- 売上高: 165.39億円
- 営業利益: 3.19億円
- 当期純利益: 4.30億円
- 1株当たり当期純利益: 72.87円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 165.39億円 | 169.42億円 | -2.4% |
| 売上原価 | 137.12億円 | 139.99億円 | -2.1% |
| 売上総利益 | 28.26億円 | 29.43億円 | -4.0% |
| 販管費 | 25.07億円 | 23.01億円 | +9.0% |
| 営業利益 | 3.19億円 | 6.42億円 | -50.3% |
| 営業外収益 | 1.20億円 | 1.20億円 | +0.0% |
| 営業外費用 | 92百万円 | 77百万円 | +19.5% |
| 経常利益 | 3.47億円 | 6.86億円 | -49.4% |
| 税引前利益 | 5.19億円 | 6.73億円 | -22.9% |
| 法人税等 | 88百万円 | 1.60億円 | -45.0% |
| 当期純利益 | 4.30億円 | 5.12億円 | -16.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 4.30億円 | 5.12億円 | -16.0% |
| 包括利益 | 4.08億円 | 3.91億円 | +4.3% |
| 減価償却費 | 5.09億円 | 4.81億円 | +5.8% |
| 支払利息 | 54百万円 | 38百万円 | +42.1% |
| 1株当たり当期純利益 | 72.87円 | 86.79円 | -16.0% |
| 1株当たり配当金 | 30.00円 | 30.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 241.80億円 | 244.71億円 | -2.91億円 |
| 現金預金 | 26.76億円 | 33.30億円 | -6.54億円 |
| 売掛金 | 46.37億円 | 46.33億円 | +4百万円 |
| 棚卸資産 | 51.13億円 | 50.02億円 | +1.11億円 |
| 固定資産 | 199.00億円 | 196.09億円 | +2.91億円 |
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | -12百万円 | -6.01億円 | +5.89億円 |
| 財務活動によるキャッシュフロー | 1.79億円 | 6.92億円 | -5.13億円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 2.6% |
| 粗利益率 | 17.1% |
| 流動比率 | 233.2% |
| 当座比率 | 183.9% |
| 負債資本倍率 | 0.82倍 |
| インタレストカバレッジ | 5.91倍 |
| EBITDAマージン | 5.0% |
| 実効税率 | 17.0% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | -2.4% |
| 営業利益前年同期比 | -50.3% |
| 経常利益前年同期比 | -49.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | -16.0% |
| 包括利益前年同期比 | +4.3% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 5.91百万株 |
| 自己株式数 | 3千株 |
| 期中平均株式数 | 5.91百万株 |
| 1株当たり純資産 | 4,103.93円 |
| EBITDA | 8.28億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 30.00円 |
| 期末配当 | 30.00円 |
| セグメント | 売上高 | 営業利益 |
|---|
| EngineeringRelated | 0円 | -1.64億円 |
| SpecialSteelWireRelated | 3.05億円 | 1.17億円 |
| WireRopeRelated | 84百万円 | 3.40億円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 350.00億円 |
| 営業利益予想 | 9.50億円 |
