- 売上高: 410.44億円
- 営業利益: 13.24億円
- 当期純利益: 6.99億円
- 1株当たり当期純利益: 9.83円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 410.44億円 | 437.79億円 | -6.2% |
| 売上原価 | 343.55億円 | 362.68億円 | -5.3% |
| 売上総利益 | 66.89億円 | 75.11億円 | -10.9% |
| 販管費 | 53.64億円 | 48.87億円 | +9.8% |
| 営業利益 | 13.24億円 | 26.24億円 | -49.5% |
| 営業外収益 | 1.31億円 | 70百万円 | +87.1% |
| 営業外費用 | 2.73億円 | 9.90億円 | -72.4% |
| 経常利益 | 11.81億円 | 17.04億円 | -30.7% |
| 税引前利益 | 10.80億円 | 16.10億円 | -32.9% |
| 法人税等 | 3.80億円 | 4.78億円 | -20.5% |
| 当期純利益 | 6.99億円 | 11.31億円 | -38.2% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 6.99億円 | 11.31億円 | -38.2% |
| 包括利益 | 6.39億円 | 10.73億円 | -40.4% |
| 減価償却費 | 30.34億円 | 38.48億円 | -21.2% |
| 支払利息 | 2.25億円 | 1.48億円 | +52.0% |
| 1株当たり当期純利益 | 9.83円 | 15.90円 | -38.2% |
| 1株当たり配当金 | 8.00円 | 8.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 633.62億円 | 697.59億円 | -63.97億円 |
| 現金預金 | 33.66億円 | 45.99億円 | -12.33億円 |
| 売掛金 | 116.29億円 | 145.81億円 | -29.52億円 |
| 棚卸資産 | 227.38億円 | 248.65億円 | -21.27億円 |
| 固定資産 | 604.54億円 | 550.36億円 | +54.18億円 |
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 64.29億円 | 126.03億円 | -61.74億円 |
| 財務活動によるキャッシュフロー | -6.26億円 | -47.00億円 | +40.74億円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 1.7% |
| 粗利益率 | 16.3% |
| 流動比率 | 152.2% |
| 当座比率 | 97.6% |
| 負債資本倍率 | 1.12倍 |
| インタレストカバレッジ | 5.88倍 |
| EBITDAマージン | 10.6% |
| 実効税率 | 35.2% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | -6.2% |
| 営業利益前年同期比 | -49.5% |
| 経常利益前年同期比 | -30.7% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | -38.2% |
| 包括利益前年同期比 | -40.4% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 71.27百万株 |
| 自己株式数 | 85千株 |
| 期中平均株式数 | 71.18百万株 |
| 1株当たり純資産 | 818.88円 |
| EBITDA | 43.58億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 8.00円 |
| 期末配当 | 10.00円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 813.00億円 |
| 営業利益予想 | 40.00億円 |
| 経常利益予想 | 36.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 19.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 26.69円 |
