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60902026 第2四半期スタンダードJGAAP

ヒューマン・メタボローム・テク…(6090) 2026年度第2四半期決算

2026年度第2四半期の売上高は6.6億円(前年同期比-3.7%)、営業利益は4,600万円(同-55.2%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

情報通信・サービスその他/サービス業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥6.6億¥6.8億−3.7%
営業利益¥0.5億¥1.0億−55.2%
経常利益¥0.5億¥0.9億−50.3%
純利益¥0.4億¥0.9億−52.9%
ROE2.4%4.9%-

Executive Summary

2026年第2四半期決算は、売上高6.6億円(前年同期比-0.2億円 -3.7%)、営業利益0.5億円(同-0.5億円 -55.2%)、経常利益0.5億円(同-0.4億円 -50.3%)、四半期純利益0.4億円(同-0.5億円 -52.9%)となった。わずかな減収に対し営業利益は半減し、利益率の大幅低下が顕著である。粗利率57.9%は維持されたものの、販管費3.3億円が売上高の50.8%を占め、販管費率上昇が営業減益の主因となった。営業CFは-2.0億円で純利益0.4億円に対し大幅マイナス、売掛金が前年比+1.9億円増の3.7億円へ膨張し回収遅延が資金繰りを圧迫した。通期予想は売上高16.0億円(+10.0%)、営業利益3.0億円(+20.2%)を掲げるが、Q2の利益率とキャッシュフロー状況を踏まえると、下半期の収益性回復と運転資本改善が達成の前提条件である。

業績変動要因

【売上高】前年同期比-3.7%の微減収。セグメント情報は開示されていないが、トップラインは横ばい圏内で推移した。売上総利益は3.8億円で粗利率57.9%と高水準を維持しており、原価構造自体は堅調である。【損益】営業利益は0.5億円(-55.2%)と大幅減益。販管費が3.3億円で売上高比50.8%に達し、前年同期の販管費率を上回る負担増が利益を圧迫した。営業利益率は7.0%で前年同期の約15%相当から縮小した。営業外損益は純額でほぼゼロに近く、経常利益0.5億円は営業利益と同水準となった。税引前利益0.7億円に対し税金費用を差し引き四半期純利益は0.4億円となり、純利益率は6.5%である。経常利益と純利益の差は税金費用が主因で、特別損益の影響は記載が無く一時的要因は確認できない。営業CFは-2.0億円と大幅マイナスで純利益の4.7倍に相当する逆流があり、売掛金が前年比+108.1%増加したことが主因である。DSOは約202日と極端に長期化しており、売上計上と現金回収の乖離が顕著である。結論として、微減収かつ大幅減益の局面にあり、販管費負担増と運転資本悪化が収益の質を著しく低下させた。

主要財務指標

【収益性】ROE 2.4%(業種中央値5.6%を下回る)、営業利益率 7.0%(業種中央値14.0%を下回る)、純利益率 6.5%(業種中央値9.2%を下回る)。【キャッシュ品質】現金及び預金12.1億円、短期負債カバレッジ3.9倍(現金/流動負債)で流動性は表面上十分。営業CF/純利益は-4.74倍で収益の現金化に重大な懸念。【投資効率】総資産回転率 0.31倍(年換算で業種中央値0.35倍をわずかに下回る)、設備投資/減価償却比率 0.76倍(業種中央値0.34倍を上回り、設備投資は減価償却を下回る抑制的水準)。【財務健全性】自己資本比率 84.6%(業種中央値60.2%を大きく上回り極めて高水準)、流動比率 526.3%(業種中央値7.74倍比で圧倒的に高い)、負債資本倍率 0.18倍で負債依存度は低い。ただし短期負債比率100%で借入は短期に偏在しリファイナンスリスクに注意が必要。

キャッシュフロー分析

営業CFは-2.0億円で四半期純利益0.4億円に対し5倍近い逆流が発生し、利益の現金裏付けが大きく劣化した。主因は売掛金が前年同期比+1.9億円増加したことで、売掛金回転日数は約202日と極端に長期化し業種中央値116.7日を大きく上回る。仕掛品比率も51.9%と在庫構成に偏りが見られ、運転資本管理に課題がある。投資CFは-0.5億円で設備投資-0.4億円が主体、減価償却費0.6億円に対し設備投資は抑制的である。財務CFは-1.3億円で配当支払と自社株買い-0.4億円を実施した。FCFは-2.5億円と大幅マイナスで、配当および自社株買いを含む総還元はフリーキャッシュフローで賄われていない。短期負債に対する現金カバレッジは3.9倍と表面上は十分だが、営業CFがマイナス継続すると流動性余地は縮小する。

