| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥4368.9億 | ¥3933.1億 | +11.1% |
| 営業利益 | ¥1849.9億 | ¥1668.3億 | +10.9% |
| 経常利益 | ¥1849.4億 | ¥1689.4億 | +9.5% |
| 純利益 | ¥1317.3億 | ¥1160.8億 | +13.5% |
| ROE | 22.4% | 23.6% | - |
2026年3月期決算は、売上高4,368.9億円(前年比+435.8億円 +11.1%)、営業利益1,849.9億円(同+181.6億円 +10.9%)、経常利益1,849.4億円(同+160.0億円 +9.5%)、純利益1,317.3億円(同+156.5億円 +13.5%)と増収増益で着地した。粗利率70.1%、営業利益率42.3%と極めて高水準の収益構造を維持し、ROE22.4%で資本効率も優良域を継続した。地域別では台湾が1,173.8億円(前年比+429.7億円 +57.8%)と最大の成長ドライバーとなり、主要顧客TSMCへの売上482.4億円が寄与した。設備投資は351.4億円(減価償却148.2億円の2.4倍)と積極的で、営業CFは1,335.4億円(+10.9%)を確保したが、投資CF -1,357.7億円によりフリーCFは-22.3億円と小幅マイナスとなった。契約負債500.1億円(前年比+60.7億円)と受注残の積み上がりが将来売上を下支えする構造にある。
【売上高】売上高は4,368.9億円(前年比+11.1%)で、地域別では台湾1,173.8億円(前年744.0億円から+57.8%)、中国1,349.8億円(同+1.9%)、韓国330.7億円(同-21.9%)、米州349.0億円(同-27.9%)、アジア441.2億円(同+30.2%)、日本456.1億円(同+11.1%)、欧州268.4億円(同-3.7%)と、台湾の急伸が全体を牽引した。台湾では主要顧客TSMCへの売上482.4億円が寄与し、先端ロジック・HBM向け半導体製造装置の需要が旺盛であったことが背景にある。中国は微増にとどまり、韓国・米州は二桁減となったが、台湾・アジアの伸長で全体ではプラス成長を確保した。粗利率は70.1%(前年70.6%から-0.5pt)と僅かに低下したものの、70%台の高水準を維持し、製品優位性と価格維持力の強さが継続している。
【損益】売上原価は1,304.1億円(前年1,157.4億円から+12.7%)と売上成長を上回る伸びとなり、粗利率の小幅低下を招いた。販管費は1,214.9億円(前年1,107.4億円から+9.7%)で対売上比率27.8%(前年28.2%)と0.4pt改善し、スケールメリットが発揮された。営業利益は1,849.9億円(+10.9%)、営業利益率42.3%(前年42.4%から-0.1pt)と前年並みの高水準を維持した。営業外損益は収益21.4億円・費用22.0億円で純額-0.5億円と影響軽微で、為替差益8.1億円がプラス寄与した一方、為替差損12.1億円が営業外費用に計上され、ネットでは僅かなマイナスとなった。経常利益は1,849.4億円(+9.5%)で、経常利益率は42.3%と営業段階と同水準である。特別損益は利益0.1億円・損失11.4億円で純額-11.3億円と小幅マイナス、固定資産除売却損1.4億円が主因である。税引前利益は1,838.1億円(+9.3%)、法人税等482.1億円(実効税率26.2%)を控除後、非支配株主分0.8億円を除いた純利益は1,317.3億円(+13.5%)、純利益率30.2%(前年29.5%から+0.7pt)と改善した。結論として、台湾・アジアの需要拡大を捉えた増収増益で、高粗利・高営業利益率を堅持し、一時的要因の影響は軽微であった。
