- 売上高: 340.95億円
- 営業利益: 54.20億円
- 当期純利益: 71.89億円
- 1株当たり当期純利益: 216.06円
| 項目 | 当期 | 前期 | 増減率 |
|---|
| 売上高 | 340.95億円 | 390.62億円 | -12.7% |
| 売上原価 | 231.56億円 | - | - |
| 売上総利益 | 159.05億円 | - | - |
| 販管費 | 66.39億円 | - | - |
| 営業利益 | 54.20億円 | 92.66億円 | -41.5% |
| 営業外収益 | 5.81億円 | - | - |
| 営業外費用 | 1.10億円 | - | - |
| 経常利益 | 60.14億円 | 97.37億円 | -38.2% |
| 税引前利益 | 100.26億円 | - | - |
| 法人税等 | 28.36億円 | - | - |
| 当期純利益 | 71.89億円 | - | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 45.31億円 | 71.89億円 | -37.0% |
| 包括利益 | 38.90億円 | 76.33億円 | -49.0% |
| 支払利息 | 18百万円 | - | - |
| 1株当たり当期純利益 | 216.06円 | 342.80円 | -37.0% |
| 1株当たり配当金 | 0.00円 | 0.00円 | - |
| 項目 | 当期末 | 前期末 | 増減 |
|---|
| 流動資産 | 595.53億円 | 641.12億円 | -45.59億円 |
| 現金預金 | 129.76億円 | 160.00億円 | -30.24億円 |
| 売掛金 | 146.63億円 | 176.09億円 | -29.46億円 |
| 棚卸資産 | 139.08億円 | 116.42億円 | +22.66億円 |
| 固定資産 | 526.51億円 | 490.78億円 | +35.73億円 |
| 項目 | 値 |
|---|
| 純利益率 | 13.3% |
| 粗利益率 | 46.6% |
| 流動比率 | 516.4% |
| 当座比率 | 395.8% |
| 負債資本倍率 | 0.18倍 |
| インタレストカバレッジ | 301.11倍 |
| 実効税率 | 28.3% |
| 項目 | 前年同期比 |
|---|
| 売上高前年同期比 | -12.7% |
| 営業利益前年同期比 | -41.5% |
| 経常利益前年同期比 | -38.2% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益前年同期比 | -37.0% |
| 包括利益前年同期比 | -49.0% |
| 項目 | 値 |
|---|
| 発行済株式数(自己株式含む) | 20.99百万株 |
| 自己株式数 | 20千株 |
| 期中平均株式数 | 20.97百万株 |
| 1株当たり純資産 | 4,532.23円 |
| 項目 | 金額 |
|---|
| 第2四半期配当 | 0.00円 |
| 期末配当 | 145.00円 |
| セグメント | 売上高 | 営業利益 |
|---|
| ASIA | 2.48億円 | 3.81億円 |
| EUROPE | 52百万円 | 75百万円 |
| JAPAN | 54.04億円 | 35.66億円 |
| UNITEDSTATES | 90百万円 | 69百万円 |
| 項目 | 予想値 |
|---|
| 売上高予想 | 480.00億円 |
| 営業利益予想 | 75.00億円 |
| 経常利益予想 | 70.00億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益予想 | 50.00億円 |
| 1株当たり当期純利益予想 | 238.41円 |
| 1株当たり配当金予想 | 145.00円 |
