- 売上高: 63.21億円
- 営業利益: 3.30億円
- 当期純利益: 3.08億円
- 1株当たり当期純利益: 374.80円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 63.21億円 | 63.52億円 | -0.5% |
| 売上原価 | 45.94億円 | 46.55億円 | -1.3% |
| 売上総利益 | 17.26億円 | 16.97億円 | +1.7% |
| 販管費 | 13.96億円 | 12.98億円 | +7.6% |
| 営業利益 | 3.30億円 | 3.99億円 | -17.3% |
| 営業外収益 | 1.67億円 | 1.06億円 | +57.5% |
| 営業外費用 | 30百万円 | 56百万円 | -46.4% |
| 経常利益 | 4.68億円 | 4.49億円 | +4.2% |
| 税引前利益 | 4.68億円 | 4.49億円 | +4.2% |
| 法人税等 | 1.59億円 | 1.76億円 | -9.7% |
| 当期純利益 | 3.08億円 | 2.72億円 | +13.2% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 3.08億円 | 2.72億円 | +13.2% |
| 包括利益 | 11.71億円 | -2.92億円 | +501.0% |
| 減価償却費 | 1.65億円 | 1.36億円 | +21.3% |
| 支払利息 | 24百万円 | 18百万円 | +33.3% |
| 1株当たり当期純利益 | 374.80円 | 330.44円 | +13.4% |
| 1株当たり配当金 | 0.00円 | 0.00円 | - |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 94.05億円 | 99.95億円 | -5.90億円 |
| 現金預金 | 32.63億円 | 33.83億円 | -1.20億円 |
| 売掛金 | 17.03億円 | 27.62億円 | -10.59億円 |
| 棚卸資産 | 6.83億円 | 2.98億円 | +3.85億円 |
| 固定資産 | 106.55億円 | 94.26億円 | +12.29億円 |
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 4.75億円 | 5.17億円 | -42百万円 |
| 財務活動によるキャッシュフロー | -1.67億円 | -1.88億円 | +21百万円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 4.9% |
| 粗利益率 | 27.3% |
| 流動比率 | 139.1% |
| 当座比率 | 129.0% |
| 負債資本倍率 | 0.93倍 |
| インタレストカバレッジ | 13.75倍 |
| EBITDAマージン | 7.8% |
| 実効税率 | 34.0% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | -0.5% |
| 営業利益前年同期比 | -17.2% |
| 経常利益前年同期比 | +4.2% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +13.4% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 897千株 |
| 自己株式数 | 73千株 |
| 期中平均株式数 | 824千株 |
| 1株当たり純資産 | 12,605.99円 |
| EBITDA | 4.95億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 0.00円 |
| 期末配当 | 120.00円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 152.00億円 |
| 営業利益予想 | 9.80億円 |
| 経常利益予想 | 11.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 7.50億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 910.33円 |