| 1株当たり配当金予想 | 9.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2026年度Q2の東邦チタニウムは、売上減少と利益率低下により減益が鮮明となった四半期だった。売上高は410.44億円で前年同期比-6.2%、営業利益は13.24億円で同-49.5%、経常利益は11.81億円で同-30.7%、当期純利益は6.99億円で同-38.2%となった。営業利益率は3.2%(前年約6.0%推計)へ低下し、約277bpの大幅なマージン縮小を示した。純利益率も1.7%(前年約2.6%推計)に低下し、約88bp縮小した。粗利率は16.3%で、売上原価上昇圧力(原料・エネルギーコスト、歩留り・稼働の影響)が継続している可能性が高い。販管費は53.64億円で売上比13.1%と重く、スケールメリットが効きにくい環境下で営業レバレッジが逆回転した。営業外では収益1.31億円に対し費用2.73億円と差し引きマイナスで、金利負担(支払利息2.25億円)が利益を押し下げた。ROEは1.2%(純利益率1.7%×総資産回転率0.331×レバレッジ2.12倍)と低位で、資本効率の弱さが際立つ。ROICは0.8%と資本コストを大幅に下回る水準で、投下資本の収益性に構造的な課題を示唆する。キャッシュ面では営業CFが64.29億円と純利益6.99億円の約9.2倍で、減価償却30.34億円と運転資本のプラス寄与が品質を支えた。一方、設備投資額は74.91億円と大きく、単純FCFは約-10.6億円(営業CF−設備投資)とマイナスで、投資回収の時間軸が課題。流動比率は152.2%と健全だが、当座比率は97.6%と100%をわずかに下回り、棚卸資産依存と短期借入金314.16億円のリファイナンス負担が残る。有利子負債は短長合計で約531億円に及び、Debt/EBITDAは約12.2倍と高水準で、金利上昇局面への感応度が高い。インタレストカバレッジは5.9倍(EBIT/利息)と現状許容だが、利益減少が続けばクッションは薄い。配当はXBRL未記載ながら、配当性向(計算値)が183.5%と示され、利益水準に対しては過大で持続性に懸念がある。総じて、需要(航空宇宙・化学・産業材)回復と価格・ミックス改善、コスト低減と稼働安定化がマージン正常化の鍵であり、同時にレバレッジ抑制と投資の選別によるROIC改善が中期テーマとなる。
ROEは1.2%で、純利益率1.7%×総資産回転率0.331×財務レバレッジ2.12倍のデュポン分解に一致する。今期のROE低下は主に純利益率の悪化に起因し、営業利益率の大幅縮小(約277bp)と金利負担が重なったことが主要因とみられる。売上は-6.2%と小幅減に留まる一方で、営業利益が-49.5%と大幅減であることから、固定費の負担増や生産効率の低下(稼働率・歩留り)により営業レバレッジが逆風となった可能性が高い。非営業面では支払利息2.25億円が効いており、レバレッジの高さが利益率をさらに圧迫している。総資産回転率0.331は資産重厚なビジネスモデルを反映しており、在庫・固定資産が厚い構造の下では短期での改善余地は限定的。一方、純利益率の改善は価格改定、製品ミックスの高付加価値化、コストダウン(電力・原料調達、工程改善)で相対的に早い回復が可能とみる。販管費率が売上減少を上回るペースで上昇している点(売上比13.1%)は懸念で、売上成長が戻らない限りマージンの自然回復は鈍い。これらの変化は、需給・価格環境の調整局面と投資負担の重さという一時的要因に加え、構造的な資本効率の課題という持続的要素が混在する。結論として、ROEのボトルネックは利益率であり、次いでレバレッジの副作用(利息負担)で、資産回転は中期的にしか改善しにくい。
売上は-6.2%とマイナス成長で、主要エンドマーケットの調整(航空・化学・産業材向け)や価格要因の軟化を織り込む。営業利益-49.5%は売上減以上にマージン圧縮が進んだことを示し、コスト高やミックス悪化が影響した可能性が高い。EBITDAは43.58億円(マージン10.6%)で、減価償却負担が重い中でもキャッシュ創出力は一定程度確保。営業外費用の増加(利息負担)は成長の逆風で、レバレッジの高さがEPSの回復速度を鈍化させる。設備投資74.91億円は能力維持・更新や品質・環境対応の色彩が強いと推測され、中期成長の布石である一方、短期のFCFを圧迫。利益の質は営業CF/純利益が9.2倍と高く、運転資本の放出や非現金費用の寄与により下支えされているが、在庫減による一時的プラスの可能性には注意。見通しとしては、価格改定の浸透、稼働安定、エネルギー・原料コストの平準化が達成されれば、営業利益率は段階的に回復余地。FX(USD/JPY)の円安は輸出価格の下支え要因だが、原料の輸入コストを通じた逆風も併存する。中期では選択的投資と不採算の是正によりROICが上向くかが成長持続性の鍵。
