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53102026 第1四半期プライムJGAAP

東洋炭素(5310) 2026年度第1四半期決算 減収・営業益70%減

2026年度第1四半期の売上高は105.8億円(前年同期比-7.8%)、営業利益は6.3億円(同-70.3%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

東洋炭素株式会社

建設・資材/ガラス・土石製品


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥105.8億¥114.8億−7.8%
営業利益¥6.3億¥21.4億−70.3%
経常利益¥8.2億¥18.9億−56.5%
純利益¥6.1億¥12.8億−52.3%
ROE(年換算)2.5%5.2%-

Executive Summary

2026年度第1四半期は、売上減少に加えて粗利率の大幅悪化が響き、大幅減益となった決算である。売上高は105.8億円(前年比-7.8%)、営業利益は6.3億円(同-70.3%)、経常利益は8.2億円(同-56.5%)、純利益は6.1億円(同-52.3%)となった。減収率を上回るペースで粗利益率が38.2%から26.2%へ低下したことが減益の主因であり、販管費削減(同-5.2%)では吸収しきれなかった。

業績変動要因

【売上高】売上高は105.8億円で前年同期比7.8%減。主力の日本セグメントが55.1億円と同12.2%減となり全社減収を牽引した。アジアは27.4億円(同-4.5%)、欧州は12.8億円(同-0.9%)と減収が続く一方、米国は10.4億円(同+1.1%)と増収を維持した。地域別売上構成では日本43.4%、アジア33.5%、欧州12.8%、北米10.0%であり、日本比率は前年の45.2%からやや低下した。

【損益】営業利益は6.3億円で同70.3%減、営業利益率は6.0%と前年の18.6%から大幅に低下した。粗利率が26.2%(前年38.2%)へ低下したことが主因で、販管費の削減幅(-5.2%)は売上減少率を下回り固定費負担が相対的に重くなった。営業外では為替差益0.6億円や持分法利益0.9億円が経常利益8.2億円を下支えし、特別損益は固定資産売却益等により純額+0.3億円となった。減収減益であり、本業の粗利率悪化が利益全体を押し下げる構図である。

セグメント別分析

セグメント利益は日本7.8億円、米国0.2億円、欧州0.1億円、アジア-0.1億円(損失)であり、日本が報告セグメント利益合計8.1億円の大半を占める構造に変化はない。日本セグメント利益率は14.2%(前年25.5%)まで低下し、前年同期比51.2%減益となった。米国・欧州の利益率はそれぞれ1.8%、0.9%と低水準にとどまる。アジアは前年同期の利益0.4億円から損失0.1億円へ転じ、地域収益性のばらつきが拡大している。連結調整額は-1.7億円で前年の+3.7億円から悪化し、連結営業利益を押し下げた。

主要財務指標

【収益性】営業利益率6.0%、純利益率5.8%はいずれも前年同期(18.6%、11.1%)から大幅に低下した。粗利率も26.2%と前年の38.2%から1,205bt低下しており、収益性悪化の中心は原価率上昇にある。【キャッシュ品質】売掛金147.8億円、棚卸資産157.3億円と運転資本が大きく、在庫・売上債権の回転が長期化している可能性がある。【投資効率】年換算ROEは2.5%、有形固定資産は494.2億円で総資産の41.5%を占め、資本集約的な設備基盤に対して足元の収益力は低水準にとどまる。【財務健全性】自己資本比率80.5%、現金及び預金161.6億円、有利子負債は短期14.1億円・長期34.9億円と限定的で、財務基盤は保守的である。ただし短期借入金は前年同期の8.3億円から14.1億円へ増加している。

キャッシュフロー分析

キャッシュフロー計算書は開示されていないため、貸借対照表の変化から資金動向を分析する。現金及び預金は161.6億円で前年同期の152.6億円から増加した一方、売掛金147.8億円、棚卸資産157.3億円(うち仕掛品109.0億円、原材料42.6億円)が高水準で推移し、運転資本への資金拘束が続いている。短期借入金は8.3億円から14.1億円へ増加しており、運転資金需要の高まりを示唆する。長期借入金は34.9億円で前年の37.6億円からやや減少し、有形固定資産は494.2億円へ増加していることから、設備投資は継続されている。現金水準は短期負債を大きく上回り、当面の資金繰りに懸念は見られない。

