| 指標 | 当期 | 前年同期 | YoY |
|---|---|---|---|
| 売上高 | ¥8984.4億 | ¥8963.0億 | +0.2% |
| 営業利益 | ¥746.2億 | ¥777.5億 | -4.0% |
| 経常利益 | ¥750.9億 | ¥753.7億 | -0.4% |
| 純利益 | ¥84.5億 | ¥173.0億 | -51.2% |
| ROE | 1.2% | 2.6% | - |
2026年度決算は、売上高8,984億円(前年比+21億円 +0.2%)、営業利益746億円(同-31億円 -4.0%)、経常利益751億円(同-3億円 -0.4%)、親会社株主に帰属する純利益254億円(同-320億円 -55.8%)。売上は横ばいながら粗利率は24.9%(+0.7pt改善)と底堅く推移したが、販管費の増加(1,486億円、+9.3%)により営業段階は減益。純利益は減損損失253億円の計上で大幅減となった。営業CF1,142億円と純利益の4.5倍のキャッシュ創出力を維持し、投資CF-987億円を差し引いたFCFは156億円と黒字を確保。流動比率99%、短期借入金1,585億円に対し現金637億円と流動性は張り付き気味で、金利負担も60億円へ増加した。来期は売上1兆270億円(+14.3%)、純利益480億円(+89%)と特損一巡による大幅回復を見込む。
【売上高】売上高は8,984億円(+0.2%)とほぼ横ばい。セグメント別では主力のセメントが6,679億円(-0.0%)と前年並みで売上構成比74.3%を占める。資源事業は909億円(+3.0%)、環境事業は818億円(+1.1%)と堅調に推移し、建材・建築土木は434億円(-2.0%)と減収。その他は805億円(+2.5%)。地域別では日本5,437億円(前年5,320億円、+2.2%)、米国2,793億円(同2,907億円、-3.9%)、その他755億円(同737億円、+2.5%)で、日本が54.4%、米国が31.1%を占める二極構造。粗利率は24.9%(前年24.2%)と+0.7pt改善し、販売価格の維持と原価低減が寄与したとみられる。
【損益】営業利益は746億円(-4.0%)で利益率8.3%(前年8.7%、-0.4pt)。販管費は1,486億円(+9.3%)と売上成長を大きく上回る伸びで、販管費率は16.5%(前年15.5%、+1.0pt)に上昇。セグメント別ではセメントが営業利益493億円(-9.4%)で利益率7.4%(同8.1%)に低下、資源は101億円(+4.5%)で利益率11.1%、環境は93億円(+3.2%)で利益率11.3%と二桁マージンを維持。経常利益は751億円(-0.4%)と小幅減。営業外収益は受取配当金26億円、受取利息12億円、為替差益14億円を含む116億円、営業外費用は支払利息60億円を含む112億円で、金利負担は前年の43億円から+40%増加。特別損益では特別損失328億円を計上し、主因は減損損失253億円。税引前利益は445億円(-40.3%)、法人税等176億円(実効税率39.6%)を差し引き、親会社株主に帰属する純利益は254億円(-55.8%)。結論として増収減益。
セメントは売上6,679億円(-0.0%)、営業利益493億円(-9.4%)で利益率7.4%(前年8.1%、-0.7pt)。売上構成比74.3%を占める主力だが、原燃料・物流コスト上昇とマクロ需要の伸び悩みで採算低下。資源は売上909億円(+3.0%)、営業利益101億円(+4.5%)で利益率11.1%と高水準を維持。骨材・石灰石製品の堅調な需要が寄与。環境事業は売上818億円(+1.1%)、営業利益93億円(+3.2%)で利益率11.3%。廃棄物リサイクル・脱硫材需要が底堅く、二桁マージン継続。建材・建築土木は売上434億円(-2.0%)、営業利益19億円(-20.0%)で利益率4.4%(同5.4%)と大幅に低下。コンクリート二次製品の採算悪化が影響。その他805億円(+2.5%)、営業利益42億円(+6.6%)で利益率5.2%。全体としてセメント依存度の高さと、資源・環境の補完構造が顕著。
