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59332026 通期プライムJGAAP

アルインコ(5933) 2026年度通期決算 増収・営業益1%増

2026年度通期の売上高は626.3億円(前年同期比+1.7%)、営業利益は22.1億円(同+0.8%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

建設・資材/金属製品


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥626.3億¥616.0億+1.7%
営業利益¥22.1億¥22.0億+0.8%
経常利益¥27.8億¥26.8億+3.7%
純利益¥17.5億¥19.5億−10.3%
ROE5.2%6.1%-

Executive Summary

2026年3月期は増収を維持したものの、主力2事業の減益と特別利益の縮小により純利益は減益となった。売上高は626.3億円(前年比+1.7%)、営業利益は22.1億円(同+0.8%)、経常利益は27.8億円(同+3.7%、為替差益4.4億円が寄与)、純利益は17.5億円(同-10.3%)となった。粗利率は26.2%へ改善したものの、販管費の伸び(+3.2%)が上回り営業利益率は3.5%にとどまった。純利益減益の主因は前年計上の特別利益4.1億円が当期1.1億円へ縮小したことによる。

業績変動要因

【売上高】売上高626.3億円は前年比+1.7%。セグメント別では電子機器関連事業が+11.0%と最大の伸びを示したが売上構成比は9.0%と小さい。主力の建設機材関連事業(構成比39.4%)は+0.4%とほぼ横ばい、レンタル関連事業(同28.6%)は-0.7%と減収、住宅機器関連事業(同23.1%)は+3.5%であった。全社的に大きな数量成長は見られない。

【損益】営業利益22.1億円(+0.8%)、経常利益27.8億円(+3.7%)に対し、純利益は17.5億円(-10.3%)と乖離が拡大した。乖離の主因は特別利益の減少(前年4.1億円→当期1.1億円)である。セグメント利益(経常利益ベース)では建設機材(-10.9%)、レンタル(-9.8%)と主力2事業がそろって減益、住宅機器・電子機器は増収も赤字が継続・拡大している。全体としては増収減益と結論づけられる。

セグメント別分析

建設機材関連事業は売上高246.7億円(+0.4%)、セグメント利益19.7億円(-10.9%)で最大の利益源だが減益。レンタル関連事業は売上高178.8億円(-0.7%)、利益12.7億円(-9.8%)とこちらも減益。両事業合計で全社セグメント利益の大半を占めるため、その減益が全社利益の伸び悩みに直結している。住宅機器関連事業は売上高144.6億円(+3.5%)ながら損失3.6億円(前年比損失縮小、利益YoY+30.6%)、電子機器関連事業は売上高56.2億円(+11.0%)と大きく伸びたが損失は4.4億円へ拡大した(利益YoY表記は損失縮小方向の+17.4%)。赤字2事業の合計損失は8.0億円で、主力2事業の減益と合わせ、増収の利益転換力の弱さが構造的な課題となっている。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は3.5%で前年3.6%からほぼ横ばい、純利益率は2.8%で前年3.2%から低下した。ROEは5.2%で前年6.3%を下回る。【キャッシュ品質】営業CFは純利益の1.91倍にあたる33.5億円を確保し、利益の現金化自体は良好だが、前年54.2億円からは減少している。【投資効率】設備投資37.0億円は減価償却費24.6億円の1.5倍で更新超の投資を継続しており、ROIC水準は低位にとどまる。【財務健全性】自己資本比率は45.8%(前年45.1%)で改善傾向にあり、流動資産429.7億円に対し流動負債221.9億円と流動性は確保されている一方、有利子負債は190.6億円と借入依存度は相応にある。

キャッシュフロー分析

営業CFは33.5億円で前年比-38.2%と大きく減少した。純利益17.5億円に対する倍率は1.91倍で利益の現金化自体は良好だが、法人税等の支払が12.3億円(前年6.3億円)に増加したことや、棚卸資産増加1.3億円、仕入債務減少3.4億円が資金流出要因となり、前年からの減少につながった。投資CFは-36.3億円で、そのほとんどが設備投資37.0億円によるものであり、減価償却費24.6億円を上回る投資を継続している。この結果フリーCFは-2.8億円となり、財務CF+4.8億円(長期借入9.4億円と返済8.7億円等の差引)で資金を補っている状況が読み取れる。設備投資が先行する局面にあり、内部資金だけで投資と配当を賄うには至っていない。