| 1株当たり配当金予想 | 100.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2026年度Q2(連結)の昭和鉄工は、売上微減の中で営業減益・経常増益・最終増益というミックスで、非営業収益に救われた決算です。売上高は63.21億円(前年比-0.5%)と横ばい圏、売上総利益は17.26億円で粗利益率は27.3%でした。販管費は13.96億円で、営業利益は3.30億円(-17.2%)と減益、営業利益率は5.2%です。一方、営業外収益1.67億円と営業外費用0.30億円の差し引き+1.37億円が寄与し、経常利益は4.68億円(+4.2%)まで持ち直しました。当期純利益は3.08億円(+13.4%)で、純利益率は4.9%に上昇しています。営業外収入比率は54.2%と高く、非営業要因の寄与が大きい構図です。営業利益率は前年同期間の約6.3%から5.2%へ約106bp縮小した一方、純利益率は約4.3%から4.9%へ約59bp改善しました。営業CFは4.75億円で純利益3.08億円の1.54倍と、利益の現金化は良好です。総資産は200.61億円、純資産は103.83億円、負債は96.77億円で、負債資本倍率0.93倍とレバレッジは中庸です。流動比率139.1%、当座比率129.0%と短期流動性は概ね許容範囲にありますが、短期借入金32.25億円と流動負債67.60億円のボリュームは留意点です。ROEは3.0%、ROICは2.1%と資本効率は低く、資本コストを下回っている可能性が高い点は構造的課題です。包括利益は11.71億円と純利益を大きく上回っており、投資有価証券等の評価差額が押し上げ要因と推察され、再現性には注意が必要です。インタレストカバレッジは13.75倍と利払い余力は十分です。EBITDAは4.95億円、EBITDAマージン7.8%、Debt/EBITDAは6.57倍で、キャッシュ創出に対する有利子負債負担はやや重めです。配当は未開示ながら計算上の配当性向は34.9%と保守的レンジです。先行きは、原価・販管費の抑制による営業利益率の回復と、非営業頼みからの脱却が鍵で、ROICの引き上げ(価格転嫁、ミックス改善、稼働率向上、低収益資産の整理)が最重点課題となります。
デュポン分解: ROE 3.0% = 純利益率4.9% × 総資産回転率0.315 × 財務レバレッジ1.93倍。最も目立つボトルネックは総資産回転率の低さ(0.315)で、資産効率がROEを強く抑制しています。次に純利益率は、営業段階の圧縮(営業利益率5.2%、前年比約-106bp)を非営業益で補って+59bp改善した構図で、質的にはやや弱い改善です。営業減益(売上-0.5%に対し営業利益-17.2%)は、固定費負担や販売費の粘着性、あるいは製品ミックス悪化・原価上昇(材料費や外注費)などの影響が示唆されます。非営業収益(純額+1.37億円、営業外収入比率54.2%)の寄与は一時的要素が混在しやすく、持続性には不確実性があります。持続性評価として、資産回転率の改善は在庫・債権回転の是正や低採算資産の圧縮に依存し中期的課題、純利益率の改善は価格改定やコストダウン実行度合い次第で段階的に可能、非営業寄与は不安定と判断します。警戒すべきトレンドは、売上成長率(-0.5%)に対し営業減益率(-17.2%)が大幅で、営業レバレッジが負に働いている点です。
売上は63.21億円(-0.5%)で停滞、量と価格の内訳は不明ながら、市況・需要の鈍化または案件構成の変化が示唆されます。営業利益は3.30億円(-17.2%)と悪化、粗利率27.3%に対し販管費率が約22.1%(13.96/63.21)と高止まりし、営業レバレッジの負の影響が顕在化しました。経常利益4.68億円(+4.2%)は非営業益の上振れで確保され、最終利益3.08億円(+13.4%)へ繋がりましたが、コア収益の伸長が伴っていません。包括利益11.71億円は有価証券評価差額等の影響が大きく、持続的成長の指標としては限定的です。短期見通しは、案件採算の改善・価格転嫁、製品ミックス是正、原価低減が進むかが焦点です。中期的には、資産回転率の改善(在庫適正化、不要資産売却)とROIC引き上げが不可欠です。営業外収入依存の縮小と、営業利益率の6%台回復がサステナブル成長へのマイルストーンと考えます。
