クイックビュー
| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥21.1億 | ¥16.5億 | +27.6% |
| 営業利益 | ¥1.8億 | ¥7.4億 | −75.1% |
| 経常利益 | ¥2.0億 | ¥6.0億 | −67.1% |
| 純利益 | ¥10.9億 | ¥4.0億 | +176.8% |
| ROE | 16.9% | 8.2% | - |
Executive Summary
2026年度第2四半期累計決算は、売上高21.1億円(前年同期比+4.6億円 +27.6%)、営業利益1.8億円(同-5.6億円 -75.1%)、経常利益2.0億円(同-4.0億円 -67.1%)、当期純利益10.9億円(同+6.9億円 +176.8%)。増収大幅減益の様相を呈する中、税効果による法人税等-9.0億円の計上が純利益を大幅に押し上げた。売上高は2割超増加し成長軌道にあるものの、販管費9.0億円(対売上高42.5%)の増加で営業利益が急減。経常利益と純利益の乖離は8.9億円と極めて大きく、主因は税効果会計によるもので一時的要因と見られる。
業績変動要因
【売上高】売上高は21.1億円で前年同期16.5億円から27.6%増加。セグメント別では、共創プロダクト販売が持分法適用関連会社PlantStreamの持分相当額として2.0億円の売上を計上し、残りはDX事業が主体。売上総利益は10.8億円で粗利率51.2%と高水準を維持し、ビジネスモデルの収益性基盤は強固。売上増加の一部は持分法関連会社向け取引やグループ構成変化を含む。【損益】営業利益は1.8億円で前年同期7.4億円から75.1%減少。減益の主因は販管費が9.0億円(前年から増加)に膨張したこと。売上拡大ペース(+27.6%)に対し販管費の伸びが相対的に高く、営業レバレッジが効いていない。のれん償却費1.2億円を含む販管費構造の肥大化が利益圧迫要因。営業外収益は受取利息等で純額0.1億円のプラスに寄与し、経常利益は2.0億円(-67.1%)。経常利益と当期純利益の乖離が8.9億円と顕著で、税引前利益1.9億円に対し法人税等が-9.0億円と大幅なマイナスとなっている点が特徴的。これは繰延税金資産の計上や税効果調整による一時的要因と推察され、当期純利益10.9億円(+176.8%)は税効果に支えられた結果。結論として増収大幅減益。
セグメント別分析
共創プロダクト販売は売上高2.0億円、営業損失1.3億円を計上。売上はPlantStreamの持分法適用に伴う持分相当額で、営業損失は同社の営業赤字を持分で取り込んだもの。構成比では売上全体21.1億円の約9.5%を占めるが、収益面ではマイナス寄与。主力事業はDX事業で、連結売上高の大半を占め営業利益も同事業が主に創出していると見られる。セグメント注記によればDX事業からPlantStreamへの内部取引があり、持分法調整が入るため単純合算では評価できない構造。セグメント利益はのれん償却前営業利益で表示されており、実際の連結営業利益にはのれん償却費1.2億円が控除されている点に留意。共創プロダクト販売の赤字幅が大きく、同事業の収益化が課題。
主要財務指標
【収益性】ROE 16.9%(前年比は未開示だが業種中央値5.6%を大きく上回る)、営業利益率8.7%(前年18.9%から大幅低下、業種中央値14.0%を下回る)、純利益率51.8%(税効果により極めて高水準、業種中央値9.2%を大幅に上回るが持続性は低い)。【キャッシュ品質】現金及び預金34.1億円、短期負債24.7億円に対するカバレッジ1.4倍で短期的な流動性は確保。営業CF 0.7億円で純利益10.9億円に対する営業CF/純利益比率は0.06倍と著しく低く、収益の現金化が大幅に遅延。【投資効率】総資産回転率0.22倍(業種中央値0.35倍を下回る)、投下資本利益率は算出データなし。【財務健全性】自己資本比率68.7%(業種中央値60.2%を上回り良好)、流動比率181.4%(業種中央値7.74倍と単位が異なるが、短期支払能力は十分)、負債資本倍率0.46倍で財務レバレッジは保守的。有利子負債2.3億円、Debt/EBITDA 0.74倍と低水準で負債負担は軽微。無形固定資産29.8億円とのれん23.0億円で無形資産合計52.8億円は総資産94.4億円の55.9%を占め、無形資産集中度が極めて高い構造。
