- 売上高: 97.77億円
- 営業利益: 4.35億円
- 当期純利益: 3.00億円
- 1株当たり当期純利益: 21.57円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 97.77億円 | 100.64億円 | -2.9% |
| 売上原価 | 68.40億円 | 70.98億円 | -3.6% |
| 売上総利益 | 29.38億円 | 29.67億円 | -1.0% |
| 販管費 | 25.03億円 | 25.72億円 | -2.7% |
| 営業利益 | 4.35億円 | 3.94億円 | +10.4% |
| 営業外収益 | 59百万円 | 52百万円 | +13.8% |
| 営業外費用 | 80百万円 | 2.99億円 | -73.3% |
| 経常利益 | 4.14億円 | 1.47億円 | +181.6% |
| 税引前利益 | 4.07億円 | 1.47億円 | +176.8% |
| 法人税等 | 1.07億円 | 1.08億円 | -0.4% |
| 当期純利益 | 3.00億円 | 39百万円 | +659.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 2.99億円 | 39百万円 | +666.7% |
| 包括利益 | -8.53億円 | 19.70億円 | -143.3% |
| 減価償却費 | 8.39億円 | 8.95億円 | -6.3% |
| 支払利息 | 33百万円 | 44百万円 | -23.7% |
| 1株当たり当期純利益 | 21.57円 | 2.84円 | +659.5% |
| 1株当たり配当金 | 7.50円 | 7.50円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 195.70億円 | 202.33億円 | -6.63億円 |
| 現金預金 | 78.81億円 | 80.61億円 | -1.80億円 |
| 売掛金 | 29.61億円 | 30.78億円 | -1.16億円 |
| 棚卸資産 | 35.69億円 | 34.84億円 | +85百万円 |
| 固定資産 | 171.47億円 | 182.36億円 | -10.89億円 |
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 9.71億円 | 15.05億円 | -5.34億円 |
| 財務活動によるキャッシュフロー | -3.65億円 | 16.56億円 | -20.21億円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 3.1% |
| 粗利益率 | 30.0% |
| 流動比率 | 587.9% |
| 当座比率 | 480.7% |
| 負債資本倍率 | 0.25倍 |
| インタレストカバレッジ | 13.05倍 |
| EBITDAマージン | 13.0% |
| 実効税率 | 26.3% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | -2.9% |
| 営業利益前年同期比 | +10.3% |
| 経常利益前年同期比 | +181.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +659.6% |
| 包括利益前年同期比 | +39.0% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 14.31百万株 |
| 自己株式数 | 410千株 |
| 期中平均株式数 | 13.90百万株 |
| 1株当たり純資産 | 2,119.36円 |
| EBITDA | 12.74億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 7.50円 |
| 期末配当 | 17.50円 |
| セグメント | 売上高 | 営業利益 |
|---|
| CHINA | 4.34億円 | 16百万円 |
| EUROPE | 66万円 | 12百万円 |
| INDONESIA | 7.87億円 | 1.31億円 |
| JAPAN | 23.09億円 | 90百万円 |
| USA | 3万円 | 37百万円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 200.00億円 |
| 営業利益予想 | 10.00億円 |
