- 売上高: 186.05億円
- 営業利益: 8.82億円
- 当期純利益: 10.95億円
- 1口当たり当期純利益 (EPU): 68.85円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 186.05億円 | 173.04億円 | +7.5% |
| 売上原価 | 161.61億円 | 155.18億円 | +4.1% |
| 売上総利益 | 24.45億円 | 17.87億円 | +36.8% |
| 販管費 | 15.63億円 | 15.50億円 | +0.8% |
| 営業利益 | 8.82億円 | 2.36億円 | +273.7% |
| 営業外収益 | 5.09億円 | 6.35億円 | -20.0% |
| 営業外費用 | 23百万円 | 3.23億円 | -92.9% |
| 経常利益 | 13.67億円 | 5.49億円 | +149.0% |
| 税引前利益 | 13.10億円 | 6.46億円 | +102.8% |
| 法人税等 | 2.15億円 | 2.66億円 | -19.2% |
| 当期純利益 | 10.95億円 | 3.80億円 | +188.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 10.85億円 | 3.91億円 | +177.5% |
| 包括利益 | 3.34億円 | 12.56億円 | -73.4% |
| 減価償却費 | 9.67億円 | 9.64億円 | +0.3% |
| 支払利息 | 16百万円 | 16百万円 | +2.3% |
| 1口当たり当期純利益 (EPU) | 68.85円 | 25.29円 | +172.2% |
| 1口当たり分配金 (DPU) | 6.00円 | 6.00円 | +0.0% |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 156.65億円 | 155.42億円 | +1.23億円 |
| 現金預金 | 50.54億円 | 46.99億円 | +3.55億円 |
| 売掛金 | 54.64億円 | 56.60億円 | -1.96億円 |
| 棚卸資産 | 9.27億円 | 10.99億円 | -1.72億円 |
| 固定資産 | 267.50億円 | 267.37億円 | +13百万円 |
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減 |
|---|
| 営業活動によるキャッシュフロー | 16.09億円 | 18.23億円 | -2.14億円 |
| 財務活動によるキャッシュフロー | -5.99億円 | -5.49億円 | -50百万円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 5.8% |
| 粗利益率 | 13.1% |
| 流動比率 | 180.8% |
| 当座比率 | 170.1% |
| 負債資本倍率 | 0.44倍 |
| インタレストカバレッジ | 54.70倍 |
| EBITDAマージン | 9.9% |
| 実効税率 | 16.4% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | +7.5% |
| 営業利益前年同期比 | +272.3% |
| 経常利益前年同期比 | +149.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | +177.5% |
| 包括利益前年同期比 | -73.3% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済投資口数(自己投資口含む) | 16.02百万株 |
| 自己投資口数 | 235千株 |
| 期中平均投資口数 | 15.76百万株 |
| 1口当たり純資産 (NAV) | 1,869.18円 |
| EBITDA | 18.49億円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期分配金 | 6.00円 |
| 期末分配金 | 10.00円 |
| セグメント | 売上高 | 営業利益 |
|---|
| Malleable | 181.15億円 | 15.70億円 |