キャッシュフロー分析
営業CFは0.7億円で、当期純利益10.9億円に対し6%の現金化にとどまり、利益の現金裏付けが極めて弱い。主因は売掛金が前年比2.9億円増加(回収サイト147日)したことで運転資本が大幅に悪化したこと。投資CFは-4.5億円で内訳は子会社株式取得-4.5億円が主体、設備投資は-0.3億円と小規模。M&Aによる資金流出が投資CFの大半を占める。財務CFは-0.2億円で短期借入金の純増0.3億円があった一方、自社株買い-0.0億円と小規模。FCFは-3.8億円のマイナスで、現金創出力は弱い。現金及び預金残高は34.1億円と潤沢で前年同期比増加しており、M&A資金投下後も流動性は維持されているが、営業活動からの現金創出が伴っていない点が懸念材料。短期負債に対する現金カバレッジは1.4倍で当面の資金繰りリスクは低い。
収益の質
経常利益2.0億円に対し営業利益1.8億円で、非営業損益は純額0.1億円のプラス寄与にとどまる。営業外収益の詳細は未開示だが受取利息等が主と推察される。経常利益1.9億円に対し税引前利益1.9億円とほぼ一致し、特別損益は軽微。一方で税引前利益1.9億円から当期純利益10.9億円への急拡大は法人税等-9.0億円の大幅マイナスが主因であり、繰延税金資産の計上や税効果会計の調整によるもので一時的要因の可能性が高い。営業外収益が売上高に占める割合は僅少で、収益の大半は本業由来。しかし営業CFが純利益を大きく下回っており(営業CF/純利益 0.06倍)、収益の質は脆弱。アクルーアル比率が高く、会計上の利益と現金収支の乖離が顕著であり、収益の持続性には疑問が残る。
業績予想・ガイダンス
通期業績予想は売上高58.3億円、営業利益10.3億円、経常利益10.2億円、当期純利益15.4億円。第2四半期累計の進捗率は売上高36.2%、営業利益17.8%、経常利益19.3%、当期純利益70.9%。売上高は標準進捗50%に対し36.2%と下振れており、下期に売上が集中する計画。営業利益の進捗率17.8%は標準を大幅に下回り、下期での大幅な利益改善が前提。当期純利益は既に通期予想の7割超を達成しているが、これは第2四半期の税効果による特殊要因が寄与したためで、通期では税負担が正常化する見通し。前年通期実績(売上高40.3億円、営業利益16.9億円、経常利益8.7億円)と比較すると、通期予想は売上高+44.8%増、営業利益-39.0%減、経常利益+17.8%増の計画で、増収減益(営業ベース)ながら経常ベースでは増益見込み。進捗遅れは下期での挽回余地と売上計上の季節性次第だが、営業利益の下期偏重度が極めて高く実現可能性には注意が必要。
株主還元
年間配当予想は0.00円で無配を継続。前年も無配であり配当政策は未実施の方針。配当性向は算出不可。自社株買いは財務CFで-0.0億円と僅少の実績のみ。総還元性向も実質ゼロに近く、株主還元は現時点で行われていない。背景として営業CFが0.7億円と低水準でFCFもマイナスであり、配当や自己株取得を行う資金余力が限定的。成長投資(M&A等)を優先し内部留保を厚くする方針と推察される。現金預金34.1億円と潤沢だが、無形資産への投資回収やキャッシュ創出力の回復が株主還元再開の前提条件となる見込み。
リスク要因
- 収益の現金化リスク: 営業CF 0.7億円で営業CF/純利益比率0.06倍と極めて低く、会計利益と現金収支の乖離が重大。売掛金回転日数147日と長期化しており顧客回収の遅延が運転資本を圧迫。営業活動からの現金創出力が弱いまま推移すれば資金繰り悪化や成長投資制約のリスク。
- 無形資産集中と減損リスク: のれん23.0億円と無形固定資産29.8億円で合計52.8億円は総資産の55.9%を占める。M&A投資の回収が計画通り進まない場合や持分法適用関連会社の業績不振が継続すれば、のれんや無形資産の減損損失計上リスクが顕在化し純資産と収益性を大きく毀損する可能性。
- 営業レバレッジ未達と利益率低下リスク: 売上高27.6%増に対し営業利益は75.1%減と、販管費増加が営業利益を圧迫。通期予想でも営業利益減益計画であり、販管費コントロールと売上単価改善が進まなければ営業利益率の低迷が継続し収益性が構造的に低下するリスク。