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2025年度Q3の東洋炭素は、売上・利益ともに減速し、特に営業段階の落ち込みが目立つ減益決算となりました。売上高は340.95億円で前年同期比-12.7%、営業利益は54.20億円で同-41.5%と大幅減、経常利益は60.14億円で同-38.2%、当期純利益は45.31億円で同-37.0%となりました。営業利益率は15.9%(=54.20/340.95)で、前年の約23.8%から約-787bp縮小したと推定されます。純利益率は13.3%で、前年の約18.4%から約-510bp縮小と見られ、収益性の低下が明確です。粗利益率は46.6%と高水準を維持する一方、販売費及び一般管理費は66.39億円で売上比19.5%となり、売上減少下で固定費負担が相対的に重くなった可能性があります。営業外は収益5.81億円、費用1.10億円でネットプラスながら、経常段階への寄与は限定的です。税引前当期純利益が100.26億円と経常利益60.14億円を大きく上回っており、特別利益の計上が推察されるため、一時要因が当期の利益を押し上げた可能性があります。結果として営業外・特別要因(非オペ)の寄与が相対的に高く、実力ベースの収益力は営業減益に表れていると評価します。ROEは4.8%にとどまり、資本コスト水準(一般的に7-8%程度)を下回るとみられます。ROICは4.5%で警戒域(<5%)に位置し、資本効率の面でも厳しい内容です。総資産は1,122.05億円、総資産回転率は0.304倍と低水準で、厚い運転資本(運転資本480.21億円)と豊富な現預金129.76億円が回転効率を押し下げています。財務面は極めて健全で、流動比率516.4%、当座比率395.8%、負債資本倍率0.18倍、インタレストカバレッジ301倍と強固です。営業CFは未記載のため、営業CF対純利益の乖離を検証できず、利益の現金裏付けに不確実性が残ります。配当性向は計算値で67.2%とやや高めで、FCF情報がないため持続可能性の判断には留意が必要です。先行きは、売上回復と固定費吸収度の改善、在庫・売掛金の適正化による資産回転の引き上げがROE/ROIC改善の鍵になります。一方で非オペ要因に依存しない営業力の再強化が求められ、短期的には利益率の回復に時間を要する可能性があります。
【デュポン分解】ROE 4.8% = 純利益率13.3% × 総資産回転率0.304 × 財務レバレッジ1.18倍。最も弱含んだ要素は純利益率と総資産回転率で、前年からの営業減益・売上減少が直撃しています。営業利益率は今期15.9%と推定され、前年から約-787bp悪化しており、固定費の吸収率低下や価格/ミックスの逆風が主因とみられます。総資産回転率0.304倍は、売上縮小に加え、在庫139.08億円や売掛金146.63億円、潤沢な現金129.76億円の積み上がりが回転を下げた結果です。財務レバレッジは1.18倍と低く、ROE押し上げ効果は限定的で、同社の低負債戦略が資本効率の見かけを抑制しています。営業外・特別要因の寄与で税引前利益が膨らんだものの、経常段階までの改善は限定的で、持続性の観点では評価は慎重です。販管費率は19.5%で、売上減少に対して販管費の伸縮性が十分でなかった公算が高く、営業レバレッジは逆回転しています。これらの変化のうち、固定費負担の重さと資産回転は、需要回復・在庫是正・売上規模の戻りにより改善余地はある一方、短期的には一時的改善に留まるリスクもあります。懸念トレンドとして、売上成長率(-12.7%)に対し販管費の絶対額が高止まりしている点、及び非オペ比率(営業外収入比率12.8%)の相対的上昇を指摘します。
売上は340.95億円で前年同期比-12.7%と減速。需要サイクルや価格調整の影響が示唆され、数量・ミックス・為替いずれかの逆風が考えられます。営業利益は-41.5%と売上以上に悪化しており、固定費の吸収度低下・粗利率の圧迫・ミックス悪化のいずれか(または複合)が要因とみられます。経常利益-38.2%と非オペ寄与でも補えず、基礎収益力の鈍化が明確です。税引前利益は100.26億円と経常を大きく上回り、特別利益計上の可能性が高いものの、当期純利益は45.31億円(-37.0%)に留まり、ボトムラインの改善に直結していません。中期的な成長の鍵は、(1)需要回復局面における価格権・ミックス改善、(2)高付加価値領域へのポートフォリオシフト、(3)在庫・与信の適正化による回転効率改善です。短期見通しは需給環境の不確実性が高く、営業利益率の回復は段階的になる公算が大きいです。
