- 売上高: 18,440.53億円
- 営業利益: 605.02億円
- 当期純利益: 224.48億円
- 1株当たり当期純利益: 310.56円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 18,440.53億円 | 19,620.76億円 | -6.0% |
| 売上原価 | 16,450.83億円 | 17,954.31億円 | -8.4% |
| 売上総利益 | 1,989.69億円 | 1,666.45億円 | +19.4% |
| 販管費 | 1,384.66億円 | 1,295.26億円 | +6.9% |
| 営業利益 | 605.02億円 | 371.18億円 | +63.0% |
| 営業外収益 | 610.38億円 | 486.18億円 | +25.5% |
| 営業外費用 | 239.83億円 | 255.01億円 | -6.0% |
| 持分法投資損益 | 212.01億円 | 175.39億円 | +20.9% |
| 経常利益 | 975.56億円 | 602.35億円 | +62.0% |
| 税引前利益 | 618.01億円 | 499.63億円 | +23.7% |
| 法人税等 | 147.87億円 | 96.06億円 | +53.9% |
| 当期純利益 | 224.48億円 | -106.67億円 | +310.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 405.81億円 | 340.76億円 | +19.1% |
| 包括利益 | 785.68億円 | 450.56億円 | +74.4% |
| 減価償却費 | 474.94億円 | 455.03億円 | +4.4% |
| 支払利息 | 94.90億円 | 87.71億円 | +8.2% |
| 1株当たり当期純利益 | 310.56円 | 260.82円 | +19.1% |
| 1株当たり配当金 | 100.00円 | 50.00円 | +100.0% |
| 年間配当総額 | 130.84億円 | 130.84億円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 20,649.93億円 | 14,643.06億円 | +6,006.87億円 |
| 現金預金 | 1,230.19億円 | 916.05億円 | +314.14億円 |
| 売掛金 | 1,983.49億円 | 1,710.45億円 | +273.04億円 |
| 棚卸資産 | 2,037.10億円 | 1,517.18億円 | +519.92億円 |
| 固定資産 | 9,340.90億円 | 9,142.15億円 | +198.75億円 |
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 396.74億円 | 588.89億円 | -192.15億円 |
| 投資活動によるキャッシュフロー | -350.30億円 | -793.83億円 | +443.53億円 |
| 財務活動によるキャッシュフロー | 232.44億円 | -132.08億円 | +364.52億円 |
| フリーキャッシュフロー | 46.44億円 | - | - |
| 項目 | 値 |
|---|
| 営業利益率 | 3.3% |
| 総資産経常利益率 | 3.6% |
| 配当性向 | 38.3% |
| 純資産配当率(DOE) | 2.0% |
| 1株当たり純資産 | 5,633.05円 |
| 純利益率 | 2.2% |
| 粗利益率 | 10.8% |
| 流動比率 | 110.3% |
| 当座比率 | 99.4% |
| 負債資本倍率 | 2.98倍 |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | -6.0% |
| 営業利益前年同期比 | +63.0% |
| 経常利益前年同期比 | +62.0% |
| 税引前利益前年同期比 | +23.7% |
| 当期純利益前年同期比 | +310.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +19.1% |
| 包括利益前年同期比 | +74.4% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 131.49百万株 |
| 自己株式数 | 812千株 |
| 期中平均株式数 | 130.67百万株 |
| 1株当たり純資産 | 5,762.11円 |
| EBITDA | 1,079.96億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 50.00円 |
| 期末配当 | 50.00円 |
| セグメント | 売上高 |
|---|
