クイックビュー
| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥2343.8億 | ¥2546.3億 | −8.0% |
| 営業利益 | ¥74.4億 | ¥109.5億 | −32.1% |
| 経常利益 | ¥95.8億 | ¥123.4億 | −22.4% |
| 純利益 | ¥62.3億 | ¥90.2億 | −31.0% |
| ROE(年換算) | 3.6% | 5.7% | - |
Executive Summary
減収下で営業利益・純利益がともに大幅減益となり、収益性が低下した決算である。売上高は2343.8億円(前年比-8.0%)、営業利益は74.4億円(同-32.1%)、経常利益は95.8億円(同-22.4%)、純利益は62.3億円(同-31.0%)となった。全地域で減収となるなか、販管費率の上昇が営業レバレッジを悪化させ、減収率を上回る減益率につながった。
業績変動要因
【売上高】売上高は2343.8億円で前年比8.0%減となり、日本・北米・欧州・アジア・中国・南米の全地域が減収となった。地域別構成では北米が849.6億円と最大(構成比約36%)、日本507.1億円、中国411.3億円と続く。特定地域に限らず広範な減収であり、自動車生産・販売量や顧客別車種構成の影響が全社的に及んでいることを示している。
【損益】営業利益は74.4億円(同-32.1%)で、営業利益率は3.2%と前年の4.3%から低下した。売上原価率が上昇する一方、販管費は136.7億円と前年比4.6%増加し、売上減少下で固定費吸収力が低下した。地域別では日本が38.7億円で最大の利益貢献を維持したが前年比21.6%減益、中国は損失3.7億円と赤字が拡大した。営業外損益は21.4億円の黒字(受取利息・為替差益・補助金収入等)で経常利益95.8億円を下支えしたが、特別損失計上により税引前利益は92.2億円にとどまり、純利益62.3億円(同-31.0%)に至った。減収減益の決算である。
セグメント別分析
セグメント利益(億円)は日本38.7(前年比-21.6%)、北米19.3(同-6.6%)、欧州9.5(同-40.0%)、アジア8.6(同-43.3%)、南米6.0(同-37.8%)、中国-3.7(前年-2.5億円から赤字拡大)。日本が最大の利益貢献を維持し、北米は売上規模最大(849.6億円)ながら利益率2.3%と相対的に低い。欧州・アジア・南米は利益率3-5%台ながら減益率が大きく、中国の採算悪化が連結利益を圧迫する構造となっている。
主要財務指標
【収益性】営業利益率は3.2%で前年の4.3%から1.1pt低下、純利益率は2.7%で前年の3.5%から低下した。売上総利益率は9.0%と前年の9.4%から縮小し、コスト吸収力の低下がうかがえる。【キャッシュ品質】包括利益215.8億円は純利益62.3億円を大きく上回り、差額は主に為替換算調整額147.9億円によるもので、事業損益とは区分して評価する必要がある。【投資効率】自己資本比率は63.9%(当社別指標では59.5%)で前年から低下傾向にあり、資本集約的な設備投資(建設仮勘定365.4億円)に対し、低い営業マージンが投下資本収益性を圧迫している。ROEは年換算3.6%にとどまる。【財務健全性】現金及び預金466.5億円に対し短期借入金は299.9億円で前年比53.0%増加しており、短期負債への依存度上昇が観察される。流動資産1511.3億円は流動負債962.7億円を上回り、短期的な流動性は確保されている。
キャッシュフロー分析
キャッシュフロー計算書の個別項目は開示データに含まれないため、バランスシートの変動から資金動向を捉える。現金及び預金は466.5億円で前年の430.0億円から増加した一方、短期借入金は299.9億円と前年比103.9億円(53.0%)増加している。仕掛品は434.8億円と前年比87.6億円(25.2%)増加し、棚卸資産の86.4%を占めており、生産・在庫サイクルの長期化が運転資本を圧迫している可能性がある。建設仮勘定も365.4億円と前年比203.3億円(125.4%)増加しており、投資活動における資金需要が高まっていることが示唆される。純利益の減少と設備投資・在庫の増加が並行しており、資金繰り面での監視が有用な局面である。
収益の質
本業の採算を示す営業利益は74.4億円で前年比32.1%減となったのに対し、経常利益は95.8億円で同22.4%減にとどまり、両者の減益率の差は営業外損益の押し上げ効果によるものである。営業外収益31.3億円には受取利息7.0億円、為替差益6.8億円、補助金収入等が含まれ、これらは事業の反復的な収益力とは区分して捉える必要がある。特別損益は差引3.6億円の損失(固定資産除却損・災害損失等)であり、税引前利益を押し下げている。包括利益215.8億円と純利益62.3億円の乖離は為替換算調整額147.9億円が主因であり、海外資産の円換算増加によるものであるため、事業損益の質そのものを示すものではない点に留意が必要である。