収益の質

経常利益0.5億円に対し営業利益0.5億円で、営業外損益の純増はほぼゼロ。営業外収益や金融収益の寄与は限定的で、利益構成は営業本業に集中している。営業外収益が売上高に占める割合は小さく、利益源泉はコア事業に依存する。ただし営業CFが純利益を大幅に下回り、営業CF/純利益は-4.74倍と収益の現金化が全く進んでいない。アクルーアル比率は-5.19倍と極端に高く、利益計上と現金の乖離が著しい。売掛金のDSO 202日、CCC 187日と運転資本サイクルが長期化しており、収益の質は極めて低いと評価される。販管費の高止まりと売掛金増加が同時進行し、利益の持続性にも疑問が生じる。

業績予想・ガイダンス

通期予想に対するQ2進捗率は、売上高41.2%(標準進捗50%を下回る)、営業利益15.3%(標準進捗50%を大きく下回る)、経常利益16.7%(同様)で、いずれも標準から大幅に遅れている。売上高の遅れは-8.8pt、営業利益の遅れは-34.7ptと特に利益面の遅延が顕著である。通期で売上高+10.0%成長、営業利益+20.2%増益を見込むが、Q2実績では売上-3.7%減収、営業利益-55.2%減益であり、下半期に大幅な巻き返しが必要となる。予想達成には販管費抑制による利益率改善、および売掛金回収加速による運転資本効率の向上が前提条件である。受注残高や契約負債のデータは開示されておらず、下半期の売上可視性は限定的である。進捗率の大幅遅延は、売掛金の回収タイミング遅延や営業効率の低下を反映しており、通期予想達成には不確実性が残る。

株主還元

期末配当予想は15.0円で、Q2時点では無配である。年間配当15.0円に対し四半期純利益0.4億円(期中平均株式数5,664千株)から算出すると、年間換算EPS約15.5円相当となり配当性向は約97%と極めて高水準である。ただしQ2のEPS実績7.74円を年換算すると配当性向は200%超となり、現在の利益水準では配当は純利益を大きく上回る。加えて自社株買いを期中に実施しており、CF計算書では自社株買い-0.4億円が記録されている。配当と自社株買いを合わせた総還元は営業CFがマイナスのため、フリーキャッシュフローで裏付けられておらず持続可能性に懸念がある。総還元性向は配当のみで既に100%近いため、自社株買いを加えると現金流出圧力が強まる。現金預金12.1億円と自己資本18.1億円の厚みは還元余力を示すが、営業CFと利益の質が改善されない限り、配当および自社株買い継続は財務健全性を圧迫するリスクがある。

リスク要因

売掛金回収遅延の継続リスク。DSO 202日と業種中央値116.7日を大幅に上回り、回収サイト長期化が常態化すると運転資本圧迫と流動性悪化が進行する。販管費の構造的高止まりリスク。販管費率50.8%で営業利益率7.0%と業種中央値14.0%を下回る状況が続くと、営業効率劣化が継続し通期予想の利益目標達成が困難となる。配当と自社株買いを含む資本還元の持続可能性リスク。営業CFがマイナスかつ配当性向が純利益対比で200%超となるため、利益の現金化が改善されない限り還元政策の見直しまたは現金残高取り崩しが不可避となる。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

【業種内ポジション】(参考情報・当社調べ) 当社はIT・通信業種に属し、2025年Q2時点で業種内7社の比較データが入手可能である。収益性では営業利益率7.0%(業種中央値14.0%)、純利益率6.5%(業種中央値9.2%)、ROE 2.4%(業種中央値5.6%)といずれも業種中央値を下回り、収益性は業種内で相対的に低位である。健全性では自己資本比率84.6%(業種中央値60.2%)と極めて高く、財務安全性は業種内でトップクラスである。流動比率526.3%も業種中央値7.74倍を大幅に上回り、短期流動性は極めて高い。効率性では総資産回転率0.31倍(年換算)は業種中央値0.35倍をわずかに下回り、資産効率は業種並みである。売掛金回転日数202日は業種中央値116.7日を大きく上回り、運転資本効率は業種内で最も劣後する水準にある。キャッシュ品質では営業CF/純利益-4.74倍で、業種中央値のキャッシュコンバージョン率1.22倍を大きく下回り、収益の現金化は業種内で最低水準である。売上高成長率-3.7%(業種中央値+21.0%)で成長性も業種内で劣後する。総じて、財務健全性は業種トップクラスだが収益性・成長性・キャッシュ品質は業種内で下位に位置し、営業効率と運転資本管理の改善が喫緊の課題である。(業種: IT・通信業、比較対象: 2025年Q2、出所: 当社集計)

