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60872026 第1四半期スタンダードJGAAP

アビスト(6087) 2026年度第1四半期決算 増収・営業益8%増

2026年度第1四半期の売上高は28.1億円(前年同期比+8.0%)、営業利益は3.3億円(同+8.3%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

株式会社アビスト

情報通信・サービスその他/サービス業


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥28.1億¥26.0億+8.0%
営業利益¥3.3億¥3.1億+8.3%
経常利益¥3.4億¥3.1億+8.2%
純利益¥2.3億¥1.7億+31.1%
ROE(年換算)12.9%9.3%-

Executive Summary

2026年度第1四半期は増収増益となったが、営業利益率は前年同期比でほぼ横ばいであり、増益率の見た目ほど収益構造は改善していない点が最重要ポイントである。売上高は28.1億円(前年比+8.0%)、営業利益は3.3億円(同+8.3%)、経常利益は3.4億円(同+8.2%)、純利益は2.3億円(同+31.1%)となった。純利益の増加率が突出しているのは、前年同期に発生した特別損失0.4億円がなくなった反動によるもので、事業の基礎的な改善は営業利益の+8.3%を軸に評価すべきである。粗利益率は29.7%と前年同期の28.7%から改善したが、販管費率も同期間に上昇し、営業利益率11.9%は前年並みにとどまった。

業績変動要因

【売上高】売上高は28.1億円で前年同期比+8.0%増加した。通期会社予想112.0億円に対する進捗率は25.1%で、四半期の標準的な配分にほぼ整合する。セグメント別の内訳は開示されていないが、全社ベースの伸長は堅調な受注・案件進行を反映していると見られる。

【損益】売上原価は前年同期比+6.5%増と売上成長を下回り、粗利益率は29.7%(前年28.7%)に改善した。一方、販管費は+14.3%増と売上成長を上回るペースで拡大し、販管費率は17.8%(前年16.8%)に上昇した結果、営業利益率は11.9%と前年同期比でほぼ変わらなかった。経常利益は営業外損益がほぼ均衡しているため営業利益に概ね連動し、3.4億円(同+8.2%)となった。純利益は2.3億円(同+31.1%)だが、前年同期の特別損失0.4億円の不在という比較要因を含むため、増収増益ではあるものの、粗利改善効果が販管費増でほぼ相殺された点を踏まえた評価が必要である。

セグメント別分析

セグメント別の売上・利益内訳は開示されていないが、報告セグメントに配分していない全社費用(調整額)が△1.88億円あり、各セグメント利益の合算値から一定額が差し引かれて全社の営業利益に反映される構造となっている。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は11.9%、純利益率は8.0%で、粗利益率は29.7%(前年比+約1.0pt)に改善した一方、販管費率は17.8%(前年比+約1.0pt)に上昇し、両者が相殺し合う構図となっている。【キャッシュ品質】現金及び預金は39.1億円と総資産の42.5%を占め、売掛金16.8億円は売上高の伸び8.0%に対して増加率が約1.4%にとどまり、売上拡大に伴う回収サイトの悪化は見られない。ただし棚卸資産に占める仕掛品の構成比は極めて高く、案件進捗と検収時期の動向は継続的な確認が必要である。【投資効率】ROE(年換算)は12.9%で、低い財務レバレッジ(自己資本比率76.4%)のもとで達成されている点から、資本効率は負債依存によらない良好な水準にある。【財務健全性】自己資本比率76.4%、流動比率421.8%(流動資産58.0億円/流動負債13.8億円)であり、財務基盤は保守的かつ安定的である。

キャッシュフロー分析

キャッシュフロー計算書は開示されていないため、バランスシートの変動から資金動向を分析する。現金及び預金は39.1億円で、前年同期末の41.4億円からやや減少したものの、流動負債13.8億円の約2.8倍に相当し、短期的な資金繰り耐性は厚い。売掛金は16.8億円で前年同期の16.5億円からわずかに増加し、売上高の伸び8.0%に対して増加率は限定的であり、回収の質に大きな悪化は見られない。その他買掛金は8.9億円と前年同期比で約27.7%増加し、外注費や未払費用の増加が運転資本に一定の影響を与えている可能性がある。未払法人税等は前年同期から大きく減少しており、税金支払いの進展が短期負債の減少要因となっている。総じて、現金及び預金の高水準と低い有利子負債依存が、財務の安定性を支えている。

収益の質

当期の増益はおおむね本業の粗利改善と特別損失の不在という2つの要因で構成されており、両者を区別して評価する必要がある。営業外収益は0.1億円、営業外費用も0.1億円と両者は小規模で均衡しており、経常利益は営業利益とほぼ同水準の3.4億円で、営業外要因による損益への影響は限定的である。前年同期には特別損失0.4億円が発生していたが、当期にはこれに相当する項目が見られず、純利益率が8.0%と前年同期の6.6%から約1.4pt改善した一因となっている。したがって、純利益の+31.1%という高い伸び率は、営業面の改善(営業利益+8.3%)に前年の特別損失反動が加算された結果であり、収益の質という観点では営業利益ベースでの評価がより実態に近い。仕掛品構成比が棚卸資産の大半を占める点は、収益認識のタイミングに関するアクルーアル要素として留意すべきである。

