- 売上高: 32.64億円
- 営業利益: 1.27億円
- 当期純利益: 81百万円
- 1口当たり当期純利益 (EPU): 13.51円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 32.64億円 | 31.53億円 | +3.5% |
| 売上原価 | 10.91億円 | - | - |
| 売上総利益 | 20.63億円 | - | - |
| 販管費 | 21.10億円 | - | - |
| 営業利益 | 1.27億円 | -34百万円 | +473.5% |
| 持分法投資損益 | -19百万円 | - | - |
| 税引前利益 | 1.31億円 | -51百万円 | +356.9% |
| 法人税等 | 32百万円 | - | - |
| 当期純利益 | 81百万円 | -83百万円 | +197.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 76百万円 | -64百万円 | +218.8% |
| 包括利益 | -3百万円 | -83百万円 | +96.4% |
| 減価償却費 | 1.91億円 | - | - |
| 1口当たり当期純利益 (EPU) | 13.51円 | -11.83円 | +214.2% |
| 1口当たり分配金 (DPU) | 0.00円 | 0.00円 | - |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 30.81億円 | 33.18億円 | -2.37億円 |
| 売掛金 | 4.53億円 | 4.34億円 | +19百万円 |
| 棚卸資産 | 48百万円 | 38百万円 | +10百万円 |
| 固定資産 | 32.44億円 | 34.28億円 | -1.83億円 |
| 有形固定資産 | 55百万円 | 68百万円 | -12百万円 |
|
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 4.26億円 | - | - |
| 投資活動によるキャッシュフロー | -1.22億円 | - | - |
| 財務活動によるキャッシュフロー | -1.87億円 | - | - |
| 現金及び現金同等物 | 18.31億円 | 26.05億円 | -7.74億円 |
| フリーキャッシュフロー | 3.03億円 | - | - |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 2.3% |
| 粗利益率 | 63.2% |
| 負債資本倍率 | 0.40倍 |
| EBITDAマージン | 9.7% |
| 実効税率 | 24.6% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済投資口数(自己投資口含む) | 5.72百万株 |
| 自己投資口数 | 131千株 |
| 期中平均投資口数 | 5.65百万株 |
| 1口当たり純資産 (NAV) | 810.56円 |
| EBITDA | 3.18億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期分配金 | 0.00円 |
| 期末分配金 | 0.00円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 45.00億円 |
| 営業利益予想 | 1.50億円 |
| 当期純利益予想 | 1.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 80百万円 |
| 1口当たり当期純利益予想 (EPU) | 13.99円 |
| 1口当たり分配金予想 (DPU) | 0.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2025年度Q3のMRT株式会社は、売上成長を確保しつつも利益率の低さとROICの弱さが際立つ、慎重評価が妥当な決算となりました。売上高は32.64億円で前年比+3.5%と増収を維持しました。粗利益は20.63億円、粗利率は63.2%と高水準を確保しています。販管費は21.10億円と粗利を上回りましたが、IFRSの「その他営業収益」の寄与(推計約+1.74億円)により営業利益は1.27億円、営業利益率は約3.9%まで黒字を確保しました。当期純利益は0.76億円で、純利益率は約2.3%です。包括利益は-0.03億円とマイナスで、OCI(その他包括利益)で約-0.79億円の評価損が発生した可能性が示唆されます。営業キャッシュフローは4.26億円と強く、営業CF/純利益は5.60倍と利益の質は高い水準です。フリーキャッシュフローは3.03億円で、設備投資0.35億円と自己株買い0.94億円を十分に賄える余力を示しています。総資産63.24億円、純資産45.29億円で自己資本比率は69.8%と財務基盤は堅固です。有利子負債は短期0.80億円・長期1.17億円と小さく、Debt/EBITDAは約0.62倍と低レバレッジです。一方、ROEは1.7%、ROICは2.0%に留まり、資本効率は明確に低位です。持分法投資利益は-0.19億円とマイナス寄与で、非中核の投資損益が当期利益を圧迫しました。販管費は粗利を上回る水準で、事業規模に対する固定費の重さがボトルネックです。前年の詳細な利益率(bp)比較は未記載のため困難ですが、現状の営業利益率約3.9%、EBITDAマージン約9.7%は、プラットフォーム/人材関連ビジネスとしては改善余地が大きい水準です。営業CFは強い一方で、包括利益のマイナスや持分法損失、その他営業収益依存が利益の質に影を落とします。今後は、販管費の伸び抑制と営業利益の自力成長、持分法の損失縮小、およびROIC引き上げ(>5%目標への回帰)が鍵となります。
