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52142026 第1四半期プライムJGAAP

日本電気硝子(5214) 2026年度第1四半期決算 営業益18%減

2026年度第1四半期の売上高は751億円(前年同期比+0.3%)、営業利益は64.8億円(同-17.9%)。以下、セグメント別の増減要因とキャッシュフローを確認します。

建設・資材/ガラス・土石製品


クイックビュー

指標当期前年同期YoY
売上高¥751.0億¥748.5億+0.3%
営業利益¥64.8億¥79.0億−17.9%
経常利益¥89.7億¥61.0億+47.0%
純利益¥84.0億¥51.1億+64.3%
ROE(年換算)6.8%4.1%-

Executive Summary

本決算は増収減益であり、本業の収益力が後退した点が最重要ポイントである。売上高は751.0億円(前年比+0.3%)とほぼ横ばいだったのに対し、営業利益は64.8億円(同-17.9%)と大幅に減少した。一方、経常利益は89.7億円(同+47.0%)、純利益は84.0億円(同+64.3%)と大きく増加したが、これは為替差益16.5億円と投資有価証券売却益36.3億円という営業外・特別損益要因によるものであり、本業以外の一時的要因への依存度が高い。

業績変動要因

【売上高】売上高は751.0億円で前年同期比+0.3%とほぼ横ばい。ガラス事業単一セグメントであり、セグメント別の増減要因は開示されていない。売上原価は568.8億円(前年比+1.2%)と売上をやや上回るペースで増加し、粗利率は24.3%と前年の24.9%から低下した。

【損益】販管費は117.4億円で前年比+9.9%増加し、売上高の伸び(+0.3%)を大きく上回ったため、営業利益は64.8億円(同-17.9%)に落ち込み、営業利益率は8.6%と前年の10.6%から2.0pt低下した。営業外では為替差益16.5億円(前年は為替差損26.6億円)が計上され前年差+43.1億円の改善となり、経常利益は89.7億円(+47.0%)に伸長した。特別損益では投資有価証券売却益36.3億円を主因に34.6億円の純益となり、税引前利益は124.2億円(+67.6%)、純利益は84.0億円(+64.3%)に至った。営業利益段階では減益、最終利益段階では増益となる増収減益の決算であり、増益の実質は為替差益と有価証券売却益に依存している。

主要財務指標

【収益性】営業利益率8.6%は前年同期の10.6%から2.0pt低下し、粗利率も24.3%と前年24.9%から低下した。一方、純利益率は11.1%と前年6.7%から4.4pt上昇したが、これは為替差益および投資有価証券売却益による押し上げが大きく、本業の採算改善を示すものではない。【キャッシュ品質】現金及び預金は1058.3億円で前年の1207.1億円から12.3%減少し、手元流動性はなお厚いが減少傾向にある。【投資効率】年換算ROEは6.8%であり、有形固定資産3660.0億円が総資産の52.9%を占める設備集約型の資産構成のもとで、資産回転率の低さが資本効率の制約要因となっている。【財務健全性】自己資本比率は71.9%と高水準で、長期借入金537.2億円・社債100.0億円に対し現金及び預金1058.3億円が十分に上回り、財務基盤は保守的で安定している。

キャッシュフロー分析

キャッシュフロー計算書の詳細データは開示されていないが、BSの変化から資金動向を読み取ると、現金及び預金は1058.3億円で前年の1207.1億円から148.7億円(-12.3%)減少している。一方で有形固定資産は3660.0億円と前年の3606.6億円から53.3億円増加しており、機械装置及び運搬具が前年比+41.1億円と拡大していることから、設備投資に一定の資金が投じられたことがうかがえる。棚卸資産は508.2億円で前年の503.3億円から小幅増加しており、原材料・製品在庫の積み増しも資金を拘束している可能性がある。有利子負債総額は773.8億円と前年から概ね同水準を維持しており、財務活動面での大きな資金調達・返済の変動は見られない。全体として、現金の減少は投資有価証券売却による現金回収があったにもかかわらず、設備投資や在庫増加による資金拘束が背景にあると考えられる。

収益の質

当期の増益は経常的な収益力の改善というよりも一時的要因への依存度が高い点に留意が必要である。経常利益89.7億円の押し上げには為替差益16.5億円(前年は為替差損26.6億円で前年差+43.1億円)が寄与しており、営業外収支の改善が経常利益の増益要因の中心となっている。さらに特別利益として投資有価証券売却益36.3億円が計上され、これは親会社株主に帰属する純利益84.0億円の43.5%に相当する規模である。営業利益は前年比-17.9%と減益であり、本業の収益力は後退している一方、営業外・特別損益の押し上げにより純利益は+64.3%の増益となった。包括利益は156.5億円で純利益84.0億円を上回っており、その差異は主に為替換算調整額72.1億円の増加によるもので、海外資産・子会社の為替評価が包括利益を押し上げている。以上より、当期の利益の質は営業段階での悪化と非経常項目による押し上げが併存しており、今後は一時的要因を除いた本業収益力の回復が課題となる。