業績予想・ガイダンス
通期会社予想(売上高3200.0億円、営業利益142.0億円、経常利益149.0億円)に対する進捗率は、売上高73.2%、営業利益52.4%、経常利益64.3%となっている。標準的な第3四半期進捗率75%と比較すると、売上高は1.8pt下回る程度だが、営業利益は22.6pt下回っており、予想達成には第4四半期に営業利益67.6億円、営業利益率約7.9%(累計実績3.2%を大きく上回る水準)が必要となる。通期予想の達成には後半での収益性の大幅な改善が前提となっている。
株主還元
第2四半期配当は1株45.00円であり、通期予想配当は90.00円である。通期予想配当と通期純利益予想100.0億円、期中平均株式数4280.7万株を用いた予想配当性向は約38.5%で、一般的な目安である60%を下回る水準にある。累計純利益は前年比29.5%減であり、利益回復のペースが配当方針の持続性を左右する要素となる。本開示は配当のみを対象とし、自社株買いに関するデータは含まれない。
リスク要因
-
中国事業の採算悪化: 中国は売上高411.3億円(前年比-7.3%)に対しセグメント損失3.7億円となり、前年の損失2.5億円から赤字が拡大している。価格競争や固定費吸収力の改善が課題となる。
-
短期借入金の増加と短期負債構成: 短期借入金は299.9億円と前年比53.0%増加した。流動資産が流動負債を上回り当面の流動性は確保されているが、借換え需要の高まりは金利環境の変化に対する感応度を高める。
-
仕掛品の高水準: 仕掛品は434.8億円で棚卸資産の86.4%を占め、前年比25.2%増加している。生産工程の長期化や在庫評価への影響を継続して確認する必要がある。
業種ベンチマーク(参考・当社調べ)
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 3.2% | 8.6% (4.3%–12.7%) | −5.4pt |
| 純利益率 | 2.7% | 6.4% (2.8%–10.3%) | −3.8pt |
自社の営業利益率・純利益率は業種中央値を下回り、収益性は業種内で低位に位置する。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | −8.0% | 3.3% (-2.1%–8.9%) | −11.3pt |
自社の売上高成長率は業種中央値を大きく下回り、減収基調は業種内でも際立つ水準にある。
※出所: 当社調べ
決算上の注目ポイント
-
全地域が減収となるなか、日本が最大の利益貢献セグメント(38.7億円)を維持しているが前年比21.6%減益であり、地域を問わず稼働率・コスト吸収力の低下が広がっている。
-
営業利益率3.2%(前年4.3%)に対し経常利益率は4.1%であり、両者の差は為替差益・補助金収入等の営業外要因による。本業の収益力改善と一時的な押し上げ効果を区別して捉えることが決算の質を理解するうえで重要である。
-
通期営業利益予想への進捗率は52.4%と売上高進捗率(73.2%)を大きく下回っており、第4四半期の収益性動向が通期実績を左右する構造となっている。
理論株価(参考値)
| シナリオ | 理論株価 |
|---|---|
| bear(弱気) | 4,576円 |
| base(基準) | 4,647円 |
| bull(強気) | 4,698円 |
| 算出前提 | 値 |
|---|---|
| 1株純資産(BPS) | 5,364円 |
| 調整後予想EPS | 260.8円 |
| 株主資本コスト r | 9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%) |
| 残余利益の持続係数 ω / 明示予測 | 0.62 / 5年 |
| 想定配当性向 | 38.5% |
| 予想EPSの信頼度調整 | ×1.117(同業種のガイダンス達成率実績に基づく) |
| implied PBR / PER | 0.87倍 / 17.8倍 |
感応度: 株主資本コスト±1%で 4,520円〜4,780円、ω±0.1で 4,624円〜4,662円。
注記:
- 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
- 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
- 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。
(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。