| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥1468.6億 | ¥1397.0億 | +5.1% |
| 営業利益 | ¥32.8億 | ¥23.4億 | +40.2% |
| 税引前利益 | ¥31.4億 | ¥21.8億 | +44.2% |
| 純利益 | ¥22.0億 | ¥11.4億 | +92.9% |
| ROE | 10.9% | 6.6% | - |
2026年3月期のウィルグループは、売上高1468.6億円(前年比+71.5億円、+5.1%)、営業利益32.8億円(同+9.4億円、+40.2%)、経常利益16.4億円(同+14.4億円、+705.6%)、親会社株主に帰属する純利益23.1億円(同+11.6億円、+100.3%)と増収増益を達成した。売上総利益は323.9億円(粗利率22.1%、前年比+1.0pt)と売上成長を上回る伸びで、国内Working事業の稼働改善と海外Working事業の収益性向上および為替効果が寄与した。営業利益率は2.2%(前年1.7%から+0.6pt改善)、純利益率は1.6%(前年0.8%から+0.7pt改善)と収益構造が改善し、全社費用抑制とセグメントミックスの改善が営業レバレッジを発揮した。
【売上高】売上高は1468.6億円(+5.1%)で、国内Working事業が882.6億円(+6.2%、売上構成比60.1%)、海外Working事業が585.0億円(+3.6%、同39.8%)で構成される。国内は販売・コールセンター・建設技術者等の案件稼働が堅調に推移し、高採算案件の比率上昇が粗利率改善に寄与した。海外はオーストラリアが365.3億円(前年373.1億円)と横ばいからやや減収だが、シンガポールが193.5億円(前年168.1億円、+15.1%)と高成長し、アジア地域での事業拡大と為替の円安効果が売上を押し上げた。その他事業は0.9億円(前年1.6億円、-41.4%)でDX支援事業等の縮小が続く。売上原価は1144.6億円(売上原価率77.9%、前年79.0%から-1.1pt改善)で、粗利率22.1%(前年21.0%)の改善は国内外の案件ミックス最適化と稼働管理強化が寄与した。
【損益】営業利益は32.8億円(+40.2%)で、売上総利益の増加(+30.1億円、+10.2%)が販管費の伸び(+22.4億円、+8.2%)を上回り、営業レバレッジが効いた。販管費率は20.1%(前年19.5%から+0.6pt上昇)と増収に伴う固定費吸収余地はあるものの、採用・人件費関連の投資増が要因。セグメント別では国内Workingが営業利益35.8億円(+10.1%、利益率4.1%)、海外Workingが24.3億円(+69.5%、利益率4.1%)で海外の利益率改善が顕著。その他は-3.1億円の営業損失(前年-4.9億円から損失縮小)。全社費用は24.2億円(前年21.2億円)と増加したが、セグメント利益の増勢がこれを相殺した。経常利益は16.4億円(+705.6%)で、営業利益の改善に加え、金融費用が1.9億円(前年2.4億円)へ減少し、持分法投資利益0.2億円が貢献した。純利益は22.0億円(+92.9%)で、法人税等が9.4億円(前年10.4億円)と減少、実効税率は29.8%(前年47.5%)へ低下し、非支配株主損失1.1億円の控除後の親会社株主帰属純利益は23.1億円(+100.3%)となった。結論として増収増益で、利益の質は営業段階から改善している。
国内Working事業は売上882.6億円(+6.2%)、営業利益35.8億円(+10.1%)で利益率4.1%。販売・コールセンター・建設技術者等の主力カテゴリーで稼働が堅調に推移し、案件単価改善が粗利率向上に寄与した。海外Working事業は売上585.0億円(+3.6%)、営業利益24.3億円(+69.5%)で利益率4.1%。オーストラリアは売上365.3億円でやや減収となったが、収益性改善が進み、シンガポールは売上193.5億円(+15.1%)と高成長を維持した。為替の円安進行(豪ドル・シンガポールドルともに対円で堅調)と現地オペレーションの効率化が利益率を押し上げた。前年の減損損失4.7億円の計上が今期はなく、海外セグメントの収益構造が正常化した。その他セグメントは売上0.9億円、営業損失3.1億円で、DX支援等の事業規模は小さく、赤字幅は前年から1.8億円縮小したが引き続き利益貢献には至っていない。全社費用控除後の連結営業利益は32.8億円で、全社費用は24.2億円と前年比+3.0億円増加したが、セグメント利益合計60.1億円(前年46.8億円)の増勢がこれを吸収した。
