クイックビュー
| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥1458.3億 | ¥1436.1億 | +1.5% |
| 営業利益 | ¥126.5億 | ¥115.9億 | +9.2% |
| 税引前利益 | ¥122.9億 | ¥112.3億 | +9.4% |
| 純利益 | ¥83.6億 | ¥82.6億 | +1.2% |
| ROE | 11.2% | 11.7% | - |
Executive Summary
2026年2月期は増収増益だが、増収率(+1.5%)を上回るペースで営業利益が伸長(+9.2%)し、粗利改善と販管費削減による採算向上が主眼の決算となった。売上収益は1458.3億円(前年1436.1億円、+1.5%)、営業利益は126.5億円(前年115.9億円、+9.2%)、税引前利益は122.9億円(前年112.3億円、+9.4%)、親会社所有者帰属利益は81.8億円(前年80.0億円、+2.2%)となった。売上原価の伸びを+0.1%に抑えたことで売上総利益率は18.9%(前期17.7%)へ改善し、販管費は前年比3.6%減少した一方、法人税等の増加(+32.4%)が最終利益の伸びを圧縮した。
業績変動要因
【売上高】売上収益は1458.3億円で前年比+1.5%増。主力のCRM事業(コンタクトセンター運営)が売上の99.8%を占め、同+1.6%増の1455.6億円と全社成長を規定した。その他事業は2.7億円で同-34.3%と縮小しており、事業ポートフォリオの分散効果は限定的である。
【損益】営業利益は126.5億円(+9.2%)で、売上増を大きく上回る伸びとなった。要因は売上総利益率の約1.2pt改善(17.7%→18.9%)と販管費の3.6%削減による営業レバレッジ発揮である。一方、前期にあったその他収益(子会社支配喪失益等を含む39.9億円)が当期は9.2億円に縮小し、一時的要因への依存度は低下した。税引前利益は+9.4%増加したが、法人税等が+32.4%増加(実効税率32.0%)したため、親会社所有者帰属利益の伸びは+2.2%にとどまった。総じて増収増益であり、増益の質は本業の採算改善に支えられている。
セグメント別分析
報告セグメントはCRM事業のみで、外部売上収益は1455.6億円(前年比+1.6%)、税引前利益は116.9億円である。その他事業は外部売上収益2.7億円(同-34.3%)、税引前利益6.0億円であり、規模は小さいが増益に転じている。セグメント利益の絶対額・比率いずれも大部分をCRM事業が占め、業績はコンタクトセンター需要と稼働率の動向にほぼ連動する構造である。
主要財務指標
【収益性】営業利益率は8.7%で前期8.1%から0.6pt改善し、ROEは11.4%(前期11.7%)とほぼ同水準を維持している。純利益率は5.7%で前期5.8%からわずかに低下しており、税負担増が最終利益率の伸びを抑えている。【キャッシュ品質】営業CFは165.3億円で親会社所有者帰属利益81.8億円の約2.0倍にあたり、営業債権16.6億円の増加を吸収するだけの現金創出力を確保している。【投資効率】設備投資14.5億円は減価償却費89.5億円の16%程度にとどまり、当期は更新投資を抑制する形でフリーCF159.6億円を確保した。【財務健全性】自己資本比率は43.5%で前期40.2%から改善したものの、のれん946.7億円は純資産747.8億円を上回り、実質的な資本余力は帳簿上の比率が示す以上に限定的である。流動資産297.2億円は流動負債457.9億円を下回り、短期の資金繰りはモニタリングが必要な水準にある。
キャッシュフロー分析
営業CFは165.3億円で前年比-4.9%となったが、営業債権の増加(-16.6億円の資金化圧迫)を除けば運転資本変動前の小計は201.6億円と前年の201.1億円を上回り、本業の現金創出力自体は維持されている。投資CFは-5.7億円と小規模で、設備投資14.5億円に事業譲渡収入3.0億円等が加わり、大型投資・買収は見られなかった。財務CFは-157.8億円で、短期借入金77.0億円の圧縮を長期借入180.0億円の調達と返済156.0億円で調整しつつ、配当支払44.4億円とリース料支払65.8億円を実施した。結果としてフリーCFは159.6億円となり、配当支払額の3.6倍のカバレッジを確保しており、当期の現金創出は株主還元・借入返済の両方を支える水準にある。
収益の質
当期利益は本業の営業改善に支えられた質の良い増益である一方、前期に存在した子会社支配喪失益等を含むその他収益39.9億円が当期は9.2億円に縮小し、比較可能性の観点では前期の方が一時的要因の押し上げが大きかった。当期にも事業譲渡益6.4億円が計上され、税引前利益122.9億円の約5.2%を占めるため、完全に非経常要因を排除した比較ではない。持分法投資利益は3.8億円(前期1.8億円)へ増加したが、税引前利益に占める比率は3.1%と小さく、業績の主因はCRM事業本体である。営業CFが親会社所有者帰属利益の約2.0倍にあることは、会計上の利益が現金収支と大きく乖離していないことを示しており、アクルーアルの観点からは収益の質は良好と評価できる。
業績予想・ガイダンス