業績予想・ガイダンス

通期会社予想は売上高3200.0億円(前年比+2.8%)、営業利益330.0億円(同-3.3%)、経常利益330.0億円(同-12.6%)である。Q1実績の進捗率は売上高23.5%、営業利益19.6%、経常利益27.2%であり、営業利益の進捗は標準的な25%を下回っている。会社側も通期で営業利益・経常利益の前年比減益を見込んでおり、Q1の為替差益・投資有価証券売却益による押し上げが平常化することを前提とした計画とみられる。今回、業績予想・配当予想のいずれも修正はなく、通期計画は据え置かれている。

株主還元

通期配当予想は1株当たり160円であり、前年の70円(中間・期末合算前の参考値)から増額されている。通期EPS予想307.69円に基づく予想配当性向は約52.0%である。配当性向の算定は通期予想EPSと予想配当を用いた単一の定義に基づいており、配当のみを対象とした数値である。利益剰余金は4007.9億円と厚く、配当の原資となる財務余力は高い。なお自己株式取得の当期実施額は開示されておらず、配当と自社株買いを合算した総還元性向は算定していない。

リスク要因

  1. 本業マージンの悪化: 営業利益率は8.6%と前年の10.6%から2.0pt低下し、販管費の+9.9%増加が売上高の+0.3%増加を大幅に上回る逆営業レバレッジが生じている。稼働率・価格転嫁の遅れが継続すれば、通期営業利益計画330.0億円の達成に影響する可能性がある。

  2. 一時的利益への依存: 親会社株主に帰属する純利益84.0億円のうち、投資有価証券売却益36.3億円が43.5%を占め、為替差益16.5億円も経常利益を押し上げている。相場や売却機会が反転・剥落した場合、次期以降の利益水準が下押しされる可能性がある。

  3. 運転資本の拘束: 棚卸資産は508.2億円(前年503.3億円)、売掛金591.9億円と資産規模が大きく、現金及び預金は1058.3億円と前年から12.3%減少している。在庫・債権の回収サイクルが長期化すれば、資産効率と手元資金の推移に影響を与える可能性がある。

業種ベンチマーク(参考・当社調べ)

決算上の注目ポイント

  1. 本業は増収減益であり、営業利益率8.6%への低下(前年10.6%)が今回の決算における最重要の収益性課題である。販管費の増加率が売上高の増加率を大きく上回っている点が構造的な要因となっている。

  2. 経常・純利益の増益は為替差益16.5億円および投資有価証券売却益36.3億円の寄与が大きく、営業利益との方向性の乖離が生じている。利益の質を評価する際にはこれら非経常項目の影響を分離して捉えることが有用である。

  3. 通期営業利益計画330.0億円に対するQ1進捗率は19.6%と標準的な25%を下回っており、通期計画の達成にはQ2以降の本業マージン改善が焦点となる。会社側も通期で営業・経常利益の前年比減益を計画しており、当期Q1の非経常的な押し上げ効果の平常化を織り込んでいるとみられる。

理論株価(参考値)

シナリオ理論株価
bear(弱気)5,867円
base(基準)5,963円
bull(強気)6,031円
算出前提
1株純資産(BPS)6,726円
調整後予想EPS343.6円
株主資本コスト r9.27%(10年国債 2.77% + 株式リスクプレミアム 6.00% + 規模プレミアム 0.50%)
残余利益の持続係数 ω / 明示予測0.62 / 5年
想定配当性向52.0%
予想EPSの信頼度調整×1.117(同業種のガイダンス達成率実績に基づく)
implied PBR / PER0.89倍 / 17.4倍

感応度: 株主資本コスト±1%で 5,800円〜6,133円、ω±0.1で 5,937円〜5,979円。

注記:

  • 予想ROEが株主資本コストを下回るため、理論値は1株純資産を下回る水準になります。
  • 四半期末時点の純資産を使用しています(通期予想との間に期間のずれがあります)。
  • 純資産に非支配株主持分を含むため、理論値はやや高めに算出される可能性があります。

(算出モデル: 残余利益モデル(Ohlson型・明示5年フェード) / 金利基準月: 2026-07 / 公表データのみからの機械算出値であり、市場株価の予測や特定の投資行動の推奨ではなく、将来の株価を予測・保証するものではありません)


本レポートはXBRL決算短信データをAIが分析して自動生成した決算解析資料です。特定銘柄への投資を推奨するものではありません。業種ベンチマークは公開決算データを基に当社が集計した参考情報です。投資判断はご自身の責任において、必要に応じて専門家にご相談の上、行ってください。