収益の質

経常利益27.8億円は営業利益22.1億円を上回るが、その差は営業外収支5.6億円(収益9.0億円、費用3.4億円)によるもので、うち為替差益4.4億円が主要な押し上げ要因となっている。この為替差益は営業利益の約19.9%に相当し、本業の稼ぐ力とは区別して評価する必要がある一時的性格を帯びる要素である。特別損益は差引0.7億円の利益(投資有価証券売却益0.4億円等)にとどまり、前年の特別利益4.1億円から大幅に縮小した結果、経常利益の増益にもかかわらず純利益は減益となった。営業CFが純利益を上回り、アクルーアル(会計発生高)が小さいことから、計上された利益自体の現金的な裏付けは確保されているが、経常段階以下の利益は為替や特別項目の影響を受けやすく、営業利益ベースでの実力評価が重要となる。

業績予想・ガイダンス

通期会社予想は売上高652.0億円(前年比+4.1%)、営業利益30.0億円(同+35.6%)、経常利益32.0億円(同+15.2%)、EPS107.64円である。当期実績の営業利益率3.5%から予想達成には約4.6%への改善が必要であり、主力の建設機材・レンタル両事業の採算回復と、住宅機器・電子機器の赤字縮小が進捗の焦点となる。予想EPS107.64円は当期実績87.91円を上回る水準であり、増益計画の実現度が今後の注目点となる。

株主還元

年間配当は44.0円で、配当性向は親会社株主に帰属する当期純利益17.5億円に対し50.1%である。前年の配当性向43.5%から上昇しており、純利益減益の中で配当水準を維持したことが要因である。営業CFは配当支払額8.8億円の3.8倍を確保しているが、フリーCFは-2.8億円であり、設備投資を継続する現局面では配当をフリーCFのみで賄えていない。翌期は45.0円への1円増配を計画しており、予想EPS107.64円に基づく配当性向は約41.8%に低下する見込みで、増益計画の実現が増配の持続性を左右する。

リスク要因

  1. 主力事業の減益: 建設機材関連事業(利益YoY-10.9%)とレンタル関連事業(同-9.8%)という利益の柱がそろって減益しており、全社利益の伸び悩みの主因となっている。翌期の営業利益+35.6%計画にはこの2事業の採算回復が不可欠である。

  2. 赤字セグメントの継続: 住宅機器関連事業(損失3.6億円)と電子機器関連事業(損失4.4億円)の合計損失は8.0億円で、電子機器は売上+11.0%の増収にもかかわらず損失が拡大している。増収の利益転換力の弱さを示す。

  3. 財務レバレッジと投資効率: 有利子負債190.6億円を抱える中、設備投資37.0億円は減価償却費の1.5倍でフリーCFは-2.8億円のマイナスとなっている。収益改善が遅れる場合、資本配分の柔軟性が制約される可能性がある。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率3.5%7.6% (4.8%–12.0%)−4.1pt
純利益率2.8%5.9% (2.9%–9.2%)−3.1pt

収益性は業種中央値を大きく下回り、営業利益率・純利益率とも業種内で低位に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)1.7%3.4% (-0.8%–8.8%)−1.7pt

売上高成長率も業種中央値をやや下回り、業種内では成長性・収益性ともに平均以下の位置づけとなる。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 売上高は前年比+1.7%と底堅く推移したが、営業利益率3.5%は業種中央値を下回る水準にとどまり、増収を利益成長へ転換する力は限定的である。

  2. 経常利益の増益(+3.7%)に対し純利益は減益(-10.3%)となっており、この乖離は前年の特別利益縮小と為替差益4.4億円という一時的要因に起因する。本業の実力評価には営業利益段階の推移確認が有効である。

  3. 建設機材・レンタルという主力2事業の減益と、住宅機器・電子機器の赤字継続という収益構造の二極化が、翌期の営業利益+35.6%計画達成における最大の変動要因となる。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)1,534円
base(基準)1,568円
bull(強気)1,592円
算出前提
1株純資産(BPS)1,680円
調整後予想EPS123.5円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向41.8%
予想EPSの信頼度調整×1.117(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER0.93倍 / 12.7倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 1,525円〜1,613円、ω±0.1で 1,564円〜1,570円。

注記:

  • のれん償却 3.3円/株 を利益に足し戻しています(非資金費用・IFRS企業との比較可能性のため)。
  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。