ステップ1(ROE分解):ROE 1.7% = 純利益率2.3% × 総資産回転率0.516 × 財務レバレッジ1.40倍。ステップ2(変化の大きい要素):期間データが限定的なため時系列比較は制約があるが、当期のボトルネックは純利益率の低さで、ROEを最も抑制。ステップ3(ビジネス上の理由):販管費が粗利(20.63億円)を上回る21.10億円に達し、コアな営業力のみでは赤字圏となる構造を、その他営業収益(約+1.74億円)が補填して営業黒字化しているため、実力ベースの利益率が薄い。加えて、持分法投資利益-0.19億円とOCIのマイナスが最終利益を圧迫。ステップ4(持続性評価):販管費水準の高さは構造的で短期に大幅改善は難しい一方、その他営業収益は変動要素があり持続性不確実。したがって利益率改善の持続性は現時点で限定的。ステップ5(懸念トレンド):売上成長(+3.5%)に対し販管費は高止まり、営業レバレッジが効きにくい構造。ROIC 2.0%は警戒域(<5%)で資本効率の低さが継続リスク。
売上は+3.5%と緩やかな成長だが、粗利率は63.2%で価格/ミックスは健全。一方で、販管費が粗利を上回り、純粋な営業力での利益創出が脆弱。営業利益率約3.9%、EBITDAマージン約9.7%とマージンは限定的で、今後の成長は規模拡大と固定費吸収(営業レバレッジ)に依存。持分法投資利益が-0.19億円と成長の足を引っ張っており、非中核投資の見直しや構成変革が必要。包括利益のマイナスは評価性のボラティリティを示唆し、外部環境次第で成長の見かけを歪める可能性。見通しとしては、コア事業の取引量増加と単価維持が継続すれば売上は堅調だが、販管費コントロールと持分法の安定化が伴わない限り利益成長は鈍い公算。
自己資本比率69.8%、負債資本倍率0.40倍、Debt/EBITDA約0.62倍と、資本構成は保守的で耐性が高い。流動比率・当座比率は未記載で厳密評価不可だが、流動資産30.81億円に対し有利子負債は合計1.97億円と小さく、短期債務0.80億円は運転資金で十分吸収可能とみられる。D/E > 2.0や流動比率 < 1.0の明確な警告は該当せず。満期ミスマッチについては、短期借入金0.80億円に対し現金残高は未記載ながら、期末現金同等物18.31億円が示されており、流動性リスクは低位。のれん3.47億円・無形資産2.70億円の合計約6.17億円は純資産比で約13.6%とインパクトは中程度で、減損リスクは管理可能。オフバランス債務の情報は未記載で評価に限界あり。
営業CF4.26億円は純利益0.76億円の5.60倍で高品質。FCFは3.03億円と十分にプラスで、設備投資0.35億円を吸収した上で余剰を創出。運転資本の詳細内訳は不足するが、売掛金4.53億円・棚卸0.48億円と軽量な資産構成から、資金化サイクルは比較的良好と推察。財務CFは-1.87億円で、主に自己株買い0.94億円とその他資金返済によるもの。配当支払は未記載で、現金および同等物18.31億円とあわせ、短期的な資金余裕は十分。営業CF/純利益が高い一方で、OCIマイナスや持分法損失など非現金要素の変動性には留意が必要。運転資本操作の明確な兆候はデータ不足により判定不能。
配当情報は未記載で配当性向は算出不可。現状、FCF 3.03億円は設備投資と自己株買い(0.94億円)を賄い余力を残しており、潜在的な株主還元余地はある。利益水準(当期純利益0.76億円)は小さく、安定的な配当原資としては心許ないが、営業CFの厚みと潤沢な現金同等物18.31億円が補完。将来の配当持続可能性は、(1) 営業利益の自力拡大、(2) 持分法損益の安定化、(3) ROICの改善に依存。現行期についてはFCFベースでの還元余力は高いが、利益成長が伴わなければ高配当政策の持続性は限定的となる可能性。
ビジネスリスク:
- 販管費が粗利を上回る構造により、その他営業収益に依存した利益体質
- 持分法投資損益のマイナス(-0.19億円)による利益変動
- 包括利益のマイナス発生(評価損等)による資本変動のボラティリティ
- 人材/医療関連プラットフォーム市場での競争激化と単価圧力
- 規制・診療報酬改定等による需要変動(業界固有)
財務リスク:
- ROIC 2.0%と資本効率の低さ(<5% 警戒域)
- のれん・無形資産(約6.17億円)の減損リスク
- 営業外・OCIの評価変動が純資産に与える影響
- 金利上昇局面での財務費用増(現状レバレッジ低位だが相対的影響)
主な懸念事項:
- 利益率の薄さと営業レバレッジ不足
- その他営業収益の持続性に依存する収益構造
- 持分法投資損失の継続可能性
- 包括利益マイナスの再発可能性
重要ポイント:
- 売上は+3.5%で増収、粗利率63.2%と基礎収益力は維持
- 販管費高止まりをその他営業収益で補い営業利益率約3.9%を確保
- 営業CF/純利益5.6倍、FCF 3.03億円でキャッシュ創出は良好
- 自己資本比率69.8%、Debt/EBITDA約0.62倍で財務の安全性は高い
- ROIC 2.0%、ROE 1.7%と資本効率は低位で改善が必須
- 持分法投資利益-0.19億円とOCIマイナスが最終利益の重し
注視すべき指標:
- 営業利益率とEBITDAマージン(販管費対策の成果)
- 持分法投資損益の推移と投資ポートフォリオの見直し進捗
- ROIC(>5%への改善)と資本回転(総資産回転率)
- その他営業収益の内容・持続性と開示の充実
- OCIの変動(評価差額)の再発有無
- 営業CFと運転資本の動向(売掛回収・前受/未払の変化)
セクター内ポジション:
医療・人材関連のプラットフォーム/サービス企業群の中で、財務安全性とキャッシュ創出は良好だが、利益率・ROICが低位で、規模の経済や固定費吸収度合いで同業上位に見劣りするポジショニング。
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