【収益性】営業利益率2.2%(前年1.7%から+0.6pt改善)、純利益率1.6%(前年0.8%から+0.7pt改善)で、粗利率22.1%(前年21.0%から+1.0pt改善)が収益性改善の基盤。ROEは12.3%(前年6.6%から+5.7pt上昇)で、純利益率改善と総資産回転率2.60倍(売上1468.6億円÷平均総資産565.2億円)の高効率が寄与。ROA(経常利益ベース)は5.9%(前年4.3%から+1.6pt改善)。EPS(基本)は101.01円(前年50.64円、+99.5%)で、希薄化後EPSは100.95円、BPSは883.37円(前年760.08円、+16.2%)と自己資本が厚みを増した。【キャッシュ品質】営業CFは49.6億円で純利益の2.25倍、運転資本増(売掛金増-12.6億円、買掛金増+12.5億円で相殺)はほぼ中立で、利益の現金化は良好。フリーCFは36.0億円で配当支払10.2億円を十分に賄う。【投資効率】設備投資5.7億円は減価償却費23.5億円の24.3%で投資は抑制的。総資産回転率2.60倍と高く、売掛金回転日数は約50.5日(売掛金203.1億円÷年間売上1468.6億円×365日)、買掛金回転日数は約64.1日と運転資本効率は高い。【財務健全性】自己資本比率35.8%(前年34.8%から+1.0pt改善)で健全水準。有利子負債は短期借入金33.6億円+長期借入金26.2億円=59.8億円で、Debt/EBITDA比率は1.06倍(EBITDA=営業利益32.8億円+減価償却費23.5億円=56.3億円)と低レバレッジ。流動比率は106.1%(流動資産299.4億円÷流動負債282.1億円)で流動性は確保されているが、現金同等物79.7億円は短期借入金と流動性負債の合計に対してやや薄い。
営業CFは49.6億円(前年18.1億円、+174.5%)で、税引前利益31.4億円からの増加は、減価償却費23.5億円の非資金費用計上と運転資本の効率的管理が寄与した。営業債権は-12.6億円増加したが、営業債務が+12.5億円増加し、運転資本変動はほぼ中立。法人税支払は5.9億円(前年18.0億円から大幅減少)で、前期の税金支払負担の反動が大きい。営業CF小計は56.8億円(前年37.2億円)と運転資本変動前段階で利益の現金化が強化された。投資CFは-13.5億円(前年-7.0億円)で、設備投資5.7億円、子会社株式取得8.2億円が主因。投資有価証券の売却収入2.5億円があったが、全体では投資支出が増加した。フリーCFは36.0億円(営業CF49.6億円-投資CF13.5億円)で潤沢。財務CFは-31.2億円(前年-12.3億円)で、短期借入金の純減-6.2億円、長期借入金の返済-29.5億円に対し新規借入24.6億円を実行し、リース負債返済13.4億円、配当支払10.2億円を賄った。為替換算影響+5.5億円を含め、現金及び現金同等物は10.4億円増加し、期末残高は79.7億円(期首69.4億円)となった。営業CFが純利益の2.25倍、フリーCFが配当の3.5倍を賄う状況で、キャッシュ創出力は堅調である。
営業利益32.8億円から経常利益16.4億円への減少は、主に金融費用1.9億円と営業外収支の調整によるもので、金融収益0.5億円・金融費用1.9億円(ネット-1.4億円)、持分法投資損益0.2億円、その他収益4.6億円・その他費用0.6億円(ネット+4.0億円)が影響した。その他収益4.6億円は売上高比3.1%で、前年7.3億円(同5.2%)から減少しており、経常的な範囲内。経常利益から純利益への変動は、法人税等9.4億円(実効税率29.8%)と非支配株主損失控除-1.1億円が主因で、特別損益の影響は限定的。営業CFは49.6億円で純利益22.0億円の2.25倍、アクルーアル比率は(純利益22.0-営業CF49.6)÷営業CF=-0.56で負の値となり、利益以上に現金が創出されている。包括利益は37.7億円(純利益22.0億円+その他包括利益15.6億円)で、その他包括利益の主因は在外営業活動体の換算差額+19.6億円(為替の円安進行による換算益)。その他の包括利益を通じて測定する金融資産の公正価値変動は-3.9億円で、純利益と包括利益の乖離は一時的な換算差額が主因であり、本業の収益性は営業利益段階で確認でき、質は高いと評価できる。
通期業績予想は売上高1570.0億円(前年比+6.9%)、営業利益34.0億円(同+3.7%)、純利益22.2億円(同+0.9%)を見込む。上期実績対比では売上高進捗率93.5%、営業利益進捗率96.5%、純利益進捗率99.1%と高進捗で、通期目標は堅実なラインとみられる。売上成長率+6.9%に対し営業利益成長率+3.7%は、増収効果と販管費増のバランスを慎重に織り込んだものと推察される。純利益はほぼ横ばいを想定しており、為替前提の正常化や税負担の平準化、全社費用の増加を見込んだ保守的なガイダンスといえる。配当予想は0円(非開示)で、期末配当44円を織り込んだ場合、配当性向は約44%で持続可能。稼働環境の堅調さとコスト管理の継続が達成の鍵となる。
