記事一覧に戻る
61912026 第2四半期プライムIFRS

エアトリ(6191) 2026年度第2四半期決算 営業益63%増

2026年度第2四半期の売上高は177.4億円、営業利益は25.1億円(同+63.2%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

株式会社エアトリ

情報通信・サービスその他/サービス業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥177.4億¥131.0億+35.5%
営業利益¥25.1億¥15.3億+63.2%
税引前利益¥23.8億¥14.7億+62.3%
純利益¥20.6億¥9.7億+111.7%
ROE(年換算)20.8%11.8%-

Executive Summary

増収に加え販管費効率化による営業レバレッジが働き、増益率が増収率を上回る決算となった。売上高は177.4億円(前年比+35.5%)、営業利益は25.1億円(同+63.2%)、経常段階に相当する税引前利益は23.8億円(同+62.3%)、親会社株主帰属純利益は18.7億円(同+106.4%)となった。増益の主因は、粗利率が51.3%へ4.9pt低下する一方、販管費率が39.3%へ6.1pt低下したことによる固定費吸収効果である。

業績変動要因

【売上高】売上高は177.4億円、前年比+35.5%の増収。主力のOnlineTravelは90.8億円(構成比51.2%、同+2.2%)と安定成長にとどまる一方、ITDevelopmentが31.5億円(同+34922.2%、新規連結子会社1社の影響含む)と急拡大し、InboundSegmentも19.9億円(同+39.2%)と伸長した。全体の増収はOnlineTravel以外の事業が牽引した。

【損益】営業利益は25.1億円(同+63.2%)、営業利益率は14.1%で前年同期11.7%から2.4pt改善した。粗利率は低下したが販管費増加率(+17.4%)が売上成長率(+35.5%)を下回り、営業レバレッジが働いた。金融費用0.1億円に対し金融収益は1.3億円で、純金融費用が税引前利益を圧迫したものの、実効税率13.6%の低さもあり親会社帰属純利益は18.7億円(同+106.4%)まで拡大した。増収増益。

セグメント別分析

OnlineTravelは売上90.8億円(構成比51.2%、前年比+2.2%)、営業利益17.2億円(同-3.5%)、利益率18.9%と全社利益の中核だが、増収率の鈍化と減益が確認される。ITDevelopmentは売上31.5億円(構成比17.8%、同+34922.2%)、利益率3.4%と急拡大するも収益性は低位。InboundSegmentは売上19.9億円(同+39.2%)、利益率12.7%と増収増益。Investmentは売上3.4億円ながら営業利益4.1億円(利益率120.6%)と、投資案件の収益認識に依存する特殊な性格を持つ。OtherWithinTheAirtripEconomicZoneは売上31.7億円(同+23.1%)、利益率7.9%。セグメント営業利益合計27.4億円に対し連結営業利益は25.1億円で、差額は全社費用・調整によるもの。主力事業の増収鈍化と減益は、今後の全社収益動向における注視点である。

主要財務指標

【収益性】営業利益率14.1%は前年同期11.7%から2.4pt改善、親会社帰属純利益率10.5%は同6.9%から3.6pt上昇した。年換算ROEは18.9%で、純利益率10.5%・総資産回転率0.869回・財務レバレッジ2.06倍に分解される。【キャッシュ品質】営業CF19.5億円は親会社帰属利益18.7億円の1.05倍であり、利益の現金裏付けは概ね良好。【投資効率】設備投資0.8億円に対し無形固定資産取得4.9億円と、投資の中心はソフトウェア・無形資産に置かれている。【財務健全性】自己資本比率41.9%、流動比率174.2%(流動資産286.6億円/概算流動負債164.5億円)と短期流動性は厚く、有利子負債48.9億円に対し年換算インタレスト・カバレッジは約18.7倍と余力がある。

キャッシュフロー分析

営業CFは19.5億円で前年同期21.1億円から7.4%減少した一方、親会社帰属利益は18.7億円へ106.4%増加しており、利益成長にキャッシュ創出が完全には追随していない。減少の主因は売上債権の増加12.8億円で、前年同期の0.5億円から大幅に拡大した。これを仕入債務の増加8.2億円と契約負債の増加4.4億円が部分的に相殺した。投資CFは14.2億円の流出で、無形固定資産取得4.9億円、投資有価証券取得5.6億円、子会社取得3.2億円が主因である。フリーCF(営業CF+投資CF)は5.3億円の黒字で、投資支出後も内部資金で現金を創出した。財務CFは3.8億円の流入で、借入による調達8.2億円が長期借入金返済4.0億円や配当支払2.2億円を上回った。結果として現金及び現金同等物は期中9.8億円増加し141.0億円となった。