業種ベンチマーク(参考・当社調べ)
【業種内ポジション】(参考情報・当社調べ)IT・通信業種の2025年第2四半期ベンチマークと比較すると、当社の収益性は営業利益率8.7%で業種中央値14.0%を下回り業種内では低位。ROE 16.9%は業種中央値5.6%を大幅に上回るが、これは税効果による純利益の一時的押し上げが主因で持続性には疑問が残る。純利益率51.8%は業種中央値9.2%を大きく超過するが同様に税効果要因。売上高成長率27.6%は業種中央値21.0%を上回り成長ペースは業種内で上位。総資産回転率0.22倍は業種中央値0.35倍を下回り、資産効率は業種内で低位。自己資本比率68.7%は業種中央値60.2%を上回り財務健全性は良好。キャッシュコンバージョン率(営業CF/純利益)0.06倍は業種中央値1.22倍を大きく下回り、業種内で最も弱い水準。売掛金回転日数147日は業種中央値116.70日を上回り回収サイトが長い。総合すると、成長性と財務健全性では業種標準以上だが、収益性(営業利益率)と現金創出力(キャッシュコンバージョン)では業種内で劣位にあり、これらの改善が業種並みのパフォーマンス達成に不可欠。業種: IT・通信(N=7社)、比較対象: 2025年第2四半期、出所: 当社集計。
決算上の注目ポイント
決算上の注目ポイントは以下の通り。第一に、売上高の高成長(前年比27.6%増)と粗利率51.2%の高水準維持はビジネスモデルの強みを示すが、営業利益の急減(-75.1%)は販管費膨張による営業レバレッジ不全を意味し、コスト構造改善の進捗が今後の収益性回復の鍵となる。第二に、当期純利益の急増(+176.8%)は税効果による一時的要因が主体であり、経常的な収益力の改善を反映していない点に留意が必要。営業利益の実力ベースでの回復が持続的な利益成長の前提条件。第三に、営業CF/純利益比率0.06倍という極めて低い水準は、会計上の利益が現金に結びついていないことを示し、売掛金回転日数147日の長期化が運転資本効率を悪化させている。顧客回収の改善と営業CFの正常化が資金繰り安定と成長投資継続の前提。第四に、無形資産集中度の高さ(総資産の55.9%)はM&A投資の成否と持分法適用会社の業績に業績が大きく左右される構造であり、無形資産の回収可能性と減損兆候のモニタリングが重要。通期業績予想に対する第2四半期進捗率の低さ(営業利益17.8%)は下期での大幅改善を織り込んでおり、実現可能性の検証が決算評価の焦点となる。
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。
AI財務分析
総括
2026年度Q2累計は、売上高が前年同期比27.6%増の21.09億円へ拡大した一方、営業利益は同75.1%減の1.83億円となり、増収減益である。売上高は前年同期の16.54億円から4.55億円増加した。売上総利益は10.80億円で、粗利益率は前年同期の63.1%から51.2%へ1,190bp低下した。販管費は8.96億円と前年同期の3.06億円から約2.93倍に増え、売上高比率は18.5%から42.5%へ約2,400bp上昇した。これにより営業利益率は前年同期の44.6%から8.7%へ約3,590bp急低下した。EBITDAは3.05億円、EBITDAマージンは14.5%であり、のれん償却前EBITDAは3.88億円である。JGAAP上ののれん償却0.82億円はEBITDAの27.0%を占め、買収後の会計上の利益圧縮は大きい。経常利益は1.97億円で、為替差益0.09億円などにより営業利益を0.14億円上回った。税引前利益は1.94億円にとどまったが、繰延税金資産の計上を主因とする法人税等マイナス8.99億円により、純利益は10.93億円、純利益率は51.8%となった。したがって、報告ROE 33.7%(年換算済み)は本業収益力よりも大幅な税効果の影響を受けた数値として読む必要がある。営業CFは0.67億円にとどまり、純利益との比率は0.06倍である。売掛金の増加1.45億円、契約負債の減少0.75億円、法人税等の支払0.20億円が営業CFを圧迫した。投資CFは子会社取得4.54億円を主因にマイナス4.50億円となり、フリーキャッシュフローはマイナス3.83億円である。現金預金34.11億円、流動比率181.4%、有利子負債2.25億円で短期的な資金余力は厚い。もっとも、のれん22.99億円と無形固定資産29.80億円への資産集中、ならびに買収先の統合・収益化が今後の収益性と減損リスクを左右する。通期会社予想に対するQ2累計の進捗は売上高36.2%、営業利益17.7%であり、下期に大きな利益改善を織り込む計画である。
