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58512026 第1四半期プライムJGAAP

リョービ(5851) 2026年度第1四半期決算 減収・営業益4%増

2026年度第1四半期の売上高は759.4億円(前年同期比-2.7%)、営業利益は29億円(同+4.1%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

リョービ株式会社

鉄鋼・非鉄/非鉄金属


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥759.4億¥780.1億−2.7%
営業利益¥29.0億¥27.9億+4.1%
経常利益¥28.4億¥24.6億+15.3%
純利益¥27.4億¥19.4億+40.9%
ROE(年換算)5.7%4.1%-

Executive Summary

2026年度第1四半期は、減収ながら販管費削減と主力ダイカスト事業の採算改善により増収減益ではなく増収減益局面を脱し、営業増益を確保した決算である。売上高は759.4億円(前年比-2.7%)、営業利益は29.0億円(同+4.1%)、経常利益は28.4億円(同+15.3%)、純利益(親会社株主帰属)は27.1億円(同+54.6%)となった。純利益の伸びは投資有価証券売却益10.2億円を含む特別損益差引9.2億円の押し上げ効果を含み、営業・経常利益の伸びに比べ増幅されている点に留意が必要である。

業績変動要因

【売上高】売上高は759.4億円で前年比2.7%減となった。主力のダイカストは693.4億円(同+2.2%)と増収した一方、印刷機器は40.1億円(同-45.7%)と大幅減収し、全社減収の主因となった。住建機器も25.6億円(同-6.4%)と減収し、印刷機器・住建機器の落ち込みがダイカストの増収を相殺した。

【損益】営業利益は29.0億円(同+4.1%)で、粗利率は11.8%と前年から約12bp低下したが、販管費が60.6億円(同-6.9%)へ圧縮され、営業レバレッジが利益率を押し上げた。ダイカストのセグメント利益は29.1億円(同+29.6%)、利益率4.2%(前年3.3%)と改善が顕著である一方、印刷機器の利益は0.6億円(同-89.9%)に急減し、利益率も1.5%(前年7.9%)へ悪化した。経常利益は28.4億円(同+15.3%)、純利益は27.4億円(同+40.9%)と伸長したが、純利益には投資有価証券売却益10.2億円を中心とする特別利益10.5億円が寄与しており、税引前利益37.6億円の約24%を占める。減収ではあるが営業・経常・純利益はいずれも増益であり、減収増益の構図である。

セグメント別分析

ダイカストは売上高693.4億円(同+2.2%)、セグメント利益29.1億円(同+29.6%)と全社利益を牽引し、外部売上高の約91%を占める中核事業である。住建機器は売上高25.6億円(同-6.4%)、セグメント損失0.5億円で前年(損失0.1億円)から赤字幅が拡大した。印刷機器は売上高40.1億円(同-45.7%)、セグメント利益0.6億円(同-89.9%)と大幅な減収減益で、固定費吸収の悪化が利益率低下(7.9%→1.5%)に表れている。全社利益はダイカストの改善が住建機器・印刷機器の悪化を上回る形で押し上げられた。

主要財務指標

【収益性】営業利益率3.8%(前年3.6%)、純利益率3.6%(前年2.2%)はいずれも改善したが、粗利率は11.8%で前年から小幅低下し、年換算ROEは5.7%、年換算ROICは3.7%と資本効率面では低水準にある。【キャッシュ品質】営業CFは7.0億円で純利益27.4億円に対する比率は0.26倍にとどまり、利益の現金化は弱い。棚卸資産の増加21.7億円、仕入債務の減少34.2億円が主因である。【投資効率】設備投資38.1億円に対し減価償却費は48.7億円で、投資は更新水準を下回っており、能力増強より選別投資の局面にある。【財務健全性】自己資本比率は56.5%(前年52.2%)と改善し、現金及び預金は274.7億円、長期借入金339.4億円を含め、資本構成は総じて安定している。

キャッシュフロー分析

営業CFは7.0億円で前年同期のマイナス40.8億円から大幅に改善したが、純利益27.4億円に対する現金化比率は低い水準にとどまる。運転資本面では棚卸資産が21.7億円増加し、仕入債務が34.2億円減少したことが営業CFを圧迫した一方、売上債権は7.0億円減少し回収は進んだ。投資CFはマイナス22.2億円で、設備投資38.1億円を中心とする支出となった。財務CFはマイナス24.8億円で、短期借入金の増加と長期借入金の返済が混在する結果となった。営業CFと投資CFを合わせたフリーキャッシュフローはマイナス15.2億円であり、当四半期は内部資金だけで投資と株主還元を賄う構造には至っていない。