決算上の注目ポイント

決算上の注目ポイントは以下2点である。第一に、売掛金回収遅延による運転資本の大幅悪化である。売掛金が前年同期比+108.1%と倍増し、DSO 202日は業種中央値116.7日を大幅に超過しており、営業CFが-2.0億円と大幅マイナスとなった。売上計上と現金回収の乖離が拡大しており、下半期の回収加速が通期業績達成および財務健全性維持の鍵となる。第二に、販管費負担増による利益率の大幅低下である。粗利率57.9%は維持されたが、販管費率50.8%で営業利益率は7.0%に縮小し、業種中央値14.0%を大きく下回る。通期予想では営業利益+20.2%増を見込むが、Q2進捗率15.3%と大幅遅延しており、販管費抑制と営業効率改善が下半期の最優先課題である。配当性向と総還元性向が純利益およびFCF対比で極めて高く、キャッシュフロー改善なくしては資本還元の持続可能性に疑義が生じる点も注視すべきである。


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。


AI財務分析

総括

2026年度Q2累計は、売上高が前年同期比3.7%減の6.59億円、営業利益が同55.2%減の0.46億円となり、減収以上に収益性が悪化した。売上総利益は前年同期の4.39億円から3.82億円へ13.0%減少した一方、販管費は3.35億円で前年同期比0.2%増にとどまった。売上総利益率は前年同期の64.1%から57.9%へ620bp低下した。営業利益率は15.2%から7.0%へ820bp低下し、良好水準から要注意水準へ低下した。親会社株主に帰属する中間純利益は0.43億円、純利益率は6.5%で、前年同期の13.6%から710bp縮小した。経常利益は0.47億円で前年同期比50.3%減となった。税引前利益は0.65億円であり、特別利益0.18億円が営業・経常段階を上回る税引前利益を形成した。したがって、中間純利益0.43億円には営業活動以外の一時的利益が含まれており、経常収益力のみを表す利益としては評価できない。EBITDAは1.02億円、EBITDAマージンは15.5%であり、減価償却費0.56億円を加味すると現金創出力の基礎は営業利益率より高い。しかし、営業CFは2.04億円のマイナスで、純利益に対する比率はマイナス4.74倍となり、利益とキャッシュ創出の乖離が極めて大きい。主因は売掛金の増加1.87億円であり、売上減少局面での運転資本流出が資金繰りを悪化させた。現金預金12.09億円、流動比率526.3%、有利子負債1.00億円という強い流動性により、短期的な資金耐性は高い。もっとも、期中の現金及び現金同等物は3.86億円減少しており、営業CF赤字、設備投資0.43億円、自社株買い0.45億円が現金を押し下げた。通期会社予想に対するQ2累計の進捗率は、売上高41.2%、営業利益15.3%、親会社株主に帰属する当期純利益16.5%である。売上高進捗は標準的な50%を8.8ポイント下回る一方、営業・純利益の進捗は標準を約35ポイント下回っており、下期に大幅な利益率回復を実現する必要がある。今後は、売掛金の回収、仕掛品の滞留解消、粗利益率の回復、および下期の販管費吸収による営業利益改善が業績達成の主要条件となる。