収益性分析
デュポン分析では、ROE 33.7%(年換算済み)=純利益率51.8%×総資産回転率0.447倍×財務レバレッジ1.46倍である。最も変動・解釈上の重要性が大きい要素は純利益率であり、法人税等マイナス8.99億円による税負担係数5.629倍が純利益率を大きく押し上げた。税引前利益1.94億円に対して純利益10.93億円であるため、ROEの高さを恒常的な資本収益性とみなすことは適切でない。本業ベースでは、EBITマージンは8.7%と「良好」レンジの下限近辺にあるが、前年同期からは大幅に低下した。売上成長率27.6%に対し、販管費は前年同期比約192.9%増であり、販管費の伸びが売上成長を大幅に上回ったことが営業レバレッジ悪化の直接要因である。粗利益率も1,190bp低下しており、費用増だけでなく売上ミックスまたは案件採算の変化も利益率低下に寄与した可能性がある。JGAAPののれん償却0.82億円を加えたのれん償却前営業利益は約2.65億円となるが、前年同期営業利益7.38億円との比較では、会計方針差だけでは減益を説明できず、本業採算の低下が中心である。金利負担係数1.061、インタレストカバレッジ97.19倍であり、負債コストは利益低下の主因ではない。なお、総資産回転率0.447倍(年換算済み)は、M&Aに伴う無形資産・のれんの増加で投下資産が膨らむ局面にあり、買収資産の売上・利益寄与を通じた改善が課題となる。
成長性評価
売上高は前年同期比27.6%増と高成長を維持したが、利益面では営業利益が75.1%減、経常利益が67.1%減、税引前利益が67.7%減となっており、現時点の成長は利益を伴う形ではない。子会社取得による投資CF4.54億円、当期の新規連結子会社3社、のれんの前年比174.0%増は、非連続成長を取り込む局面を示す。買収対価に由来するのれんは22.99億円、のれん/EBITDAは7.54倍であり、回収期間は短くないが、10倍超の警戒水準には達していない。契約負債は14.54億円と大きく、将来売上への転化余地を示す一方、当期は0.75億円減少しており、営業CFへの寄与は逆風となった。通期予想は売上高58.31億円、営業利益10.32億円、経常利益10.22億円、親会社株主帰属利益15.73億円である。Q2時点の進捗率は、売上高36.2%で標準的な50%を13.8ポイント下回る。営業利益進捗率は17.7%で標準比32.3ポイント下回り、経常利益進捗率も19.3%で標準比30.7ポイント下回る。純利益進捗率は69.5%と標準比19.5ポイント上回るが、繰延税金資産による税効果の寄与が大きく、本業進捗の強さを示すものではない。通期計画の達成には、下期に売上高37.22億円、営業利益8.49億円を計上する必要があり、上期比で大幅な営業利益率の改善が前提となる。
財務健全性
流動比率および当座比率はともに181.4%で、流動資産44.88億円が流動負債24.74億円を20.14億円上回る。現金預金は34.11億円であり、現金/短期負債22.74倍という水準から、短期債務への即時対応力は高い。有利子負債は2.25億円、Debt/EBITDAは0.74倍、Debt/Capital比率は3.4%、負債資本倍率は0.46倍であり、レバレッジは保守的である。D/Eが2.0倍を大きく下回り、流動比率も1.0倍を上回るため、数値上の流動性・債務超過懸念はない。一方、品質アラートの短期負債比率67%は、負債の満期構成が短期側に偏っていることを示す。現金残高が短期負債を大幅にカバーするため現時点の借換リスクは限定的だが、営業CFが弱い状態が継続する場合には、運転資金と買収投資を現金に依存する構図となる。のれんは前年同期比14.60億円増の22.99億円、無形固定資産は16.35億円増の29.80億円で、両者への資産集中が顕著である。のれんは純資産の35.5%で30%を上回る「高め」の水準にあり、無形固定資産は総資産の31.6%で30%超の集中警戒水準にある。繰延税金資産は12.30億円、総資産の約13.0%を占め、当期の純資産増加と純利益には将来課税所得の実現可能性を前提とする税効果が大きく寄与している。有形固定資産は0.34億円から1.28億円へ282.1%増、売掛金は5.63億円から8.49億円へ51.0%増、利益剰余金は18.99億円から29.93億円へ57.6%増となった。売掛金の増加は売上成長を一部反映するが、回収期間の長期化と重なっており、回収管理が重要である。