| 経常利益予想 | 10.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 7.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 50.36円 |
| 1株当たり配当金予想 | 10.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2026年度Q2の兼房は、売上減少の中でコストコントロールが奏功し、営業利益が増益となる堅実な決算でした。売上高は97.77億円で前年同期比-2.9%と減収ながら、営業利益は4.35億円で+10.3%増、経常利益は4.14億円で+181.4%と大幅増益、当期純利益は2.99億円で+659.6%の急回復を示しました。営業利益率は4.45%(=4.35/97.77)と推計され、前年の約3.91%から約54bp改善しました。経常利益率は4.23%と推計され、前年約1.46%から約277bp改善、純利益率も約3.06%と前年約0.39%から約267bp改善しています。粗利益率は30.0%と良好で、販管費率は25.6%(=25.03/97.77)に抑制され、減収下でも営業レバレッジがプラスに働きました。営業外収入は0.59億円(うち受取利息0.35億円、受取配当金0.13億円)あるものの、営業外費用0.80億円が上回り、非営業収支は小幅マイナスでした。一方で包括利益は-8.53億円と大幅なマイナスで、その他包括損失(有価証券評価差額や為替換算調整など)の悪化が自己資本の押し下げ要因となっています。財務体質は強固で、流動比率587.9%、当座比率480.7%、負債資本倍率0.25倍、インタレストカバレッジ13.05倍と流動性・支払能力ともに高水準です。営業キャッシュフローは9.71億円と純利益2.99億円の約3.25倍に達し、利益のキャッシュ化は高品質です。減価償却費8.39億円の寄与が大きく、非現金費用の厚みがCFの下支えとなりました。設備投資は6.15億円で、営業CFから控除するとフリーCFは概算で約3.56億円とプラス圏を確保しています(会社開示のFCFは未記載)。一方、ROEは1.0%、ROICは1.3%と資本効率が低く、資産回転率0.266の低さが収益性を抑制しています。配当性向(計算値)は119.6%と高く、通期での利益回復やフリーCF創出の継続がなければ持続性に懸念が残ります。総じて、減収下でもコスト最適化で営業・経常・純利益が改善、キャッシュ創出は堅調ですが、包括損の拡大と資本効率の低さが評価の重しです。今後は需要回復局面での売上再成長、在庫・固定資産の効率化による資産回転改善、ROIC引き上げが鍵となります。非営業損益の変動とOCIの影響を注視しつつ、為替・金利・資材価格動向が業績に与えるインパクトを見極める必要があります。短期的には利益率改善のモメンタムは続く可能性がある一方、中期的にはROIC>5%への引き上げが投資効率の観点からの課題です。
DuPont分解:ROE(1.0%)= 純利益率(3.1%)× 総資産回転率(0.266)× 財務レバレッジ(1.25倍)。現状で最も制約となっているのは総資産回転率の低さ(0.266)で、低ROEの主因です。営業面では売上減少(-2.9%)下でも粗利率30.0%と販管費25.6%のコントロールにより営業利益率は約54bp改善し、純利益率の改善(約+267bp)につながりました。ビジネス上の背景としては、価格改定・製品ミックス改善や固定費の抑制が示唆されますが、非営業損益は小幅マイナスで、金利費用(支払利息0.33億円)やその他費用が利益をやや圧迫しています。これらの改善の持続性は、固定費の更なる削減余地と需要回復の有無に依存し、売上の再成長なくしては資産回転率の改善は限定的です。懸念すべきトレンドとして、資産サイドの厚み(有形・無形固定資産計171.47億円、在庫35.69億円、現金78.81億円)が売上規模に対して大きく、回転率を押し下げている点が挙げられます。また、営業外収入比率が19.8%と一定の比重を占めており、本業の稼ぐ力強化(営業利益率の継続的な改善)が引き続き課題です。