| 経常利益予想 | 9.50億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 8.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 135.37円 |
| 1株当たり配当金予想 | 20.00円 |
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2026年度Q2の神鋼鋼線工業は、売上微減の中で利益が大幅減益となり、収益性とキャッシュフローの両面で課題が顕在化した四半期だった。売上高は165.39億円で前年同期比-2.4%、営業利益は3.19億円で-50.3%、経常利益は3.47億円で-49.3%、当期純利益は4.30億円で-16.0%と、損益段階が下がるほど減益率が縮小した。営業利益率は1.93%(3.19/165.39)で、前年の約3.79%から約186bp縮小した。純利益率は2.60%で、前年約3.02%から約42bp縮小にとどまり、特別利益の寄与と低い実効税率(約17%)が下支えした可能性が高い。粗利益率は17.1%と報告され、売上総利益は28.26億円だが、販管費25.07億円の重さから営業レバレッジが逆回転している。営業外収入は1.20億円、営業外費用は0.92億円で、営業外収入比率は27.9%と非営業項目への依存度が高い。税引前利益が5.19億円と経常利益3.47億円を上回っており、特別利益の計上が示唆される(詳細内訳は未記載)。ROEは1.8%(デュポン分解値=報告値一致)に低下し、ROICは0.8%と資本コストを大きく下回る水準で、資本効率の低さが際立つ。営業CFは-0.12億円と赤字で、営業CF/純利益は-0.03倍(品質アラート閾値0.8倍を大幅に下回る)と利益の現金裏付けに乏しい。設備投資は9.15億円の支出で、営業CF赤字と合わせた簡便FCFはマイナス域と推定され、配当の持続可能性(配当性向82.5%)に慎重さが必要。負債資本倍率は0.82倍、流動比率233%と表面的な財務安全性は高いが、Debt/EBITDAが13.15倍とEBITDA基準では高レバレッジである点は警戒。短期借入金55.84億円が厚く、金利上昇・借換環境次第で金利負担の上振れリスクがある。売上が小幅減の中で営業利益が半減したことから、販売価格と原材料価格のスプレッド悪化、または固定費の負担増(人件費・エネルギー費等)が示唆される。自動車・建設・産機など需要産業の動向に敏感で、在庫・売掛金の増加が運転資本を押し上げた可能性がある。短期的にはコストコントロールと価格転嫁の進捗、運転資本の是正が利益・CFの改善鍵となる。中期的には低ROICの改善(不採算資産の見直し、選択的投資、収益性重視の受注)とEBITDAの積み上げによるDebt/EBITDA正常化が課題。データ未記載が多く内訳精緻化に限界はあるが、確認できる指標からは「収益性の低下」「キャッシュフロー品質の悪化」「EBITDA基準のレバレッジ上振れ」という3点が主要論点である。
ROEはデュポン分解で、ROE=純利益率(2.6%)×総資産回転率(0.375)×財務レバレッジ(1.82)=約1.8%となる。3要素のうち、期中の変化が最も大きいのは純利益率で、営業利益の半減(-50.3%)に対し売上の減少は-2.4%にとどまったため、営業利益率は前年約3.79%→今期1.93%へ約186bp悪化した。一方、純利益率の悪化は約42bpにとどまり、これは特別利益計上と低い実効税率(約17%)がクッションとなったことによる。総資産回転率0.375は需要軟化と在庫積み上がりの影響が示唆され、資産効率面の逆風がROEを抑制。財務レバレッジは1.82倍と中庸で、ROE押し上げ効果は限定的。営業段階の悪化理由としては、原材料高・エネルギーコスト高、価格転嫁の遅れ、製品ミックスの弱含み(高付加価値比率の低下)や固定費の硬直性が考えられる。これらの要因のうち、コスト高と価格転嫁のギャップは市況に連動しやすく半ば一時的だが、固定費比率の上昇と資産回転率の低下は構造的になりやすい。販管費明細は未記載だが、売上減速下で販管費が実質的に高止まりしている可能性があり、売上成長率(-2.4%)に対し販管費が相対的に重いことが懸念される。ROICは0.8%と著しく低く、投下資本の収益性が資本コストに届かない状況が続けば、資本効率面での価値毀損リスクが高まる。