収益性分析

デュポン分析では、年換算ROE 4.8%は、純利益率6.5%×総資産回転率0.617回×財務レバレッジ1.18倍で構成される。ROEが8%未満にとどまる主因は、保守的な低レバレッジではなく、7.0%まで低下した営業利益率と、現金を厚く保有する資産構成に起因する総資産回転率の低さである。純利益率は前年同期の13.6%から6.5%へ710bp低下しており、3因子のうち最も直接的かつ大幅な悪化要因である。売上高は3.7%減にとどまったが、売上総利益は13.0%減少し、粗利益率が620bp低下したことから、売上構成、案件採算、原価吸収のいずれか、または複合的な悪化が示唆される。販管費は前年同期比0.2%増の3.35億円でほぼ横ばいであり、売上減少および粗利減少を固定的な販管費で吸収できず、営業レバレッジが逆方向に働いた。結果として営業利益は55.2%減少し、営業利益率は820bp縮小した。CFA 5因子では、EBT/EBITが1.415倍と1を上回るが、これは金融収支の改善ではなく、特別利益0.18億円により税引前利益が押し上げられたためである。税負担係数は0.661であり、実効税率32.6%に対応する水準である。特別利益を除く経常的な利益水準では、純利益率は表示値より低く、収益性の回復力は営業利益および粗利益率の改善に依存する。EBITDAマージン15.5%は減価償却を伴う設備基盤を反映しているが、OCF/EBITDAはマイナス2.00倍であり、会計上のEBITDAが当期にはキャッシュへ転化していない。設備投資/減価償却は0.76倍で、既存設備の更新・維持投資は実施しているものの、減価償却費を上回る拡張投資局面とはいえない。

成長性評価

通期会社計画は売上高16.00億円、営業利益3.00億円、経常利益3.00億円、親会社株主に帰属する当期純利益2.60億円であり、前年比では売上高10.0%増、営業利益20.2%増、経常利益24.5%増を見込む。Q2累計売上高の進捗率41.2%は標準進捗率50%を8.8ポイント下回るため、下期には9.41億円の売上高が必要となる。営業利益の進捗率15.3%は標準を34.7ポイント下回り、通期計画達成には下期2.54億円、下期営業利益率27.0%が必要となる。純利益についても、下期に2.17億円を稼ぐ必要があり、下期純利益率は23.1%となる。会社計画の達成には、単なる売上回復に加え、Q2累計の7.0%から大幅に高い営業利益率への改善が必要である。売上の持続性評価では、売掛金が前年同期比108.1%増の3.65億円となり、年換算DSO 101日が60日超の警戒水準にある点が重要である。売上の計上後に回収が遅れている状態では、売上成長が実現してもキャッシュ創出を伴わないリスクがある。仕掛品は0.11億円で、棚卸資産に占める仕掛品比率は51.9%と40%超の警戒水準にあり、案件の進捗、原価管理および将来の売上・原価認識を継続監視する必要がある。特別利益0.18億円は当期利益を補完したが、通期の持続的な利益成長は営業段階での粗利率回復と固定費吸収に依存する。

財務健全性

財務基盤は、流動比率526.3%、当座比率520.0%、運転資本13.34億円と非常に厚く、流動性は強固である。現金預金12.09億円は短期借入金1.00億円の12.09倍であり、短期借入金への返済余力は十分にある。有利子負債は1.00億円、負債資本倍率は0.18倍、Debt/Capital比率は5.2%、Debt/EBITDAは0.98倍であり、レバレッジは低い。インタレストカバレッジは44.44倍、EBITDAベースでは98.46倍であり、金利負担は収益力に対して軽微である。負債合計は3.29億円で総資産の15.4%にとどまり、純資産18.07億円が資産の84.6%を支える。満期構成では有利子負債1.00億円が短期借入金であり、短期負債比率100.0%はリファイナンスリスク警告に該当する。ただし、短期負債を大幅に上回る現金および当座資産を保有するため、現時点の借換不能リスクは限定的である。重要なのは、営業CFが赤字のまま継続する場合、短期借入金の返済原資が営業キャッシュフローではなく手元流動性に依存する構図となる点である。売掛金は前年同期比1.90億円増、108.1%増の3.65億円となり、総資産の17.1%を占める。売上高が減少する中での売掛金増加は、流動性の量は維持していても、その一部の換金速度が低下していることを示す。買掛金は0.04億円から0.17億円へ337.0%増加したが、絶対額は小さく、売掛金増加による資金流出を相殺する規模ではない。無形固定資産は42.5%増の0.18億円だが、総資産比0.9%にとどまり、無形資産集中リスクは低い。自己株式は前年同期比0.45億円増加してマイナス2.11億円となり、純資産に対する控除額は11.7%である。自己株式取得は1株価値向上を意図し得る一方、営業CFがマイナスの局面では、資本還元と流動性確保の優先順位を注視する必要がある。繰延税金資産は1.42億円で総資産の6.6%を占めるため、将来の課税所得による回収可能性が純資産の質に影響する。資産除去債務は0.13億円、リース負債は流動・固定合計0.06億円であり、認識済みのオフバランス性負担は限定的である。

