない。財務面ではDebt/EBITDA1.81倍、インタレストカバレッジ28.25倍、当座比率131.8%で安定的である。ただし、のれん純資産比52.4%と低い設備投資/減価償却比率0.20倍は、収益力の持続性と資産価値の両面で相対的な留意点となる。