| MetalFurniture | 4.91億円 | 7百万円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 380.00億円 |
| 営業利益予想 | 14.00億円 |
| 経常利益予想 | 21.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 15.00億円 |
| 1口当たり当期純利益予想 (EPU) | 96.69円 |
| 1口当たり分配金予想 (DPU) | 8.00円 |
このデータはXBRLファイルから自動抽出されたものです。正確性については開示資料の原本をご確認ください。
2026年度Q2の中央可鍛工業は、売上・利益ともに増加し、特に営業利益が急回復した堅調な四半期でした。売上高は186.05億円で前年同期比+7.5%、営業利益は8.82億円で+272.3%と大幅に増益し、経常利益も13.67億円で+149.0%と拡大しました。営業外収益は5.09億円と営業利益の約57.7%に相当し(営業外収入比率46.9%の参考値あり)、当期純利益10.85億円(+177.5%)の押し上げ要因となりました。粗利益率は13.1%と改善し、営業利益率は4.7%へ上昇、推計では前年から約+337bpの拡大とみられます。純利益率は5.8%で、営業外収益の寄与と低い実効税率(16.4%)が純利益の伸長を後押ししました。資本効率面では、デュポン分解ベースのROEが3.7%と控えめで、ROICは2.9%にとどまり資本効率の弱さが明確です。一方、財務健全性は高く、流動比率180.8%、当座比率170.1%、負債資本倍率0.44倍、インタレストカバレッジ54.7倍と強固です。営業キャッシュフローは16.09億円で純利益比1.48倍と利益の質は良好です。設備投資は5.15億円で、営業CFからみた推計フリーCFは約10.9億円とプラスを確保しています(会社公表のFCFは未記載)。固定資産は267.5億円と総資産の63%を占め、資産構造は資本集約的でROICの低さに影響しています。営業外収益の寄与が大きく、コアの収益力(営業利益率)の一段の底上げが中長期の価値創出に不可欠です。売上成長(+7.5%)に対して販管費は15.63億円に管理され、営業レバレッジが効いたことが大幅増益の主因です。短期的には価格転嫁・歩留まり改善・固定費コントロールの継続が利益率維持の鍵となります。中期的には、固定資産効率の改善(不採算資産の見直し、稼働率・製品ミックス改善)と運転資本回転の向上がROIC改善の主要ドライバーです。非製造的な営業外収益依存(配当金0.58億円、受取利息0.05億円等)の高さは、利益の持続性にやや懸念を残します。自社の現金創出力(営業CF)に基づけば、常識的な配当政策は十分にカバー可能ですが、成長投資とのバランスが重要です。総じて、財務体質は良好ながら資本効率が低く、営業利益率の構造的改善と投下資本の回収力向上が次の評価ポイントです。
・ROE分解(デュポン):ROE 3.7% = 純利益率5.8% × 総資産回転率0.439 × 財務レバレッジ1.44倍。
・変動寄与の大きい要素:今期は純利益率の改善(営業利益率の回復+営業外収益の増加+実効税率低下)がROE改善の主因。総資産回転率は0.439と資本集約的な構造を反映し限定的、レバレッジも0.44倍の負債資本倍率に対応して緩やか。
・ビジネス上の理由:売上+7.5%に対し、販管費を15.63億円に抑制し固定費の希釈が進んだことで営業レバレッジが発現。粗利率改善(原材料・エネルギーコストの安定、価格転嫁進展、歩留まり・操業度改善)が寄与。営業外では配当・利息等が純利益を押し上げ。
・持続性評価:販管費抑制と価格転嫁は一定の持続可能性がある一方、営業外収益(配当・受取利息等)への依存は景気・金利・投資先業績に左右されやすく変動性が高い。純粋な営業利益率の持続的引き上げが必要。
・懸念トレンド:ROIC 2.9%とWACCを下回る可能性が高い水準。固定資産比率が高く資産回転の低さが構造課題。売上成長率(+7.5%)に比べ販管費の伸びは抑制されているが、景気後退局面では逆回転のリスク。営業外収入比率46.9%と非コアへの依存が相対的に高い点も留意。
・売上の持続可能性:自動車向け鍛造・鋳造品の回復と価格転嫁進展が売上+7.5%に寄与したと推定。受注の継続性は主要顧客の生産計画・車種ミックス・EV移行のスピードに依存。