売上は-2.4%と小幅減収で、市場需要の軟化または価格要因(販売単価の低下)が示唆される。営業利益は-50.3%の大幅減で、価格スプレッドの悪化や固定費の吸収不足が主因。非営業要因(特別利益・低税率)が純利益の下支えとなったが、持続性は不透明。EBITDAは8.28億円(マージン5.0%)と低位で、成長投資の回収力は限定的。短期見通しは、在庫の正常化・価格転嫁進捗・エネルギーコストの落ち着き次第で下げ止まりうるが、当面は低マージン域の推移を想定。中期的には高付加価値製品(自動車向けばね材、ステンレス線材、機能線材等)比率の引き上げ、海外拠点の効率化、選択と集中によるROIC改善が成長の要。外部環境では、自動車生産計画の回復、建設需要、為替(円安は輸出採算改善・原材料調達コスト上昇の両面)と原材料価格(鉄鋼・合金元素)の安定が重要ドライバー。
流動比率233%・当座比率184%と流動性は厚い。負債資本倍率0.82倍でバランスシートの過度なレバレッジは見られないが、Debt/EBITDAが13.15倍とキャッシュ創出力に対して負債が重い。短期借入金55.84億円が大きく、現金26.76億円を上回るため、短期調達依存と金利上昇による支払利息増加リスクに留意。運転資本は138.10億円と大きく、短期負債103.70億円との満期ミスマッチは在庫・売掛金の換金性に依存する。インタレストカバレッジ(EBIT/利息)は5.91倍で安全域だが、利益変動に対しては感応度が高い。オフバランス債務の情報は未記載で、リース・保証等の潜在債務は不明。
営業CFは-0.12億円で純利益4.30億円に対し-0.03倍と著しく低く、利益の現金化に課題。主因は運転資本の悪化(在庫・売掛金の増加)とみられる。設備投資は9.15億円の支出で、営業CF赤字と合わせると簡便FCFは概ね-9.27億円と推定(投資CF詳細未記載のため参考値)。財務CFは+1.79億円で、借入等により資金繰りを補填した可能性。四半期ベースで運転資本操作の兆候(在庫積み増し、期末債権の増加)は否定できず、次四半期での反転(在庫圧縮、回収強化)を要確認。営業CF/純利益が0.8倍を大きく割り込む状態が続く場合、収益の質に構造的な問題がある可能性が高まる。
配当金総額・DPSは未記載だが、配当性向は82.5%と高水準で安全域は狭い。今期の簡便FCF(営業CF+設備投資)がマイナスと推定されるため、当期配当の原資は内部留保または追加の資金調達に依存する公算。持続可能性は、(1) 営業CFの黒字回復、(2) 設備投資のメリハリ、(3) EBITDA拡大によるDebt/EBITDAの低下が前提。方針面の開示が不足しているため、次回決算でのガイダンス・株主還元方針の確認が必要。
ビジネスリスク:
- 原材料・エネルギー価格の上昇による価格スプレッド圧迫
- 自動車・建設・産機向け需要の変動(サイクル感応度)
- 高付加価値製品比率の低下によるミックス悪化
- 価格転嫁の遅れによるマージン毀損
- 海外拠点・サプライチェーンの混乱リスク
財務リスク:
- 営業CFの赤字継続による資金繰り悪化
- Debt/EBITDA 13.15倍とEBITDA基準の高レバレッジ
- 短期借入金依存度の高さと金利上昇リスク
- 運転資本の膨張によるキャッシュ吸収
- 特別利益依存による利益ボラティリティ
主な懸念事項:
- ROIC 0.8%と資本コスト割れが続く資本効率の低さ
- 営業外・特別要因に依存した純利益の持続性
- 営業CF/純利益-0.03倍という収益品質の低下
- 在庫・売掛金の増加による運転資本負担
- EBITDA水準の低さに対する負債規模の重さ
重要ポイント:
- 売上-2.4%に対し営業利益-50.3%で営業レバレッジが逆回転、営業利益率は約186bp悪化
- 純利益は特別要因と低税率で減益幅を縮小、純利益率は約42bp悪化にとどまる
- 営業CF/純利益-0.03倍と収益の現金裏付けが弱く、簡便FCFはマイナス域
- Debt/EBITDA 13.15倍とEBITDA基準でレバレッジが高い一方、D/Eと流動比率は見かけ上健全
- ROIC 0.8%と資本効率が資本コストを大幅に下回る
注視すべき指標:
- 価格転嫁率と原材料・エネルギーコストのスプレッド
- 在庫回転日数・売掛金回転日数(運転資本の改善度)
- 営業CF/純利益と四半期FCFの黒字化タイミング
- EBITDA水準とDebt/EBITDAの低下進捗
- 営業利益率(目先は2-3%回復可否)とROICのトレンド
- 短期借入金残高と平均金利、利息負担の推移
セクター内ポジション:
国内中堅素材メーカー平均と比べ、収益性・資本効率は劣後、流動性は上位、EBITDA基準のレバレッジは重い。非営業・特別要因への依存が相対的に高く、キャッシュフロー安定性で見劣り。
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