- 売上高: 157.94億円
- 営業利益: 1.06億円
- 当期純利益: 1.81億円
- 1株当たり当期純利益: 38.74円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 157.94億円 | 216.20億円 | -26.9% |
| 販管費 | 21.40億円 | 19.29億円 | +10.9% |
| 営業利益 | 1.06億円 | 29百万円 | +265.5% |
| 営業外収益 | 2.85億円 | 2.95億円 | -3.4% |
| 営業外費用 | 1.09億円 | 2.65億円 | -58.9% |
| 経常利益 | 2.82億円 | 60百万円 | +370.0% |
| 税引前利益 | 2.37億円 | -70百万円 | +438.6% |
| 法人税等 | 56百万円 | 76百万円 | -26.3% |
| 当期純利益 | 1.81億円 | -1.47億円 | +223.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1.81億円 | -1.47億円 | +223.1% |
| 包括利益 | 13.11億円 | -6.00億円 | +318.5% |
| 減価償却費 | 8.51億円 | 4.34億円 | +96.1% |
| 支払利息 | 67百万円 | 86百万円 | -22.1% |
| 1株当たり当期純利益 | 38.74円 | -31.48円 | +223.1% |
| 1株当たり配当金 | 35.00円 | 35.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 366.07億円 | 438.63億円 | -72.56億円 |
| 現金預金 | 78.20億円 | 103.17億円 | -24.97億円 |
| 固定資産 | 272.10億円 | 254.60億円 | +17.50億円 |
| 有形固定資産 | 175.08億円 | 174.11億円 | +97百万円 |
| 無形資産 | 2.01億円 | 2.29億円 | -28百万円 |
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 35.95億円 | 29.41億円 | +6.54億円 |
| 財務活動によるキャッシュフロー | -49.17億円 | 1.66億円 | -50.83億円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 1株当たり純資産 | 7,036.71円 |
| 純利益率 | 1.1% |
| 流動比率 | 253.9% |
| 当座比率 | 253.9% |
| 負債資本倍率 | 0.94倍 |
| インタレストカバレッジ | 1.58倍 |
| EBITDAマージン | 6.1% |
| 実効税率 | 23.6% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | -26.9% |
| 営業利益前年同期比 | +260.2% |
| 経常利益前年同期比 | +368.2% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | -85.9% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 4.97百万株 |
| 自己株式数 | 291千株 |
| 期中平均株式数 | 4.68百万株 |
| 1株当たり純資産 | 7,036.51円 |
| EBITDA | 9.57億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 35.00円 |
| 期末配当 | 45.00円 |
| セグメント | 売上高 | 営業利益 |
|---|
| Bridge | 61.04億円 | 12.10億円 |
| RealEstate | 2百万円 | 1.64億円 |
| RenewableEnergyAndOverseas | 12百万円 | -2.68億円 |
| SteelFrame | 94.12億円 | 2.30億円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 340.00億円 |
| 営業利益予想 | 90百万円 |