【収益性】営業利益率42.3%(前年42.4%)、純利益率30.2%(同29.5%から+0.7pt)と極めて高水準を維持した。粗利率70.1%は消耗材・装置の高付加価値ミックスと価格維持力を反映し、販管費率27.8%(同28.2%から-0.4pt)はスケールメリットにより小幅改善した。【投資効率】ROE22.4%(前年27.6%を下回るも20%台の高水準継続)、ROA25.7%(同25.8%)と高い資本効率を示した。EPS1,249.84円(前年1,143.26円から+9.3%)で、株主還元性向36.1%とバランスの取れた配当政策を維持した。【キャッシュ品質】営業CF1,335.4億円(前年比+10.9%)、営業CF/純利益1.01倍と利益のキャッシュ裏付けは良好だが、フリーCF-22.3億円と積極的な設備投資351.4億円(減価償却148.2億円の2.4倍)により一時的なマイナスとなった。【財務健全性】自己資本比率79.1%(前年75.3%から+3.8pt)、流動比率320.2%、当座比率294.9%と極めて健全で、現金預金2,845.8億円と潤沢な手元資金を保有している。有利子負債は実質ゼロで、ネットキャッシュ2,845.8億円の無借金経営である。
営業CFは1,335.4億円(前年比+10.9%)で、営業利益1,849.9億円に対し72.2%と堅調な創出力を示した。運転資本では売上債権が110.1億円増加、棚卸資産2.1億円増加、仕入債務106.9億円減少と資金吸収要因が重なり、契約負債の増加15.7億円がこれを一部相殺した。法人税等の支払551.1億円が大きなキャッシュアウト要因となったが、営業CF小計1,876.8億円から運転資本・税金調整後に1,335.4億円を確保した。投資CFは-1,357.7億円で、設備投資351.4億円が主因であり、定期預金への預入1,000億円も含まれる。財務CFは-450.4億円で、配当金453.1億円(親会社株主453.2億円+非支配株主0.7億円)の支払が中心である。フリーCFは営業CF1,335.4億円+投資CF-1,357.7億円=-22.3億円と小幅マイナスとなったが、為替影響26.7億円を加味した現金純増減額は-445.9億円で、定期預金への振替が主因である。期末現金預金は2,845.8億円(前年2,291.7億円から+24.2%)と厚みを増し、積極投資と配当を実施しながらも流動性を確保した。
営業利益1,849.9億円が収益の大宗を占め、営業外損益純額-0.5億円(売上高比-0.01%)、特別損益純額-11.3億円(同-0.3%)と一時的要因の影響は極めて限定的である。営業外では為替差益8.1億円と為替差損12.1億円がネットで-4.0億円となり、その他営業外収益2.5億円(補助金8.2億円、賃貸収入4.0億円含む)が一部相殺した。経常利益1,849.4億円と営業利益の差は僅か-0.5億円で、コア事業の収益性がそのまま反映されている。営業CF1,335.4億円は純利益1,317.3億円に対し1.01倍と整合的で、アクルーアルは限定的である。包括利益1,402.8億円は純利益1,317.3億円を85.5億円上回り、為替換算調整額36.4億円、退職給付に係る調整額7.4億円、持分法適用会社のOCI持分3.0億円がプラス寄与した。為替の営業利益への純影響は-0.5億円程度と軽微で、収益の質は高い。税引前利益1,838.1億円に対し法人税等482.1億円(実効税率26.2%)は標準的で、特段の繰延税金効果や税率変動はなく、経常的な税負担構造である。
通期業績予想は売上高1,061.0億円(前年比+18.0%)、営業利益420.0億円(同+21.8%)、経常利益423.0億円(同+24.4%)、純利益401.0億円(同+15.1%)と開示されているが、実績は売上高4,368.9億円、営業利益1,849.9億円、純利益1,317.3億円で、予想に対し売上約4.1倍、営業利益約4.4倍、純利益約3.3倍と大幅に上振れている。この乖離は、開示予想が次年度(2027年3月期)の数値である可能性が高く、当期実績との直接比較には不整合がある。次年度予想としては、売上高+18.0%成長で1,061億円(当期比-75.7%)は論理的に成立せず、データ定義の確認が必要である。契約負債500.1億円と前受金の積み上がりから、短期的な売上認識の余地は高く、先端ロジック・HBM向け需要の継続が前提となる。