会社は次期(2027年2月期)予想として売上高1520.0億円(当期比+4.2%)、営業利益130.0億円(同+2.7%)、親会社所有者帰属利益87.0億円(純利益ベース、同+3.9%)を開示している。予想営業利益率は約8.6%となり、当期実績8.7%から小幅低下する計画であり、増収率の加速が利益率改善に直結しない前提となっている点が注目される。EPS予想は114.33円で、当期実績110.22円からの伸びは配当予想60.00円の据え置きと整合的である。
株主還元
年間配当は60.00円(前期30.00円から倍増)であり、配当性向は54.4%である。自社株買いの実施額は0.0億円であるため、株主還元は配当のみで構成され、総還元性向も配当性向54.4%と同水準となる。配当支払額44.4億円はフリーCF159.6億円の約28%にとどまり、当期の現金創出力から見た配当の持続性は確保されている。なお、当期の配当原資には資本剰余金が含まれており、資本剰余金は前期末の-80.6億円から当期末-123.2億円へマイナス幅が拡大している点は、資本配分の観点で留意される。次期も配当予想は60.00円で据え置かれている。
リスク要因
-
のれん集中と減損リスク: のれん946.7億円は純資産747.8億円の126.6%、総資産の55.7%を占める。減損が発生した場合、資本およびレバレッジ指標への影響は大きい。
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短期流動性: 流動資産297.2億円が流動負債457.9億円を下回り、流動比率は約65%である。現金及び現金同等物71.9億円は短期借入金173.0億円の約42%にとどまるが、営業CF165.3億円の継続的な創出が補完材料となる。
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CRM事業への集中: 売上の99.8%をCRM事業(コンタクトセンター運営)が占めるため、主要顧客の内製化や案件単価低下、生成AIによる業務代替が全社業績に直接影響しうる構造である。
業種ベンチマーク(参考・当社調べ)
業種ベンチマーク(it_telecom)
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 自己資本利益率 | 11.4% | 11.1% (4.5%–18.2%) | +0.3pt |
| 営業利益率 | 8.7% | 8.1% (3.7%–16.1%) | +0.6pt |
| 純利益率 | 5.7% | 5.9% (2.2%–11.8%) | −0.2pt |
自己資本利益率・営業利益率は業種中央値をやや上回るが、純利益率は税負担の影響でわずかに下回る。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 1.5% | 10.1% (1.8%–20.2%) | −8.6pt |
売上成長率は業種中央値を大きく下回り、IT・通信業種内では低成長グループに位置づけられる。
※出所: 当社調べ
決算上の注目ポイント
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売上成長1.5%に対し営業利益は9.2%増と、増収率を上回るペースでの採算改善が当期の特徴である。粗利率改善と販管費削減による営業レバレッジが主因であり、売上高依存でない利益成長パターンが読み取れる。
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営業CFは親会社所有者帰属利益の約2.0倍、フリーCFは配当支払額の約3.6倍のカバレッジを有し、当期の利益の現金化と株主還元原資は良好である。一方、設備投資は減価償却費の16%程度に抑制されており、将来の更新投資余力については構造的な観察点となる。
-
のれんが純資産を上回る資本構成、および流動資産が流動負債を下回る流動性構造は、自己資本比率43.5%という表面指標だけでは捉えきれないバランスシート上の特徴であり、継続的な観察が有用である。
理論株価(参考値)
| シナリオ | 理論株価 |
|---|---|
| bear(弱気) | 1,034円 |
| base(基準) | 1,058円 |
| bull(強気) | 1,087円 |
| 算出前提 | 値 |
|---|---|
| 1株純資産(BPS) | 994円 |
| 調整後予想EPS | 119.9円 |
| 株主資本コスト r | 9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%) |
| 残余利益の持続係数 ω / 明示予測 | 0.62 / 5年 |
| 想定配当性向 | 52.5% |
| 予想EPSの信頼度調整 | ×1.049(同業種のガイダンス達成率実績に基づく) |
| implied PBR / PER | 1.06倍 / 8.8倍 |
感応度: 株主資本コスト±1%で 1,029円〜1,088円、ω±0.1で 1,056円〜1,060円。
注記:
- 純資産に対するのれんの比率が高く、減損が発生した場合は前提が大きく変わります。
(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。