| 経常利益予想 | 3.10億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 1.80億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 38.52円 |
| 1株当たり配当金予想 | 35.00円 |
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2026年度Q2の駒井ハルテックは、売上が前年同期比26.9%減と逆風の中でも、営業利益が同+260.2%、経常利益が同+368.2%と大幅に改善し、事業採算の底打ち感を示した一方、最終利益は同-85.9%と急減したアンバランスな決算である。売上高は157.94億円、営業利益は1.06億円、経常利益は2.82億円、当期純利益は1.81億円、EPSは38.74円。営業利益率は約0.7%、経常利益率は約1.8%、純利益率は約1.1%と低水準で、EBITDAは9.57億円(マージン6.1%)。営業外収益2.85億円のうち受取配当金が1.52億円と厚く、非業務収益への依存が目立ち、営業外収入比率は約160%超(営業外収益/営業利益ベースでは約269%)に達する。バランスシートは総資産638.17億円、純資産329.40億円、負債合計308.76億円、D/E(負債資本倍率)0.94倍と中庸。流動資産366.07億円に対し流動負債144.16億円で流動比率253.9%と厚い流動性を確保、現金預金は78.20億円。有利子負債は短期22.32億円・長期81.61億円で総額約104億円、現預金を差し引き純有利子負債は約26億円規模と推定される。営業キャッシュフローは35.95億円と純利益の約19.9倍で非常に厚く、運転資本の回収寄与が大きい可能性が高い一方、財務キャッシュフローは-49.17億円と大きく、借入金返済や株主還元の実行が示唆される(明細は未開示)。金利負担に対する耐性はインタレストカバレッジ1.58倍と警戒水準(<2倍)で、金利上昇や受注の谷間に対する脆弱性が残る。デュポン分解ではROE0.6%(=純利益率1.1%×総資産回転率0.247×レバレッジ1.94)が示すとおり、低い利益率と低い資産回転が主因。ROICは0.2%と資本コストを大幅に下回り、投下資本の収益性に課題がある。マージンのbp比較は前年の売上高詳細がなく厳密算定は困難だが、営業利益額の増加から営業段階の採算は方向としては改善した可能性が高い一方、純利益は大幅減で、特殊要因(前年の特別利益等)反動の影響が疑われる。包括利益が13.11億円と純利益を大きく上回る点は、評価差額(投資有価証券等)によるプラスが大きいことを示し、株主資本の下支えには寄与した。営業CF/純利益が極めて高いことは短期的な利益の質を補強するが、運転資本の解放に依存している場合は持続性に注意が必要。配当性向(計算値)219.8%は現状の利益水準と照合すると過大で、利益ベースでの配当持続性にはリスクがある(ただしキャッシュ水準は厚い)。先行きは、受注環境と工程進捗の回復、原材料価格と外注コストの安定、非業務収益依存の低下が鍵で、ROICの引き上げとインタレストカバレッジの改善が最優先論点となる。
ROE分解: ROE0.6% = 純利益率1.1% × 総資産回転率0.247 × 財務レバレッジ1.94。最も弱いのは純利益率(1.1%)と総資産回転(0.247回)で、レバレッジは中立的。純利益率の低さは、売上総利益・販管費の詳細未開示ながら、営業利益率0.7%と薄利に加え、金利負担(支払利息0.67億円)や営業外収益依存の構造が示唆する基礎収益力の弱さによる。総資産回転率の低下は売上高が前年同期比-26.9%と大きく縮小したことが直接要因。営業外収益2.85億円のうち受取配当金1.52億円が牽引し、経常段階の利益改善は本業ではなく金融収益が主導している。これらの変化は、売上の谷間や案件ミックスの変化(大型案件の工程遅延や完工時期偏在)という一時要因の側面がある一方、低ROIC(0.2%)が示すように構造的な資本効率の低さも背景にあり、完全な一過性とは言い切れない。懸念すべきトレンドとして、前年同期比で売上が大幅減の中、販管費(21.40億円)は絶対額で粘着的に見えるため、固定費負担が利益を圧迫しやすい構造が続く点を挙げる。営業外収益/営業利益の比率が約269%と高く、非業務収益への依存はROEの質を低下させる。