年間配当は1株当たり505円で、配当性向36.1%と適正水準である。期中平均株式数108,431千株に基づく配当総額は453.2億円(実際の総配当支払額453.1億円とほぼ一致)で、フリーCF-22.3億円に対しては賄えていないが、営業CF1,335.4億円の33.9%、潤沢な現金預金2,845.8億円の15.9%相当であり、支払余力は十分である。配当性向36.1%は利益成長と投資需要のバランスを取った水準で、ROE22.4%と高い資本効率を前提とすれば、今後も増配余地がある。自己株買いは期中1百万円と僅少で、総還元性向は配当性向とほぼ同水準である。前年配当性向36.1%(前年配当124円×4、純利益1,160.8億円で逆算)と同水準を維持しており、安定配当志向が窺える。
主要顧客集中リスク: TSMC向け売上482.4億円(売上高比11.0%相当)と台湾市場依存度が高く、同社の設備投資方針変更や発注時期のずれが業績に直結する。台湾売上1,173.8億円は全体の26.9%を占め、地域集中度も高い。先端ロジック・HBM向け投資の減速局面では受注急減リスクがある。
運転資本効率悪化リスク: 売上債権527.8億円(前年399.7億円から+32.0%)、契約負債500.1億円(同439.3億円から+13.8%)と売掛・前受が積み上がり、売掛金回転日数・契約負債回転日数の延伸が懸念される。在庫390.2億円(前年329.6億円から+18.4%)も増勢で、需要変動局面での在庫調整コスト・値引き圧力が顕在化するリスクがある。営業CF/EBITDA比率の低下(営業CF1,335.4億円/EBITDA1,998.1億円=0.67倍)が示唆するように、キャッシュ転換効率の改善が遅れれば、フリーCFのマイナス継続リスクがある。
積極投資の回収リスク: 設備投資351.4億円(減価償却148.2億円の2.4倍)、建設仮勘定338.9億円(前年169.5億円から+100.0%)と大規模な能力増強を進めているが、需要環境の急変や先端ノード向け投資サイクルの一服により、想定稼働率未達・投資回収期間延伸のリスクがある。固定費増と稼働率低下が重なれば、高営業利益率の維持が困難となる。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 42.3% | 7.8% (4.6%–12.3%) | +34.6pt |
| 純利益率 | 30.2% | 5.2% (2.3%–8.2%) | +25.0pt |
製造業の中央値を大幅に上回り、営業利益率・純利益率ともに業界トップクラスの収益性を誇る。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 11.1% | 3.7% (-0.4%–9.3%) | +7.4pt |
売上高成長率は中央値を+7.4pt上回り、製造業の中でも高成長を実現している。
※出所: 当社集計
高収益体質の持続性: 粗利率70.1%、営業利益率42.3%、ROE22.4%と製造業トップクラスの収益構造を維持し、先端半導体製造装置市場における技術優位性と価格支配力の強さが確認される。台湾TSMC向け売上482.4億円の開示は主要顧客との強固な関係を示し、先端ロジック・HBM向け需要の取り込みが成長ドライバーとなっている。契約負債500.1億円の積み上がりは将来売上の先行指標として注目すべき要素である。
積極投資フェーズの進展: 設備投資351.4億円(減価償却の2.4倍)、建設仮勘定338.9億円の急増(前年比+100.0%)は、供給能力増強と技術優位性の維持に向けた攻めの投資姿勢を示す。フリーCF-22.3億円と一時的にマイナスだが、営業CF1,335.4億円と現金預金2,845.8億円の厚みから、投資余力は十分である。短期的には運転資本効率の悪化(売掛金+32.0%、在庫+18.4%)がキャッシュ創出の重しとなっており、在庫回転・売掛金回収の正常化が次の評価ポイントとなる。
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。