期末配当は44円(期中配当0円)で、配当性向は43.6%(配当総額10.2億円÷親会社帰属純利益23.1億円)と適正レンジ。前年配当は0円(非開示のため実績判断困難)で、今期は配当を実施している。フリーCF36.0億円に対し配当支払10.2億円でカバレッジは3.5倍と余力十分。営業CFも49.6億円で配当負担は軽く、財務健全性指標(Debt/EBITDA1.06倍、自己資本比率35.8%)も良好なため、配当の持続性は高い。自社株買いの開示はなく、株主還元は配当のみ。配当性向43.6%は中期的に引き上げ余地があるが、成長投資(M&A・設備投資)とのバランスを考慮した現状の方針は持続的である。
短期負債依存と流動性管理リスク: 流動負債282.1億円に対し流動資産299.4億円で流動比率106.1%と限定的なバッファ、現金同等物79.7億円は短期借入金33.6億円とその他流動負債を合算すると相対的に薄い。短期借入金の満期到来時のリファイナンス条件や金融環境の変化が資金繰りに影響を及ぼす可能性。リース負債(流動14.5億円、非流動38.7億円)が固定費化し、景気後退時の支払負担を高める。
のれん比率の高さと減損リスク: のれん98.6億円は純資産201.7億円の48.9%、総資産の17.4%を占める。前年比+16.9億円(+20.7%)増加しており、M&Aと為替影響が寄与。のれん÷EBITDA比率は1.75倍で短期的な回収負担は許容範囲だが、買収事業の収益性が想定を下回る場合、将来の減損損失計上リスクがある。海外事業のオーストラリアで前年に減損損失4.7億円を計上しており、再発可能性を注視する必要。
販管費増加率と利益率圧迫リスク: 販管費は295.1億円(+8.2%)で売上成長率+5.1%を上回るペース。人件費・採用コスト・広告費等の固定費的要素が増加し、営業レバレッジの逆回転リスクを内包。国内の人材獲得競争激化や海外拠点の管理コスト増が続けば、営業利益率2.2%の水準維持が困難になる可能性。中期的には販管費率の抑制と案件ミックスの最適化が利益率改善の鍵。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 自己資本利益率 | 12.3% | 10.1% (2.2%–17.8%) | +2.2pt |
| 営業利益率 | 2.2% | 8.1% (3.6%–16.0%) | -5.9pt |
| 純利益率 | 1.5% | 5.8% (1.2%–11.6%) | -4.3pt |
収益性では、ROEは業種中央値を2.2pt上回り良好だが、営業利益率と純利益率は中央値を大きく下回り、人材派遣業の特性上、粗利率と固定費構造に改善余地がある。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 5.1% | 10.1% (1.7%–20.2%) | -5.0pt |
売上成長率は業種中央値を5.0pt下回り、IT・通信業界全体の成長ペースに比べ穏やか。中期的な成長加速には投資配分の最適化と海外事業の拡大が鍵となる。
※出所: 当社集計
収益構造の改善と営業レバレッジの発揮: 粗利率22.1%(前年比+1.0pt)、営業利益率2.2%(同+0.6pt)、純利益率1.6%(同+0.7pt)と段階的に改善し、国内外の案件ミックス最適化とコスト管理が奏効した。海外Working事業の営業利益は+69.5%と高成長で、為替追い風と収益性改善が継続すれば、連結利益率の底上げ余地がある。販管費増加率+8.2%が売上成長率+5.1%を上回る点は注視を要するが、全社費用抑制と稼働率向上により営業レバレッジを維持できるか、今後の四半期動向が鍵となる。
キャッシュ創出力と株主還元の持続性: 営業CFは49.6億円で純利益の2.25倍、フリーCFは36.0億円と配当支払10.2億円を3.5倍賄う水準。Debt/EBITDA1.06倍、自己資本比率35.8%と財務基盤は健全で、配当性向43.6%は適正レンジ内。投資抑制(CAPEX/減価償却24.3%)により短期的なFCFは潤沢だが、中長期の成長投資(M&A・システム・拠点拡大)への配分が薄い場合、将来の収益成長に影響を及ぼす可能性。通期ガイダンスが売上+6.9%、営業利益+3.7%と保守的な中、投資配分の正常化と利益率改善のバランスが再評価の焦点となる。
のれんと短期流動性のリスクモニタリング: のれん98.6億円(純資産比48.9%)は前年比+20.7%増加し、M&A積極化と為替影響が寄与。のれん÷EBITDA1.75倍で回収負担は許容範囲だが、買収事業の収益性悪化や為替逆転時の減損リスクは残る。また、流動比率106.1%と現金クッション79.7億円は流動負債282.1億円に対してタイトで、短期借入金33.6億円のリファイナンス管理と営業CFの安定性が重要。今後の四半期決算で、のれん残高推移、買収事業の寄与度、運転資本変動、リース負債の償還負担を継続的に確認すべき。
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。