・利益の質:営業利益率4.7%へ改善。増益は固定費希釈と粗利率改善が主因で、非コアの営業外収益(5.09億円)も純利益押し上げに寄与。営業CF/純利益1.48倍とキャッシュ創出を伴うため質は良好。
・見通し:短期は価格転嫁の定着と生産効率の維持が鍵。中期は製品ミックス高度化(高付加価値品)と自動化投資の回収により粗利率・資産回転率の同時改善が課題。為替・鋼材価格・エネルギー価格の変動が上下要因。
・流動性:流動比率180.8%、当座比率170.1%と健全。短期借入金内訳は未記載だが、流動資産156.65億円に対し流動負債86.65億円で満期ミスマッチは限定的。
・資本構成:負債資本倍率0.44倍、長期借入金11.13億円、インタレストカバレッジ54.7倍で支払能力は強固。自己資本比率は未算出だが、純資産295.06億円/総資産424.14億円から約69%と推計され、保守的。
・満期ミスマッチ:買掛金27.89億円に対し、現金50.54億円・売掛金54.64億円・棚卸9.27億円が十分なクッション。短期の資金繰りリスクは低い。
・オフバランス:リース債務や保証などのオフバランス情報は未記載のため評価不可。
・営業CF対純利益:1.48倍と高品質。利益が現金化されている。
・フリーCF:会社開示は未記載だが、営業CF16.09億円-設備投資5.15億円=推計FCF約10.94億円とプラス。財務CFは▲5.99億円で、余剰CFを用いた債務返済・配当等の可能性。
・運転資本:売掛54.64億円、棚卸9.27億円、買掛27.89億円。運転資本(簡便計算)約36億円、四半期内の大きな操作を示す情報は限定的。営業CFの伸長は営業利益の回復寄与が主因とみられる。
・注意点:投資CFの詳細(M&A、投資有価証券の売買など)は未記載で、キャッシュの持続性評価に不確実性が残る。
・配当性向:計算値23.6%と保守的。純利益・営業CFの水準からみて現行レンジの配当は持続可能性が高い。
・FCFカバレッジ:推計FCF約10.9億円で、常識的な配当総額(未記載)と比較して十分な余力があると推定。ただし投資CF(成長投資・戦略投資)の実行次第で余力は変動。
・方針見通し:財務体質が強固なため、安定配当をベースに業績連動の増配余地はある一方、ROICの低さを踏まえると、まずは高収益投資への再配分や自社株買いの選択肢も検討余地。
ビジネスリスク:
- 自動車生産サイクル・モデルチェンジの変動による需要リスク
- 原材料(鋼材)・エネルギー価格の上昇による粗利圧迫
- 主要顧客集中(自動車OEM/ティア1)に伴う価格低下圧力
- EV化・軽量化トレンドに伴う製品ポートフォリオの陳腐化リスク
- 労務費上昇・人手不足による固定費上振れ
財務リスク:
- ROIC 2.9%と資本コスト割れによる価値毀損リスク
- 固定資産比率の高さ(総資産の63%)による資産回転率低下と減損リスク
- 営業外収益依存の高さに伴う純利益ボラティリティ
- 為替変動(輸出入・素材調達)による採算変動
- 投資CFの不透明性(未記載)に伴う資金配分リスク
主な懸念事項:
- 構造的に低い資本効率(ROE 3.7%、ROIC 2.9%)
- 営業利益率がまだ低位(4.7%)で、景況変動に脆弱
- 非コア収益(営業外)の相対的依存度が高い
- 固定資産の資産効率・稼働率の可視性が限定的
- データ未記載項目が多く、投資・配当の全体像把握に不確実性
重要ポイント:
- 売上+7.5%に対し営業利益+272%で、コストコントロールと価格転嫁の効果が顕在化
- 営業利益率は4.7%へ改善、推計で+337bpの拡大
- 営業CF/純利益1.48倍、推計FCF約10.9億円でキャッシュ創出は良好
- 財務体質は強固(流動比率181%、D/E0.44x、ICR54.7x)
- ROIC 2.9%と資本効率は課題、固定資産効率の改善が必要
- 営業外収益の寄与が大きく、コア収益力の底上げが評価の分水嶺
注視すべき指標:
- 営業利益率・粗利率のトレンド(価格転嫁の定着度)
- ROICと総資産回転率(固定資産回転・稼働率)
- 営業外収益の構成・変動(配当収入・利息・その他)
- 運転資本回転日数(売掛・棚卸・買掛)
- 設備投資額と投資リターン(IRR/回収年数)
- 実効税率と特別要因の有無
セクター内ポジション:
自動車部品・金属加工同業内では、財務安全性は上位、収益性・資本効率は中下位。短期の利益回復は進む一方、中期のROIC改善余地が大きい。
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