B/S変動のポイント
有形固定資産: +0.94億円(+282.1%)- 建物・工具器具備品等の増加により拡大。総資産比は1.4%にとどまり、資産構成への影響は限定的。のれん: +14.60億円(+174.0%)- 子会社取得を伴うM&A拡大が主因。純資産の35.5%を占め、買収事業の収益化遅延時には減損リスクを監視する必要がある。無形固定資産: +16.35億円(+121.5%)- のれんを含む無形資産が総資産の31.6%を占める資産集中。ソフトウェア等の将来収益寄与と償却・減損負担が重要。利益剰余金: +10.94億円(+57.6%)- 当期純利益10.93億円の計上が主因。ただし利益増には繰延税金資産計上に伴う税効果が大きく、現金創出を伴う内部留保の増加とは区別を要する。売掛金: +2.87億円(+51.0%)- 売上成長に加え、DSO 74日という回収長期化警告と整合的。営業CFの圧迫要因であり、回収条件・検収進捗を監視。短期借入金: +0.30億円(+25.0%)- 増加幅は小さいが、短期負債比率67%の満期構成警告を伴う。ただし現金預金34.11億円と高い流動性が緩衝材となる。
キャッシュフロー品質
営業CFは0.67億円で、純利益10.93億円に対する営業CF/純利益比率は0.06倍であり、0.8倍を大幅に下回る収益品質警告に該当する。これは純利益が繰延税金資産計上に伴う法人税等マイナス8.99億円で押し上げられたことに加え、売掛金増加1.45億円と契約負債減少0.75億円によって現金化が遅れたためである。アクルーアル比率10.9%は10%超の警戒水準にあり、利益に対する非現金項目および運転資本要因の比重が高い。現金転換率(OCF/EBITDA)0.22倍も0.7倍を大きく下回り、EBITDA 3.05億円が営業キャッシュに十分転化していない。DSOは74日で60日超の警戒水準にあり、売掛金8.49億円の回収速度は運転資本上の主要な監視項目である。仕掛品は0.12億円と金額は小さいが、在庫に占める仕掛品比率100.0%との品質アラートは、案件進行・検収・原価管理の変動が在庫評価に直接影響しやすい構成を示す。投資CFはマイナス4.50億円で、子会社取得4.54億円が主因であり、フリーキャッシュフローはマイナス3.83億円となった。M&Aを含む投資を営業CFで賄えておらず、当期の資本配分は手元現金の取り崩しに依存した。設備投資は0.29億円、設備投資/減価償却は0.24倍で、0.7倍未満の投資不足警告に該当する。もっとも、無形固定資産取得1.20億円と子会社取得4.54億円を実施しており、投資が全く行われていないのではなく、有形設備投資よりソフトウェア・M&Aに資本配分が偏っている。今後は、買収後の利益・営業CF創出、売掛金回収、契約負債の積み上がりがキャッシュフロー品質の改善条件となる。
配当持続性
第2四半期配当は1株当たり0円であり、配当金のみで計算する配当性向は0%である。通期予想の1株当たり配当も0円であり、現時点で現金配当による資金流出は見込まれていない。自社株買いは0.00億円(Raw値では0.004億円)と極めて小さく、総還元性向も実質的にゼロに近い。したがって、配当・自己株買いの負担がフリーキャッシュフローのマイナス3.83億円を悪化させている状況ではない。資本配分上の焦点は株主還元ではなく、M&A投資4.54億円、無形資産投資、および買収先のキャッシュ創出力にある。現金預金34.11億円と低い有利子負債は将来の還元余地を支えるが、営業CF/純利益0.06倍であるため、将来の還元余力は会計利益より営業CFの回復によって評価する必要がある。
リスク評価