業績予想・ガイダンス

通期会社予想に対する第1四半期の進捗率は、売上高25.1%(28.1億円/112.0億円)、営業利益39.3%(3.3億円/8.5億円)、経常利益39.4%(3.4億円/8.5億円)、純利益38.3%(2.3億円/5.9億円)である。売上高進捗は標準的な四半期配分に近いが、利益進捗はいずれも標準(25%)を大きく上回っている。これは第1四半期の営業利益率11.9%が通期計画の営業利益率7.6%を上回っているためであり、通期計画は売上高+5.4%増収に対し営業利益-11.8%、純利益-9.2%の減益を見込んでいる。この構図は、第2四半期以降に採算の低下、またはコスト増加が計画に織り込まれていることを示している。

株主還元

通期予想の1株当たり配当金は102.0円で、予想EPS148.27円に対する配当性向は約68.8%である。予想純利益5.9億円に対する予想配当総額は約4.1億円で、利益ベースの配当カバレッジは約1.45倍となる。第1四半期のEPSは57.04円で通期予想の38.5%に達しており、配当原資の形成としては好調な出だしである。現金及び預金39.1億円は予想年間配当総額の約9.6倍に相当し、配当支払いに対するバランスシート上の余力は大きい。ただし配当性向は60%台と相対的に高いため、会社が想定する通期の営業利益減益が実現する場合、利益変動に対する配当余力は保守的な配当性向の企業に比べて小さくなる点は留意点である。

リスク要因

  1. 仕掛品構成比の高さ: 棚卸資産のうち仕掛品が大部分を占め、進行案件の検収遅延や案件採算悪化、評価損計上の可能性を示す先行指標となる。仕掛品額は0.57億円と総資産比0.6%程度であり、現時点で流動性への直接的な影響は小さいが、収益認識と運転資本の質を継続的に確認する必要がある。

  2. 販管費の増加ペース: 販管費は前年同期比+14.3%増と売上高の増加率+8.0%を上回っており、粗利益率の改善(+約1.0pt)を相殺し、営業利益率の拡大を抑制している。人件費や営業活動費などの固定的コストの増加が続く場合、増収に伴う営業レバレッジの発現が制約される可能性がある。

  3. 通期減益計画と四半期進捗のギャップ: 通期計画は営業利益-11.8%、純利益-9.2%の減益を見込む一方、第1四半期の進捗率は営業利益39.3%、純利益38.3%と高い。会社計画通りに進行する場合、第2四半期以降の利益率は第1四半期(11.9%)から大きく低下する見通しであり、四半期ごとの業績変動が大きくなる可能性がある。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(it_telecom)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率11.9%12.1% (6.7%–26.0%)−0.2pt
純利益率8.0%9.9% (3.9%–17.0%)−1.8pt

業種中央値と比較して収益性はほぼ同水準からやや下回る位置にある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)8.0%11.9% (3.6%–25.6%)−3.9pt

売上高成長率は業種中央値を下回り、IQR下限に近い水準にある。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 第1四半期は増収増益を確保し、営業利益率11.9%、年換算ROE12.9%と、低い財務レバレッジ(自己資本比率76.4%)のもとで良好な資本効率を示している。

  2. 粗利益率は前年同期比で改善したが、それを上回るペースで販管費が増加したため、営業利益率自体は前年同期比でほぼ横ばいにとどまった。純利益の高い伸び率(+31.1%)は前年同期の特別損失反動を含むため、持続的な成長評価には営業利益ベースの分析が適する。

  3. 通期会社予想は営業利益・純利益ともに前年比減益を見込んでおり、第1四半期の高い利益進捗率(39%台)とのギャップが存在する。今後の四半期で採算がどの程度低下するかが、通期計画の達成状況を判断する上での注目点となる。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)1,647円
base(基準)1,695円
bull(強気)1,710円
算出前提
1株純資産(BPS)1,768円
調整後予想EPS163.1円
株主資本コスト r10.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 2.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向68.8%
予想EPSの信頼度調整×1.100(通期予想に対する進捗の先行に基づく)
implied PBR / PER0.96倍 / 10.4倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 1,651円〜1,741円、ω±0.1で 1,693円〜1,697円。

注記:

  • 通期予想に対する純利益の進捗(38%)が標準(25%)を上回るため、予想EPSを上限+10%の範囲で上方調整しています(進捗が先行する企業は予想を上回る傾向があるため。季節性の強い事業では調整が過大になる場合があります)。
  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。