【収益性】営業利益率8.3%(前年8.7%、-0.4pt)、経常利益率8.4%(同8.4%、横ばい)、純利益率2.8%(同6.4%、-3.6pt)。粗利率は24.9%(+0.7pt改善)だが販管費率16.5%(+1.0pt)の上昇で営業レバレッジは限定的。ROE3.6%(前年9.5%)は減損を含む特損の影響で大幅低下。ROA(経常利益ベース)5.2%(前年5.5%)。EBITDAは1,451億円(営業利益746億円+減価償却705億円)でEBITDAマージン16.2%、キャピタルインテンシブな業態として良好な水準。【キャッシュ品質】営業CF1,142億円は純利益254億円の4.5倍、OCF/EBITDA比率0.79倍と現金転換は底堅い。営業CF小計1,298億円から運転資本変動-43億円(在庫-93億円、売掛-64億円、仕入+19億円)、税金支払-147億円を控除。減価償却705億円とCapEx1,010億円でCapEx/減価償却比率1.43倍と更新・増強投資が先行。【投資効率】総資産回転率0.61回(前年0.63回)とやや鈍化。固定資産回転率1.20回(同1.27回)。持分法投資利益19億円(前年-7億円の損失から黒字化)。【財務健全性】自己資本比率48.2%(前年47.5%、+0.7pt)、D/E比率0.46倍(同0.48倍)、Debt/EBITDA比率2.13倍と長期的支払能力は投資適格レンジ。流動比率99%(前年104%)と1倍を割り込み、短期負債4,169億円に対し流動資産4,126億円と薄い余裕。インタレストカバレッジ(EBIT/支払利息)12.4倍。
営業CFは1,142億円(前年1,179億円、-3.1%)で純利益の4.5倍と高品質。営業CF小計1,298億円に運転資本変動-43億円、法人税支払-147億円、利息・配当収支-9億円(受取48億円-支払56億円)を加減算。在庫増-93億円と売掛増-64億円は主にセメント需要の期末集中と資源・環境の伸びに起因。減価償却705億円、減損損失253億円、持分法投資利益-19億円を加算。投資CFは-987億円で、有形固定資産取得1,010億円が中心。M&A関連で事業譲受-247億円、子会社売却-8億円を計上。投資有価証券取得-5億円、売却+39億円。FCFは155億円(営業CF1,142億円-投資CF987億円)と黒字を確保。財務CFは-268億円で、長期借入596億円による調達と短期借入増-9億円、長期借入返済-642億円、社債償還-150億円、配当支払-100億円、自社株買い-0.3億円を実施。現金は期首749億円から期末637億円へ112億円減少(為替影響-2億円含む)。
経常利益751億円と純利益254億円の乖離497億円は主に特別損益-306億円(特別損失328億円-特別利益22億円)と税負担176億円に起因。特別損失の8割を占める減損損失253億円は事業資産の収益性悪化に伴う一時的費用で、経常的収益力を反映しない。営業外収益116億円のうち受取配当金26億円、為替差益14億円は再現性あり、受取利息12億円は余剰資金運用で安定的。包括利益499億円は純利益84億円(非支配株主分含む)を大幅に上回り、その他包括利益は為替換算調整-43億円、有価証券評価差額+160億円、退職給付調整+97億円、持分法適用会社OCI持分+17億円の合計+231億円。有価証券評価差額の積み上がりはバランスシート含み益の改善を示す。営業CF小計1,298億円と純利益254億円の差1,044億円は減価償却705億円と減損253億円の非現金費用が主因で、実質的なキャッシュ創出力は堅調。アクルーアル(純利益-営業CF)は-888億円と大幅マイナスで、収益認識とキャッシュ回収のタイミング差は小さく、収益の質は高い。
2027年度通期予想は売上高1兆270億円(+14.3%)、営業利益760億円(+1.8%)、経常利益700億円(-6.8%)、親会社株主に帰属する純利益480億円(+89%)。売上は二桁成長を見込むが営業利益はほぼ横ばいで、営業利益率は7.4%(当期8.3%)へ低下する計画。経常利益は減益ガイダンスで金利負担増や為替影響を織り込むとみられる。純利益は特損一巡による大幅回復で、実効税率の低下も寄与。上期進捗は売上87.5%(当期8,984億円/通期予想1兆270億円)、営業利益98.2%(746億円/760億円)、経常利益107%(751億円/700億円)と高い達成率で、下期は増収減益を前提とする。EPSは430.1円(当期227.9円)と回復、配当は年間60円(当期100円)へ減配予定で配当性向13.9%と保守的な水準に設定。ガイダンスは原燃料・物流コストの高止まりと金利負担増を織り込む一方、価格改定・コスト削減・資源/環境の伸長を前提とし、特損の非再現性と粗利率改善の継続がキー。