収益の質

当期の純利益27.4億円には、投資有価証券売却益10.2億円を中心とする特別利益10.5億円と投資有価証券評価損1.2億円を含む特別損失1.3億円が計上され、差引9.2億円の一時的要因が寄与している。この一時的要因を除くと、税引前利益37.6億円に対する経常的な収益力は営業利益29.0億円・経常利益28.4億円で評価するのが適切であり、これらの伸長率(+4.1%、+15.3%)は純利益の伸長率(+40.9%)より緩やかである。包括利益は50.3億円と純利益27.4億円を上回り、為替換算調整額26.1億円が主因である。営業CFが純利益の水準に対して小幅にとどまっている点は、当期利益のキャッシュフローへの転換が限定的であることを示唆する。

業績予想・ガイダンス

通期予想は売上高3130.0億円(前年比+1.3%)、営業利益128.0億円(同+1.1%)、経常利益133.0億円(同-9.0%)であり、今回修正はない。第1四半期の売上高進捗率は約24.3%、営業利益進捗率は約22.7%で、いずれも単純進捗基準の25%をやや下回る。経常利益は通期で前年比減益を見込む一方、第1四半期は前年比+15.3%と増益しており、下期にかけての反動を前提とした計画である可能性がある。ダイカストの採算維持と印刷機器の回復が下期以降の進捗を左右する。

株主還元

通期の配当予想は1株104円で修正はない。発行済株式数31,809千株を前提とすると年間配当総額は約33.1億円となり、通期純利益予想115.0億円に対する配当性向は約28.8%である。第1四半期の営業CFは7.0億円、フリーキャッシュフローはマイナス15.2億円であり、当四半期単独では投資・還元を営業キャッシュで完全に充足する状況にはない。ただし配当予想の修正はなく、通期計画ベースでは配当性向は60%未満の水準にとどまっている。

リスク要因

  1. 主力ダイカストへの依存: 外部売上高の約91%を占めるダイカスト事業の業績が、原材料・エネルギー価格や顧客の生産動向に大きく左右される構造であり、全社収益への影響が大きい。

  2. 印刷機器事業の急速な悪化: 売上高が前年比45.7%減、セグメント利益が同89.9%減となり、利益率も7.9%から1.5%へ低下した。固定費吸収の悪化が継続すれば連結利益の下振れ要因となる。

  3. 営業キャッシュフローの現金化不足: 営業CF7.0億円は純利益27.4億円の約0.26倍にとどまり、棚卸資産増加と仕入債務減少が主因である。運転資本の改善が遅れる場合、キャッシュ創出力の低さが継続する可能性がある。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率3.8%7.2% (3.2%–12.5%)−3.4pt
純利益率3.6%5.9% (2.9%–12.5%)−2.3pt

自社の営業利益率・純利益率はいずれも業種中央値を下回り、収益性は業種内で相対的に低位にある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)−2.7%5.6% (1.1%–13.9%)−8.3pt

自社の売上高成長率は業種中央値を大きく下回り、トップライン成長は業種内で劣後している。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 減収下でも販管費圧縮により営業利益率は3.8%へ改善し、ダイカストの採算改善(利益率4.2%、前年3.3%)が全社利益を牽引した構造が確認できる。

  2. 純利益の前年比+54.6%(親会社株主帰属ベース)には投資有価証券売却益10.2億円が寄与しており、経常的な収益改善(営業利益+4.1%、経常利益+15.3%)とは伸長度合いが異なる点は決算の質を評価する上で留意点となる。

  3. 通期計画に対する第1四半期の進捗率は売上高・営業利益ともに単純進捗基準をやや下回り、印刷機器の回復とダイカストの採算維持が下期以降の進捗を左右する構図が読み取れる。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)5,380円
base(基準)5,570円
bull(強気)5,619円
算出前提値
1株純資産(BPS)6,063円
調整後予想EPS415.8円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向28.8%
予想EPSの信頼度調整×1.150(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER0.92倍 / 13.4倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 5,415円〜5,732円、ω±0.1で 5,553円〜5,581円。

注記:

  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。