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59182026 第3四半期スタンダードJGAAP

瀧上工業(5918) 2026年度第3四半期決算 減収・営業益黒字転換

2026年度第3四半期の売上高は169.2億円(前年同期比-3.9%)、営業利益は4.8億円(黒字転換)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

瀧上工業株式会社

建設・資材/金属製品


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥169.2億¥176.2億−3.9%
営業利益¥4.8億−¥2.9億+267.4%
経常利益¥13.2億¥3.7億+257.3%
純利益¥9.1億¥2.1億+332.2%
ROE(年換算)2.6%0.7%-

Executive Summary

当四半期は完成工事採算の改善により営業損益が黒字転換したことが最大のポイントで、増益の実質は工事粗利率の回復にある。売上高は169.2億円(前年同期比-3.9%)、営業利益は4.8億円(前年同期は2.9億円の損失)となり、経常利益は13.2億円(同+257.3%)、純利益は9.1億円(同+332.2%)と大幅増益となった。完成工事総利益率が前年同期比で改善し販管費も抑制されたことで営業黒字化した一方、経常利益は受取配当金7.9億円への依存度が高く、本業以外の要因が最終利益を押し上げている点に留意が必要である。

業績変動要因

【売上高】売上高は169.2億円で前年同期比3.9%減。主力の鋼構造物製造事業が148.8億円(同2.3%減)と連結売上の大半を占め、材料販売事業は15.7億円(同22.8%減)、工作機械製造事業は0.6億円(同70.3%減)と落ち込んだ。一方、不動産賃貸事業は7.9億円(同12.8%増)、運送事業は3.6億円(同26.7%増)と増収した。

【損益】営業利益は4.8億円と前年同期の2.9億円の損失から黒字転換した。主因は鋼構造物製造事業のセグメント損益が前年同期の4.1億円の損失から3.5億円の利益へ改善したことで、工事採算の回復が連結損益を牽引した。経常利益13.2億円のうち、営業外収益8.97億円の大部分(7.9億円)は受取配当金であり、経常利益の約6割を占める。特別損益は利益0.3億円の純プラスと軽微で、一時的要因の影響は限定的である。総じて減収増益であり、増益の中身は本業の採算改善と投資収益の両輪による。

セグメント別分析

セグメント別では、鋼構造物製造事業が売上高148.8億円(構成比88.0%)、営業利益3.5億円(利益率2.3%)で連結売上の主力を占めつつ、前年同期の赤字から黒字転換した。不動産賃貸事業は売上高7.9億円ながら営業利益4.1億円、利益率52.7%と最大の利益貢献セグメントである。材料販売事業は売上高15.7億円に対し営業損失0.7億円、工作機械製造事業は売上高0.6億円に対し営業損失0.1億円と、両事業は赤字が継続している。運送事業は売上高3.6億円、営業利益0.2億円で小幅な黒字である。株式会社菊池鉄工所の連結子会社化により鋼構造物製造事業の資産が前期末比23.8億円増加しており、統合効果の今後の発現が注目される。

主要財務指標

【収益性】営業利益率は2.8%、純利益率は年換算5.4%で、経常利益に占める受取配当金の割合が高く、営業利益率のみでは本業の採算改善度合いを測る指標として不十分な面がある。【キャッシュ品質】完成工事未収入金は194.4億円と前年同期比27.6億円増加し、現金及び預金54.0億円の約3.6倍に相当する規模であり、工事代金の回収進捗が資金化の観点で重要である。【投資効率】ROEは年換算2.6%、総資産707.1億円に対し資本効率は低位で推移しており、投資有価証券263.7億円が総資産の37.3%を占めるなど資産構成は資本集約的である。【財務健全性】自己資本比率は67.4%と高水準を維持し、流動資産273.6億円は流動負債129.6億円を大きく上回る。他方、短期借入金は45.0億円と前年同期比50.0%増加しており、有利子負債に占める短期比率が高い点はモニタリングが必要である。

キャッシュフロー分析

キャッシュフロー計算書の開示はないが、貸借対照表の推移から資金動向を確認できる。完成工事未収入金は194.4億円と前年同期比27.6億円増加し、現金及び預金は54.0億円と前年同期の68.6億円から減少しており、工事代金の請求・回収と資金の滞留の関係が資金繰りに影響し得る。未成工事受入金は32.6億円で前受金による資金負担の一定の緩和がみられる一方、短期借入金は45.0億円と前年同期比15.0億円増加しており、運転資金の一部を短期調達で補っている可能性がある。棚卸資産は1.1億円と前年同期比0.8億円減少しており、在庫圧縮による資金効率化が進んでいる。受取配当金7.9億円は現金収入として経常利益を支える構成要素であり、投資有価証券からの安定的な資金流入が確認できる。