B/S変動のポイント

売掛金: +1.90億円(前年同期比+108.1%)- 売上高が前年同期比3.7%減少する一方で大幅に増加。年換算DSO101日、営業CFマイナス2.04億円の主因であり、回収遅延と運転資本負担を最優先で監視。買掛金: +0.13億円(前年同期比+337.0%)- 増加率は大きいが残高は0.17億円で総資産比0.8%。仕入・外注費等の支払タイミング変動を示す可能性があるが、売掛金増加の資金負担を相殺する規模ではない。無形固定資産: +0.06億円(前年同期比+42.5%)- 無形固定資産取得0.08億円を反映。総資産比0.9%と小さく、無形資産への集中またはのれん減損リスクは限定的。自己株式: -0.45億円(前年同期比-26.9%)- 自社株買い0.45億円による純資産控除の拡大。営業CF赤字の局面であり、資本還元と現金維持のバランスを監視。現金預金: -3.54億円(前年同期比-22.7%)- 営業CF赤字、投資支出および株主還元により減少。ただし残高12.09億円、短期借入金の12.09倍であり、短期流動性はなお強い。

キャッシュフロー品質

営業CFはマイナス2.04億円で、純利益0.43億円に対する営業CF/純利益比率はマイナス4.74倍となり、0.8倍未満の収益品質警告に明確に該当する。利益が計上される一方で営業キャッシュが流出しており、当期の利益は現金裏付けが弱い。最大の要因は売掛金の1.87億円増加であり、税引前利益0.65億円および減価償却費0.56億円によるキャッシュ創出を上回って資金を吸収した。年換算DSO 101日は60日超の売掛金回収遅延警告に該当し、回収条件、検収時期、顧客別債権管理の改善がキャッシュフロー回復の重要課題となる。アクルーアル比率は11.5%で10%超の警戒水準にあり、発生主義利益への依存が高い。現金転換率(OCF/EBITDA)はマイナス2.00倍で0.7倍未満の警告に該当し、EBITDA1.02億円が運転資本増加によりキャッシュへ転換していない。仕掛品比率は51.9%で40%超の仕掛品過剰警告に該当する。仕掛品自体は0.11億円と小さいが、棚卸資産内での比率が高く、案件の長期化や原価回収遅延が生じる場合には追加的なキャッシュ滞留または評価損リスクにつながる。設備投資を控除したフリーキャッシュフローはマイナス2.54億円である。設備投資は0.43億円、減価償却費は0.56億円であり、設備投資/減価償却は0.76倍となった。投資CFはマイナス0.50億円で、そのうち無形固定資産取得は0.08億円である。財務CFはマイナス1.35億円で、現金配当支払い0.85億円および自社株買い0.45億円が主要な流出項目となった。現金及び現金同等物は期中に3.86億円減少した。現金預金残高は12.09億円と厚いものの、営業CF赤字が一過性ではなく継続する場合、資本還元と投資を自己資金で持続する余地は縮小する。

配当持続性

第2四半期配当は1株当たり0円であり、中間配当は実施していない。通期会社予想の年間配当は1株当たり18円、予想EPSは45.68円であるため、予想配当性向は配当金のみで39.4%となり、60%未満の持続可能性の目安に収まる。もっとも、Q2累計のフリーキャッシュフローはマイナス2.54億円であるため、当期の配当原資は営業キャッシュ創出ではなく、既存の現金預金および将来の下期キャッシュフローに依存する。期中の自社株買いは0.45億円で、Q2累計純利益0.43億円に対して104.0%に相当する。これは配当性向ではなく自社株買い単独の利益比率であり、配当を含めた総還元性向とは区別されるべきである。財務CFには現金配当支払い0.85億円も計上されているが、配当支払時期と当期利益の対応が一致しないため、Q2累計利益に対する総還元性向として単純比較は行わない。無配の中間配当と年間18円の会社予想を踏まえると、期末配当に収益還元が集中する設計とみられる。配当継続性は、手元現金12.09億円と低い有利子負債により短期的には支えられる。一方、営業CFの赤字、売掛金の増加、下期に必要な大幅な利益改善を考慮すると、持続性を判断するうえでは下期の営業CF黒字化が最重要となる。