流動比率139.1%、当座比率129.0%で短期流動性は概ね良好(>100%)だが、目安150%には届かず、予備的流動性の厚みは限定的です。短期借入金32.25億円を含む流動負債67.60億円に対し、現金32.63億円と運転資本26.45億円で賄えており、満期ミスマッチは許容範囲ですが、借換依存度には留意が必要です。負債資本倍率0.93倍、長期借入金0.25億円と長短の偏りは短期側に集中しています。インタレストカバレッジ13.75倍と利払い余力は強固です。総資産200.61億円、純資産103.83億円で自己資本比率は算出不可ながら、概算で約51.7%と見られ、資本の厚みは十分です。オフバランス負債の情報はなく、確認不能です。Debt/EBITDA 6.57倍はやや重めで、キャッシュ創出力の着実な改善が望まれます。流動比率<1.0やD/E>2.0の警告水準には該当しません。
営業CF4.75億円は純利益3.08億円の1.54倍で、利益の現金化は良好(>1.0倍)です。投資CF・設備投資は未記載でFCFは算出不可のため、キャッシュ創出と成長投資・株主還元のバランス評価に制約があります。運転資本の詳細(棚卸・債権・債務の増減)は未記載で、期中の運転資本操作の有無は判別できません。財務CFは-1.67億円で、純返済または配当支払いを示唆しますが、内訳未記載です。短期借入依存が高い一方、現金残高32.63億円でクッションは確保され、季節性を伴う資金需要には対応可能と見ます。将来の品質維持には、営業CFの安定化(コア利益寄与の拡大、在庫回転の改善)が鍵です。
配当は未記載ながら、計算ベース配当性向34.9%は一般的な持続可能レンジ(<60%)に収まります。FCFが未算出のため、配当のキャッシュカバレッジは不明です。財務CFがマイナスであることから、一定の株主還元または返済が実施された可能性はあります。今後は、営業CFの安定性と投資CF(更新・成長投資)の水準を踏まえ、純有利子負債/EBITDAや流動性指標に過度な悪化がない範囲での配当継続が妥当と判断します。非営業益や評価益に依存しないコア利益の配当原資化が持続性の前提です。
ビジネスリスク:
- 営業利益率の低下(約-106bp)にみられる採算悪化リスク(原価上昇、ミックス悪化、固定費粘着)
- 売上成長の停滞(-0.5%)による営業レバレッジの逆風継続
- 非営業収益依存(営業外収入比率54.2%)の高まりによる利益の不安定化
- 包括利益の大幅増(11.71億円)に伴う評価益の反転リスク
- 業界固有:素材・機器系の原材料価格変動、エネルギー効率規制や補助金動向の変化による需要変動
財務リスク:
- 短期借入金の比重が高い資金調達構造(32.25億円)によるリファイナンス・金利上昇リスク
- ROIC 2.1%と資本コスト下回りによる価値毀損リスク
- Debt/EBITDA 6.57倍と、キャッシュ創出に対するレバレッジの重さ
- 流動比率139%と十分ではあるが、景気後退局面でのクッションに限界
主な懸念事項:
- コア営業の弱さを非営業益で補っている利益構造の持続性
- 資産回転率0.315の低さに起因する資本効率の停滞
- 評価益に左右されやすい包括利益のボラティリティ
- 投資CF未記載によるFCF持続性評価の不確実性
重要ポイント:
- 売上は横ばい、営業減益だが非営業益で経常・最終は増益というミックス
- 営業利益率は約5.2%へ低下、純利益率は4.9%へ改善(非営業寄与)
- 営業CF/純利益1.54倍でキャッシュ・クオリティは良好
- ROE 3.0%、ROIC 2.1%と資本効率は低位で構造的課題
- 短期借入金依存はあるが流動性は確保、インタレストカバレッジは強固
注視すべき指標:
- 営業利益率と販管費率の推移(価格転嫁・固定費吸収の進捗)
- 総資産回転率(在庫・売掛回転日数)
- 非営業収益の内訳・持続性(受取配当・評価益・為替等)
- ROIC(NOPATと投下資本)の改善度合い
- Net Debt/EBITDAおよびDebt/EBITDAの低下トレンド
- 受注残・案件ミックス(高採算領域の比率)
セクター内ポジション:
同業中小型の装置・機器メーカー群と比べ、流動性・資本の厚みは中位、キャッシュ創出力に対するレバレッジはやや重く、資本効率は劣後。非営業寄与への依存度が相対的に高い点が質的なディスアドバンテージ。
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