流動比率516.4%、当座比率395.8%で流動性は極めて高く、警告水準(<100%)からは大きく乖離しています。負債資本倍率0.18倍、長期借入金40.34億円に対し現金129.76億円と、実質的に強いネットキャッシュ・準ネットキャッシュ体質とみられます(短期借入金は未記載)。インタレストカバレッジは301倍と非常に厚く、支払能力に懸念は限定的です。満期ミスマッチリスクは、流動資産595.53億円に対し流動負債115.32億円で低いと評価できます。オフバランス債務の情報は未記載で、リース等の潜在的債務の有無は確認困難です。自己資本は950.51億円と厚く、財務耐性は高いです。
営業キャッシュフローは未記載のため、営業CF/純利益や運転資本の現金影響を検証できません。したがって、営業CF/純利益<0.8といった品質警告の判定は行えず、データ制約を明示します。フリーキャッシュフロー、設備投資額、配当支払額、自社株買いも未記載のため、FCF対株主還元・投資の持続可能性評価は不確実です。損益データからは売上減少と在庫139.08億円・売掛金146.63億円の水準がうかがえ、期中に運転資本が現金を吸収している可能性がある点は留意事項です。非オペ・特別利益の寄与が税前利益を押し上げているため、キャッシュ創出は営業段階の動向を重視して見極める必要があります。
配当は詳細未記載ですが、配当性向(計算値)は67.2%と当社ベンチマーク60%を上回り、やや高めです。営業CF・FCFが未記載のため、配当の現金カバレッジ(FCFカバレッジ)の判定は不可です。財務体質は強固で短期的な配当継続リスクは高くないとみられる一方、利益水準の低下とROIC4.5%という資本効率の弱さを踏まえると、中期的には利益・CF創出の回復が配当維持の前提となります。将来の配当方針は、(1)業績の回復度合い、(2)成長投資の資金需要、(3)ネット現金ポジションの水準に左右される見込みです。
ビジネスリスク:
- 需要サイクル悪化・顧客業界(半導体、EV、産業材等)の投資抑制による売上減少リスク
- 価格/ミックス悪化と固定費負担の増大による営業利益率の低下
- 在庫・売掛金の滞留による資産回転率の低下と評価損リスク
- 非オペ・特別要因への一時的依存度上昇(税前利益のブーストの反動)
財務リスク:
- 営業CF未開示による現金創出力の不確実性
- 短期借入金未記載に伴う正味有利子負債の判定不確実性
- オフバランス債務(リース等)未把握による潜在債務リスク
主な懸念事項:
- ROIC4.5%・ROE4.8%と資本効率が資本コストを下回る水準に留まっている点
- 営業利益率の大幅悪化(約-787bp)と売上減少(-12.7%)の同時進行
- 税前利益>経常利益の大幅乖離(100.26億円 vs 60.14億円)に示唆される一時要因の影響
重要ポイント:
- 売上-12.7%、営業利益-41.5%で営業段階の減益が鮮明、営業利益率は約15.9%へ低下
- 税前利益は特別要因で上振れ示唆、持続性は限定的
- ROE4.8%、ROIC4.5%で資本効率は低位、改善には売上回復と回転効率の引き上げが必須
- 財務は極めて健全(流動比率516%、D/E0.18倍、ICR301倍)で耐久力は高い
- CF未記載により利益の現金裏付け確認が不可、配当性向67%はやや高め
注視すべき指標:
- 受注/ブック・トゥ・ビルと価格・ミックス動向
- 在庫回転日数・売掛金回収日数の推移(総資産回転率0.304倍の改善度)
- 営業CF/純利益、FCFと設備投資計画
- 営業利益率と粗利率の回復(bpベースの改善幅)
- 特別利益・非オペ収益の割合の縮小(経常・営業への回帰)
セクター内ポジション:
財務健全性は同業内でも高位と推定される一方、2025年度Q3は収益性・資本効率が業界平均を下回る局面。短期は需要サイクルの影響を強く受け、回復時の営業レバレッジ効果と回転効率改善が相対的な再評価の鍵となる。
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