流動比率は152.2%で健全レンジ、当座比率は97.6%と100%をわずかに下回り、棚卸資産の流動化に依存する側面が残る。短期借入金は314.16億円と大きく、現金33.66億円・売掛金116.29億円の当座資産では短期負債の全てを賄えず、満期ミスマッチの管理(ロールオーバー・コミットメントライン)が重要。長期借入金217.01億円を含む有利子負債は約531億円、負債資本倍率1.12倍と資本構成はややレバレッジが効いた状態。インタレストカバレッジは5.9倍(EBIT/利息)で当面の支払能力は確保も、利益低下が続けば安全域は縮小。総資産1,238億円に対し固定資産604億円、在庫227億円と資産が厚く、資金の固定化が資本効率を押し下げている。オフバランス債務の情報は未記載で評価不能。D/Eが2.0を超える水準ではないが、Debt/EBITDA約12.2倍は高く、金利・信用環境変化の影響を受けやすい。
営業CFは64.29億円で純利益6.99億円の9.2倍と高品質に見えるが、減価償却30.34億円の非現金要因に加え、運転資本の解放(在庫・債権の減少)が寄与した可能性が高く持続性は不確実。設備投資は74.91億円と大きく、単純計算のFCF(営業CF−設備投資)は約-10.6億円で投資期の様相。財務CFは-6.26億円で、配当や借入返済の詳細は不明だが、キャッシュ水準の積み上げ余力は限定的。営業CF/純利益が0.8未満という品質問題には当たらないが、運転資本の循環に左右されやすいビジネス特性上、次四半期以降の反動に注意が必要。運転資本の操作を示す明確な兆候はデータ不足で断定不可だが、当座比率<100%と高在庫から、在庫圧縮によるCF押し上げが一部含まれる可能性はある。
配当情報はXBRL未記載だが、配当性向(計算値)183.5%は利益に対して過大で、持続性に疑義。単純FCFがマイナス(約-10.6億円)であることから、配当原資は内部留保や追加借入に依存する可能性がある。健全な配当性向の目安(<60%)とFCFカバレッジの観点からは、利益・FCFの改善(マージン回復、投資抑制または投資効果の顕在化)が前提。今後は利益連動型の柔軟な配当方針への調整、あるいは設備投資のピークアウト時期の見極めが重要となる。
ビジネスリスク:
- チタン関連製品の市況・価格変動(スポンジチタン価格、航空宇宙・産業材向け需給)
- 原料(イルメナイト等)・エネルギー価格の上昇による原価圧力
- 稼働率・歩留りの変動によるコスト吸収の悪化(固定費の未吸収)
- 為替変動(USD/JPY)による収益性の振れ
- 主要顧客・用途への需要依存(航空サイクルの遅延回復リスク)
- 環境・品質規制対応に伴う追加投資・コスト増
財務リスク:
- 短期借入金314億円のリファイナンスリスクと金利上昇感応度
- Debt/EBITDA約12.2倍と高レバレッジに起因する信用余力の低下
- FCFマイナス期の継続によるネットデット拡大リスク
- 当座比率<100%による在庫依存型の流動性リスク
- 利払い負担(支払利息2.25億円/四半期)による利益圧迫
主な懸念事項:
- ROIC0.8%と資本コストを大幅に下回る資本効率の低迷
- 営業利益率の大幅縮小(約277bp)による収益体質の脆弱化
- 配当性向183.5%(計算値)とFCFマイナスの同時発生による株主還元の持続性懸念
- 当座比率97.6%と高在庫水準の継続で運転資本が再びCFを圧迫するリスク
- 非営業損益のマイナス(利息負担)継続によるEPS回復の遅れ
重要ポイント:
- 売上-6.2%に対し営業利益-49.5%と営業レバレッジが逆風、営業利益率は3.2%へ約277bp縮小
- ROE1.2%、ROIC0.8%と資本効率は低位で、レバレッジが利息負担を通じて利益を圧迫
- 営業CFは64.3億円と強いが、設備投資74.9億円で単純FCFは約-10.6億円
- 短期借入金314億円により満期ミスマッチ管理が重要、当座比率は97.6%
- 配当性向(計算値)183.5%は持続性に疑義、益回復とFCF改善が前提条件
注視すべき指標:
- 営業利益率(四半期ベースでの回復度合い、価格改定の浸透)
- 在庫回転と運転資本の推移(営業CFの持続性検証)
- Debt/EBITDAおよびインタレストカバレッジの改善
- 設備投資計画の規模・タイミングと投資リターン(ROIC>WACC化)
- 為替(USD/JPY)と原料・エネルギー価格の感応度分析
セクター内ポジション:
国内チタン同業と比べ、当期はレバレッジ指標(Debt/EBITDA)が高く、ROIC・営業利益率も低位に位置づく。需要回復局面の弾性はあるが、資本効率と財務健全性の改善スピードが競合に対してカギとなる。
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