収益の質

営業利益25.1億円に対し税引前利益は23.8億円で、差額1.2億円は純金融費用(金融収益0.1億円、金融費用1.3億円)によるものである。その他の収益3.7億円は売上高の2.1%にとどまり、一時的・営業外収益への依存は限定的である。親会社帰属純利益18.7億円は税引前利益を21.7%下回るが、主因は法人税等3.2億円と非支配株主帰属分の配分であり、特異な会計処理は確認されない。営業CF/親会社帰属利益は1.05倍で、アクルーアル比率もマイナス0.2%と小さく、当期利益は概ねキャッシュに裏付けられている。ただし売上債権の急増(前年比+81.3%)は営業CFの下押し要因であり、増益のキャッシュ転換が今後も継続するかは確認を要する。

業績予想・ガイダンス

通期会社予想は売上高340.0億円(前年比+20.9%)、営業利益15.0億円(同-48.4%)、EPS予想26.34円である。上期累計に対する進捗率は売上高52.2%と標準的な水準にとどまる一方、営業利益は167.0%、親会社帰属利益は311.2%と、通常の上期進捗目安50%を大幅に超過している。現行の通期利益予想は上期実績を下回っており、業績予想は修正済みであるものの、下期における費用増加や投資損益の反動などの前提が織り込まれている可能性がある。

株主還元

第2四半期末時点の1株当たり配当は0円である。親会社所有者への配当支払額は2.2億円で、フリーCF5.3億円および営業CF19.5億円で十分にカバーされている。配当予想の修正はなく、通期配当額が開示されていないため配当性向の算定は行わない。利益剰余金は113.4億円で前年同期比16.1億円増加しており、内部留保は積み上がっている。

リスク要因

  1. 主力事業の成長鈍化: OnlineTravelは売上高構成比51.2%を占める中核事業だが、売上高は前年比+2.2%、営業利益は同-3.5%と減益に転じている。全社収益の過半を依存する事業の伸び悩みは、連結業績への影響が大きい。

  2. 売上債権の急増: 売上債権は前年比+81.3%の51.4億円と、売上高成長率+35.5%を上回るペースで増加している。営業CFでは売上債権増加が12.8億円の資金流出要因となっており、回収状況のモニタリングが必要である。

  3. のれん増加と投資セグメントの変動性: のれんは前年比+172.3%の40.9億円(純資産比20.7%)に達し、新規連結による増加を反映している。また投資セグメントは営業利益率120.6%と通常の事業マージンと異なる性格を持ち、連結利益の再現性に変動要素を含む。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(it_telecom)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率14.1%17.3% (4.1%–24.5%)−3.2pt
純利益率11.6%13.0% (2.0%–16.2%)−1.4pt

収益性指標は業種中央値をやや下回る水準に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)35.5%22.5% (16.2%–26.8%)+13.0pt

売上高成長率は業種中央値を大きく上回り、IQR上限も超える高水準にある。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 営業利益率は前年同期比2.4pt改善の14.1%で、粗利率低下(-4.9pt)を上回る販管費率の低下(-6.1pt)による営業レバレッジが増益を主導した点は、コスト構造の質的変化として注目される。

  2. 通期営業利益予想15.0億円は上期実績25.1億円を下回っており、下期における費用構造や投資損益の前提を確認することが、今後の業績理解にとって重要となる。

  3. 営業CF/親会社帰属利益は1.05倍とキャッシュ品質は良好だが、売上債権の急増(前年比+81.3%)により営業CF自体は前年同期比で減少しており、増益とキャッシュ創出の乖離傾向には注視が必要である。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)621円
base(基準)630円
bull(強気)632円
算出前提値
1株純資産(BPS)750円
調整後予想EPS29.0円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向30.0%
予想EPSの信頼度調整×1.100(通期予想に対する進捗の先行に基づく)
implied PBR / PER0.84倍 / 21.7倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 612円〜648円、ω±0.1で 626円〜632円。

注記:

  • 通期予想に対する純利益の進捗(311%)が標準(50%)を上回るため、予想EPSを上限+10%の範囲で上方調整しています(進捗が先行する企業は予想を上回る傾向があるため。季節性の強い事業では調整が過大になる場合があります)。
  • 税負担・買収関連費用・少数株主持分等により、営業利益に対して純利益が大きく圧縮されています(純利益÷営業利益 40%)。本値はその圧縮を額面どおり反映しており、要因が一時的であれば実力値はこれより高い可能性があります。
  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。