収益の質

当期の利益改善は本業の工事採算回復と営業外の投資収益の両方に支えられており、その質は一様ではない。営業利益4.8億円への転換は完成工事総利益率の改善と販管費抑制によるもので、経常的な収益改善として評価できる。他方、経常利益13.2億円のうち受取配当金7.9億円が約6割を占めており、投資先の配当方針に左右される非事業性の収益への依存度が高い。特別利益1.3億円(投資有価証券売却益0.4億円、固定資産売却益0.9億円)と特別損失1.0億円はいずれも小規模で、純利益への影響は限定的な一時的要因にとどまる。包括利益は45.4億円と純利益9.1億円を大幅に上回り、その他有価証券評価差額金の増加が主因であることから、純資産の拡大は事業利益よりも保有株式の時価変動に多くを依存している点に留意が必要である。

業績予想・ガイダンス

通期会社予想に対する進捗率は、売上高76.9%、営業利益192.8%、経常利益132.3%となっており、利益項目は9カ月時点で標準的な75%進捗を大きく上回っている。会社予想を据え置く場合、第4四半期は営業損失・経常損失・純損失を計上する計算となり、工事進捗のタイミングや投資収益の期末動向が今後の焦点となる。当四半期において業績予想および配当予想の修正は行われていない。

株主還元

第2四半期配当は1株当たり50.00円で、通期会社予想の年間配当は100.00円である。予想EPS266.48円を基準とした予想配当性向は約37.5%であり、一般的な持続可能性の目安を下回る水準にある。配当原資の一部は投資有価証券からの受取配当金7.9億円に支えられており、投資先の配当政策や有価証券の評価変動は中長期の還元余力に影響し得る。当四半期において配当予想の修正はない。

リスク要因

  1. 工事採算変動リスク: 鋼構造物製造事業は売上高148.8億円と連結売上の88.0%を占め、営業利益率は2.3%にとどまる。工期遅延や原材料価格変動が連結損益に大きく影響する構造である。

  2. 金融資産の市場変動リスク: 投資有価証券は263.7億円と総資産の37.3%を占め、前年同期比51.4億円増加した。その他有価証券評価差額金を通じて純資産・包括利益が株式市場の変動を受けやすい。

  3. 短期資金調達リスク: 短期借入金は45.0億円で有利子負債の大半を占め、前年同期比50.0%増加した。現金及び預金54.0億円で足元の返済余力はあるが、借換条件や金利上昇局面での調達コストの監視が必要である。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

業種ベンチマーク(manufacturing)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率2.8%8.6% (4.3%–12.7%)−5.7pt
純利益率5.4%6.4% (2.8%–10.3%)−1.0pt

営業利益率・純利益率とも業種中央値を下回り、本業採算面では業種内で相対的に低位に位置する。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)−3.9%3.3% (-2.1%–8.9%)−7.2pt

売上高成長率は業種中央値を大きく下回り、業種内でも減収基調が目立つ位置づけにある。

※出所: 当社集計

決算上の注目ポイント

  1. 営業損益は前年同期の2.9億円の損失から4.8億円の利益へ転換し、完成工事総利益率の改善が回復の中核である。鋼構造物製造事業の採算回復が連結業績に直結している。

  2. 経常・純利益の大幅増益は受取配当金への依存度が高く、営業利益率2.8%という水準は業種中央値を下回る。本業収益力の評価には営業利益率の推移を継続して確認する必要がある。

  3. 純資産は476.2億円に拡大したが、その多くは投資有価証券の評価差額金によるものであり、事業利益の蓄積とは性質が異なる。通期予想に対する利益進捗は既に高水準にあり、第4四半期の工事採算・投資収益の動向が着目点となる。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)17,414円
base(基準)17,506円
bull(強気)17,572円
算出前提
1株純資産(BPS)23,073円
調整後予想EPS364.6円
株主資本コスト r10.87%(10年国債 2.87% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 2.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向37.5%
予想EPSの信頼度調整×1.117(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER0.76倍 / 48.0倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 17,037円〜17,997円、ω±0.1で 17,340円〜17,616円。

注記:

  • 一時的な損益の影響を除くため、経常利益等から算出した正規化EPSを使用しています(会社予想EPSは266.5円)。
  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-08 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。