売上は97.77億円で前年比-2.9%と小幅減。需要軟化や通貨影響が示唆される一方、粗利率30.0%を維持し、販管費コントロールで営業利益は+10.3%増と増益を確保。営業利益率は4.45%へ約+54bp改善しており、コスト最適化と製品ミックスの改善が寄与した可能性が高い。経常・純利益は低い前年の反動もあり大幅増だが、非営業損益はマイナスで、持続的な成長には本業収益の積み上げが必要。包括利益-8.53億円はOCIの逆風を示し、外部環境(為替・株式市況)の影響が大きい。先行きは、工作機械・木工機械向け等のエンドマーケット回復、価格転嫁の継続、在庫適正化による運転資本効率改善がポイント。中期的には、固定資産の活用度向上(稼働率・ライン最適化)と高付加価値品シフトで売上総利益率の維持・改善を図りつつ、売上成長率>販管費成長率の関係を継続できるかが鍵となる。
流動比率587.9%、当座比率480.7%と流動性は極めて厚く、短期債務(流動負債33.29億円)は現金・預金78.81億円と売掛金29.61億円で十分に賄えるため、満期ミスマッチリスクは低い。総負債72.58億円に対し純資産294.59億円、負債資本倍率0.25倍と保守的な資本構成。長期借入金28.93億円を中心とする固定負債39.29億円はあるが、インタレストカバレッジ13.05倍と支払能力は高い。オフバランスの保証・リース等は開示からは把握できず、重大なオフバランス債務は確認できない(未記載)。自己資本比率は未記載だが、計数から推計すれば約80%前後と高い水準と見られる。包括損により純資産のボラティリティが高まる可能性には留意が必要。
営業CFは9.71億円で純利益2.99億円の3.25倍と高品質。減価償却費8.39億円の非現金費用が厚く、利益のキャッシュ化を強く下支え。運転資本の詳細変動は未開示だが、在庫・売掛金の規模感から、需要局面によっては運転資本がCFを吸収するリスクがある。設備投資は6.15億円で、営業CFから控除した概算FCFは約3.56億円のプラス。財務CFは-3.65億円で、借入返済・配当支払(未記載)等による資金流出が示唆される。営業CF/純利益が0.8を大きく上回っており、現時点で利益の質に大きな問題は見当たらない。もっとも、包括損による自己資本の毀損と、今後の運転資本の積み増しはFCFを毀損し得るため、在庫回転・売掛回収の管理が重要。
配当性向(計算値)は119.6%と高く、現状の利益水準からみると持続性に注意が必要。ただし四半期ベースの利益と通期配当のミスマッチを含む可能性があるため、通期業績と通期配当の開示確認が前提。概算FCFは約3.56億円のプラスで、配当金総額がこの水準を下回るならキャッシュベースでは耐性がある。一方でROIC1.3%と低収益であること、包括損が自己資本を押し下げていることから、中期的には配当は利益とFCFのレンジ内での運営が望まれる。配当方針の継続性は、H2での利益回復(営業利益率の維持・改善)と運転資本の健全な推移に依存。
ビジネスリスク:
- 需要循環リスク(工作機械・木工機械等の設備投資サイクルの影響)
- 原材料価格変動(特殊鋼・超硬等)のコスト転嫁遅延リスク
- 為替変動による採算・OCIへの影響
- 製品ミックス変化による粗利率変動
- 主要顧客・特定地域への需要依存
財務リスク:
- ROIC1.3%と資本効率の低さによる資本コスト乖離
- 包括損(-8.53億円)拡大による自己資本のボラティリティ
- 資産回転率0.266の低さに起因するROE抑制
- 金利上昇局面での金利費用増加リスク(長期借入金28.93億円)
- 運転資本の積み増しによるFCF圧迫
主な懸念事項:
- 売上の伸び悩み(-2.9%)と固定費負担の再拡大リスク
- 非営業損益のマイナス継続による経常利益の伸び鈍化
- 配当性向(計算値)119.6%の高さと持続性
- 在庫水準(35.69億円)の適正化遅れによるキャッシュ拘束
- OCIの悪化継続による純資産の目減り
重要ポイント:
- 減収下でも販管費抑制で営業利益率は約+54bp改善、利益は回復基調
- 営業CF/純利益3.25倍とキャッシュ創出は高品質
- 包括損-8.53億円とROIC1.3%が評価の重石、資本効率の改善が急務
- 流動性・レバレッジは極めて健全で財務耐性は高い
- 非営業損益は小幅マイナスで、本業の稼ぐ力強化が重要
注視すべき指標:
- 売上成長率と受注動向(バックログ)
- 粗利益率と価格転嫁進捗
- 販管費率(売上比)の推移
- 在庫回転日数・売掛回転日数(運転資本効率)
- ROICと総資産回転率の改善度合い
- 営業CFとFCF、設備投資の回収見込み
- OCI(為替・有価証券評価)の動向
- 金利費用と金利感応度
セクター内ポジション:
国内産業用刃物・工具メーカーの中では財務健全性で上位だが、成長性・資本効率は抑制的。需要回復局面での売上反発とアセット効率改善の実行度が同業他社比での優位性を左右する。
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