収益の質

営業外収益は2.2億円で売上高の2.0%にとどまり、経常的な収益構造への依存度は高くない。ただし為替差益0.6億円は営業利益6.3億円の9.5%に相当し、経常利益の変動要因として無視できない。特別利益0.6億円(固定資産売却益0.4億円)から特別損失0.3億円(固定資産除却損)を差し引いた特別損益は純額+0.3億円で、純利益6.1億円の約4.9%に相当し、純利益を大きく歪める規模ではない。経常利益8.2億円と純利益6.1億円の乖離は主に法人税等2.4億円によるもので、実効税率は概ね通常水準にある。全体として、当期利益は本業の収益力低下を営業外・特別損益がわずかに補完する構図であり、収益の質は本業改善の有無に左右される。

業績予想・ガイダンス

通期会社予想は売上高490.0億円(前年比+6.1%)、営業利益62.0億円(同-8.3%)、経常利益60.0億円(同-25.8%)であり、いずれも据え置かれている。Q1の進捗率は売上高21.6%、営業利益10.2%、経常利益13.7%、純利益12.2%(純利益予想50.0億円に対し6.1億円)で、標準的な25%進捗を下回る。特に営業利益・純利益の進捗遅れが大きく、通期計画達成にはQ2以降の粗利率回復とアジア事業の採算改善が前提となる。

株主還元

通期配当予想は1株145円で、通期予想EPS238.41円に基づく配当性向は約60.8%となる。配当性向は年間配当予想額を通期純利益予想(50.0億円)で除して算定しており、自社株買いは含まない。60%をやや上回る水準で、Q1純利益は通期計画の12.2%にとどまることから、通期利益計画の達成状況が今後の配当余力を左右する。現金及び預金161.6億円、自己資本比率80.5%という財務基盤は配当の安定性を下支えする材料となる。

リスク要因

  1. 主力事業(日本セグメント)の採算低下: 日本セグメント売上高は55.1億円で前年同期比12.2%減、セグメント利益は7.8億円で同51.2%減、利益率も14.2%(前年25.5%)へ低下した。セグメント利益合計の大部分を日本が占めるため、同事業の需要・価格動向が全社業績を左右する。

  2. アジア事業の赤字転化: アジアセグメントは売上高27.4億円(同-4.5%)で、セグメント損益は前年同期の利益0.4億円から損失0.1億円へ転じた。海外売上比率が過半を占める中、アジア地域の需要弱含みが採算に影響している。

  3. 収益性・資本効率の低下: 営業利益率6.0%、年換算ROE2.5%はいずれも前年同期から大幅に低下した。有形固定資産が総資産の41.5%を占める資本集約的な事業構造に対し、足元の収益創出力は相対的に低い水準にある。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

収益性・リターン

指標自社中央値 (IQR)Delta
営業利益率6.0%7.2% (3.2%–12.5%)−1.2pt
純利益率5.8%5.9% (2.9%–12.5%)−0.1pt

自社の営業利益率・純利益率はいずれも業種中央値をやや下回る水準にある。

成長性・資本効率

指標自社中央値 (IQR)Delta
売上高成長率(前年比)−7.8%5.6% (1.1%–13.9%)−13.4pt

売上高成長率は業種中央値を大きく下回り、同業他社の多くが増収を確保する中での減収である。

※出所: 当社調べ

決算上の注目ポイント

  1. 減益の主因は売上減少幅を上回る粗利率の悪化(38.2%→26.2%)にあり、販管費削減(-5.2%)では吸収できていない。今後は原価率の推移が業績回復の鍵となる。

  2. 主力の日本セグメントの利益率低下(25.5%→14.2%)とアジア事業の赤字転化により、地域分散による収益補完が機能していない点が構造的な課題として観察される。

  3. 通期計画に対するQ1進捗率は営業利益10.2%、純利益12.2%と標準的な25%を大きく下回っており、通期計画はQ2以降の収益性改善を前提としている。財務基盤(自己資本比率80.5%)は保守的で、業績変動への耐性を示す。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)4,013円
base(基準)4,086円
bull(強気)4,139円
算出前提
1株純資産(BPS)4,571円
調整後予想EPS266.2円
株主資本コスト r9.77%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 1.00%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向60.8%
予想EPSの信頼度調整×1.117(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER0.89倍 / 15.3倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 3,977円〜4,201円、ω±0.1で 4,071円〜4,096円。

注記:

  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。