年間配当100円(中間50円、期末50円)で配当性向43.9%(配当総額100億円/親会社純利益254億円の結果ベースでは39.4%、予想ベースでは43.9%)。前年配当は40円で+60円増配だが、来期ガイダンスは60円と当期比-40円減配を計画。自社株買いは0.3億円と軽微で、総還元性向は配当中心の約44%。配当支払100億円に対しFCF155億円でFCFカバレッジ1.55倍と自己資金で十分賄える。発行済株式数1.18億株、自己株式0.07億株で期中平均株式数1.11億株。配当利回りや総還元性向の複数年推移は不明だが、当期の大幅減益でも配当性向40%台を維持し持続可能性を示す。来期減配は利益回復を見極めた保守的方針で、投資と財務健全性を優先する姿勢。自社株買いは積極性に欠け、資本効率向上の余地あり。
流動性リスク: 流動比率99%、短期借入金1,585億円に対し現金637億円(現金/短期負債0.40倍)と、満期の短期集中で流動性は薄い。短期負債比率51.3%とリファイナンス依存が高く、金利環境の急変時に借換コストが上昇するリスク。商業手形260億円、社債・長期借入金の流動化分140億円を含む短期資金構成の是正が急務。
特別損失の再発リスク: 当期減損損失253億円の大半はセグメント資産(主にセメント事業248億円)の収益性悪化に起因。減損の主因が市況悪化や需要低迷なら、類似の資産に追加減損の潜在性あり。資産総額1.48兆円に対し減損額は約1.7%と大規模ではないが、マクロ環境次第で再発の懸念。
販管費膨張リスク: 販管費1,486億円(+9.3%)は売上成長+0.2%を大幅に上回り、販管費率16.5%(+1.0pt)と上昇トレンド。固定費増(人件費・IT投資・物流費等)が主因とみられ、売上伸長が鈍化すれば営業レバレッジ悪化で利益率が一段と低下する。来期売上+14.3%計画の達成と販管費率の低下が鍵。
収益性・リターン
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 8.3% | 7.8% (4.6%–12.3%) | +0.6pt |
| 純利益率 | 0.9% | 5.2% (2.3%–8.2%) | -4.3pt |
営業利益率は製造業中央値を+0.6pt上回り、収益性は相対的に良好だが、純利益率は減損影響で業種中央値を大幅に下回る。
成長性・資本効率
| 指標 | 自社 | 中央値 (IQR) | Delta |
|---|---|---|---|
| 売上高成長率(前年比) | 0.2% | 3.7% (-0.4%–9.3%) | -3.5pt |
売上成長は製造業中央値を-3.5pt下回り、トップライン拡大力は業種平均より劣後。
※出所: 当社集計
営業段階の収益力とキャッシュ創出の底堅さ: 粗利率24.9%(+0.7pt改善)、EBITDAマージン16.2%、営業CF1,142億円(純利益の4.5倍)と、コアの収益力とキャッシュ創出は堅調。減損253億円は一時的要因で、来期以降の経常的利益率への影響は限定的。資源・環境の二桁マージン(11.1%、11.3%)が主力セメントの採算低下を補完する構造。
流動性と金利負担の構造的課題: 流動比率99%、現金/短期負債0.40倍で流動性は逼迫気味。支払利息60億円(前年43億円、+40%)と金利負担が急増し、実効税率39.6%との二重負担でROE3.6%と資本効率は低位。短期負債の長期化と金利コスト最適化が財務改善の鍵。
来期回復シナリオと実現条件: 売上+14.3%、純利益+89%の来期ガイダンスは特損一巡が前提。販管費率の抑制とコスト削減、価格政策の浸透が営業利益の下支えに不可欠。CapEx/減価償却1.43倍の投資効果が売上拡大とマージン改善に結実するかが注目点。
本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。