| AdvancedProducts | 5,858.17億円 |
| MetalWorkingSolutions | 2,347.41億円 |
| Metals | 12,356.43億円 |
| OperatingSegmentsNotIncludedInReportableSegmentsAndOtherRevenueGeneratingBusiness | 1,400.33億円 |
| RenewableEnergy | 62.10億円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 19,900.00億円 |
| 営業利益予想 | 360.00億円 |
| 経常利益予想 | 730.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 490.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 374.99円 |
| 1株当たり配当金予想 | 58.00円 |
FY2026は売上高が1,844.1億円で前年比-6.0%ながら、営業利益は605.0億円と+63.0%と大幅増益で、採算の改善が明確でした。粗利は1,989.7億円(粗利率10.8%)と前年から+232bp改善し、販管費は1,384.7億円に抑制されたことで営業利益率は3.3%へ+140bp改善しました。経常利益は975.6億円(+62.0%)で、営業外収益610.4億円(受取配当234.9億円、持分法投資利益212.0億円等)が牽引しました。親会社株主に帰属する当期純利益は405.8億円(+19.1%)、純利益率は2.20%で+46bpの改善にとどまり、減損を含む特別損益の影響が重石となりました。Ordinaryマージンは5.29%で+222bpと改善幅が大きく、非営業の寄与が高水準でした。セグメントでは金属事業の売上1.24兆円(-13.8%)が縮小する一方、高機能製品(+14.8%)と加工事業(+57.8%)が伸長し、利益面でも金属事業がセグメント利益5,707億円で最大の寄与を維持しました。キャッシュ面では営業CF396.7億円と純利益に対して0.98倍で概ね整合するものの、OCF/EBITDAは0.37倍とキャッシュ転換が弱く、在庫積み上がり(DIO 135日、CCC 147日)が資金を圧迫しました。フリーCFは46.4億円にとどまり、配当支払い130.8億円をカバーせず、FCFカバレッジは0.35倍でした。バランスシートは総資産2.999兆円、自己資本7,529.8億円で、D/E 2.98倍、Debt/EBITDA 4.09倍、短期負債比率63.8%とレバレッジ・満期構成のリスクが意識されます。流動比率110.3%、当座比率99.4%と流動性はボーダーラインで、現金/短期負債0.44倍が示す通り、在庫と売掛に資金が滞留しています。特別損失414.9億円のうち減損損失303.4億円は一過性である一方、営業外収益への依存(配当・持分法)の高さは持続性評価の焦点です。のれんは196億円(純資産比2.6%)と小さく、のれん償却/EBITDAは約2%でIFRS企業との比較歪みは軽微です。為替の純益は約31.6億円で営業利益比約5%と中立的です。B/Sでは現金預金+34.3%、棚卸資産+34.3%が目立ち、運転資本の増加がキャッシュ創出を抑制しました。来期ガイダンスは売上+7.9%増の一方で営業利益360億円(今期605億円からの減益)を見込んでおり、非営業益の平準化や原材料市況の逆風、コスト反転の可能性を織り込む保守的な前提が示唆されます。総じて、収益性の改善は確認できるものの、キャッシュ転換の弱さとレバレッジ水準、短期負債偏重の満期ミスマッチが主要な課題です。来期は金属市況、在庫の是正スピード、非営業収益の持続性が業績の分水嶺となります。
ROEは5.4%で、純利益率2.2%×総資産回転率0.615×財務レバレッジ3.98倍の積に整合します。最大の変化要因は純利益率と総資産回転率の組み合わせで、粗利率+232bp、営業利益率+140bpの改善が効いた一方、総資産が拡大し回転率は抑制的でした。営業外収益(配当・持分法・為替)が経常段階を押し上げ、営業外依存の拡大がROEを下支えしています。ビジネス要因としては、高機能製品・加工事業のミックス改善とコストコントロールで営業段階が改善、金属市況の下落で売上が縮小する中でも非営業(投資ポートフォリオ)収益が補完しました。持続性は、営業段階の改善は構造的余地がある一方、配当・持分法収益は市況や被投資先業績に連動し変動性が高く、一部一過性のリスクを伴います。販管費増加率(+6.9%程度)に対し売上は-6.0%で、費用伸長が売上を上回る構図は注意が必要です。税負担係数0.657は標準域、金利負担係数1.021とインタレストカバレッジ6.38倍は現状許容範囲ですが、レバレッジ上昇は金利環境次第でマージン圧迫要因となり得ます。