ビジネスリスクとして、高優先度:M&A統合・収益化リスク。子会社取得CF4.54億円、新規連結子会社3社、のれん22.99億円という拡大に対し、営業利益は前年同期比75.1%減であり、統合費用、案件採算、クロスセルの進捗が収益回復を左右する。、高優先度:DX・ソフトウェア開発案件の採算・検収リスク。粗利益率が前年同期比1,190bp低下し、仕掛品比率100.0%の警告もあるため、個別案件の原価超過、検収遅延、収益認識の後ずれが利益率に影響し得る。、中優先度:売掛金回収リスク。DSO 74日、売掛金前年比51.0%増であり、顧客の検収・支払条件の悪化が営業CFを追加的に圧迫する可能性がある。、中優先度:人材・開発能力リスク。情報・通信業では高度DX人材の採用・定着および開発生産性が案件遂行力と販管費率に直結し、販管費の急増局面では特に重要である。、中優先度:技術陳腐化・サイバーセキュリティリスク。ソフトウェア・無形資産への投資比重が高く、技術競争力の低下、セキュリティ事故、顧客情報保護上の事象は受注・ブランド・追加投資負担に影響し得る。が挙げられます。
財務リスクとしては、高優先度:利益の現金化リスク。営業CF/純利益0.06倍、アクルーアル比率10.9%、OCF/EBITDA 0.22倍はいずれも品質警告であり、純利益の大半が当期の営業現金創出を表していない。、高優先度:のれん・無形資産の減損リスク。のれん/純資産35.5%、無形資産/総資産31.6%、のれん/EBITDA 7.54倍であり、買収事業の計画未達時には利益および純資産への影響が大きい。、中優先度:税効果資産の実現可能性リスク。繰延税金資産12.30億円と当期の法人税等マイナス8.99億円により純利益が大きく増加しており、将来の課税所得創出が重要な前提となる。、中優先度:短期負債の満期集中リスク。短期負債比率67%は警告水準だが、現金/短期負債22.74倍、流動比率181.4%であり、現時点の流動性バッファは十分である。、中優先度:JGAAPのれん償却負担。のれん償却0.82億円はEBITDAの27.0%で15%超の重大な歪曲水準にあり、IFRS適用企業との営業利益・純利益比較では不利になりやすい。が挙げられます。
主な懸念事項としては、発生可能性・影響度とも最も高い論点は、下期に必要な大幅な営業利益率回復の実現性である。通期営業利益予想10.32億円に対し、Q2進捗は17.7%にとどまる。、純利益10.93億円と営業CF0.67億円の乖離は、税効果と運転資本による一時的な要因を含むため、投資判断では営業利益・EBITDA・営業CFを分けて確認する必要がある。、設備投資/減価償却0.24倍は更新・成長投資不足の警告である。無形資産およびM&Aへ投資が偏るなか、既存の開発・サービス提供基盤の競争力維持も監視対象となる。、セグメント別の売上高・のれん償却前営業利益の定量値、ならびにリカーリング収益、解約率、受注残高等の詳細が限定されるため、事業別の収益回復力と買収後のKPI達成度には追加的な確認が必要である。が挙げられます。
投資示唆
重要ポイントとして、売上高は27.6%増だが、営業利益率は44.6%から8.7%へ大幅に低下しており、増収の質は利益率回復の確認を要する。、純利益およびROEは繰延税金資産計上に伴う大幅な税効果で押し上げられており、本業価値の評価では営業利益、のれん償却前EBITDA、営業CFを重視すべきである。、低レバレッジと34.11億円の現金によりM&A投資への耐性はあるが、買収資産の収益化がのれん・無形資産の価値維持の前提となる。、通期計画は下期偏重であり、営業利益の進捗率17.7%からの改善速度が最重要の検証事項である。が挙げられます。
注視すべき指標は、営業利益率、粗利益率、販管費率、営業CF/純利益比率、OCF/EBITDA、フリーキャッシュフロー、DSO、売掛金残高、契約負債の増減、のれん/EBITDA、のれん/純資産、減損の有無、繰延税金資産残高と税効果を除く経常的利益、通期営業利益予想10.32億円に対する四半期別進捗です。
セクター内ポジションについては、財務レバレッジ、流動性、利息返済能力は強固である一方、収益性の足元の悪化、営業キャッシュ転換の弱さ、無形資産・のれん集中が評価上の相殺要因となる。JGAAPののれん償却がEBITDAの27.0%を占めるため、買収積極企業やIFRS適用企業との比較では、営業利益・純利益だけでなく、のれん償却前EBITDAとキャッシュ転換率で比較することが適切である。