リスク評価

ビジネスリスクとして、高優先度(発生可能性: 高、影響度: 高): 売上高が前年同期比3.7%減少する一方、粗利益率が620bp低下している。下期計画達成には27.0%の営業利益率が必要であり、案件採算・売上構成・原価吸収の改善が実現しない場合、通期利益計画への未達リスクが高い。、高優先度(発生可能性: 高、影響度: 高): 年換算DSO 101日、売掛金前年同期比108.1%増は、受注から検収・請求・回収までのリードタイム長期化または回収条件悪化のリスクを示す。研究受託・分析サービスに固有の案件進捗や検収遅延は、売上・キャッシュフローの期ずれを増幅し得る。、中優先度(発生可能性: 中、影響度: 中): 仕掛品比率51.9%は、個別プロジェクトの進行遅延、追加原価、将来の評価損または利益率低下につながる可能性がある。、中優先度(発生可能性: 中、影響度: 中): 情報・通信・バイオ分析関連サービスにおける技術陳腐化、競合の分析技術高度化、専門人材の採用・定着、および顧客データの管理・サイバーセキュリティは、継続受注と価格競争力に影響し得る。が挙げられます。

財務リスクとしては、高優先度(発生可能性: 高、影響度: 中): 営業CF/純利益はマイナス4.74倍、OCF/EBITDAはマイナス2.00倍、アクルーアル比率は11.5%であり、利益の現金化が著しく弱い。売掛金回収が遅延すれば、利益計上にもかかわらず現金減少が継続する。、中優先度(発生可能性: 中、影響度: 中): 短期負債比率100.0%はリファイナンスリスク警告に該当する。ただし、現金/短期借入金12.09倍、流動比率526.3%であり、現時点の資金繰り逼迫度は低い。、中優先度(発生可能性: 中、影響度: 中): 自社株買い0.45億円と現金配当支払い0.85億円が、営業CF赤字の局面で財務CF流出を拡大させた。資本還元が継続する場合、下期のキャッシュ回収状況によっては現金余力の低下が加速する。、低優先度(発生可能性: 低、影響度: 中): 繰延税金資産1.42億円は純資産の7.9%に相当し、将来収益力が低下した場合には回収可能性の見直しが損益・純資産へ影響する可能性がある。が挙げられます。

主な懸念事項としては、品質アラートで示された収益品質警告、アクルーアル比率警告、キャッシュ転換効率警告は、いずれも売掛金増加を中心とする運転資本流出と整合的であり、最優先の監視事項である。、品質アラートの売掛金回収遅延警告は、DSO 101日という水準からみて、営業CF改善の可否を左右する。、品質アラートの仕掛品過剰警告は、受託・分析案件の原価回収および収益認識の不確実性を示す。、品質アラートのリファイナンスリスク警告は短期借入金の満期集中に由来するが、豊富な現金により当面の流動性リスクは緩和されている。、特別利益0.18億円が税引前利益を補完しているため、利益成長の評価では営業利益・経常利益と営業CFを分けて確認する必要がある。が挙げられます。

投資示唆

重要ポイントとして、Q2累計の営業利益率7.0%は前年同期比820bp低下し、通期営業利益計画3.00億円に対する進捗率は15.3%にとどまる。、特別利益0.18億円を含む純利益0.43億円に対し、営業CFはマイナス2.04億円であり、利益の現金裏付けは弱い。、現金預金12.09億円、Debt/EBITDA0.98倍、流動比率526.3%により、短期的な財務耐性は高い。、売掛金3.65億円と年換算DSO101日の改善が、キャッシュフロー品質と下期の資金創出を判断する最重要の確認項目である。、自己株式取得は0.45億円であり、営業CF赤字局面における資本配分の継続性は下期の現金回収に左右される。が挙げられます。

注視すべき指標は、売上総利益率および営業利益率の回復度合い、売掛金残高、年換算DSO、営業CF/純利益比率、仕掛品残高・仕掛品比率および案件採算、通期営業利益3.00億円に対する四半期別進捗、現金預金残高、短期借入金、自社株買い・配当を含む資本還元額、繰延税金資産1.42億円の回収可能性です。

セクター内ポジションについては、収益性では、純利益率6.5%は良好レンジにあるものの、営業利益率7.0%と年換算ROE4.8%は一般的な優良基準を下回る。財務安全性は、低レバレッジと高い流動性により強い。一方、営業CF赤字、DSO101日、アクルーアル比率11.5%というキャッシュフロー品質はベンチマーク比で弱く、収益性の回復より先に売上債権の現金化が相対的な評価を左右する。