売上は-6.0%と縮小しましたが、高機能製品(+14.8%)と加工事業(+57.8%)の伸長でポートフォリオの質は改善しました。営業利益は+63.0%と大幅増で、粗利率改善と費用抑制が奏功しました。経常利益の増益は非営業益の寄与が大きく、配当収入・持分法利益の増加が背景です。今後の持続可能性は、在庫是正とキャッシュ転換の改善、金属市況・為替の安定、被投資先の継続的配当・持分法利益確保が前提となります。来期ガイダンスは売上+7.9%を見込む一方、営業利益は360億円と慎重で、価格転嫁のタイムラグや原料・エネルギーコストの反転、非営業益の平準化を織り込む想定と解されます。
流動比率110.3%、当座比率99.4%と流動性はボーダーラインで、短期負債比率63.8%かつ現金/短期負債0.44倍はリファイナンス・満期ミスマッチのリスクを示唆します。D/E 2.98倍、Debt/EBITDA 4.09倍とレバレッジは高めで、金利上昇局面では資本コスト上昇リスクが顕在化し得ます。インタレストカバレッジは6.38倍(EBITDAベース11.38倍)で現状は支払能力に余力があります。総資産の68.8%が流動資産で、その内訳として棚卸資産の増加が大きく、短期負債中心の調達構造と相まって運転資本の膨張が資金繰りをタイト化させています。オフバランス関連では特段の負債集中は示されていませんが、投資有価証券(総資産比11.0%)の時価変動が自己資本変動要因となります。
現金預金: +314.1億円(+34.3%)- 社債発行等の外部調達と営業CFで積み増し。棚卸資産: +519.9億円(+34.3%)- 在庫積み上がり(DIO長期化)が資金を拘束。
営業CF/純利益は0.98倍で概ね整合する一方、OCF/EBITDAは0.37倍とキャッシュ転換が弱く、在庫増(キャッシュアウト約1,176.7億円)が主因です。フリーCFは46.4億円にとどまり、設備投資488.9億円と配当130.8億円の合計に対して不足し、外部資金(社債発行400億円等)に依存しました。運転資本ではDIO 135日、CCC 147日と長期化しており、在庫・売掛の圧縮が最重要課題です。非営業CFでは受取配当・利息の流入が安定的な一方、減損は非現金でありOCFを押し上げていますが持続性はありません。
配当は年間100円(上期50円・期末50円)で、配当性向は32.4%と持続可能域にあります。FCFカバレッジは0.35倍と不足し、今期は外部調達で補完した構図です。キャッシュ創出力(在庫是正によるOCF改善)とCapEx水準が維持されれば持続性は高まりますが、短期負債依存の資本構成下では、景気・市況悪化時の配当防衛余力は限定的となり得ます。方針面では安定配当の継続が示唆されますが、総還元の拡大よりもまずは運転資本の正常化とレバレッジ低下が優先課題です。
ビジネスリスクとして、金属市況(銅・貴金属・硫酸価格)変動によるスプレッド圧迫と在庫評価損リスク、高機能製品・加工事業の需要循環(半導体・自動車等)による受注変動、主要セグメント集中(Metals売上構成比56.1%)に伴う収益ボラティリティ、為替変動(円安・円高)による採算・投資有価証券評価・持分法先業績への波及が挙げられます。
財務リスクとしては、D/E 2.98倍、Debt/EBITDA 4.09倍の高レバレッジに伴う金利上昇・コベナンツ余裕度低下リスク、短期負債比率63.8%、現金/短期負債0.44倍の満期ミスマッチ・リファイナンスリスク、在庫日数135日・CCC 147日の運転資本長期化によるキャッシュフロー圧迫、投資有価証券(総資産比11.0%)の価格下落によるその他包括損失・資本毀損が挙げられます。
主な懸念事項としては、一時的項目の影響が大きく、収益の質にばらつき(減損計上、非営業益への依存)、ROIC 4.3%と資本コストに見合わない水準の継続、販管費の伸びが売上の減少局面で相対的に高く、営業レバレッジの逆回転リスクが挙げられます。
重要ポイントとして、粗利率・営業利益率は改善し、コストコントロールの効果が顕在化、経常段階は配当・持分法など非営業の寄与が大きく、持続性評価が鍵、在庫積み上がりでキャッシュ転換が弱く、FCFは配当を下回る、レバレッジと短期負債偏重の資本構成は金利・リファイナンス感応度が高い、来期ガイダンスは減益想定で保守的、原材料・為替・非営業益平準化を織り込みが挙げられます。
注視すべき指標は、在庫日数(DIO)とCCCの四半期推移、Debt/EBITDAおよび短期負債比率の低下進捗、営業CF/EBITDAのキャッシュ転換率(目標≥0.7)、持分法投資利益・受取配当の安定性、金属スプレッド(銅精錬マージン)と価格転嫁進捗です。
セクター内ポジションについては、非鉄素材大手の中ではのれん・無形への依存が小さくB/Sの質は相対的に良好だが、運転資本の膨張と短期負債偏重で資金繰りの敏感度が高い。セグメント多角化の進展(高機能製品・加工の伸長)はポジティブだが、ROICとキャッシュ転換の改善が同業比での再評価条件。