売上は157.94億円で前年同期比-26.9%。橋梁・鋼構造物は案件の竣工・検収の期ズレが大きく、短期の売上変動は大きくなりやすいが、現状の総資産回転0.247回は低く、案件消化の遅れや受注の谷間が示唆される。利益面は営業利益1.06億円(+260.2%)と改善も、営業利益率0.7%と薄利で、経常利益2.82億円の過半は非業務収益の寄与。純利益は1.81億円(-85.9%)で、前年の特殊要因反動が疑われ、当期の実力値は経常段階に近いとみるのが妥当。利益の質は、営業CFが純利益の約19.9倍と非常に厚く、短期的には高いが、運転資本解放の寄与が大きい可能性が高く、持続性には疑問が残る。先行きは、受注残の積み上がり、工期の平準化、材料・外注コストの安定、価格転嫁の進展が持続的成長の前提。加えて、営業外収益依存を低下させ、本業の粗利創出力を回復させることが不可欠。
流動比率253.9%、当座比率253.9%と流動性は極めて厚く、短期の支払能力に不安は小さい。負債資本倍率0.94倍で資本構成は中庸、自己資本は329.40億円と厚い。インタレストカバレッジ1.58倍は警戒水準(<2.0)で、金利負担に対する利益クッションが薄い。短期借入22.32億円に対し現金78.20億円の保有で満期ミスマッチリスクは限定的だが、長期借入81.61億円を含む総有利子負債は約104億円と一定規模。流動資産366.07億円に対し流動負債144.16億円で短期債務の償還余力は十分。オフバランス債務に関する開示はなく、現時点での評価は不可。
営業CFは35.95億円で純利益1.81億円の約19.9倍と極めて高く、利益のキャッシュ化は良好。営業CF/純利益<0.8の品質問題には該当せず、むしろ運転資本の回収(売上減少局面での売掛・在庫圧縮や前受金の増加等)が寄与した可能性が高い。投資CF、設備投資、配当金支払、自社株買いが未開示のためFCFや株主還元のキャッシュカバレッジは算定不能。財務CFは-49.17億円で、借入金返済や配当・自己株取得の実行が示唆されるが内訳が不明。短期的な運転資本の解放に依存した高い営業CFは再現性に乏しい可能性があるため、次四半期以降のWC増減(売上再加速時の在庫・売掛の再積み上がり)に要注意。
配当情報は未開示だが、配当性向(計算値)219.8%は現行の利益水準では明確に過大で、利益ベースでは持続性に乏しい。もっとも、期中の営業CFは厚く、現金残高78.20億円と流動性は十分なため、短期的なキャッシュ面の耐性はある。しかし、利益水準の回復(営業利益率の改善)なしに高配当を維持することはROE・ROICの低迷を固定化するため慎重であるべき。FCFや投資CFが未開示のため、FCFカバレッジによる定量検証は不可。今後は年間見通し、通期利益、投資計画と合わせた資本配分方針のアップデートが必要。
ビジネスリスク:
- 受注サイクルと工期進捗の偏在による売上・利益のボラティリティ(売上-26.9%)
- 原材料(鋼材)価格および外注コストの変動による粗利圧迫
- 大型案件における工程遅延・設計変更リスク(検収タイミングの後ズレ)
- 非業務収益(受取配当等)への高い依存による利益の質低下
- 人件費・固定費の粘着性に伴う営業レバレッジの負の影響
財務リスク:
- インタレストカバレッジ1.58倍と低く、金利上昇・利益下振れ時の耐性が弱い
- 長期借入81.61億円を含む有利子負債約104億円と純有利子負債の存在
- 運転資本の再積み上がりに伴う営業CF反転(流出)リスク
- 評価差額に依存した包括利益の変動(投資有価証券91.96億円)
主な懸念事項:
- ROIC0.2%と資本コスト大幅下回り(構造的な資本効率の低さ)
- 営業外収益/営業利益約269%と非業務収益依存
- 配当性向(計算値)219.8%の持続性リスク
- 売上減少の中で販管費21.40億円の固定費負担
重要ポイント:
- 売上は-26.9%だが営業・経常段階は黒字維持、経常は大幅改善
- 営業外収益の寄与が大きく、本業の収益力は依然として脆弱
- 流動性は厚い一方、金利負担耐性は低く(ICR1.58x)改善が急務
- 営業CFは強いが運転資本解放寄与の可能性が高く持続性に留意
- ROIC0.2%と低迷、案件採算・資産効率の底上げが最重要課題
注視すべき指標:
- 受注高・受注残とブックトゥビル
- 粗利益率・案件別採算の推移
- 営業利益率とインタレストカバレッジの改善度
- 運転資本(売掛・在庫・前受金)の増減と営業CFの持続性
- 非業務収益(配当・有価証券関連)の比率推移
- ROICと資本回転(総資産回転率)の改善
セクター内ポジション:
流動性と自己資本は厚い一方、利益率と資本効率が同業平均を下回るディフェンシブ志向の財務体質。短期耐性は高いが、収益力・ROICの改善が遅れると相対的に見劣り。
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